配分に頭が痛い チリ津波の阿南に救援物資の山
チリ地震津波
で大被害を受
けた阿南市
は、各地から
救援金や物資
が山のように
送り込まれて
いるが、家庭
によって被害
程度が違うの
で、市の係員
が配分方法に
頭を痛めてい
る。
橘地区では
床上七百六十
五戸(三千三
百四十七人)床下九十四戸(四百
二十二人)見能林地区で床上六十
二戸(二百三十八人)床下百五十
九戸(六百十人)福井地区も床上
十五戸(八十人)床下三十六戸
(百八十六人)椿地区も床上十九
戸(百四人)床下四十三戸(百七
十六人)が浸水、計千百九十三戸
(五千百六十三人)が被害を受け
た。災害救助法が発動され、県、
日赤などから救援物資が届いたほ
か、市内外からぞくぞくと見舞い
金や食料、衣料、日用品などが送
られ、四日正午現在、現金五十四
万八百九十五円、カン詰め七千百
四十八個、乾パン千九百八十四
袋、しょうゆ千四十本などが山の
よう。消毒用薬品、野菜などの急
ぐものや、米、カン詰め、旧軍用
シャツ、ズボン下、クツなど分配
のしやすいものは、婦人会、地区
民生委員に協力してもらって被災
家庭へ届けたが、まだ市役所裏の
水防倉庫と橘支所には約三分の一
が居眠りしている。日赤、新聞社
などが二十日ごろまで受け付ける
ので、それを持って一括配分しよ
うというわけだ。
ところが届けられた物資は、古
い松葉ヅエからマンガの本、赤ち
ゃんの着物、老人の下着まで千差
万別、どこへどれを贈ってよい
か、家族調査してみないときまら
ない。しかも被災者側も床上、床
下浸水の差があるだけでなく、被
害の程度も全部違っている。不公
平のないよう分配するにはなみた
いていでない。
近く市の関係課長、地区民生委
員、市議らで配分委員会をつくっ
て被害地区に分けることになる
が、被災者のほとんどが「自分が
一番大きな被害を受けた」と思い
込んでいるので、せっかくの救援
物資が物議の種になりはせぬかと
心配するむきも多い。
沢田阿南市長の話 「各地区か
ら見舞いの金や品が贈られ、感謝
にたえない。みんな暖かい心の
こもった品々だから、適正に分配
して好意に答えるつもりだ。近く
配分委員会をつくって分けるの
で、被災者もみんなでそろって立
ち上がるという広い気持ちで受け
取ってほしい」
津波災害御見舞い
4日本
社寄託
【徳島市】三千百五十円 徳大医
学部専門一年一同▽五千五百円
南部中学校生徒会▽二千八百六十
四円・衣類・学用品 沖淵小学校
民生委員会▽七千六十七円・ラジ
オ・衣類・学用品 徳大付属小学
校児童会▽衣類三包 八百屋町三
シルバー編物研究所徳島本部▽衣
類一包 徳島中学校・田村智子、
住友貞子、国方まさ子【小松島
市】一万二千二百十三円 小松島
中学校生徒会【板野郡】三千六百
円・衣料品 阿北高等学校家庭ク
ラブ【その他】衣類・日用品一箱
桧垣庸。