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老幼及び傷病者に  御下賜品を伝達す   罹災町村長が調査

皇后陛下に於かせられては震災地罹災民に衣服地及び裁縫料百五十一名分を御下賜遊ばされたので県では御い旨を奉じ十四歳未満の幼年者六十歳以上老年者並びに傷者にして三週間以上就床しあるものを調査し該当者を選んで思召の御下賜品を頒つことになり六日県より震災地町村長に調査通牒を発する所あった。

今村博士等  釜石着   きょう宮古へ

震災予防協議会評議員今村博士石本博士の一行は六日午後一時釜石着鉱山鈴子旅館に少憩の後水産試験場の小林技師、長岡技手並びに小野寺釜石町長、久喜町議等の案内で釜石港小浜、嬉石、松原等の被害の跡を詳細に調査した。今村博士は海岸通りに取残された三陸冷蔵其他の鉄筋コンクリートの建物をカメラに収めながら語る。
 釜石は変りましたね、明治二十九年の津波の時来た時は人口八千位でしたが今では三萬になったんですってね。大船渡で早池峰丸と分れ 陸路広田村、綾里村を視察して来ました、調査の結果と云っても未だ半ばですから後で話します。
尚一行は六日鈴子旅館に一泊し七日宮古に向かう。

三陸海嘯(四月六日県扱い) 義捐金

一円八十銭台湾新竹無名氏 一百円京都市本門佛主講本部佛主本部青年団 六千三百円埼玉県知事取扱ノ分 十円東京市瀧野川町日月正教院浅井きみ 十円同信徒 三円愛知県小野内柳助 三円山口県戸田小学校職員報位会 五円神奈川県武田ふみ 五円奉天独立守備■第二大■第四中隊 十四円二十銭湯口村長取扱ノ分 十六円五十銭樺太敷香町岩手県人会会員 十三円涌津消防組 五十円富山市法華宗富山連合各団体 七十六円六十二銭神奈川県都筑郡教育会長 二百九十九円十二銭北海道室蘭毎日新聞社取扱ノ分 九十七円九十三銭栃木県足利警察署長取扱ノ分 二十五円七十銭市内盛岡料理屋組合 二千八百円安田関係銀行会社員 七円四十銭下閉伊郡門馬青年訓練所
日計九千八百三十八円二十七銭
累計二十九萬六千百十五円九十銭