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震災漁船建造   用 材 拂 下 十和田國有林から六千石

今回の津浪災害地に於ける漁船建
造用材拂下に關し過般野邊地に於
て三本木野邊地田名部の營林署及
地方側の協議會が行はれたが漁船
用材として特殊材は三本木營林署
管内にのみ多く殊に大量拂下とな
ると他營林署では供給する事は出
來ない状態であるので今回の拂下
には主として十和田の國有林から
伐木する事となり三本木營林署で
は連日調査をなし小漁船の材料と
してブナ、カツラ等約六千石、大
型發動機用材として尺二寸以下七
八寸角長さ十間或は三丈物より五
丈物等長尺のカツラ材六七百石總
計に於て建造船三百五六十艘分を
殆ど一手に引受ける事の可能なる
事の結果を見出し伐木を開始した
が大形漁船に用ふる長尺の角物を
取る用材の如きは十和田第一の稱
ある巨木ばかりで五月一杯に要求
の半分を運び出す事になつてゐる
が見事なものであらう。