″最 高 率 〟の補助を 津浪の被害には特殊の助成 縣震災復興本部
震災復興の快速■化を圖るための■■となるべ
き復興財政の國庫助成を要望すべく縣震災復興
本部では刀禰内政部長以下關係各部課長が上京
して震災状况報告と四千余万円に上る復興要素
豫算の助成について陳情中であつたが刀禰内政
、山内經濟第一の兩部長はともに七日夕刻■■
八日つぎのとほり語つたが、山本土木部長はま
だ滯京して土木關係について折衝中である
刀禰内政部長 五日各部課長とともに
上京して内務、文部、厚生各省
に■■■■長を訪問して各縣か
らの報告がまとまり次第今■中
になるべく早く大藏省と折衝を
■■してできるだけ早くまとめ
るやう回答を傳てきた、縣によ
つては災害集計のまだまとまつ
てゐないところもある■■であ
るが、本縣についてはできる限
り要求どほりの補助のもらへる
やう努力する旨返答を得てきた
大藏省の■■でどのやうにな
るか、多少■■の余地があり
要求どほり■■にはゆかぬま
でも大たい■■■の■に■し
また■■■■については同情
もしてもらつてゐるのでとに
角われわれとしてはできるだ
け高率の補助実現を要望して
きた
復興資材については行政協議会
で各縣協調して要求してゆくこ
ととなつてゐるが塲合によつて
は縣獨自のものもゆるされるわ
けである
山内經濟第一部長
米の問題があつたため
五日出發した各部課長よりも一
足さきに三日上京して■■■と
本■■を訪問、とくに重要なも
のについてはさらに各課長に■
■に■力を■つてきた
何しろ■■■關係の復興要求
豫算は二千數百万円に上り全
國要求豫算の半ば以上なので
何とかして高率補助の承認を
極力■■したわけだが
本省の空氣としては大たい要求
豫算の項目については十分考慮
するがそのうちの費目によつて
は過去の災害の政府助成で例の
ないものがあり、また個人に對
する被害の助成や金額の少ない
ものについては困るといつたや
うな傾向がみられたのでこれら
の點については本縣の災害は愛
知、靜岡の兩縣とは異つて津浪
によつて相當大きな被害といふ
特殊の事情を考慮してもらつて
これらは過去に例のないものと
いへども助成は當然であり、ま
た個人の災害ではあるが今日の
産業は個人の經營とはいつても
その要求は國家の意思によるも
のであることなどを強調してと
くに農商省局課長からは十分努
力する旨の確約
を得てきた、資材關係ではすで
にぼつ々々もらつてゐるものも
あるがこれも關係方面へ促進方
を要望してきた
とくに水産局では非常に敬意
をもつて今までよりも更に考
慮するとのことで特に、日魯
漁業会社から本縣の災害に同
情して■■にそのまま使へる
鮭と■の網三統を提供しても
らつたことは漁期に入つた■
漁にとつて本縣としてはまこ
とに有難いことであるがその
ほかにロープなどはなかなか
入手しにくいのでこれまで学
校の綱引に使用してゐた綱を
このさい全部供出してもらふ
よう八日の部長会議に諮つて
早速手配を依賴した
このほか藁繩も非常に必要なの
でとりあへず富山縣から二万貫
をもらふよう手配ずみでさし當
つての季節漁には差支へること
のないよう十分手配してきた、
なほ米の問題については國全體
の需給關係が相當に■しいため
相當難色であつたが津浪流失な
どによる補償については十分補
償する旨みとめてもらつてきた
復興資金は無利子貸付
けふから五日間災害地を慰問
震禍の軍人援護強化 震災地の軍人■
■■ならびに傷痍軍人などに對
する援護につき縣では軍人援護
強化の見地から最高度の援助を
與へてゐるが援護■■を周知さ
せて復興蹶起の快速強化を圖る
べく縣では九日から五日間の豫
定で災害地へ太田軍治厚生課長
以下を班長とする激勵慰問班を
派遣、軍事保護院総裁本庄大將
からの見舞金を傳達するととも
に各町村の罹災者遺家族をあつ
めて救護■■の指導を行ふこと
となつたが
このうち家を流失、全壞した
ものには復興資金、家財道具
などには新調資金としての貸
付を 無利子、無担保で行ひ 一
ヶ年は据置とし五ヶ年間に完
濟すればよく、主人の出征、
應召中の家庭は■■後五ヶ年
間に 完濟すれば よいほか佛
檀、墓塲などの流失したもの
は祖先の遺烈顯彰の爲佛檀新
■、墓塲修理費として三百円
を限度に助成、また学童には
学用品を支給、中等学校生徒
には金一封の見舞金を贈りあ
るひは舟を流失したものへは
新造費の三分の一を助成する
などその他の生活援護の方法に
ついても十分道が拓かれてゐる
ので洩れなくこの恩典に浴する
ことのできるやう手つヾきの方
法などを指導するとともに遺家
族側からの希望についても■■
ない意見を聽取することとなつ
た、激勵慰問隊の出動計畫はつ
ぎのとほりである
度会班(長=太田軍治厚生課
長)十四日から十七日まで南
島地方▼北牟婁班(長=■野
■)九日から十二日まで▼南
牟婁班(長=並川事務官)十
日から十二日まで
罹災漁民へ衣類 縣水産業会が呼びかく
縣水産業会では縣下各魚小賣施
■組合から罹災漁業民に對して
衣料日用食料品などの寄贈を受
けたので昨年末から新春にかけ
罹災漁業会宛續々發送しこゐる
がさらに關係各方面の援助を呼
びかけてゐる
大 工 な ど 挺 身 隊
廿五都道府縣より來援
縣下震災地へ 過般の震災並びに
■■による■■■■■■のため
愛知、三重、靜岡三縣が東海地
方行政■■会と軍需監理部の肝
煎りで近く全國各地から復舊に
必要な勞力の出動を仰ぐことと
なり、これにつき■■会では新
春早々軍需監理部と受入■■を
打合せ中のところ八日その具體
策決定のため午前十時から愛知
■■で厚生省員に大日本■■と
■■で■■会を■■、北海道、
東北、北陸、關東、近畿、中國
四國、九州二十五都道府縣各勞
■、■■■■主務課長■■■■
の結果、右廿五都道府縣は■■
に東海三縣へ向け■■■■■■
■■■■を編成、今月十五日頃
までに出■を■了するやう各都
道府縣で手■■を■む
一、右挺身隊は大工、左官、鳶
■■■■○○名とし出動先の
工塲、事業塲■■■■■に■
■■■し余力あれば民家その
他の不■■■へ振向ける
一、右出動を第一次とし■■第
二次挺身隊を組織、これを主
として不■■■へ振向ける
一、受入側三縣では輸送宿舎、
配給等受入■■につき行政協
議会または軍需監理部と連絡
を密にし万全の考慮を加へる
こと
を決定午後は一時から受入地の
工塲、 土建業者を加へ受入準備
につき協議を行つた
魚の共同配給所 尾鷲町で隣組に一括配給
北牟婁郡尾鷲町魚類小賣■■組
合では震災應急施設として行は
れてゐる魚類の隣組配給の好成
績に鑑み、こんど町内の卅六ヶ
所の小賣店を統合、新たに十八
ヶ所の共同配給所を開設のうへ
隣組に一括配給を行ひ、情實賣
りや、賣り惜みを■■防止する
震災義捐金寄附者芳名 八日正午現在
一千円、多氣郡■宮村田所誠一
▼一千円、鈴鹿郡龜山町林茂男
▼一千円、四日市市東洋機械製
作所本社▼一千円、四日市市茂
福加藤彌兵衛▼六百三十円(三
人分)
累計金
五十九万一千九十一円三錢