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津波災害 特別立法きょう成立へ 高率補助タナ上げ  東北七県 自治協 実現まで根強く運動

チリ巣南災害の特別立法八法案はきょう十六日の衆院本会議で可決される予定であるが、東北自治協議会の要求は大幅に認められた。
しかし、かんじんの公共土木施設の災害復旧や恒久的な防災事業に属する高率補助の恩典はタナ上げされ、今後、関係各省が全体計画
をたてた上で大蔵省の裁定をまち、あらためて特別立法化するという形に終わり、災害防止という根本問題が未解決のまま残されると
いうことも懸念されている。このため東北自治協議会は今後も監視と要求を根強く続ける方針である。
公共土木施設の特別措置について
地元の要望は
 ①災害復旧は現行の二分の一を
 伊勢湾立法なみの三分の二に高
 率補助する。
 ②改良、新設は全額国庫負担に
 より防潮堤、砂地造林など恒久
 的防災事業を行なう(現行二分
 の一以下)
が柱だった。これが最終案では津
波対策事業一本にしぼられ、
 ①政令で災害激じん市域を定め
 る。
 ②運輸、農林、建設の三省は災
 害復旧、改良、新設の各事業の
 全体計画をたててその実施目標
 と事業量を定め閣議決定する。
 ③全体計画作成のときは、関係
 地方公共団体の意見を聞き、チ
 リ津波対策審議会にはかる。
といった内容にとどまった。かん
じんの高率補助の適用と施行地域
は、一切問題が今後に持ち越され
ている。これについて、建設、農
林、運輸の三省は、今年度中に審
査費を出して災害実体をつかんで
恒久的防災計画をたて、全体の事
業費と地元負担力をにらみ合わせ
て来年度に高率補助の特別立法措
置をしたい態度でいる。
 一方自民党は政府側の「事業費
 全体をつかまないと、高率補助
 にともなう予算額が不明なの
 で、現段階で特別立法は無理
 だ」とする説明に、将来高率補
 助の特別立法を行なうという了
 解事項を大蔵省ととりつけて成
 案をみたといっている。
しかし伊勢湾台風のときも恒久防
災事業について、この*蜜議会が
設けられたが、結局行政措置だけ
にとどまり高率補助が流産したい
きさつもあり、自民党側のいう了
解事項がなんら成文化されていな
い以上、伊勢湾台風のときの二の
舞を演じる恐れが強い。