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縣營住宅六百戸を急造 震災の復興工作順調に進む

震災被害中心地に建設すること
となつた應急縣營住宅はさる廿
日以來縣震災復興本部で調査班
二班を派遣して建設戸數、資材
勞力などをにらみ合して現地解
決による緊急工作隊の出動を決
定したが
建設戸數は全部で六百戸、大
たい被害戸數の三分の一を應
急急造バラツクで一月中旬ま
でに完成させることとし眞に
身寄のないものからこの住宅
に入れることに決定した
縣軍事學生課ではこの住宅の利
用の參考とするため廿六日同課
の大野、地方課の早崎兩屬をさ
きの震災被害地鳥取、風水害地
山口の兩縣へ派遣して實情なら
びに建築後の利用状况調査に當
らせる

矢ノ川峠の復舊 正月までに開通

最小限■に見積つて三ヶ月を要
する矢ノ川道路の復舊につき震
禍克服は交通輸送の平常化だと
南牟婁郡土木關連業者が一切の
利害を斷つて道路、橋梁の復舊
に努力することになり木本管内
の石工十五名をもつて工作奉仕
隊を結成、木本町会議員西■一
氏を隊長、副隊長に同町中谷順
吉氏以下を第三班に編成、勞力
は地元の飛鳥村から奉仕をうけ
正月をまたず全線開通をめざし
て総突貫を開始、木本土木出張
所はじめ關係各方面を感動さし
てゐる

眞心 こ も る 贈 物 紀南へ蒲團など多數

震災復舊南牟婁郡支部で取扱つ
た郡内からの見舞品は二十五日
までは蒲團二千四百二十八枚、
衣類四千四百十二點、食器類一
万五千二百點、■三千三百五十
枚、草履八千八百七十二足、甘
藷約四千二百貫その他■、杓子
など人情の温かさは寒空の下に
雄々しい罹災者を心からぬくぬ
くさしてゐるが南輪内村へ届け
られた衣料品の中に柔かい■入
れの着物に、やさしい手紙と■
と白糸をそへてゐた眞心こもる
贈りものがあり對策本部の人々
も涙を流して喜んでゐる

尾鷲町へも 見舞金續々

隣組勤勞奉仕隊の
努力で日增しに美化整地してゆ
く復興尾鷲町の姿は賴母しく罹
災家族に温い衣料品は鈴鹿市そ
の他から一万數千點が早くも寄
せられてゐるが、一方町當局へ
■■れる災禍慰問の見舞金は土
井八郎兵衞氏二万円、土井忠兵
衞氏一万円をはじめ縣内外の篤
志家から續々として寄せられ現
在七万円を突破してゐる
罹災者の救濟施設などについ
ては町会委員を選任して救與
方法を講究するとともに復舊
建設へ遺憾なきを期してゐる
伊賀地方から衣類
一万八千点を發送
伊賀地方(上野市を除く)から
縣下の震災罹災地へ供與する衣
料品は一万八千點に達した、 廿
七日それ々々指定地へ向け發送
する

義捐金五十万圓 住友金屬から本縣と 愛知、靜岡三縣へ

住友金屬工業株式会社の社長春
■弘氏から廿六日縣軍事厚生課
へ震災被害地の愛知、靜岡兩縣
と本縣へ義捐金五十万円を寄託
する旨の申出があつた、会社、
工塲方面からの寄託としては同
工業会社がトツプをきつた譯で
引つヾき工塲、会社側からの隣
人愛の義金協力を期待してゐる
大根一千貫 松阪魚商
松阪魚商組から 業組合で
は紀北、度会地方の震災罹災者
見舞品として大根一千貫を廿七
日發送し代表者が現地で罹災者
を慰問する

殉職警官の弔慰金 縣政記者会が募集

今回の震災にさいして尊い殉職
を遂げ■■保護の華と散り全國
初の警察官としての二階級特進
の■■と なつた 故加藤六一警
部、故堀江武雄警部補の遺族に
對して温い同情■■■くべく■
■■■■■■か■■となつて今
回■民一般からひろく弔慰金の
募集を開始することとなり二十
六日現在ですでにつぎの寄託が
あつた、なほ寄託申込先は縣廳
内同記者会宛でよい
東紡〇〇工塲三百円▼中島飛
行機○○工塲三百円▼平田紡
績二百円▼田村■工業二百円
▼橋本冨田署長百円▼三重縣
政記念会■百円▼合計金千三
百円

人情警察部長さん 監視哨員に見舞金

後藤照警察部長の隱れたる■善
は衆目の一致するところである
が今回の震災にさいして被害地
の監視■■■■■■たいして洩
れなくひそかに罹災見舞金とし
て金一封を送つてゐたことが判
り關係方面を感激させてゐる

短 信

南 翼賛会から見舞金
牟 翼賛会縣支部では本木
婁 町の風水見舞金として
五十円を贈つた

震災義捐金寄附者芳名 廿六日正午現在

▼一万円 東洋ベアリング工塲
一千円、津市鈴木愛之助▼一千
円、 中川藤右衞門 ▼一千円、
縣日用雜貨統制組合▼一千円、
多氣郡齋宮村北島岩八▼一千円
濱島造船有限会社
累計金
二十九万九千二百八円三十三錢