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各派賛意を表し  震害復旧事業費成立す   総額二百七十二万円    宮城県臨時県会第二日【六日】

宮城県臨時県会第二日は震嘯災害復旧事業費二百七十二万円を議了すべき日程の下に六日午後二時三十分開会、劈頭
富田広重君(大成会)登壇、同志と共に提案全部に対し賛成の意思を表示すると、前提し
 去る三月三日夜半の震嘯は太平洋岸を襲い、本県下本吉、桃生、牡鹿、亘理の沿岸に甚しき被害を与えた、而も求め得べき物資のみでなく、求め得ざる人命まで侵した、
と美辞麗句をもって、災害発生以後の天下の同情と、関係当局の努力を感謝し、復旧事業計画とその経費追加予算として提案されたものはわれ等同志の要求と合致するもので、議案に対し何等質疑の点が、満場の賛成を求めると同時に、緊急事業の実施を希望すると結ぶ、続いて
松山平兵衛君(清和会)登壇同志を代表して議案全部に対し賛成する、今回の震嘯災害復旧事業の計画は、時宜しく正鵠を得たもので、予算の内容は多額の国庫補助と国庫補給金を基礎とし他は低資を充てたもので苦心と努力に対し謝意を表す、
と上京中の運動状況を詳述した後工事執行に対し復旧は復興を加味し、各町村に割当ての平衡を期し資金貸付は将来に悔いを残さざるよう、更に今回の工事労銀による自力更生の途をはかり、精神的作興の注意と、工事執行の速かならんことを希望して結ぶ、次いで、
今村治三郎君(中立登壇
 議案に対する協賛の意思は前に述べられた方々と同じであるから繰り返さない、ただ予算の内容は今回の災害に現われた表面のみを見た計画でないかと思う災害表以外にも悲惨なものがある、これ等に対しても救済の途を希望する、但し本予算に対しては全然賛成である。
と各派代表者の賛成演説が終るや北村君の動議で二議会に入り、次いで三議会を省略確定議とし、二百七十二万余円の震災復旧事業費は質問なしに各派代表の賛成演説で成立し、午後三時十五分休憩となる、