電報・海嘯(大慘状) 十六日 仙臺特發
昨夜より今朝迄にかけ牡鹿本吉二
郡に海嘯起り家屋の流され
たるもの五百餘戸(匹溺死者千
餘人知事警部長參事官以下警部巡査等急に
出張せり
電報・海嘯 十六日 青森特發
三戸郡湊村字銀に昨日午後八時海嘯起り家屋
の倒れ又ハ流さるヽものあり尋常小學校一棟も
此災に罹れり死亡者三名生死不明のもの二名猶
船及び漁具等の損害多し鈴木警部長直に同地に
出張せり上北郡海邊にも損害多し調査中なり
電報・地震(卅餘回) 十六日 青森特發
昨晩より今朝迄二回の弱震三十餘回の微震あり
たり
電報・地震 十六日 酒田特發
昨晩より今朝まで數回の地震あり皆弱震なりし
電報・地震 十六日 秋田特發
昨晩より今朝まで數回の地震ありたり
雑報・海嘯慘状 宮城縣牡鹿本吉二郡及
Array青森縣三戸郡湊に海嘯あり家屋の流失人民の死亡
等夥しき慘状の概要ハ電報欄内に見ゆるが如く
右牡鹿郡より三戸郡迄の間にハ郡としてハ本吉(匹
氣仙(匹南閉伊(匹東閉伊(匹北閉伊(匹南九戸(匹北九戸の七
郡あり各郡中著名の地を擧ぐれバ石巻(匹荻ノ浜(匹女
川(匹金華山(匹氣仙沼(匹盛(匹釜石(匹山田(匹宮古(匹久慈等あ
り釜石宮古等にても無論同様の被害ありたるなら
んが本誌締切までにハ未だ其報に接せざりし此海
嘯ハ電欄并に別項に在る地震と同一の起因に出で
たるものなるが如く而して其中心ハ金華山沖より
南部沖までの海底に在るならんか兎も角近頃の大
慘状たり猶其詳細ハ追々後報を得るに住從ひ記載す
べし
雜報・一夜二十四回の地震(東京)一昨十五日午後
五時より昨日午前までにかけ東京地方より甲府宮
城福島石巻方面に合計百五十回の地震ありたり今
中央氣象台に就て調査するに東京の分のみにても
實に左の如し
六月十五日午後五時四十四分四十二秒(微)●同七時三十四分十
四秒(弱)●同不明(微)●同八時三十三分五十三秒(微)●同九時零
分三十八秒(微)●同九時二分三十一秒(微)●同九時十四分十四
秒(微)●同九時廿七分三十五秒●同九時五十三分三十九秒
(微)●六月十六日午前零時四十九分四十八秒(微)●一時五分
二十二秒(微)●一時三十二分十四秒(微)●同一時四十七分二
秒(微)●同四時十六分三十秒(微)●同五時一分九秒(微)●同六
時四十分一秒(微)●同八時一分十四秒(微)●同八時十五分二秒
(微)●同九時十六分二十九秒(微)●同九時三十二分一秒(微)
●同九時四十七分十一秒(微)