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逞し復興の息吹き 被害にもひるまぬ村人の意氣 縣下一の震害地 伊曾島村をゆく

縣下の震害調査の途■溝口農
林省開拓第二部長らの一行は
■塚縣■地課長
杉野主任技官ら
とともに八日来
桑し、大田桑員
地方事務所長、
山田道農地課長
らの案内で桑名
郡伊曾島村の震
災被害状況を視
察したが、以下
は調査に隨行した記者の現地
報告−
旧ろうの南海大地震の人畜被害の
筆頭は四■方面であつたが耕地被
害は本縣が第一だつた、そのなか
ではこの桑名郡伊曾島村が最もひ
どい、四百五十町歩の耕地の半分
が五寸乃至一尺沈下し、 亀裂か
らは塩が噴出している、天氣の良
い日は耕地一杯に砂ほこりが立つ
そうだが丁度その日は雲がたれこ
め時々時雨さえもよおしていた■
その牡■?は見られなかつた、無
残廣い■地は砂山と化し全滅、今
春の植付は不能だそうだ、海の中
に■地を築いた先■の努力、相つ
ぐ天の試練を克服した村民の逞し
い■■氣構えに應え縣では桑■地
區をひつくるめて二千万円の被害
に対し九百八十万円の復旧■■■
立、二■百余町歩の 沈下耕地に
■■を■し■所に排水機を設けて
電力で排水して元の■田に戻すこ
ととし、農林省へ補助を申請する
とともに早くも設計調査に着手、
測量機を■てした■■■■■地■
ら■■へ■■を展開、■■の■■
意欲をいやがうえにも高まらせつ
ゝあり、伊■同村助役、大橋作男
同■雄氏ら有力者はじめ村民一同
は現下の食糧事情の緊要性にかん
がみ是が非でもと官民一致の態勢
に万■■なきを期している氣持ち
が調査■に心よく■■らお■母し
い限りである
 震害地の余震もこの官氏一致の
 努力、美しい努力の■により近
 き将来に実現するであらうこと
 が感得出来た
現地に立つた溝口部長は語る
 技官らの査■■告でかねてきい
 ていたがこれは豫想以上だ、震
 外の範囲、限度なく縣下にも例
 がない、土地が三大川に■■さ
 れているのと祖先にほり俄かづ
 くりの耕地であるので地震の余
 波がひどいのだ、どの程度地価
 から亀裂を生じてゐるか専門的
 に検討すればわかるが、それに
 よつて対策を講じるのが本當だ
 が、いまはその暇がない、一刻
 も早くの拙早主義でいかねばな
 らない、■省後最後の研究を行
 い縣民の■■に應え、食糧增産
 に支障のないよう期したい(田
 中記者)