首相、反主流の協力あきらめる 主流だけで打開決意 津波口実に国会再開図る
****の第一段階として自民党
内の調整に乗り出した岸首相は十
四日、反主流の実力者三木武夫、
河野一郎両氏と別々に会って協力
をたのみ、石橋元首相には石井総
務会長を通じて説得をこころみた
が、三氏とも積極的な協力は約束
しなかった。しかし岸首相や*島
幹事長ら党*流は「これで党内工
作は終わった」とし、今後は三木・
松村、石橋、河野の三派の協力は
えられないと*断、岸、佐藤、池
田、大野、石井、の五派の結束で局
面を乗りきろうと**しはじめ
た。そして二十五日は津波が災害対
策を名目として社会、民社など野
党にも働きかけ、国会を軌道にの
せるキッカケとし、できれば政局
の転換をもはかりたい考えのよう
である。
これまで*首相らは社会、民主両党
が「国会の正常化は岸退陣、国会
解散が前提だ」としていることか
ら「野党側を満足させられるよう
な自体収拾策は考えられぬ」とし
国会を軌道にのせるための野党と
の指摘はしばらく待とうと考えて
いたが、津波被害対策が必要にな
ってきたので、二十五日関係次官
会議、与党は政*関係各部会を開
くのを機に「空白国会」を打開す
る手段としての補正予算計上や特
別立法を講じて、いやでも野党側
を審議に応ぜざるをえなくなるよ
う仕向けたらよいとの意見が有力
化している。
一方参院は二十五日、社会、民
社両党が欠席しても本会議を開
き災害緊急質問を強行する方針
だが、衆院でも延長国会にはい
る二十七日、同様趣旨で本会議
を再開するよう社会、民社両党
に呼びかけるつもりである。
しかし社会、民社両党は「災害対
策は予備費の計上など行政措置で
十分だ」と政府、与党の手に乗る
ことを警戒、補正予算に反対、審
議再開には応じない方針である。
死者不明 一五七 家屋損壊 三千戸 大津波の被害ふえる
二十四日未明、北海道から九州に及ぶ太平洋沿岸一体を襲った津波の被害は、二十五日午前三時現在、警視庁にはいった情報による
と、死者八十五人、負傷者六百八十三人、行くえ不明七十四人をはじめ、家屋の全半壊三千五百八十八戸、浸水四万十二戸にのぼ
り、そのほか漁船の流失、沈没、田畑の被害など膨大な被害を出している。被害の最も大きかった岩手県では、同県*本部午後十一
時の調べでは死者五十三人、負傷者八百四十二人、行くえ不明もふえており、各地の被害はもっとふえるものとみられ、三重県尾鷲
市をはじめたい併用沿岸各地に被害救助法が発動されている。
東海地方は危険去る
名古屋地方気象台は二十四日午後
九時三十分、津波情報第六号を発
表した。
津波はしだいにおさまりつつあ
り、東海地方の沿岸各地ではい
まのところ再び大津波のくる心
配はほとんどない。しかしなお
今後も当分は一時間くらいの間
隔で平常潮位より二、三十㌢く
らいの起伏は続くものとみられ
る。
中央部に対策本部
椎名官房長官談
椎名幹部長官は二十四日午後の記
者会見でつぎのように語った。
最高六層という大津波の襲来に
よって三陸地方をはじめ太平洋
沿岸各地にかなりの被害が出て
いるので、結局、中央に災害対
策本部を設け、被害者の救援や
復旧作業の推進に当たることと
なろう。
災害救助法 三重で六市町
大津波の被害に対し、各地で災害
救助法を十五市十五町二村に発動
しているが、中部地方では三重県
のつぎの市町村である。
**市、*****町、***
*町、****町、*****
*町、****町