内務省要求の 災害復旧費県別
陸地方震災報告に対し内務省が大蔵省に要求した災害復旧費四百二十万円の県別左の如し
宮城県 九十万円
岩手県 三百二十八万円
青森県 二万円
(整備費及び救護費のみ)
北海道 二百四十円
(住宅資金貸付額 九千円に対する利子補給額)
なお大蔵省預金部に要求する住宅資金土木資金その他の低利資金融通額は合計約三百万円に上る見込みである。
震災地方商工業 救済資金総額 商工省九十七万円要求
商工省は三陸地方震災復旧費に関する追加予算として同地方中商工業者救済資金総額九十七万余円を計上して大蔵省に要求した。
復旧及び 地震研究費 文部省要求の内訳
三陸震災復旧費及び地震研究費に関する文部省の八年度追加予算は十八日文部、大蔵両省間に左の如く決定した(単位千円)
一、三陸震災地学齢児童就学奨
励費 四六
一、欠食児童給食費
二〇
一、学理的地震研究観測費
一〇
一、中央気象台地震観測費 五
なお右の外七年度実行予算上の増加に依り三千八百円を地震研究費に振向ける事になった。
震災電話 電話復旧費 逓信省五万円 を正式に要求
逓信省では三陸地方震災のため左の如く七年度追加予算を計上十八日正式に大蔵省に要求した、
一、三陸地方震災による電信電話復旧費 五 万 円
農会の打撃相当大 三陸地方震災被害地視察を終えて 帝国農会島津副参事談
帝国農会から派遣されて約二週間に亘って三陸震災地方を視察中であった同会副参事島津秀蔵氏は十八日帰京したが、同氏の調査報告によれば
今回の震災地は沿岸地方で住民は多く半農半漁を業とするものであるから農業上の被害は比較的広汎でなく済んだが、被害の直接原因が地震というよりは津浪であるため被害地について見ればその打撃は深刻で表土まで洗い去られた地方が少くない、又今日の被害地方は昨年の水害一昨年の凶作からは辛くも免れた地方であるが、二年に亘る災害のため東北各銀行の破綻から各種公共団体が疲弊している際とて復旧に著しく困難が感ぜられている、今各県別被害状況を示せば次の如くである
宮城県 四郡十七ヶ町村
家屋 流失二一六戸、倒壊一一五戸、浸水五六二戸、合計八九三戸
耕地 田一八一町、畑一〇八町合計二八九町
家畜 馬三十一頭、豚三頭、鶏二百羽、金額二千六百十円
貯蔵穀物 米一、、一三六俵 ■一〇五〇俵、豆三七〇俵、馬鈴薯四〇六俵
農具 一戸当約一五〇円、総額二万六千二百五十六円
農舎 倒壊一二五戸、流失一九八戸、合計三二二戸、損害■高三万三千二百六十円
岩手県 四郡六ヶ村
家屋 流失二六二四戸、倒壊九〇〇戸、焼失五八戸、浸水二一五五戸、合計五七四〇戸
耕地 田三九二町、畑七八〇町合計一一七二町
作物 大小■その他計三九五町
金額十万六千円
その他農舎、農具、家畜の被害頗る多くそれ等のみで約三百万円と推算されている
青森県 三郡一市十ヶ村
流失、倒壊、浸水家屋計二〇一戸、流失破壊船舶四三九艘、小麦畑被害十町、流失馬鈴薯趣旨一七二〇俵、死亡馬豚計一〇二頭、損害計三十万円
右の如き被害に対して被害地農舎では県当局と協力して種子の無償配布、耕地復旧及び栽培指導等に努めているが、今回の被害地が半ば農業に従事し■金収入多くこれ等農■の財政意地に■って力あった地方だけに農会に対する打撃は農地被害の割合に比して大きく中央もこの点について頗る憂慮し、全国■会より義捐金を募集するとか、被害地農会技術員■国庫補助を■呈するとかして被害によって生じた農会経費の不足、県補助の減■等を■い農会活動に支障なからしめようと目下考究中である
震災防除の 特別委員会 内ヶ崎代議士首唱となって 議会後も政府に運動
既報、震災被害防除に関する問題は内ヶ崎代議士が首唱となって、なるべく今議会中に成案を得■議案として提出すべく講究中であったが、建議案提出期は三月十七日限りで既に時期を失したので■■を得ず松岡俊三代議士の雪害予防に関する特別委員会設置の前例にならい該問題は議会終了後に政府の諒解を求め特別委員会■■に向って新たに諒解運動に着手する予定である、而して震災被害は単に三陸とのみ限らざるも、三陸地方は特に続々として地震があり被害また多く、同地方の人心ために安定せざるを以て主として三陸を中■と■る意味を含ませ国内における震害防除に関し政府に適当なる方策を■てて貰いたいというのが運動の真意である。