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感冒肺炎患者  罹災地に続出   宮古署下二百名突破    衣類の不足に襲った寒さ

彼岸も過ぎそろそろ春めいて来た矢先これは又何んと変調な天候であろう。三陸災害地方は二十七、八日頃から気温低下し■へ吹雪と化し普通でさえ衣類が少ない上にやっと雨露を凌ぐだけの仮小屋に寝起きしている罹災者は感冒に冒され二十九日迄に宮古署管下内の報告だけでも
    感冒  肺炎  その他
山田町 二〇名 −   −
重茂村 五七名  六名 一八名
田老村 三〇名 七九名 三一名
津軽石村 四名 −   −
大澤村  四名 −   −
で実に二百名を突破し尚蔓延の傾向あり宮古署でも棄ておけずと県に応援を求めていた折柄、折よく県医師会長大橋珍太郎氏が宮古署に訪れ打合せの結果四月一日から罹災地に医師を派遣する手配を講ずるに至った。

震災地慰問品  県下郷軍から

震災地に対する県下郷軍人各分会より直送した慰問品三十日までの総計左の如し。
 衣類三六、九六二■ 布団一、一四四枚 白米七二〇俵 麦三一俵 稗五俵 甘藷三〇俵 乾餅五箱 味噌一三九樽 醤油四一樽 漬物二一八樽 野菜一、九七七貫 ■鍋二九四個 木炭五三〇俵 箸一、〇〇〇組 慰問袋六五個 足袋一、二六七足ゴム靴七二三足下駄一、七二八足 雑品八八二■
わら一、〇二五貫 大筵九一〇枚 縄(大玉)二個 炊事具六一個 へら四〇〇本 ござ三三六枚 直接送付せる義捐金三、〇二五、四八〇