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震災地免税施行令  廿五日大蔵省発表

(東電)三陸地方の震災被害者に対する租税免除猶予等に関する法案に関する省令は二十七日の官報で左の如く公布即日施行することとなった。
 大蔵省令第 号
 昭和八年法律第○○○号(震災被害者に対する租税の免除猶予等に関する件)施行方法左の通定む。
第一條 昭和八年法律第○○○号第五條の規定に依り震災地を左の如く定む
 北海道 幌泉郡幌泉村
 青森県 下北郡大奥村、風間浦村、大畑村、東通村
 上北郡 六ヶ所村、三沢村、百石村
 八戸市
 三戸郡 市川村、下長苗代村階上村
 岩手県 九戸郡種市村、中野村侍浜村、夏井村、久慈町、長内村、宇部村、野田村
 下閉伊郡普代村、田野畑村、小本村、田老村、崎山村、宮古町、磯鶏村、津軽石村、重茂村、大沢村、山田町、織笠村、船越村
 上閉伊郡大槌町、鵜住居村、釜石町
 気仙郡唐丹村、吉浜村、越喜来村、綾里村、赤崎村、大船渡町、末崎村、広田村、小友村、米崎村、高田町、気仙町
 宮城県 本吉郡大島村、唐桑村鹿折村、気仙沼町、松岩村、階土村、大谷村、御獄村、小泉村、歌津村、志津川町、戸倉村、十三浜村
 桃生郡大川村、十五浜村、宮戸村
 牡鹿郡女川町、大原村、鮎川村、荻浜村
 名取郡ゆり上町
 亘理郡坂元村
第二條 震災(昭和八年三月三日の震災及之に伴う火災又は海嘯を含む以下同じ)に因り自己(同居の戸主又は家族を含む)の所有に係る住宅若は家財又はその漁業に必要なる漁船及漁具に付著しき損害を受けたる者の震災地に於て納付すべき昭和七年分第三種所得税第四期分は之を免除す
 前項の規定に依る免除を受けんとする者は被害の状況を記載したる申請書を昭和八年五月三十一日までに所轄税務署に提出すべし
 被害の事実顕著なる者に付ては前項の申請なき場合と雖も税務署長は其の認むる所に依り第一項の規定に依る免除を為すことを得
第三條 震災に因り著しく利用を妨げられたる土地(荒地と為りたる土地を除く)にして左の各号の一に該当するに至りたるものについては被害の実況に応じ宅地に在りては昭和八年より三年以内、其の他の土地に在りては昭和八年より五年以内其の地租を免除す
 一、水路若は溜池の破壊又は井戸の湧水涸渇等に因り灌漑又は排水の便を失し収穫を破損するに至りたる田畑
 二、地価の変動等に因り水持を害し又は潟地となり収穫を減損するに至りたる田畑
 三、建物の過半が減失又は倒壊したる宅地
 四、其の他震災に因り著しく利用を妨げられたる土地
 前項の規定に依る免除を受けんとする者は土地一■毎に被害の状況を記載したる申請書を昭和八年六月三十日までに納税地の市町村を経由して所轄税務署に提出すべし
第四條 震災に因り荒地と為りたる、昭和八年六月三十日迄に免税年期許可の申請を為しその許可を受けたる土地又は前條の規定の適用を受くる土地の地租に付ては昭和八年三月一日以後に開始する納期分よりその地租を徴収せず
第五條 震災に因り所得額著しく減損すべしと認めらるる者の震災地に於て納付すべき昭和八年分第三種所得税に付ては所得税法第十四條第一項第六号の所得は予算を以て之を算定す
第六條 自己(同居の戸主又は家族を含む)の所有に係るその住宅、家財又は所得の基因たる家屋その他の築造物、船舶、機械器具等が震災に因り減失又は毀損したる損害の見積金額は震災地に於て納付すべき昭和八年分第三種所得税の所得金額(同居の戸主又は家族の分との合算額)より之を控除す
 前項の場合に於て同居者一人毎の控除額は各その所得金額に案分して之を計算す
 同一人にして山林の所得と山林以外の所得とを有する場合に於ては前二項の規定に依る控除は先ず山林以外の所得に付之を為し不足あるときは山林の所得に及ぶ
第七條 震災に因り純益著しく破損すべしと認めらるる者の震災地に於て納付すべき昭和八年分個人の営業敢益税の純益金額は予算を以て之を算定す
       (未完)