三陸震災復興資金 百八十九万円仮決 昨日の資金運用委員会
東電)大蔵省は二十二日午後四時より蔵相官邸に第四十六回預金資金運用委員会を開き三陸地方震災関係資金の融通に関し左の仮議決をなし午後五時散会した。
△三陸地方震災関係資金(予算に関係ある分)融通の件仮議決
予算に関係ある三陸地方震災関係資金として百八十九万円以内を融通する事
震災復興費 廿四日上程 きのうの閣議で決定
(東電)政府は廿二日院内にて閣議を開き三陸地方震災救済並びに復旧に関する経費六百三十万余円を公債発行によって支弁する事に決定し右に関する追加予算案並びに公債発行に関する法律案を正式に決定し直ちに議会へ提出の手続きを取った。右両案は二十四日の衆議院本会議に上程される事になっている。
積極復旧計画 認められず 区画整理と住宅地造成金 約五十二万八千円
災害復旧工事と併せこの際将来における海嘯防禦工事施行の要を認め県では積極的復旧計画に基き各種の施設に要する予算を要求したが内務省及農林省に於て調査の上一般災害復旧工事百七十八万一千円匡救土木工事復旧八万四千円、防波土堤工事二十六万一千円、防波建築工事二百四万円、区画整理工事五十三万円、住宅地造成利子補給七十九万六千円合せて五百四十九万三千円を大蔵省に回附し同省に於て査定の結果一般災害復旧工事費は別項の如く百五十九万円に決定し防波土堤及び防波建築工事は削除され八年度実施の匡救土木工事復旧費区画整理費住宅適地造成金利子補給は左の通り決定を見た。
△匡救土木工事復旧費 県町村工事八幡四千三百三十五円国庫補助七割五分
△区画整理費 釜石町外五ヶ町村十万円国庫補助八割五分
△住宅適地造成金利子補給 町村工事赤崎村外十ヶ町村三十四万四千四百円五ヶ年据置十五年償還
災害復旧土木費
八年度災害復旧土木費は大蔵省の査定で県工事百四ヶ所四十三万八千百四十六円町村工事百九十四ヶ所十五万一千九百三十一円合計二百九十八ヶ所百五十九万七十七円に決定を見たので県土木課で施工設計に着手し着工を急ぐことになった。復旧土木費左の如し
◇県工事 道路七十四ヶ所十五万三千六百五十二円橋梁三十箇所二十八万四千四百九十四円
◇町村工事 道路六十五ヶ所二十七万七千二百七十五円河川四十一ヶ所二十三万五千五百十五円港湾海岸四十一ヶ所五十五万七百四十一円
以上復旧工事費に対する国庫補助は八割五分である。
三陸震災対策 政府に建議 特別委員会設置して研究し 震災予防委員会
東電)三陸地方の地震災害防止問題に関し文部省では二十二日午後四時永田町文相官邸に震災予防委員会を開き岡田、今村、石井三博士その他委員出席、災害防止対策に関して種々協議を重ねた結果
三陸沿岸地方に於ては三十年乃至六十年に周期的に地震及び津浪がある事は記録によって明かであるからその災害を防止するためには
1、地形により津浪を防ぐ防波堤を作る事
2、学校役場病院等は津浪の及ばない絶対安全地体に設置する事
3、永久住宅は安全地帯に建築せしめるこれがために政府に於て補助金を交附する事
4、場所によっては安全地帯への避難道路を作る事
その他を決定、更に特別委員会を設けて詳細なる具体案を作成せしめ政府にこれを建議提案し実施せしめる事を申合せ晩餐を共にして後午後九時散会した。
災地四郡農会 技術員協議会
二十五日午前十時から県公会堂に震災地四郡農会技術員協議会を開き被害地農家に対する応急対策を協議するが打合せ事項は種子肥料農具の配給工作方法指導自給肥料対策罹災農家自家食糧等に関するものである。
釜有道路改修 匡救編入陳情
沢田県議櫻井弘氏等上閉伊気仙両郡有志は二十二日出県釜石下有住間町村道路約二里改修の八年度救済事業編入に関し土木課に陳情した。
災害貸付 調査 勧銀で特別 取扱のため
(東電)勧業銀行では三陸地方の震災地に対して農耕地貸付は殆んど持っていないが岩手県保證による漁業者貸付けを相当持っているのでこれらの貸付に対しては盛岡青森両支店に被害状況の報告を命じその結果によって年賦償還中巻据置その他の特別扱いをなし被害債務者の苦痛を出来るだけ緩和する方針である。
破損船修理の資金借入申込 勧銀支店へ
釜石町議平野庄五郎白土末吉の両氏は二十二日勧銀盛岡支店を訪問し海嘯による破損船修理に要する応急資金の貸出し一万八千五百円の申込みをなしたが右資金を以て発動機船六十七隻小船三十七隻の修理をなすものである。よって勧銀では調査の上貸付を決定することになった。