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震災地免税施行令  廿七日公布・即日施行 (二十七日朝刊二面より続く)

第八條 営業の用に供する自己所有の家屋その他の築造物、船舶機械、器具等が震災に因り減失又は毀損したる損害の見積金額は震災地に於て納付すべき昭和八年分個人の営業収益税の純益金額より之を控除す
第九條 第六條又は前條の適用の結果所得金額千二百円(同居の戸主又は家族の分との合算学)に満たざるに至りたる者または純益金額四百円に満たざるに至りたる者には所得税又は営業収益税を課せず
第十條 震災地に於て納付すべき昭和八年分乙種資本利子税に付ては資本利子金額が第六條の規定の適用の結果に依る山林所得以外の所得額を超過するときはその超過額は資本利子金額より之を控除す
第十一條 震災地において納付すべき所得税、地租、営業収益税、相続税、酒造税及清涼飲料税に付ては左の期限迄その徴収を猶予することを得
一、所得税
 昭和八年三月二日までに終了したる事業年度分の第一種所得税昭和九年四月十五日限
 昭和七年分第三種所得税第四期分、昭和九年四月十五日限
二、地租
 北海道 昭和七年分宅地租以外の地租第二期分、昭和九年四月十五日限
 北海道以外の地方 昭和七年分田租第三期分、昭和八年十二月十五日限
 昭和七年分田租第四期分、昭和九年四月十五日限
三、営業収益税
 昭和八年三月二日までに終了したる事業年度分の法人の営業収益税、昭和九年四月十五日限
四、相続税
 昭和八年三月二日までに開始したる相続に対する相続税(延納年賦金の年割額を含む)昭和九年四月十五日限
五、酒造税
 昭和六酒造年度分酒造税第四期分、昭和九年四月十五日限
六、清涼飲料税
 昭和八年二月分清涼飲料税、昭和八年十二月十五日限
第十二條 震災に因り地租名寄帳の減失したる町村内の地租にして納付未済に係るもの及地租名寄帳改調迄に納期の開始するものに付てはその改調後一年以内に於て税務署長の適当と認むる時期に之を徴収す
第十三條 第一種所得税、法人の営業収益税、相続税、酒造税及清涼飲料税に付第十一條の規定に依り徴収猶予を受けんとする者は納税告知書を受けたる日より十五日以内(本令施行前納税告知書を受けたる者に在りては本令施工後十五日以内)に申請書を所轄税務署に提出すべし 前項の申請書には税目、税額及被害の状況を記載すべし
第十四條 震災地に於て納付すべき第三種所得税、個人の営業収益税及乙種資本利子税に関し昭和八年三月十五日迄に為すべき申告及申請に付てはその提出期限を昭和八年四月三十日とす 震災地に於て納付すべき昭和八年分の第三種所得税、個人の営業収益税及乙種資本利子税に関し本令施行前に為したる申告及申請に付本令に依り変更を来したる場合に於ては前項の期限迄に之が更正の申告及申請を為すべし
 第六條又は第八條の規定に依り控除を受くべき損害見積金額は所得の申告又は純益の申告に之を附記して申告すべし
第十五條 石巻、志津川、盛、遠野、下閉伊、久慈、野辺地、八戸及浦河の各税務署所轄内所得調査委員会に付ては所得税法第五十一條の期限を昭和八年に限り六月三十日とす
    附 則
本令は公布の日より之を施行す