忽ち上る村の熱 復興めざまし この意氣だ
度会郡島津村では災害復興に柳
生村長の指揮で岩崎漁業会、笠
井警防、岩崎(耕)翼壯、仲靑
年の各團團長はじめ村民一丸と
なつて敢闘を續け百八十一戸の
縣營住宅中早くも七十戸が完成
引續き第二期百十一戸の住宅建
築に着工し村民はこの災害にも
拘らず縣割當の供出物は何を措
いても完遂せねば縣下各方面か
ら寄せられた同情に申譯ないと
薪炭、農業、漁業の各班を設置
し製炭竈の改築、住宅地の整備
海老網漁業に麥の蒔直し作業に
懸命の敢闘復興に逞しく邁進し
てゐる
B29叩き落す銀!銀!銀! 貼札〝銀供の家〟で いよいよ快速調
大神宮神域を畏れ多くも冒し奉
つたB29、につくき敵機を叩き
落すのに銀が要るのだ、過般の
震災で出足の鈍つた縣下の銀買
上運動はその後買上期間の延長
で各市ならびに地方事務所を買
上塲所として引續き展開された
結果、急激に熱意が昂められて
銀は皇國の運命を支配する航
空決戰に要るのだ
との赤字のポスターが縣下各市
町村に貼出されてゐるのも目に
しみてぞくぞく供出や献納の銀
製品が集結されてをり、さきに
ひらいた市部のそれに引つヾき
縣では十八日午前十時から町村
長会事務所に買上銀製品整理に
ついて各地方事務所の総務、學
務兩課長会議をひらくが河藝安
濃地方事務所管内では〝銀供の
家〟の貼札を供出家庭の門口へ
貼るなど敵愾心に蹶起する聖地
の銀供出への大進軍は快速調と
なつてきた
不 電 用 燈 時 消
奇現象ともいふべき昨今の■■に直面し
に さ て渇水に對す
は う る電力節約は
眞劍な問題となつてゐるが縣な
らびに縣電力協会と中部配電の
三者が一體となつて從來の節用
運動をさらに高度化して十六日
から三月十日まで全縣下に渇水
期對策電力使用合理化促進運動
を展開、主として大口電力使用
工塲を主體に是が非でも一ヶ月
最低一割の 節用を 行つて電源
確保に協力してもらふこととな
り、縣下各工塲にたいして中部
配電の技術員と縣係官をもつて
編成する工塲施設状况審査班二
班を北勢と南勢とに派遣、五百
キロワット以上千キロワット未
滿の使用工塲へは縣と電力協会
五百キロワット未滿は中部配電
と縣、さらに千キロワット以上
は軍需監理部津地方管理官事務
所でこの審査にもとづく電力使
用の調整を實施させるが、この
ためには
電力設備の關係、配電設備の
適否、動力と伝導設備との關
係、工塲照明、作業管理、機
械配置などについて節用の見
地から精細な檢討が加へられ
るが
なほ一般家庭でもこれに協力し
て燈火管制強化の折柄、事情の
ゆるす限り一燈といへども節用
の趣旨にそふ消燈の勵行を要望
してゐる
短 信
桑 海苔作柄良好 桑名
名 地方の海苔は舊臘の震
市 災のため豫定より出足
が遅れてゐたが最近非常な好調
を示して十六日現在で四十万枚
の集荷を見た、二十日過ぎには
二百四、五十万枚に達する模樣
で地元では資材難を克服敢闘し
てゐる
津 半島同胞殉職警官を
弔慰 協和会津支部長
市 山村長春氏以下四十三
名の津市附近在住の半島出身協
和会員は十六日津署を經て殉職
兩警察官の弔慰金四百円を三重
縣政記者会に寄託した、いづれ
も自發的の隣人愛に燃えた一燈
づつを合したものである
震災義捐金寄附者芳名 十七日正午現在
一万円、日本固錬工業会社東亞
建材班
三千円、飯南郡波瀬村田中彦左
衞門▼二千円、縣食糧營團▼一
千円、東海石炭配給統制株式会
社四日市支店▼一千円、三重機
帆船運送株式会社▼一千円、東
京都澁谷区靑葉町井野碩哉▼一
千円、一志郡川合村西川利通▼
一千円、桑名市山本産業團▼一
千円、松阪鉄工所安西三四生▼
一千円、桑名市齋藤卯三郎▼一
千円、縣疊統制組合▼百六十四
円(二人分)
累計金
七十一万四千九百七十四円十九錢