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十五浜村雄勝浜  愈よ部落を移す   旧集治監跡に約百戸位建設    海面より廿尺の高地

桃生郡十五浜村では海嘯惨害住宅地復興については過般来慎重研究中であったが、県当局でも絶対危険な海岸の窪地に住宅を建設することを戒しめ、それぞれ復興委員を任命して善後策を講ずるところあったが、去る二十四日これが第一回委員会を雄勝役場に招集し、遠藤県技師、鈴木飯野川署長、成澤村長その他出席親しく熟議を重ねた結果、もっとも戸数が多く、海嘯被害を深刻に蒙った雄勝浜は従来の宅地を完全に見限り雄勝浜と明神部落の中間にある旧集治監跡七千坪に新らしい住宅を建築する事になったが、大体同地に約百戸位の市街地を出現することになったが同敷地は海面より約二十尺の高地にあるので海嘯被害は絶対に免れる事が出来ると、その他の死の部落となった荒浜や名振、船越の三部落も近く関係委員が実地踏査の上適当な新らしい住宅地を選定することになった、なお同村の住宅建築費は一戸当り五百円、宅地購入料として百八十円づつを県から借り受ける方針であると。