震災地復興用材の 希望に應ずる方針 森營林局から 各營林署に通知
明治二十九年來の震災の厄に遭つ
た三陸海岸に於る家屋倒壞及び船
舶の破壞に依る被害は甚大なもの
で各縣共その復興に奔命して居り
森營林局へも復興用材供給方の
照會等が多數あり營林當局では多
忙を極めてゐるが、 森營林局で
は塲合が塲合であるから、震災地
の申出に對しては能ふ限りの便宜
を圖る方針で既に管内各營林署へ
復興用材の供給に就きなるべく震
災地の申出に應ずるやう通知を發
してゐるが、更に近日震災各市町
村に對し復興用材の必要ある塲合
出來るだけ希望に添ふやう務める
との見舞状を發する筈である。斯
く營林局としては復興材の注文が
あれば、なるべく應ずる方針であ
るものの、此の供給用材は丸太で
あるので從來の例より見て果して
民間木材業者より購入するよりも
利 であるかどうかは甚だ疑問で
營林當局でも當局より丸太を供給
するよりも業者側と打合せをして
製品を供給した方が良いではない
かと言つて居る又民業壓迫の聲が
出るかも知れぬが、今回の如き塲
合を考へる時營林局所有の製材工
塲が必要であらうと言はれてゐる。