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復旧に二十億必要 チリ地震津波 公共土木施設被害

道土木部は三十一日、チリ地震津
波の公共土木施設災害状況をまと
めた。これによると被害は十三市
町村、三十五ヵ所で、復旧工事には
十九億五千七百十万円を要する。
事業種類別にみると、開発局の直
轄事業関係は五ヵ所、千九百四十
万円、道と市町村への補助事業関
係は建設省所管分十九ヵ所、十三
億七千百三十万円、農林省所管分
三ヵ所、一億八千七百万円、運輸
省所管分二ヵ所、三億六千九百二
十万円、道単独事業分六ヶ所、千
二十万円となるが、これらのうち
浜中村の橋二ヵ所、道路などをふ
くむ九ヵ所はすでに応急対策事業
を実施している。
 一方、補助事業の自治体負担
 分、単独事業関係の起債承認
 と、とくに被害のひどかった浜
 中村に高額補助の適用などにつ
 いて関係各省と折衝を進めてい
 る。
被災各市町村別の復旧工事内訳は
つぎのとおり。(単位千円、カッ
コ内被害箇所)
函館市(海岸、道路各一)
          三、八〇〇
上磯町(海岸一) 一六、九七〇
銭亀沢村(海岸一)   八八〇
苫小牧市(港湾一) 九、二〇〇
新冠村(漁港一)  二、〇〇〇
幌泉村(漁港一)  二、〇〇〇
豊頃村(河川一、橋二)
         六〇、八〇〇
浦幌町(海岸、漁港各一)
         九五、〇〇〇
大樹町(漁港一)  二、七〇〇
白糠町(河川、漁港各一)
         一一、〇〇〇
広尾町(道路三、港湾一)
         一七、四〇〇
浜中村(海岸、橋各三、道路五、
    漁港一、港湾一)
      一、七二二、三五〇
根室市(漁港一) 一三、〇〇〇

浜中の児童、生徒救おう 釧路地区 教育関係団体がカンパ運動

[釧路]浜中村の津
波災害で被災した児
童生徒、教職員を救
援するため、北教組
釧路地区協議会、釧
路管内校長会、釧路
管内連合PTA、釧路地方教育局
では、管内の児童、生徒、教職員
をはじめ全道に物品のカンパを呼
びかけている。
 被災者を出した学校は、霧多布
 小、榊町小、弄幌戸小中、浜中
 中、霧多布中、霧多布高の六
 校。霧多布小学校では五百八十
 二人の在席児童のうち、家を滅
 失、全半壊されたものが二百七
 十七人にのぼり、このほか床上、
 床下浸水は八十六人も出してい
 る。このため三百四人の児童が
 学用品を流し着のみ着のままの
 有様。教員も全半壊三人、床上
 浸水七人で、全員が薪炭を流し
 てしまっている。霧多布中学校
 では二百七人のうち学用品の流
 失が百七十五人もおり、校舎は
 床上七十センチも浸水したためフロ
 ーリングがいたるところでキ裂
 し、全部張り替えなければなら
 ない状態。そのうえ校舎の周囲
 には屋根や舟、木材などが流れ
 着いたまま投げ出されている始
 末。榊町小学校、弄幌戸小中、
 浜中中、霧多布高校でも百人ほ
 どが学用品をなくしている。
被災した児童、生徒、それに教職
員が、寺や学校に避難しており、
学校も霧多布小学校は三百三十七
人の被災者を収容したほか防災対
策本部に当てられているので、学
校側で使っているのは職員室だ
け。榊町小、浜中中は自衛隊の災
害派遣隊が一部を利用、霧多布
中、同高校は破損が激しいのでそ
のままでの使用が困難といったと
ころ。被災者は主食、衣類などの
救援物資はぞくぞく届いているの
で差し当たって不自由はしていな
いが、児童、生徒たちは学用品の
ほかカバンや上グツ、シャツなど
の下着、それに副食品、甘味品が
不足している。学校側は健康、衛
生上からみてなんとかしたいと災
害いらい頭を悩まし続けている。
 各校ともいまのところ授業再開
 の見通しはたたないが、二十七
 日設けられた救援対策委員会で
 は、管内の小、中、高校生約三
 万人に対し一人十円以上、一千
 人の教職員に一人百円の現金カ
 ンパを行ない、また古い教科書
 を回収して浜中被災地に六月五
 日まで送りこむことになった。
これとともに北教組、道校長会、
道連PTAにも”マヒした浜中の
学校教育を建て直そう”と広範な
協力を要請している。

[写真]学校に収容されている浜中の被災者

津波災害義援金品 三十一日受け付け

◇本社扱い
五百円 白老 森野中学校一同
五千円 余市 余市仏教会
二百円 岩見沢 菅原久光
三百円 札幌 ■谷盛司
一万二千七百円 同 国鉄労組家
 族会苗穂地区連合会
一万五千円 同 避王寺たちばな
 婦人会
五千円 同 札幌商業高校教職員
 一同
六百五十円 同 札幌西高校三年
 七組
五千円 小樽 西病院
三百円 同 匿名
一千七百円 同 国立小樽療養所
 職員および学院生徒一同
六百三十円 室蘭 キズナ会
一千百五十円 同 北海道高等洋
 服学校
四千円 同特殊電機北海道出張所
一千円 三笠 三笠地区婦人会
二千円 ■都 磯谷最尊寺仏教婦
 人会
五百円 共和 菊田愛子
一千八十円 早来 早来町遠浅親
 交会一同
五百七十一円 余市 豊浜中学生
 徒会
日計 五万七千二百八十一円
◇函館支社扱い 二万七千二百三
十五円
◇旭川支社扱い 一万五千九百三
十一円
◇釧路支社扱い 十八万二千八十
七円
合計 二十八万二千五百三十四円
累計 百三十一万八千
 四百二円

◇本社扱い 三十七件
衣類一包 札幌 匿名
同    同  佐藤信雄
同二包  同  元根泰子
同    同  渡辺則子
同一包  同  柴田信子
同    同  武田徳蔵
同    同  匿名
同    同  大浦キミ子
同    同  原田■■
同    同  野々川兼道
同    同  加藤一■
同    同  匿名
同    同  山本ハナ
同    同  東出清
同四包  同  匿名
同一包  同  山田清二
同    同  飯野寿雄
同    同  本間フミ
同    同  小川金太郎
同二包  同  岡沢歴雄
同    同  福田商店
同一包  同  松田タミ
同二包  同  匿名
同一包  同  山沢藍
同    同  田中咲子
同    同  河原林
同    同  匿名
衣類四点 小樽 本間達也
衣類一包 同  中川利子
同    同  匿名
同    同  北川利男
衣類一包、はき物一包
     同  匿名
衣類一包 同  匿名
同二包  同  国立小樽療養所
        職員および学院
        生徒一同
衣類一包 留寿都 今村直一
同二十四包三笠 三笠地区婦人会
衣類十点 東京 石井滋
◇函館支社扱い 三件
◇旭川支社扱い 二十二件
◇釧路支社扱い 二十件
累計 二百二十六件