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チリ津波被災者へ救援の手  政府・金融機関の具体的措置 つなぎ融資に二億円  東北財務局 相談所の開設も指導

チリ地震津波の被災者対策として、大蔵省を各金融機関はいち早く金融面の措置を
協議、被害が予想以上に大きいので、いずれも思い切った救済対策をきめ、目下
責任者を被害地に派遣して実情を調べているが、特別融資などの緊急措置が今週
中にも動き出す見通しである。いままでにきまった主な金融対策をまとめてみた。

復興資金の ワク緩める 大蔵省

差し当たり資金
運用部資金によ
るつなぎ融資で応急復旧工事や災
害救助に必要な資金を手当てする
このほか税法、金融の料措置を講
じる。この方針に基づき同省は二
十四日、東北財務局に二億円のつ
なぎ融資を準備するよう命じた。
 ▽税法上の措置=①住宅や家財
などの被害が五〇パーセント以上のとき年
所得五十万以下のものはことし一
月一日から徴収された源泉所得税
を戻し、今年度中の徴収を猶予す
る。八十万円以下のものには、所
得税の五〇パーセント、百二十万円までの
ものは同じく二五パーセントをそれぞれ軽
減する。また五十−八十万円の所
得者は、こんご6カ月間、八十−
百二十万円の所得者は同じく三ヵ
月間、それぞれ納税を猶予する。
②住宅や家財の被害が五〇パーセント未満
の時は、損失額と所得金額との一
割との差額をことしの所得から控
除する。ことしの所得で控除し切
れない分は、来年以降三年間にわ
たって繰り返し控除ができる。
③法人の損失額は、税法上損金に
算入するが、欠陥が出た時は、五
年間繰り越し控除ができる。
 ▽金融措置=①被害者に対する
融資相談所の開設や、貸し出しに
対する調査を簡単にするよう関係
財務局を通じて指導する。
②金融機関資金融通準則をゆるめ
旅館などの不要不急事業に対して
もできるだけ復興資金を貸し出す
よう便宜を与える。
③保険料の払い込みも猶予する。
通帳なしで
も払い戻し
各県地銀協会
①預貯
金払い
戻し=被災者が預貯金通帳、印鑑
をなくした場合でも、預貯金者
であることが確認さえできれば、
払い出しに応じる。提出印鑑をな
くした場合はボ印でもよい。
②貸し出し=事情によっては応急
生活資金を限度として定期預金、
定期積金などの期限前の払い戻し
にも応じる。またこれらを担保と
する貸し出しにも応じる。
③汚れたお札はどこの金融機関で
も引き替える。
④国債をなくした場合は、日銀支
店または代理店に相談すること。
⑤手形の期限延長=郵便の遅れな
どによる期日経過後の手形の取り
扱いを認める。また被災に基づく
不渡りに対しては、とりあえず六
月十日まで取り引き停止を延期。
⑥復旧融資=農林漁業金融公庫、
中小企業金融公庫、住宅金融公庫
に対し、代理貸しのワク拡大を要
求する。また中小企業信用保険公
庫の信用保証のワク拡大を求める
無担保で小
口貸し付け
中小企業金融公庫
片岡同公庫理事が東北、北海道の
両地方を調査中だが、二十六日、
次の方針をきめた。
①従来の台風、大火などの災害融
資を取り扱った経験に基づき、支
店、代理店の全機能を動員して万
全を期する。
②公庫資金融通については、ワク
を設けず、実情に応じて弾力的に
取り扱う。とくに物品販売店など
の中小企業については、一件百万
円以下の特別小口貸し付けを活用
してもらい、代理店が承諾すれば
無担保でよい。
③第一・四半期(四−六月)分の
一般貸し出し資金として各代理店
に配布ずみのもののうち、手元に
残っているものは、災害復旧融資
に優先的に振り向ける。
④必要に応じ、第二・四半期(七
−九月)の貸し出しに予定してい
る資金を繰り上げて融資するよう
大蔵省と折衝する。さらに足りな
ければ、政府に補正予算を要請す
る。
⑤被災地方の政府関係金融機関と
緊密に連絡し効果的に資金が被災
者に貸し出されるよう配慮する。
⑥公庫資金の既利用者で被災した
ものの元利償還については、期限
延長などの便宜をはかる。
融資ワク、
条件を緩和
農林漁業金融公庫
まだ具体的な融資方法は決まって
いないが、東方支店の話によると、
伊勢湾待遇の場合に準じた融資ワ
クの拡大と条件緩和が考えられる
という。融資ワクがどれだけにな
るかは国の特別立法措置が決まっ
た後でないとわからないが、本年
度の東北支店の融資ワク約九十億
円の中で災害関係を優先させるな
ど内部操作をしてつなぎ資金の確
保につとめる。条件緩和としては
①すでに貸付けしているものには
実情に応じて据え置き期間の延長
②年賦金の支払い方法の変更。
③漁船を新造するものには償還期
限を二年すえ置き、利息(普通七
分五厘)は据え置き期間六分、そ
の後は六分五厘に引き下げる。な
どが考えられている。
復興、特別
で貸し付け
住宅金融公庫
六月一
日から
八月三十一日まで災害復興住宅資
金と災害特別貸し付けの二種類の
融資に応じる。貸し付け条件にあ
てはまる場合はワクを設けずに貸
し出す。同公庫の各代理店を通じ
て申し込みを受けつける。
 ▽災害復興資金=新築と補修の
二種類あるが、資格は①被災直前
の建物の価格の二割以上の被害を
うけ、住宅部分がその建物全体の
半分以上ある家屋の持ち主、貸借
人または居住者。②借り入れ金の
償還元利月額(二千円から三千円
程度)の六倍以上の月収があって
償還の見込みが確実なこと。③確
実な保証人があること。貸し付け
限度は一件三十万円まで、貸し付
け利率年五分五厘。十八年払いだ
が希望により三年以内の据え置き
に応じる。また被災直前の建物の
価格の二割以上五割未満の被害額
の場合は、一件四万円以上十五万
円以下の補修資金を貸し出す。利
率年五分五厘、十年払い、一年以
内の据え置きに応じる。
 ▽災害特別貸し付け=被災者で
自ら住居するための住宅の建設者
に貸し出す。一戸当り三十平方メートル
(九坪)以上百平方メートル(三十坪)
以下の住宅の居住者で①住宅部分
は三十平方メートルから五十平方メートルまで
②土地は一戸当たり百六十五平方
メートル(五十坪)まで。③住宅、土地
とも公庫がきめた標準額の七五パーセント
以内。④年利五分五厘。⑤返済は木
造、防火構造は十八年以内。簡易
耐火構造二十五年以内、耐火構造
三十五年以内。⑥元利均等月払い。

全漁連など に積極融通 農林中央公庫

二十四
日、東
京本部で緊急役員会を開き、次の
5項目の対策をきめた。
①貯金払い戻し金の確保=単協、
信連の貯金払い戻しについては、
簡単で手早く行なわれるよう全面
的に応援する。災害関係資金調達
のため、定期預金の期限前解約の
要請があればただちに応ずる。こ
のさい利息は定期預金の利息をつ
ける。
②全漁連などに対する応援=全漁
連、県漁連などの災害関係物資、
たとえば魚油などに緊急手配に必
要な資金は積極的に融通し、事業
が円滑に行なわれるように応援す
る。
③復旧資金などの積極的融通=農
地、水産施設などの災害復旧資金
については、政府、農林漁業金融
公庫などの施策に応じて積極的に
融通する。
④つなぎ資金の特別融通=天災法
による災害資金、自作農維持創設
資金、政府融通資金、災害関係各
種補助金などのつなぎ資金は、積
極的に融通する。この場合、信漁
連資金は日歩二銭三厘を二銭一厘
に、それ以外の資金の二銭四厘は
二銭二厘にそれぞれ二厘下げる。
⑤既貸し出し金の条件緩和=被害
状況などにより、返済期限の延長
などを認める。

返済の猶予も 国民金融公庫

同公庫
の融資
を受けているものが被害者である
場合は元利の返済期間を三−六ヵ
月猶予する。応急貸しつけとして
被害者には元利の返済を六ヵ月間
据え置き、貸しつけ期間を二、三
年から四、五年延ばす、との方針
を決めた。

最優先で融資 商工組合中央金庫

緊急対策をたてるため、東北は水
野■理事(元仙台通産局長)が二
十五日から二十八日まで青森、岩
手、宮城の三県を視察する一方、
同金庫本所で全国の被害集計を急
いでいる。さし当たり次の対策を
きめ全国各支店に通知した。
①災害復旧融資は、各種資金に最
優先して取り扱うこと。
②取り引き先の被害状況と復旧資
金需要見込み額がわかり次第、本
所で十分な資金を手当てする。

津波による御被害に対し  心から   御見舞を申し上げます

日頃ご愛用を頂いておりますスズキのオートバイの被害は如何
でしたでしょうか
スズキの代理店、特約店ではコレダ、スズモペット、セルペッ
トが一日も早く皆様と共に力強く活躍して頂けるよう全力を尽
くしております 今すぐご相談下さいませ
 昭和三十五年五月二十七日
  鈴木自動車工業株式会社仙台営業所