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市でサイレン設置  釜石 愛の鐘と災害に備え

釜石市は青少年不良化防止および
災害時にそなえ、サイレン、スピ
ーカー、愛の鐘をかねた施設を同
市■■山頂に建設する。さきごろ
のチリ地震津波の際、市のサイレ
ンがなかったため、釜鉄のサイレ
ンを鳴らしたが、手続き上時間が
かかるので、市独自のサイレンが
必要だとの声もあり、工費百万円
で高さ八十五メートルの■師山頂に八メートル
の鉄塔をつくり、その上に大型四
個、小型六個のスピーカーをつけ
チャイム式の愛の鐘、サイレン、
放送設備を四百メートルがなれた消防署内
におき操作する。愛の鐘は、朝、
昼、夜の三回ならし、サイレンは
津波、火事など災害時に吹鳴する
津波と火事は鳴らし方を変え混乱
しないようにし、そのちど、火事
の場所や火災注意報などもスピー
カーを通じで放送する。スピーカ
ーの放送、愛の鐘は半径三キロない
し五キロ、サイレンは五キロないし六
キロ聞こえるので上中島、小川方面
まで報知区域にはいる。愛の鐘の
曲目は未定だが、鈴木市長は「ブ
ラームスの子守歌」ほか二曲にし
たい意向で、七月中に完工する。
これにあわせて消防署内には無電
サイレン用の自家発電装置も六十
万円で設備し、停電時にも使える
ようにする。なお市では釜鉄がサ
イレンを作業交代時などに使って
いるので、これと混同される恐れ
があるので、釜鉄に対しサイレン
ではなく別の方法をとってほしい
と申し入れた。

五人を表彰 津波通報で

上閉伊郡大槌町は、チリ地震津波
が襲来したとき通報に活躍したり
人命救助した次の五人を表彰した
 ▽大須賀消防団第三分団長岩間
 健治(三六)▽安渡第六分団班長小
 国正康(三七)▽同沢館年夫(三〇)▽
 同三浦浩(二九)▽同川原第四分団
 員佐々木重夫(二六)。

4.5メートルの防潮堤 大槌で津波対策

津波で大きな被害をうけた上閉伊
郡大槌町では恒久対策を検討し、
基本構想として大槌町全体を高さ
四・五メートルの防潮堤で囲むことを決
めた。チリ地震津波ではこれまで
の小鎚橋−大須賀の防潮堤で守り
きれなかったので、小鎚橋−東北
化学まで約一・五キロ間を高さ四・
五メートルとして築堤する。また大須賀
−安渡間にも新設する。さらに赤
浜、吉里吉里の防潮堤を約一・五
メートル高く改修する。町内だけで全長
四千メートルの大堤防になるが、工費配
分、細部の設計については県、建
設省と交渉している。

津波で水深が深くなる 大船渡・大槌湾

津波の襲来によって大船渡、大槌
湾の水深が相当深くなったことが
海上保安庁水路部の調査船の測定
で明かにされた。水路部の調査船
“かしお”(五トン)は、塩釜以北
の三陸各港湾の水深測定を行なっ
て十八日帰港したが、大船渡湾内
は全般的に深くなり、大体七メートル平
均のところで十五メートルぐらいになっ
ている。また釜石港では釜鉄の南
桟橋ぎわに厚さ二メートルぐらいのドロ
の山ができ、出入りの船舶の注意
が必要になっている。大槌港も全
般的に深くなり、イカリのきかな
い場所が多くみられた。深くなっ
た理由は沈でんしていたドロが一
挙に洗い流されたためで、ドロさ
らいの必要がなくなったわけだ。

日本ユニセフから救援物資

十八日、財団法人日本ユニ
セフ協会(会長佐藤尚武氏)から
県教育庁に、チリ地震津波被災学
童のためにと運動ぐつ六千六百足
が届いた。県教育庁は、二十日ま
でに沿岸部の被災小、中学童に配
布する。