紀北の復興 急速に進む
罹災者を全面的に
救援しようと縣民の温い手がさ
しのべられ眞新らしい衣類、食
器其他生活日用品などが縣下市
街地から續々として送り届けら
れ、歳末をひかへ紀北の尾鷲町
復興本部では被害地域の流失、
浸水程度により罹災家族に町内
会、隣組を通じ公平に分配給與
され、贈られる一點一品にも罹
災者の劇的塲面がくり展げられ
てゐるが、罹災者もこの感謝と
救濟に報ゆる氣持が復興闘魂を
一段と盛り立て明日の建設を誓
ひ抜く逞しい罹災者の姿が街に
魚浦に描き出されてゐる
目覺ましい 南島の復興
度会郡南島地方各
町村の震災復舊工事は度会地方
事務所から山本所長以下が現地
に出動し■緊急工作隊本部及び
關係町村民と協力して應急縣營
住宅の建築を急いでゐるがこれ
と共に全縣下から罹災者へ寄贈
の衣類は續々と現地へ到着、町
村役塲でそれ々々分配してゐる
また建築資材も續々と到着、
学校や寺院に避難してゐる人
達を年内にこの假住宅へ収容
することになつてゐるが各方
面からの衣料品の中には慰問
の手紙や色々の日用品など眞
心こもる品々があり係員をい
たく感激せしめてゐる
魚 菜 津市三十日
神 都 大豆 お正月用並に
震災見舞用として(滿州開拓移
民團から送荷せるもの)米通帳
により一人一合宛を卅一日から
戰ひぬいた十九年【下】 忠誠心を振起し 頑張つた增産、貯蓄戰
短 信
鈴 相次ぐ献金、■■
鹿 決戰師走もやうやく暮
市 れに入つたこのごろ警
防費に震災義捐にと市内篤志家
の相つぐ美擧が傳へられてゐる
が最近のものを擧げてもつぎの
ものがある
弓削町小林橋一氏三百円(陸
軍機献納資金)、上田町 加藤
傳十郎氏一千円(震災義捐金
)以上市役所寄託▲白子町尾
崎勝三氏三千円、第二女子靑
年團百円、江島町馬歩榮さん
五十円、以上震災義捐金とし
てそれぞれ鈴鹿署寄託
四 歳末義捐一万五千円
日 市方面事業後援会に寄
市 せられた歳末義捐金は
一万五千円の多額に達した、昨
年より約七千円多く津浪被害地
への衣料品二万點寄贈となつて
美しい市民の同胞愛情を發起し
た
三百余の救助家庭へ金一封づ
ゝを贈るとともに殘金は同会
が新年から經營する戰時託兒
所の經費および私立社会事業
團體の助成金に充当當する
震災義捐金寄附者芳名 三十日正午現在
三万円 財團法人 原田 積善会
▲三千円、東京都古野伊之助▲
二千円、■■田町辻孫一郎▲一
千円、松阪市喜多利助▲一千円
東京都油田尚郎▲一千円、鈴鹿
市尾崎勝二▲二千円、一志郡豊
地村富村隆基▲一千円、鳥羽町
三■ 製作所 ▲一千五十円(五
人分)
累計金
三十九万四千七百六十一円三十三錢