救濟米代金償還 融 資 行 惱 む 有志本省に陳情
凶作救濟拂下米の代金は今年一月
から償還をなして居るが既報の通
り。
滯 納 額 は一、二兩月で
既に六萬圓に上り今後調定額が
加するに從ひ滯納額も多額に上る
見込である、而して各町村ではこ
れが代金支拂に充當する爲低利資
金の融通を要望するものが多いの
で九日縣では町村長會各郡分會長
を縣へ招致し意見を聽取した所、
總償還額二百十三萬圓の内百萬圓
の低資融通を乞ふことヽなり來る。
十二日北村、奈良川、守田正副會
長及び有志が上京し本省へ陳情す
ることヽなつた、而して右代金借
入に就ては縣で斡旋する筈である。
が拂下米賣却に當つては各町村で
現金賣をした所も非常に多く約
百 萬 圓 は各町村で既に
代金を回収して居ながら他の方面
主として土木事業へ流用して居る
ため町村自体の滯納が多いと見ら
れて居る、それが爲大藏省及び勸
銀からはこれに對する底資融通は
殆ど不可能と見られ簡易保險局或
は生命保險協會ならと一縷の望み
を持つて居る状態である。