宮 城 縣 報
雜 報
文 苑
丙申淸暑賜假一日。將游松島。倚裝拜閲。
略註數言志佩。
用越山法相韻賦時事。似鐵軒竹南栗軒三
詞伯。盖三君親巡視嘯災地者。
今泉 篁洲
濁浪滔天何處憑。海雲窈黑愁鯤鵬。可憐傷疾人三
萬。解熱難求一掬氷。
怒濤狂暴鋭於矛。驀地捲來東奥州。昨夜繁絣何處
子。?欄朱閣忽荒邱。
滿目荒凉鬼哭秋。漁耕無復執鋤矛。人烟望斷荒沙
路。白浪無心打岸流。
凄慘光景。往來耳目。中作三四婉轉出之。却覺
無限悲惻。 軟 生 妄
明治廿九年六月十五日わか本吉桃生牡
鹿あたり海嘯のわさはひにかかりぬ其
折節みきくかまに々々おもひつつけた
る歌とも 毛利 義保
老 人 の 昔 か た り に き き た り し
其さま今は目の前にして
沖津波よせてかへらぬ蜑か子の
魂のゆくへやいつこなるらん
すまふへき家はたふれて露の身の
置處なくなるかあはれさ
玉鉾の道の假廬かりそめの
ゆめも結はす幾夜へぬらん
時の間に米も黄金も失ひつ
けふの夕けをいかにとかせん
身も消る心地なるらん子に後れ
つまを先たてなからふる人
たふれふす家かきわけてなきからの
ありかたつぬる人のかなしさ
人皆の深き惠みをかりのいほに
むすふ夢さへやすき御代かな
大 君 の 大 御 使 の 御 車 の
ひひきに浪もしつまりやせん