被災地の環境改善 ことしも来月から 町を美しくする運動
市は二日午前九時から市町村会館
で杉戸、斎藤両助役、関係局長が
町の美化について協議、ことしも
”町を美しくする”市民運動を七
月一日から成果があがるまで実施
そして一日から一週間をその強調
期間として徹底を図る。各局はつ
ぎのように力を入れ、市民の協力
を求めるが、昨年に比べると被災
地の環境改善に努めるのが特色。
【衛生局関係】▽七月を敵、ハエ
の一斉退治期とし、組織的な活
動地区には薬剤を無料配布、散
粉器、噴霧器を貸す▽獣処理場
畜舎などの立ち入り検査をし監
視指導を強化する▽正しい犬の
飼い方を徹底する▽小売市場の
衛生管理を強化するため、食品
環境衛生の一斉監*指導を行な
うほか各施設の改善指導を従業
員の衛生教育を行なう▽交通、
工場騒音の防止を目標に県警、
関係各局と協力して一日から一
週間”町を静かにしましょう”
の強調習慣を実施する▽し尿浄
化そうの良否を区別し、維持管
理の現地指導を行なう。
【清掃局関係】▽主要街路、街路
*にたまった土砂を処理する▽
家庭から出たごみなどは早急に
処理する▽ふたつきの規格ごみ
箱を七月一日から七日まであっ
せん。
【経済局関係】▽公設市場の衛生
管理を強化するため、従業員の
一斉検便を六月中に実施、衛生
局の指導で衛生監視の特別指導
を六月十一日まで行なう。また
七月一日から七日まで衛生薬品
を共同購入して蚊、ハエ退治を
する▽小売市場の衛生管理を強
化するため、衛生薬品の共同購
入や消費者による一日監視員を
おき、七月一日−七日まで各支部
で実施する。
【民生局関係】▽生活保護施設、
児童福祉施設の環境をよくする
▽応急仮設住宅の清掃▽子ども
会により児童遊園地や、町の清
掃につとめる。
【計*局関係】▽換地、未指定地
の清掃▽違反屋外広告物を除き
清掃する。
【土木局関係】▽とくによごれて
いる川、用水路を浄化するため
地元関係者と対策を立て実施す
る▽一日から一週間道路側こう
の清掃。
【建築局関係】▽団地内の除草、
清掃を一日から入居者の協力で
行なう。
【教育委員会関係】▽一日から一
週間、学校の清掃と管理改善を
する。
【水道局関係】▽一日から七日ま
でに水洗便所に改善することを
申し込んだ人には補助金四千円
のほか記念品を贈る▽家庭の下
水取り付け管がつまっていれば
期間中無料修理する。
【農政部関係】▽悪くきたない用
水路の清掃、しゅんせつ▽畜舎
の清掃▽畑の肥だめにはフタを
する。
一方、市民への要望事項そしては
①便所のくみ取り口やごみ箱には
必ずふたをし、水たまりは埋めて
町から蚊、ハエをなくする②ごみ
はできるだけ自家焼却を行ない、
あき地の清掃をし、紙くず、吸い
がらなどは道路、公園に捨てずに
町からごみをなくする③やたらに
ポスター、ビラを壁、電柱にはらな
いこと。屋外広告を出すときには必
ず届け出、都市美にふさわしい色
彩デザインに努める④宅地内の
排水管やみぞはいつも流れをよく
し、自分の家の回りは自分で清掃
する⑤街路、公園の草木を愛しあ
き地や宅地には木や花を植えて町
に花と緑をふやす⑥路上に物を置
かず、正しく歩行して町を静かに
する。このほか道路につばをはか
ないこと、公共施設を傷つけない
こと、門灯、街路灯を自主的につ
けることなどを希望している。
南部地帯 被災地の衛生レポート ひよわい麦
市の南西にあ
る港区南陽町の
苗代には、どこ
の農村にも見ら
れるように生き
生きした緑の葉
が風にそよいで
いる。しかし、
麦の穂はのびき
らぬ茎に小さく
つき、いかにも
弱々しい、南陽
町婦人会会長の加藤*子さん
は”スイカ、ウリのタネを買っ
てきて植えたが、伸びていな
い。ナスなんかチンチクリンで
すよ”といっている。きっと一
万三百人の町の人たちの健康状
態はどうだろうか。やはり麦の
ように元気がないのだろうか。
南陽小の服部**校長は、さる
一日開かれた同校創立記念運動
会を見ながらこう語っていた。
”久しぶりの運動会で、子ども
たちは元気にはしゃいでいる。
今は大した事故もないが、これ
から「つゆ」にはいり、真夏に
なって伝染病が出ないよう祈っ
ている。だからことしの学校の
目標は保護衛生に重点を置き、
田植えがすんでから父兄たちと
相談していろいろ指導したい”
多くなった近視の人
最近の身体検査の結果では近
視がメッキリふえ、歯の悪い児
童が目立っている。このあたり
の養鶏家の話では、ニワトリが
生むタマゴの中で殻がやわらか
いのがあって、これは栄養のせ
いとかいいますよ。服部校長は
よくない話を耳にするとすぐ児
童はいいかとヒヤヒヤしている
ようだ。農家の話ではタマゴの
殻がやわらかくなるのは若ドリ
のせいもあるが、農家が野菜を
買いにいくどいう今の生活状態
が、こんな現象となっているの
た。
野菜の育たぬ田んぼは遊ばせ
るより方法がない。だからシ尿
は農家にとって不必要なもの。
その上、最近は化学肥料万能だ
からますます需要はなくなって
いる。農村地域には従来からク
ミ取り車は回らない。困った住
民は夜のうちにシ尿を用水やミ
ゾに流し込む。保健常務委員熊
沢朗さんは”先日もある町内が
ドブさらえをしたら汚物ばかり
でてきたということです”と苦
苦しい表情。例年よりハエが多
いのは当然である。婦人会でも
台風前までは道路やお墓の掃除
を必ずしていたのに、今では荒
れ放題だ。農業がほとんど期待
できない現在、一銭でも現金収
入をと復興工事の手伝いにすっ
飛ぶ。”あんな小さなゴミでも
なかなか処理できないのです”
と道路ぎわに積み上げたゴミの
山を加藤さんは指さした。
毎日、水道管が破裂
新川にかかる日の出橋からす
ぐ南へ堤防工事の砂利トラック
が砂煙をあげ、福田から南の堤
防は「工事用以外の車は通行禁
止」との立て看板もでている。
復興工事トラックが狭い道を走
るから道路がいたむのも無理は
ない。しかもその下を通ってい
る水道管がこわされるからたま
らない。毎日どこかで水道管が
破裂してもらい水は日常茶飯事
だ。堤防を早く作ってほしい—
—という願いの前ではジッとが
まんしていなければならない。
港区には衛生事業協会があり
相互扶助の考え方から予防接種
消毒薬を無料にする組織があ
る。各戸毎年百八十円の負担で
保健委員会はさきほどパンゾー
ル四百キロを買い、各自まわりの
清掃をすることになっている。
この町には道路交通、護岸など
四つの委員会があって、いろん
な苦情を処理している。宮田用
水のハンランも市と話し合い、
今年中に路面のカサ上げ工事
をしてもらう話ができている。
”長い間の町のガンがこれで解
決された”と町の人は喜んでい
た。熊沢さんたちは”たとえ条
件は悪くても最善を尽くし、こ
としは一人の伝染病患者も出さ
ないよう保健に力を入れたい”
とPRにつとめている。
(用水路を写した写真)
満水になると道路にあふれる南陽町の宮田用水