日教組盛岡大会幕あけ 勤評問題など論議 被災地へのカンパ決める
【盛岡】日教組の第二十二回定期大会は二十九日から盛岡市体育館で幕をあけた。この大会は安保阻止大会の頂上的盛り上がりの時期
に開かれ、日教組の組織点検が当面の勤評、専従制限問題のため、どれだけ結束を強くされるかという点で注目されている。
大会は初日から六月四日の安保阻
止統一行動に関連して、会期を五
日から四日に短縮する提案が執行
部から出され、これを圧倒的多数
で承認されたが、そのため日程の
組み方が崩れ、大会のヤマである
役員改選問題がいつ現われるかに
よってなお会期の延長も予想され
ている。この日とくにチリ津波被
災救援のため執行部から緊急提案
が出され、全組合員二十円カン
パ、全家庭から被災地に対する教
科書、学用品などを贈る案が出さ
れ、また死者に対する黙とうが行
なわれた。
大会は午前十時代議員総数四百
八十人のうち四百二十一人が出
席して成立、はじめに議事運営
常任委員に岩手県教組千葉直代
議員ら八人を選び、ついで議長
団には小田一夫(岩手)、加藤郁
(東京)、永木正光(兵庫)、岡本
清(広島)、江口泰助(長崎)の
五氏を選出。ここで槙枝書記次
長が会期を短縮する提案をし
「安保の自然成立を阻止する全
国統一行動を盛りあげるため、
全代議員は参加しなければなら
ない。少しも早く職場に戻るた
めこの大会でとくに審議を精力
的にしたい」と説明、議事のう
ち賃金、綱領問題などの案件を
次回回しとすることを明らかに
した。
これについでただちに反主流派の
三重代議員から「提案もしない案
件を次回に回す考えはおかしい。
会期をはじめ五日に予定、ついで
三日、さらに四日と改めた執行部
には定見がない」と批判が出たが
中立派の東京から賛成論が出され
挙手採決でほとんど満場一致で承
認された。このあと地元阿部知事
(柏木労働部長代理)、山本盛岡市
長らの歓迎あいさつに続いて、小
林委員長が立ち安保問題を強調し
てから、日教組内部の派閥問題に
ふれ「一部過激な指導者によって
組合が離反するという悪意の宣伝
は粉砕しなければならぬ。ここに
集まった代議員が五十万組合員の
代表であり、ここで決めたことが
その方向であるよう最大の努力を
する」と延べた。ついで来賓の社
会党加藤勘十、共産党岩間正男、民
社党曽■益、東大教授宗像誠也氏
研副委員長、総評太田議長ら十人
が祝辞をおくり、いずれも安保問
題を語って絶対阻止と保守政権打
倒を叫んだ。
大会はこのあと、高知県勤評不
提出問題で免職された宮本室戸
高校長ら四人の「戦い宣言」が
あったため日程がかなりおくれ
午後一時四十分一たん休憩、一
時間後再開して宮之原書記長
の経過報告にはいった。同書記
長は安保阻止の国民共闘会議が
この一年間で大きく伸びたこと
を中心に安保闘争が勤評闘争に
つながるものとして全国統一行
動と、岩手、高知、福岡県など
における評定書不提出活動を
高く評価し、戦いの中に組合の
前進があったと認めた。これに
ついて香川、京都、岩手、青森
の各府県から質疑があった。
このあと午後六時執行部のチリ津
波に対する義援カンパの緊急提案
アイク来日阻止、六月四日の安保
統一行動、同二十五日教科書統制
に反発する全国統一“教科書研究
集会”の開催などを含む当面の闘
争に関する提案を行ない、また地
方提案として福島県から平、松川
事件被告の援助、東京からメーデ
ー事件被告の支援、大会中に盛岡
市内をデモ行進するなど議題が提
出された。
午後八時ころ提案に対する質疑
を終え議事にはいった。三十四
年度決算などを承認、三十四年
度戦いの教訓は前日の各専門部
会経過報告と同様に説明を省略
し、三十五年度運動方針案の説
明を鈴木副委員長が約五十分に
わたり行ない、最後にチリ地震
による津波カンパ案を承認、同
九時過ぎ大会第一日を終わっ
た。
チリ津波被災者に義援金を 全日本盲人大会で決める
【福島】第十三回全日本盲人大会
最終日の二十九日は、午前九時半
から福島市公会堂に六百余人が集
まって開いた。石原自治庁長官の
祝辞のあと、盲人の雇用法の制定
促進、福祉年金の大幅増額などを
決めた。また緊急動議として東北
・北海道に大きな被害をもたらし
たチリ津波の被災者に義援金を贈
ることを大会名で決めた。
津波被災地義援金 29日受付分(敬称略) 日曜返上し街頭へ 雨にもめげず“愛の募金”
“被災地に愛の手を”の募金運動
は日を追って盛んになっている。
小雨の二十九日も日曜日というの
に十五万余円が本社に寄せられた
仙台の街頭では小学生や郵便友の
会の学生たちが声をからし、民社
党宮城県連も街頭募金で集まった
五万二千百八十七円を寄託してき
た。また仙台市七郷地区では災害
救済募金班をつくり、この日から
戸別訪問を始めるなど、町も職場
も救援の愛の運動でぬりつぶされ
ている。
本社扱い
五十円(仙台市宮
城野町)永井小児
科医院▽二千円(同市新坂通)北
部地区子ども会一同▽三千九十四
円(同市)北匠会仙台支部会員一
同、代表杉田正雄▽一千円(同市
大町頭)丹野三五郎▽二千百三十
三円(同市)上杉山小六年一組、大
和田由美子、亀井陸子外三名▽三
千八百九十円(同市長町西浦)結
城病院職員一同▽五万二千百八十
七円(同市東三番丁)民主社会党
宮城県連合会▽一千六百三十円
(同市元寺小路)大和運輸従業員
有志▽三千円(同市南五十人町)
母の会▽三千円(同市花京院通)
第一自動車タイヤ販売株式会社▽
一千六百五十二円(同市東一番丁)
近江屋布団店従業員一同▽一千円
(同市南染師町)千田剛▽五百円
(同市北材木町)小川彩子▽二百
六十四円(同市北五番丁)仙台市
立女子高校三年一組一同▽七千二
百円(同市長町八幡前)東北特殊
■労働組合▽一千三百五十円(同
市東二番丁)河北新報編集局副部
長会▽一千円(海上自衛隊横須賀
教育隊)工藤幸喜▽三百円(宮城
県亘理町吉田)大河原せつ子▽二
千六百円(仙台市北一番丁)伊藤義
郎事務所従業員一同▽一千円(同
市)赤十字病院二〇五号室一同▽
一万四千十円(同市宮町)中部地区
▽二百五十円(同市原町南ノ目)佐
藤昌子▽八百三十円(同市薬師堂)
森島道子▽五千円(同市元鍛冶丁)
親睦会▽百円(同市)無名氏▽七
千四百五十四円(同市)郵便友の
会特別会員グループ杜南会▽一千
円(同市良覚院丁)伊藤千代子▽一
千五百円(同市原町苦竹)桃野産婦
人科看護婦一同▽一万五千円(同
市新伝馬町)中央通連合会▽一万
円(同市新伝馬町)仙台繊維小売
商組合▽二千五百円(同市東九番
丁)栽松院檀■徒役員有志
【角田通信部扱い】二千円(角田
市田町)小川病院互助会
【相馬通信部扱い】一千円(福島
県相馬郡新地村)三宅康
計 十五万四千四百四
十円
累計 三百二十四万二
千百七十三円
国税庁長官通達「昭和三十四
年直法一−一六四」によって
この寄付金は指定寄付金とな
ります。