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農相鮫に向ふ

(宮古電話)災害地視察の為来県した後藤農相の一行は三十一日夜気仙郡綾里沖の俊こつ丸に一泊し一日早朝釜石に上陸。森部警察部長、高瀬水産課長等多数随行の下に鵜住居、大槌、山田を経て同日午後一時宮古町に来着小憩の暇もなく下閉伊支庁前に於て官民代表に会釈し直に伊東町長田吹築港所長星宮古署長の先導で鍬ヶ崎一帯の被害状況を視察し同二時四十分俊こつ丸に乗船折柄の時化を冒して田老村に赴き関口同村長から詳細に当時の実状を聴取して災害状況を巡視し同五時再び海路青森県鮫港に向った。(写真は一日早朝■■■に上陸した後藤農相一行中央農相)

民政支部代表 災地施設陳情

 昨日盛岡通過の農相に対し
震災地視察の後藤農相は二日午後六時二十五分盛岡駅通過帰京したので民政■支部では駅に於て吉田副支部長より又瀬川県議は一関まで同乗して災害地復旧施設に関し陳情した。

場所町復興 期成同盟会

釜石町場所町町民は結束して場所町復興期成同盟会を組織し一日夜発会式を挙げた。二日は実行委員十名が町役場に小野寺町長を訪ね同盟会員藤澤清助外五十名の調印した陳情書を提出して低利融通飲料水の井戸設置尾崎神社の移転問題区画整理等に就て町当局の意向を聴取し辞した。同会顧問は長澤亀次郎久喜甚吉の両氏である。

釜石住宅組合 部落毎に設置

釜石町では住宅地の完成を計る為め住宅組合を部落毎に組織して住宅地の復興を図る事になった。資金は信用組合から融通を受け罹災者には実費償還の得点がある。

釜石魚市場 桟橋竣工す

釜石町釜石魚市場会社では漁船用桟橋の応急工事を急いでいたがこの程殆んど完成した尚今月中に桟橋の拡張工事に着手し旧桟橋の倍八十間位の堂々たる桟橋を建造今秋迄には魚河岸一帯を鉄筋コンクリートの護岸壁にする事になった。

農相通過

罹災地視察の後藤農相は二日午後六時二十五分盛岡駅発列車にて通過帰京したが石黒知事は県北一戸まで出迎え盛岡下車森部警察部長は小牛田まで見送りまた盛岡駅には前田、湯本両部長、中村市長、片野営林署長、高瀬商工課長他県関係課長、石黒夫人等送迎した。

宮古漁組総代会

宮古町漁業組合総代会は三十一日午後一時から同組合楼上で開会菊池組合長以下組合員百八十三名出席し非常時総会の活気を見せ附議案件たる災害復旧資金借入に関し左の通り議決を見た。なお菊池組合長は臨時県会終了後出県して陳情をなす筈である。
 ■債金額五十萬円以内、利率年五分以内、借入先は県又は日本勤業銀行及岩手、殖産銀行、償還年限五ヵ年以内、据置二十年以内年賦償還、財源一般会計又は特別会計。

災地免税協議会  下閉伊税務  署長出席

今次の災害被害町村に関する免税協議会は来る五、六両日間仙台税務監督局で開催されるが阿部下閉伊税務署長は瀬川直税課長同伴で出席する。