負傷者運び交通連絡 盛高自動車部 被災時に献身的奉仕
チリ地震津波の激じん地、大船渡
市と陸前高田市で傷を負って途方
にくれている津波被災者を車で病
院まで運び交通連絡に献身的な奉
仕を惜しまなかった県立盛高校自
動車部員(校長加藤英一氏、部長
高橋亨教諭、部員六十人)の行動
が教育関係者の間で称賛されてい
ます。
こんどのチリ地震津波が襲っ
たときの大船渡市や陸前高田市
の被害現地は道路という道路が
住宅や漁船の残材でふさがれ、
負傷者は病院にもいけない有り
様でしたが、盛高校の自動車部
員たちは、いまこそ日ごろの実
習できたえた自動車運転の腕前
を発揮するときだと、トヨペッ
ト小型トラック二台と乗用車一
台、スクーター二台、オートバ
イ五台と部員六十人が被災地に
かけつけ、救いを求めている負
傷者をつぎつぎ病院に運び込む
一方、途絶している被害地の交
通連絡に懸命に働きました。
同行の自動車部は二十九年に設け
られ、運転免許をもっているのは
高橋部長ら先生たち四人、生徒二
十人を数えていますが、ただ、こ
んどの奉仕活動でガソリン三万円
ほどかかりくめんに頭を痛めてい
ます。
救援苗を送る 東磐井郡下の五十八校
東磐井郡下の小中学校五十八校の
児童、生徒役二万人は、九日と十
三日の二日間自分のうちで田植え
をして余った稲の苗をそれぞれの
学校に持ちよりました。これは津
波で苗代を流されて田植えのでき
ない陸前高田市から千厩農林事務
所に「救援苗」を送ってくれるよ
う頼みがあったので、農林事務所
が郡下の小中学校のよい子たちに
余った苗を全部持ちよらせること
にしたものです。各学校に持ちよ
った第一回分の苗は直ちに、トラ
ックで集め陸前高田市に送られま
した。