復興速かなれと 予後備兵召集免除 大海嘯の痛手甚しき沿岸へ きのう省令で発表
(東電)去る三月三日の大地震で甚大な被害を蒙った三陸地方の同地出身の兵士は満州に出征して我が生命線擁護の為活躍しているので陸軍を始め関係各省では深く同情し凡ゆる手段を尽くして救護方法を講じているが殊に被害の最も甚だしかった岩手県気仙郡の高田、気仙、大船渡各町末崎、広田、米崎、赤崎、綾里、越喜来、吉浜、唐丹各村、上閉伊郡釜石、大槌、小友各町鵜住居村、下閉伊郡宮古、山田、崎山、津軽石、重茂、田老、大澤、船越、織笠、小本、普代、田野畑、磯鶏の各村九戸郡久慈町、長内、宇部、野田、夏井、侍浜、中野、種市の各村は地震に次ぐに津波で殆んど全財産を奪われ親子離別等惨澹たる打撃を受けたにも拘らず各町村共復興の意気に燃再建にいそしんでいるので陸軍では之等町村の涙ぐましい再建を一日も速かな復興に資すべき方策を考究中であるが弘前、仙台両師団司令部より申請に基き差当り之等各町村出身在郷兵の本年度予後備兵勤務を免除する事に決定二十八日省令を以て発表した。今度の召集免除は予後備兵の勤務演習簡閲点呼は勿論未教育補充兵の教育召集休帰兵の教育召集等の一切で之につき全力を挙げている在郷軍人にとって一大福音である。尚関係人員左の如し。
△演習召集 予備兵四〇名、後備兵四一名補充兵一名計八十一名
△簡閲点呼 予備一一七名 後備一二七名補充兵一五五名合計四七一名
三陸海嘯(四月廿八日県扱い) 義捐金
三円八十銭小国村江繋青年支団員団員一同 二円同小国青年支団員三十円北海幾春別局下三笠山仏教連合会扱分 二円茨城県麻島町女子青年団員 一円六十七銭長崎県西浦上村川平尋高小学校児童 十円東京市楽定主教団本部扱分 五十円朝鮮北鮮時事新報社扱分 二萬四千六百六十円 京都府知事扱分 百円横浜火災海上保険会社東京支店青葉倶楽部員 十二円五十銭樺太恵須取町岩手県人会同員十五円紫波郡不動消防組組員 四十円小川村長扱分 六円二二銭東京府小平村第一小平尋高小学校職員生徒 六円五八銭同第二同 二円二一銭同第三同 八円一六銭同清■村昇進尋高小学校 八円四七銭宮崎県沃肥町長扱分 四十六円奈良県■瀬町長谷寺扱分 三百七十八円台湾高雄市東北会(代表者平田米治)日計二萬五千四百二十三円六十一銭 累計五十五萬二百七十六円八十三銭