宮 城 縣 知 事 本 社 に 慰 問 謝 禮
三邊宮城縣知事は本社の震災慰問
金謝禮のため廿二日午後本社を訪
れ高石主幹、 岡崎總務、 伊藤内國
通信部長等と面接、 罹災地に對す
る應急施設並びに今後の對策等を
開陳した
太平洋學術會議に 異彩ある發表 音波、言語、人種關係=小幡博士 権威十五氏を派遣
日本及び米國を中心に太平洋に關
係ある十數ヶ國の學者を網羅し世
界の權威とされてゐる太平洋學術
會議は本年六月一日から二週間、
カナダのヴアンクーヴアーで第五
回大會を開催するが日本から
派 遣 する學者については
日本學術研究會の總務部會で詮衡
中いよ々々左の如く學術研究會か
ら九氏とその他からの推薦六氏を
决定した
◇學術研究會から旅費を支給する
分▼地質地理學關係=九大敎授
山根新次、京大敎授槇山次郎▼
生物學農學關係=東北帝大敎授
畑井新喜司、金澤醫大敎授古畑
種基▼常任太平洋學術調査委員
=海軍省水路部々員小倉伸吉▼
工學無線電信學關係=東大敎授
鯨井恒太郎▼天文學地球物理學
關係=中央氣象台技師藤原咲平
帝國學士院會員(今村明恒)▼物理
學關係=航空研究所員小幡重一
◇その他から推薦の分=朝鮮水原
高等農林敎授植木秀幹、台北帝
大敎授平坂恭介、商工省技師千
谷好之助、京大助敎授藤田義象
林業試驗所技師杉浦庸一、東大
棏坪井誠太郎
な ほ 會議には派遣代表以
外に一般學者から約百種の研究論
文が送稿されてゐるので、これが
發表と相俟つて代表學者の論陣は
各國學界を畏服せしめるものと思
はれる各代表の研究はいづれもそ
の專門について太平洋に關係ある
ものだが、諸學者の中で特に異彩
を放つてゐるのは航研の小幡博士
で元來飛行機の騒音とその防止に
關する研究に携はつてゐるが、そ
れから入つて音波と言語と人種と
いふ興味ある探求を行つてゐる
その方法は人間の音聲、言語に
よつて唇、口腔、聲帶の振動す
るのを喉に
吊 し おろしたオモリ付
きの鎖の振動で測量しこれをX
線寫眞にとり、また音波で針を
振動させて曲線を描かされると
いふ二つの方法により
言語、音波のそれ々々異なる性質
を形に現し日本人は他の人種と異
なつたどんな音波を持つてゐるか
を明らかにしたもので言語學、人
類學の上からも多大の注目をひい
てゐる
少數だが粒揃ひ
櫻井錠二博士談
代表詮衡に當つた日本學術研究會
長櫻井錠二博士は語る
今回は會議の人員を限定して來
たので、いつもより少數だがそ
れだけ代表は粒選りで專門にか
けてはみな日本學界の權威者で
ある、しかも研究に油の乘り切
つた少壯學者が多い、それ々々
特色ある研究の結果を持つてゐ
るから、各國に伍して大いに活
躍を期待してゐる