震災地豫後備 招 集 點 呼 免 除 二十八日省令發布
(東京電話)去る三月三日の大地震
で甚大な被害を蒙つた三陸地方出
身の兵士が滿洲各地に出征して我
が生命線擁護の爲め活躍して居る
爲め陸軍を始め關係各省では深く
同情し凡ゆる手段を盡して救護の
方法を講じてゐるが殊に被害の最
も甚だしかつた。
▲靑森縣上北郡三澤村、三戸郡
階上村道佛▲岩手縣九戸郡久慈
町、種市外三十一ヶ町村、▲宮
城縣本吉郡全町村外二村
の各町村では地震に次ぐ海嘯に殆
ど全財産を奪はれ肉親との悲しい
死別を見る等慘憺たる打撃を受け
たに拘らず各町村とも復興の意氣
に燃え再建にいそしんでゐるので
陸軍ではこれら町村民の涙ぐまし
い奮闘に對し心を動かされ其再生
を一日も早からしむべく各種の方
法を考究中であつたが差當り之等
各町村出身の本年度豫後備兵の勤
務演習招集及簡閲點呼を免除する
事に決し二十八日省令を以て發表
した。今度の招集免除は戰時動員
を除いた凡ゆる招集並に豫後備兵
の勤務演習、簡閲點呼、未敎育補
充令の敎育招集、歸休兵の敎育招
集等の一切で復興の爲めに全力を
擧げてゐる在鄕軍人として一大福
音である。