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温い眞心を結集 震災義捐金募集を 一ヶ月延長

罹災者にたいする隣人愛の義心
發揮を百二十万縣民によびかけ
て展開した、震災義捐金は二十
四日正午現在で八十万円を突破
した、このうち醫療などの現塲
救護に適切な使途が講ぜられて
ゐるが罹災者の應急見舞金を贈
呈するための發起人会は二十四
日午後一時から縣町村長会事務
所でひらき、持永知事はじめ松
本伊勢新聞社長ら發起人一同、
縣から太田軍事厚生課長以下出
席して協議の結果これに三十三
万円を醵出することに決定
死亡者=百円▼負傷者=十円
▼家屋流失または全壞=七十
円▼半壞半燒=三十円▼床上
浸水=十円
のそれ々々見舞金を贈つて慰靈
することとなつた、なほ募集期
間は一應一月中となつてゐたが
市町村ごとに集められてゐる温
かい一燈の寄託が相ついであり
二十數万円に上るものと豫想さ
れるので、募集期間を一ヶ月延
長して二月末とすることに決定
したのでとくに大口の寄託者か
らこの際すみやかな手つづきが
要望される

農村擧げて供米 度会郡の島津 鵜倉村は完納

一日も早くと
叫ぶ供出米はいま縣下の農村を
擧げて■らに完納へ突進してゐ
るが、米どころ度会郡内の完納
第一位はなんと災害に惱まされ
た鵜倉、島津の二ヶ村であつて
立ち上る決戰皇國農村の闘魂を
遺憾なく發揮した、縣から派遣
した被害視察官たちも現状を見
て〝供出米の完納は…〟と案じ
また村民たちもルソン島を繞る
決戰をわが心とするときこのお
米を勇士に送らずにはをれぬと
村民の盛り上る力から災害に齒
を食ひしばつて供出米の完納に
ひたぶる突進し二十四日遂に郡
内のトツプを切つて〝完納〟の
金字塔を打ち樹てたものである

殉職警官へ 酒井縣議の友情

加藤警視、堀江巡査部長の震災
殉職同情金の募集に努力した■
の人がある、■■津市会議長酒
井万馬氏で同氏は兩警官の殉職
にいたく同情し舊臘から正月に
かけ多忙の中を津市内有力者を
一々訪問して氣もちよく同情金
の寄附を求めたのであつた、警
察と直接つながりのある料理旅
館などの方面は■■して何れも
何んら關係のない方面のみを歩
き廻り三千余円の同情金を得た
のであつた、寄附者名と金額を
市川所長に提出して、酒井氏は
〝各方面とも氣もちよく賛同
醵金して頂いて誠に嬉しいか
つた、加藤警視は私と同村で
あり幾分でも同警視の■につ
くしたいと皆さんにうつたへ
た次第でありました〟
と語つてゐた

短 信

鈴 献納金その他寄託
鹿 國府町■田一長氏は一
市 千円を、 木田町田中嘉
右衛門氏は五百円を陸海軍機献
納資金として、また寺家町長谷
川準三氏は一千円を震災義捐金
として何れもこのほど市役所に
寄託した

一 金山さんの赤誠 桃
■村の半島出身、金山
志 文日さんは二十三日久
居署に外宮の復興基金と震災地
への義捐金寄託

北 災害地のお友達へ草
牟 履 相賀町國民学校の
婁 兒童たちが津浪災害で
困つてゐる漁村のお友達へ眞心
こめて草履作りに懸命で先生達
を感激させてゐる
武岡、中村さんを表彰 紀北の
災害に敢闘した長島食糧營團書
記武岡孫助氏、書記補中村つね
子さんはその功勞を認められ本
縣食糧營團長田中林助氏から表
彰状と金一封を贈られた

震災義捐金寄附者芳名 廿四日正午現在

一千五百円、松阪市白粉町吉田
■次郎▼一千円、山本久木材工
梁所▼一千円、三■耐火煉瓦株
式会社▼二千七十七円八十六錢
(千円未滿寄附者十七人分)

累計金
八十万四千八百四円六十五錢