津波被災地義援金 20日受付分 (敬称略)
【本社扱い】▽二百円(山形市)
山形大学一学生▽一万円(仙台市
常盤丁)宮城各種学校連合会加盟
校一同▽一千円(仙台市)一主婦
▽二千四百円、熊本県なぎなた連
盟会員一同▽二千四百円(秋田県
羽後町)明治小学校児童会▽一万
円(仙台市東一番丁)仙台寿司薬
組合
【気仙沼通信局扱い】▽三百三十
円(気仙沼市新城中学一年)星野
さち子、吉田博子、小山昌子、小
野寺幸子、西城愛子、*野千賀子
*野貴美子、小野寺いね子、熊谷
はじめ、*条浪子
【古川通信局扱い】▽一万二千八
百五十一円、古川商高職員生徒一
同▽三百円、下伊場野小学校少年
パトロール隊佐藤隆雄ほか十二名
【小牛田通信部扱い】▽三千円宮
城県*田郡仏教会会長白木沢大専
【岩沼通信部扱い】▽一万五千円
名取市役所議会事務所、名取市議
会▽八千七百六十五円、*理神社
婦人会一同
【若柳信部扱い】▽三千円(宮
城県若柳町)田子福祉会
【東京支社扱い】▽一万五千円
(東京都千代田区神田松枝町)猪越
金銭登録**株式会社▽七千五百十
円(同)*従業員一同▽一万五千
円(横浜市港区*町)株式会社猪
越製作所
【山形支局扱い】▽三千円(山形
市七日町)*銀山形支店一同
【酒田通信部扱い】▽三千円(酒
田市駅前)石油資源酒田鉱業所中
沢通*
【一関通信部扱い】▽三百円(一
関市)滝沢青年学級▽三百円(同
市中街)横沢重雄▽三百十円(岩
手県花泉朝日山)佐藤まつえ▽
百五十円(一関市荻荘)千*栄
【須賀川通信部扱い】▽一千円
(須賀川市西四丁目)佐藤喜一郎
計 十一万四千八百十
六円
累計 一千六百五万九
千三百七十五円
国税庁長官通達「昭和三十
四年直法一ー一六四」によ
ってこの寄付金は指定寄付
金となります。
津波の跡はなお⑤ 気仙沼
”魚一切れも口にせぬ”
立ち上がるのに十年は…
鏡のような海なのに
○…ふだん気仙沼湾は鏡のよ
うなおだやかな海面を見せてい
る。唐楽地区と松岩、陸上地区
で海岸線を左右に分けた中に浮
かんだ大島は天然の防波堤であ
り、台風の時などの荒っぽい
太平洋の波も一たん大島の水道
を通れば、湾内は気仙”沼”の名
前で呼ばれ
つにふさわ
しいただず
まいと変わ
る。少なく
とも二十四
日のチリ地
震津波に襲
われるまで
の気仙沼
はそうであ
った。だか
ら湾内はい
わゆる磯つ
き漁民とい
われるノリ
カキ、ワカ
メなどの*
海養殖で生
計をたてる
人たちにと
ってはまたとない生活の場とな
ってきた。気仙沼市鹿折漁業協
同組合もこうした人たちが集ま
っている組合で、組合員は三百
四十人ばかり、日がな一日キッ
サマ(手こぎ小舟をこの地方で
はこう呼ぶ)にゆられて暮らし
を立てている。こんどの津波
の特徴は湾内の入り込んだとこ
ろほど被害が大きかったといわ
れるが、気仙沼でも一番奥ま
った箇所が鹿折地区、津波のね
ない打ちをまともに食い、気仙
沼全体で受けた被害(小舟三百
隻、カキいかだ七千台流失)の
うち、約半数をこの地区で出す
という惨状だった。
”足がすくんで…”
○…津波の襲来を目のあたり
見た組合員の小松吉理さん(六〇)
は、その恐ろしさはいまもって
とでも口ではいい表わせないと
いう。朝仕事に出かけようと思
って起きた午前四時ごろ、地面
をゆるがす異様な海鳴り…フン
ドシ一本で高台にかけ登った小
松さんの眼前に見開かれたキモ
をつぶすほどの引き潮…漁船と
いわず、カキいかだといわず、
ドラムカンといわず一しょくた
に四、五メートルの潮でもみ上げ、引
き潮で干上がった地面に数十本
数百本の潮の噴水をあげながら
押し寄せる波…「ジェット機よ
り早かったべなァーあれは。足
がすくむし、手がふるえるし、
あんなこわいこと一生一回でた
くさんだべェー」小松さんには
あの時の恐怖がまだこびりつい
ているのか、こう語る時、あご
にのびた白いヒゲがわずかに引
きつった。
米買う金がやっと
○…ところで、こうした「一
生一回でたくさん」という*ろ
しさは津波現象ばかりでなく、
これからの漁民たちの生活にも
あてはまる。磯つき漁民は大き
な漁船を持っている人たちでは
ない。キッサマと幾台かのカキ
いかだ、ノリシビが財産のすべ
てであり、生活の支えだ、小松
さんはさいわい家とキッサマは
流されずにすんだがカキいかだ
十台のうち九台を失ってしま
った。カキイカダは新しく作る
のに一台三万円から五万円かか
る。「ことしは一年子(冬ガ
キ)の実入りが悪がったらナ、
二年子(夏ガキ)にしてやっべ
なと思って七、八割まだとらね
でいたのをみンなやられた」。
いままで妻と子ども一人をかか
えて年の収入ざっと四、五十万
円、一応生活を続けてきた小松
さんはノリシビも全滅、カキい
かだがあればとれるコンブもだ
め、八方ふさがりだ。
いまのところ、わずかのたくわ
えの中から米を買ったりみそ汁
を吸ったりしているものの、と
ても新しくイカダを組んだり種
ガキを買いつける余裕はない。
いくらかでも食いのばすため、
津波以来一ヶ月近くもたってい
るのに魚一切れも口にしていな
いという。「漁港にいて魚を食
えないなんてナ、皮肉なみんだ
ナ」と力なくもらす。漁船に乗
り組んで働こうと思っても四十
歳以上ともなれば使ってくれな
いし、山林、田畑があるわけで
はない。気持ちが落ち着いてく
ればくるほど戸惑うほかないの
である。
”なんじょすベナ…”
○…こんな小松さんのように
生活の道を断たれたのは気仙沼
で千世帯はあるという。鹿折漁
協組でもこのところ、連日、復
旧対策総会を開いてはみるもの
の、「なんじょすべナ…」とい
う言葉以外はこれという名案も
浮かばない。こんご津波に襲わ
れなくとも、二十七年、十勝沖
*被害で、農林中金から利子年
六分、据置きなしの四年返済の
条件で二千四百万円借りたが、
まだ三百五十万円がこげついて
いただけになおさらのこと。ま
た政府補助といっても水族(コ
ンブやカキなどの水産物)被害
までは手が回らない。たとえ、
施設ができたとしても、そこか
ら漁獲して現金化するまでの長
いつなぎ資金は当てにすべくも
ない。同組合皆川*事の「この
ままでは十年かかる」という言葉そ
のままに、組合事務所の*には
津波のツメあとがそのまま残っ
ていた。(小池記者、漁獲写真
部員)【写真】大半のカキいか
だを流され、復旧進まぬ気仙沼
チリでまた激震
サンチアゴ二十日【APF特約】
チリ南部のブエルト・モント・バ
リジビア、テムコおよびコンセプ
シオンの各地域で十九日午後十時
半ごろ(日本時間二十日午前十一
時半ごろ)また地震が起こった。
たまたまチリ南部は約三十時間も
大雨が降り続いている最中で、バ
リジビア付近では地すべりのため
死者十八人を出した。コンセプシ
オンとブエルト・モントは去る五
月二十一、二十二日の大地震のさ
い最も大きな被害が出たところで
ある。アルゼンチンのラプラタ地
震観測所では二十日、国***で
地震規模九を記録する大地震がチ
リの太平洋沿岸で起こったと発表
している。