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政経往来 津波より空白国会でやりあい

△…山崎知事は二十六日昼在京
の国会議員に津波対策の協力を
求めたが、知事選告示を控えて
「立つ鳥あとを
にごさず。最後
まで知事として
の責任を果たし
ます」といって
いた。知事は告
示後の来月七日
に辞表を出し臨
時県議会で同意を求める予定だ
が『忠臣蔵の浅野内匠頭もカミ
シモ、長バカマだったから吉良
を討てなかった。知事というカ
ミシモをつけていてはいくさは
できません』とはり切っていた。
△…一方津波を中心に一室に顔
をそろえた在京代議士たちは、
与野党に分かれ空白国会の責任
のなすり合いで国会討論会のよ
う。竹内氏は『社会党が会期延長
に応じなかったのは、慎重審議
の意思がない証拠だった。安保
を通したのは筋が違っている』
と強調。島口氏は出席したただ
一人の社会党議員として与党に
取り巻かれながらも『新安保強
行採決の責任を取って解散しな
ければ大衆が承知しない』とあ
くまでつっぱった。三浦氏は「解
散は十一月です。見ていてごら
ん、社会党代議士の総辞職論に
は動じません」と強調。そばで
山崎知事は「私もかつて解散を
主張した結果、困ったことがあ
った。やはり代議士は強気はや
めて、任期一ぱいやるべきだ」
と笑っていた。
△…津波が襲ってから県東京事
務所では、神尾所長以下職員が
対策運動の下準備に大わらわ。
二十六日夜おそくまでかかって
約七十部の被害状況書を作り関
係当局に送ったほか、二十七日
朝は都道府県会館入り口に「青
森県津波被害状況速報」と書い
て生々しい被害現場写真三十余
枚をはり出した。各府県関係者
はこれに足を止め、本件の早い
出足にびっくりしていたが、所
長以下職員は「災害が発生した
場合の活動にはもうなれっこ」
と変なところで鼻高々。

43億円にふくれる 本県の          津波被害

県でまとめた二十六日正午現在の津波被害は四十二億七千三百九十七万円となった。
△人、建物関係=一六、五九〇万
円△水産関係=二九三、五五一△
土木関係=五七、一〇九△農業関
係=九五一△林業関係五、七〇五
△商工関係=四七、六八一△その
他、五八一〇△計四二七、三九七

チリ地震津波 救援金を募集

今回のチリ地震津波は太平洋沿岸の広範な地域に惨禍をもたら
し、ことに三陸沿岸に大きな被害をもたらしました。本県でも
八戸市を中心に、三沢市、大湊田名部市、百石町、川内町、階
上村に多数の被災者を見たことは誠に同情に耐えません。
この際わが社は、青森県、日赤青森県支部、県市長会、県町村
会、県社会福祉協議会、陸奥新報社、デーリー東北社、ラジオ
青森の協力を得て、全県から応分の救援金を寄せていただき、
被害地へ送りたいと思います。なにとぞご賛同下さるようお願
いいたします。
募集要項
一、期間 六月三十日まで(救
援金額は制限しない)
一、配分方法 救援金は日赤県
支部内事務所で集計し、主催者
会議を開いて配分方法を決定、
処理したのち一般に公表する。
(配分は県内の被災者を対象と
する)
一、受付先 各主催団体の窓口
とする。
なお各新聞社取り扱いの分は、
紙上発表で領収証に代えます。
東奥日報社

災害お見舞

今般の津波災害、お見舞申上げます
一日も早く復旧されます様お祈り申
上げます。
昭和三十五年五月二十七日
トヨコンロ豊臣工業株式会社
名古屋市瑞穂区熱田東町呼続一ノ六

水害お見舞 申上げます

日魯漁業