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三陸復興計画に  種々私見を述べらる   産組岩手支会黒澤喜一郎氏    新渡戸博士訪問

(東京支局■)産業組合岩手支会の黒澤喜一郎氏は九日午前十時小石川区小日向台町に新渡戸稲造博士を訪問し岩手支会を代表して博士無事帰朝の祝辞を述ぶるところあった。新渡戸博士は六十四歳の老齢とは思えぬ元気で三陸海嘯の復旧計画につきいろいろ私見を述べ罹災者の救護に関しては産業組合自体としても十二分に活動するよう希望を披瀝するところあった。尚新渡戸博士は五月中旬若しくは六月初旬盛岡に赴き約一週間位滞在して花巻黒澤尻水澤の各地を視察し場合によっては宮古から東海岸を一巡したい意向を洩らしていた、と黒澤氏は十日夜東京出発帰県の由。

漁組復旧決議  知事その他に懇請

県下漁業組合の海嘯災害復旧に関する協議会を九日県公会堂で開会左の件を決議し十日午前知事内務部長に陳情午後勧銀と■銀三行に急激な債権の取立をなさぬ事を懇請した。
一、漁業復旧に関する助成規則並低資貸付規定を制定せらるる様県当局に請願すること
一、漁業組合借入の資金は償還延期をなし且つ利子を低減せらるる様各関係当局に懇請陳情すること
一、復旧資金は最も簡易なる方法を以て各漁業組合を経て貸付せらるる様陳情すること
一、前年凶作地町村に対し政府米の払下貸与為したる例に依り被害地各漁業組合に対し同様払下貸与の方途を講ぜらるる様その筋に請願すること
一、罹災者の負債は急激なる回収を行わざる様各銀行に対し懇請すること
一、水産製品の被害に対しても漁船漁具同様補助又は低資の融通の途を講ぜらるる様努力する事

震災地方に  政府米を   全国米穀販購連が    政府に払下申請

全国米穀販購連合会では三陸震災地方に対し政府所有米の払い下げを申請することになったので県購販連に対し本県下所属産業組合の被害状況を詳細調査報告せられたいと十日通牒あったので取急ぎ回答を発することになった。