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潮目・潮境 まず漁港の完備を  恒久的な津波の対策に

 ○…太平洋沿岸を津波が襲っ
てから二週間以上になります。
こわれた家や漁業施設の整理に
追われてまだ落ち着かないこと
と思いますが、これを機会に恒
久的な津波対策を
たてるよう心掛け
たいものです。や
はり根本的な対策
は①漁港の完備②
漁場の改良③**
貯蓄の三つに集約されるようで
す。
 ○…こんどの津波は地球の裏
側にあるチリの地震が原因でし
たので中央気象台でも予測がつ
かなかったといっています。し
かし、もう今後は「地球の裏側」
などとノンキなことはいって
おれません。各漁港は津波に備
えて万全の措置をする必要があ
ります。三陸沿岸にある漁港は
ほとんどがU字型もしくはV字
型の天然の良港です。だからこ
うした地理的な環境は、津波の
猛威を倍加することがはっきり
証明されました。「天然の良港」
などと満足している時代では
なさそうです。防潮堤、防波堤
をつくって人工的にU、V字両型
の港を改良すべきでしょう。国
をはじめ県市町村は、まず漁港
の改良工事に手をつけてほしい
ものです。
 ○…カキいかだをはじめ、浅
海養殖関係の水産施設は内湾の
奥まったところに集中していま
すが、漁場を特定の地域に限定
すると、チリ津波のような場合
被害も大きくなります。防波
堤や防波サクで漁場を広げ、外
洋に進出すれば、かなり被害が
防げたと考えられます。これを
機会に漁場の造成を積極的にや
ることが大切なようです。
 ○…災害を受けてまず困るの
はお金です。「貯金があれば」
と残念に思っている漁民が意
外に多いのです。農業にくらべ
て不安定な産業だけに、備荒貯
蓄はもっと真剣に考えなければ
なりません。ぜいたくをして余
ったら貯金するというのでは間
に合わないわけです。今からで
も計画性のある生活を始めまし
ょう。(柳)