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惨!焦土と化した新宮市

【上】倒壊と猛火に灰燼に帰した市街【中】焦土なおいぶる中を■身死■發
掘【下】熊野川河原に避難假か屋造る市民   =秋田本社寫眞部員撮影=

流れるわが家顧ず   治安に挺身の警官美談

地震で漁獲も 淋し土曾地方

”えび””ぶり”
の漁期をひかえながら土曾郡■前
■浦方面では二十一日の地震でえ
び刺網二十張(四十万円)が流失
したほか■浦のぶり定置網も相當
の損害を受けた、このため正月■
まで漁獲は見込みがない

家を失つた者一万五千  新宮市一番のりヴ中佐の報告

【大阪發】第二十五師■G四■長
J・D/ヴアンダープール中佐は
震災後直ちに連絡機で新宮市に飛
びその間悪天候のためガソリン不
足で新宮北方十マイルの海岸に不
時着日本のバスでやつと新宮市に
到着するなど危険をおかして同地
に三日間滞在詳細に同地の被害状
況を調査して二十三日夜帰阪そた
が災害後新宮市に一番乗りをした
同中佐の報告として二十四日在阪
アメリカ第八軍から次のように發
表された
 市の四十パーセントは灰じんい
 帰し死者四十名家屋を失つたも
 のは一万五千八百九名に達して
 いる、火災の原因は地震で■■
 ■の火鉢がひつくりかえりそこ
 から發火したもので震動のため
 水道管が破損消防署では手の下
 しようがなく地震で起つた強風
 のあおりをくつてか、またゝく
 間に猛火に包まれてしまつた、
 被害近在の各軍政部からは救援
 物資が送られなお同市だけで治
 療を要するものは大百名以上あ
 るものと見られているが負傷者
 の大部分は骨折とやけどである

震害総計死傷二千

大■内■は二十四日の貴族院本會
議で特に發言を求め南海自身の被
害状況について報告、二十三日午
後十一時現在までに判明した主な
る被害は死者千六十一名負傷者千
九十二名、行方不明百六十五名家
屋全壊三千三百三十六戸、燒流失
家屋約五千戸におよぶ旨次のよう
にその実情を明かにした、二十三
日午後一時現在の関西地方の主な
る地震被害は次のようである

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