災害救済追加予算案 全会一致可決さる 衆議院予算総会(二十四日)
三陸地方災害救助経費を審議すべき衆議院予算総会は二十四日午前十一時開会、
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一、(第二号)昭和八年度歳入歳出総予算追加
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一、(特第二号)昭和八年度各特別会計歳入歳出予算追加案
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一、(追第二号)予算外国庫の負担となるべき契約を為すを要する件
の三案を一括して議題に供し先ず高橋蔵相より説明あり直ちに討論に入り
小野寺章君(政友)
三陸地方災害の現状に鑑み本案に賛成するが復旧に重きをおき復興の経費を殆ど計上していないのは遺憾である、同地方における凶作並に金融梗塞の状態に顧みて政府において是非とも復興計画を速かに樹てられたい、又低利資金については吾々は一千万円以上の融通を望んでいるがこれ等に対しては政府の言明を得たい
工藤鉄男君(民政)
具体的希望については小野寺君同様である、本案について満腔の賛意を表する
高橋寿太郎君(■同)
本案に賛成する、尚復興事業について努力されん事を望む、又この際に当り今回の災害に当り政府民間及び各団体新聞等の速かなる救援を深く感謝する。
高橋蔵相
今回の予算は主としては旧事業と低資融通に力を注いだが時局匡救費も出来るだけ同地方に廻したいと考える、復興事業には調査を要するので十分の経費を計上出来なかった、低資融通についても利子補給を要する分は既に百八十九万円で預金部と仮契約をなしている、その他の利子補給を伴わない分については出来得る限り調査を急ぎ要求に応じたい考えである
次いで採決に入り全会一致を以て可決同三十八分散会