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1.はじめに

 1983年5月26日12時00分,秋田県西方沖約100kmの,139°04.6´E,40°21.4´N,深さ14kmにM7.7の地震(気象庁による)が発生した,これに伴った津波は,日本海沿岸各地を襲い,特に秋田県,青森県および北海道南西部を中心に,死者100名をはじめとする,多くの被害を及ぼした.この津波の特徴として,周期がかなり短かく,場所によっては10分以下数分程度のところもあった.更に波源に近い能代を中心とする海岸は,平均海底勾配が1/250にもなる非常に遠浅の海岸であり,津波の進行につれ浅海で波形に非線型変形を生じて,海岸砂丘へ急激な遡上をみせた.遡上高は局部的には14mに達した(秋田大学鉱山学部土木工学科,1983など).津波が短周期であったことから波源近くの深浦,男鹿(戸賀)の両検潮所の津波記録は,検潮井戸導水管の周期特性によると思われる著しい減衰を受けて,付近の浸水高にくらべて非常に振幅が小さい.また能代港内の検潮記録は,最大約2mで,港内の津波は港外周辺の砂丘の7m程度の遡上高にくらべて著しく減衰していることがわかる.したがって波源モデルを仮定し,数値実験を行う際の検証津波記録として,これら近傍の記録をそのまま使用することが出来ない.ここではやや遠方の津波記録を満足するような波源モデルを求め,近傍記録は補助的に使用することにした.

2.数値実験の方法

 数値実験は浅海波方程式を差分leap-frog法によって解く従来の方法で行った(AIDA,1978bなど).計算領域はFig.1に示すように,北海道小樽から,石川県輪島までを覆う900×420km^2の範囲で,5km間隔の格子点181×85個の水深データを海図から読み取った.また小樽,奥尻,江差,函館,深浦,能代,男鹿(戸賀),船川,酒田,新潟東港,両津,寺泊,直江津,富山,輪島については,付近浅海域を1/2づつ4段階に格子間隔を細かくとってある。計算時間間隔は0.05minである.
 また波源としては断層モデルを仮定し,そのパラメータからMANSINHA and SMYLIE (1971)の方法によって海底の鉛直変位を計算し,それを水位の初期条件として与えた.

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Fig.1. Map showing the computational area. In the area surrounded by broken lines, finer grids 1/2 to 1/16 of the standard size (5km) are used.

3.試行モデル

 この地震はSHIMAZAKI and MORI(1983)および,MORI and SHIMAZAKI(1983)によると,二つの主要な断層破壊(厳密には三つ)によって生じたとされている.この発震機構解の暫定結果(私信)をモデルの出発点として,Fig.2およびTable1に示す12個のモデルについて数値実験を行った.
 Fig.2で影をつけたへちま形の範囲は,東北大学地震予知観測センター・他(1983)の資料による5月31日までの余震分布を示し,+は本震震央の位置である.波源としての断層モデルは,南北二つの部分より成るものとし,図中の長方形は,地表面への投影をあらわす.長方形につけた数字は,モデルの番号を示している.
 Model-2から10の中,Model-3および4を除くと,断層面の大きさはすべて同一で,また傾斜角も同じにとってある.異る点は,断層面の位置である.Model-9および10は断層のずれ変位量を変えてある.またModel-11から13は断層面の大きさをやや大きく,ずれの量も大きくとり,北側断層による地震モーメントを大きくなるように試みた.それに伴い,断層面の傾斜角は小さくしてある.

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Fig.2. Various seismic fault models examined. The epicenter of the main shock is shown by + and the hatched line shows the aftershock area estimated by the Earth-quake Prediction Observation Center, T

4.モデルの評価

 まず各モデルによる数値実験において,小樽,江差,函館,酒田,新潟東港,両津,寺泊,直江津,富山,輪島の10個所の津波波形を計算した.これらの地点では,それぞれ検潮器による津波記録が得られているので,この実測記録,計算波形それぞれの第1の波峯の振幅を読み取り,xi,yiとする.iは地点の順序番号を示すものとする.そこでKi=xi/yiを計算して,横軸に地点をとって図示するとFig.3のようになる.この図には代表的なモデルとしてModel-3とModel-10を示した.
 Model-3は右側部分にくらべ,左側部分でKiの値が1よりかなり大きくなっていることがわかる.いま10地点のKiの幾何平均をKとすると,図中に記したようにModel-3に対して1.25,Model-10に対して0.99となる.さらにKiがKを中心としてどの程度変動しているかをみるため,Kiの対数の標準偏差logκからκを求める.これはモデルが各地の津波振幅を近似する程度を示すと考えられる.Fig.4の上部に,モデル番号を横軸にとって,このκの値をプロットして示した.Model-5以降はかなり小さくなっているが,Model-11から再び大きくなっていて,κの最低は1.25程度になった.
 一方数値実験で計算された深浦および男鹿(戸賀)の最高水位をみると,Fig.4の中段に示すようになっている.深浦,男鹿の実際の津波の高さの調査値は,秋田大学鉱山学部土木工学科(1983)の速報や,自然災害科学研究調査班の暫定的な報告(私信)などによると,ほぼ3.1mおよび3.3mといった値が得られている.この高さを図中に水平の点線で示した.この振幅の面からみると,Model-6から10が実状に近似していて,Model-11以降は,深浦の高さが男鹿にくらべて非常に大きく計算されている.
 つぎに深浦,能代,男鹿(戸賀)の検潮記録によると,いずれもはじめに下げ波があり,ついで上げ波に転じている.そこでこの最初の下げ波に対するつぎの上げ波の振幅の割合を見ることにする.この場合深浦,男鹿の記録は,検潮所近傍の実際の津波の高さより著しく低い値を記録していて,これは検潮井戸の周期特性によるものと考えられる.したがって上げ波,下げ波の振幅比も正確には表現されていない.そこで簡単な特性補正を行った上で,この比をみることにする.
 いま検潮井戸の直径をA0,導水管の直径をAr,井戸外水位をa1、,井戸内水位をa2とすれば,

式:振幅比

の関係がある(CROSS,1968;NOYE,1974).ここにCは導水管の損失係数である.筆者は伊豆大島近海地震津波の伊東検潮所の記録について,この式にもとづいた補正を試みた(相田,1978a).今回はこの方式の補正によって,検潮記録振幅が,数値実験計算値(井戸外の浸水高にほぼ近似)に相当する程度になるように,C´=(AT/Ao)Cを適宜変更して計算を行った.
 Fig.5の点線で示した波形は,深浦,男鹿の検潮記録をディジタル化し,時間間隔0.25minの差分によって上式から求めた井戸外の水位である.この場合のC´は深浦について0.000434,男鹿について0.000637となっている.この補正の妥当性は,井戸のすぐ外の水位がはかられておらず,また時間的経過もわからないので,検証することが出来ない.ここではこの波形が,より実際に近いものであると考え,実線で示した数値実験値による波形と比較し,最初の下げ波に対するつぎの上げ波の振幅比だけに着目する.
 Fig.4の下段には,数値実験波形による上げ波,下げ波の比がモデルについて示してあり,Obs.と示した水平の点線により,上述した補正検潮記録による上げ波と下げ波の比を示した.なお能代については,港内の水位測量値が検潮記録とほぼ一致しており,また数値実験値もほぼ近似した値が得られることから,補正などの手段をとらず,そのままの値で示してある.
 これをみるとModel-3を除いて大差はないが,Model-7が最も妥当であるようにみえる.またModel-11~13は,北側断層の傾斜角が小さいため,沈降域の沈下量が大きくなって,深浦の上げ波下げ波比が小さく観測値との一致がよくなっている.特徴として,男鹿,能代は最初の下げ波は比較的小さいが,深浦はそれがかなり大きいことである.この図からModel3のような,南側断層が低角で,また北側断層のずれが相対的に大きいものは,採用できないことが認められた.
 Fig.4の全体からModel-6から10までが妥当と思われる.Model-7は深浦,男鹿の振幅の面,最初の下げ波の大きさの割合などで最も成績がよいが,κが梢々大きいので採用しないこととした.またModel-11から13は,最初の下げ波の割合については妥当な値となっているが,深浦の津波の高さが大きくなり過ぎ,またκがやや大きいので採用し難い.Model-6,8~10については,大きな差がないが,Fig.2に示すように,余震域の形と位置に断層面が合致している点で,Model-10を採ることが自然であろうと思われる.

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Table1. Fault parameters of examined models and resuls of the simulation
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Fig.3. Variation of Ki with respect to 10 reference tide-gage stations, where Ki is the ratio of the observed and the simulated amplitudes of the first crest of the tsunami. K is the geometrical mean 
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式:振幅比
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Fig.4. Evaluation of the results of simulations for all examined models. Top: Logarithmic standard deviations of the ratios of the observed and the simulated amplitudes of the first crest of the tsuna
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Fig.5. Tide-gage records corrected by assum-ing the characteristics of water flow through a pipe of a tide-well (dotted line) and simulated time histories of water elevation for Model-10 (solid line) 

5.Model-10による津波

 Model-10の断層パラメータから,海底変位の分布を示すと,Fig.6のようになっている.すなわち北側断層の傾斜角が25°と低角であるので,沈降量が比較的大きく,沈降の主要部は変動域の北東側にある.これはそれに近い深浦の始めの下げ波を大きくしている.また南側断層は,ずれの量が北側にくらべ2倍以上であるので,海底変位の大きい部分は変動域の南側に集中しており,今回の津波が能代付近を中心として,男鹿と深浦の間で高かった様子をあらわしている.
 この波源から計算された各地の津波波形をFig.7に実線で示した.点線で示したものは,検潮記録をディジタル変換した上で,潮汐を除くため120分の高域通過フィルターを通した結果である.全体に計算値は波形としてもかなりよく実測値に近似しているが,短周期波形はやや一致が悪い.また位相の一致しない地点があるが,これは波源位置の調整では補い得ない程度であるので,観測点近くの浅海域の水深データの欠点や,検潮記録の刻時の精度に起因するかもしれない.
 つぎに津軽半島先端付近から象潟付近までの海岸に沿った200m等深線上に,約15km間隔にとった13個の点(Fig.8に黒丸で示す)で,計算された津波波形から,始めの波(男鹿沖,秋田沖の2点を除きこれが最高波)の全振幅をとりHoとしてFig.8にプロットした.またその点に対向する海岸(鎖線で区分した範囲)での津波の高さ(遡上高測量値)を平均したものをRoとして2重丸で示した.2重丸に付した数字はデータ個数であり,縦の棒は標準偏差,三角はデータ中の最高値を示している.なおこのデータは秋田大学鉱山学部土木工学科(1983)の速報および災害科学研究調査班の暫定資料から使わせて頂いた. Roの最大は能代,八森付近の約7mであり,Hoは約3.7mである.RoとHoの比をとると,図の一番下のカーブのように約2~3程度であり,この傾向は三陸海岸での1968年十勝沖津波や,1933年三陸津波の結果(相田,1977)とほぼ一致している.すなわち波源近傍では,局部的には砂浜海岸での遡上高に14mに達したものがあるものの,区間平均の津波の高さは,遠方の検潮器の津波記録を満足するモデルで矛盾なく説明できるように思われる.
 一方今回の津波が非常に短周期であったので,波形のゆがみなどを考慮すると,格子間隔を十分小さくとる必要がある.この点を検討するため,最大遡上高が測定された能代市北方の峰浜村付近を対象に,細かい格子で計算を行った.格子間隔は外海域で2.5km,200m以浅では1,250m,625m,312.5m,156.25m,78.125mと5段階に細かく,さらに10m以浅では15.625mにとった.この最終段では海岸付近の詳細な水深は不明であるので,10m以浅の海底勾配は1/130,水深1mから陸上へかけては1/10として,陸岸は移動境界とした.ただし格子細分化域の幅は,1,250m格子の場合で22.5kmであり,格子間隔がせまくなるにつれて,幅も順次にせまくなっているので,横方向からの波に対しては,精度は十分でない.
 海岸付近での計算波形をFig.9に示した.20m水深の位置で振幅2.8m程度であるが,水深が浅くなるにつれ振幅を増し,平常時の汀線から100m程度の地点(水深1.7m,但し一様傾斜を仮定)で振幅6.25mになり,最大遡上高は6.8m程度と計算された.すなわちこの波源モデルで,浅海波として取扱った場合でも,Fig.8の区間平均値の7m程度の遡上高が説明できることになる.したがってさらに波面前面で波状段波を形成するような条件がある場合,局地的には更に高い遡上高を示すこともあり得ると思われる.水深20mの波形からもわかるように,能代方面へ向う津波の周期は7.5分程度とかなり短い.そのことが海底勾配のゆるい海岸の特徴と相まって,能代付近での異常に高い遡上高を現わしたものと思われる.

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Fig.6. Vertical displacement fields inferred from the fault parameters for Model-10. Solid and dotted contour lines show the upheaval and the subsidence in meter, respectively.
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Fig.7. Simulated time histories of water elevation for Model-10 (solid line) and the observed tsunami records (dotted line) at 10 reference tide-gage stations.
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Fig.8. Ho; Double amplitudes of initial part of computed waves at the locations which are shown by solid circles on the 200 meter isobath near the source region. Ro; Local mean tsunami runup in the co
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Fig.9. Computed time history of water elevation in shallow water located about  10km north from Noshiro. D indicates the water depth. Grid sizes in this case: Open sea, 2.5km; Shallower than 200m, 125

6.むすび

 今回の日本海中部地震は,日本海側としては最大級の地震であり,津波の高さも局部的ではあるが,14mに達した.波源に近い秋田県能代を中心とする海岸の浅海域では,段波となって来襲する津波が,多くのビデオテープや写真におさめられ,われわれもその状況を知ることができた.しかし比較的遠方では当然振幅も小さくなり,非線型の効果も減少するので,津波の数値実験も従来の浅海波方程式によるもので行い得ると考えられる.
 今回小樽から輪島に至る10個所の検潮所の津波記録の第1の波峯振幅を妥当に説明する波源の断層モデルが求められた.これは余震域にほぼ相当する範囲に南北二つの断層面を持ち,南側は走向N22°E,長さ40km,幅30km,東下がりの傾斜角40°の逆断層で,ずれの量は7.6mであり,北側は走向N5°W,長さ60km,幅30km,東下がりの傾斜角25°の逆断層で,縦ずれ成分3.Om,左横ずれ成分0.54mである.この地震モーメントを求あてみると,剛性率を4×10^11dyne/cm^2として5.8×IO^27dyne・cmとなり,モーメントマグニチュードMwは7.8に相当する.
 またこの波源モデルで能代北部海岸での遡上高を計算してみると,6.8m程度になる.これは異常に高い遡上高を示した局部的な値を除けば,能代海岸での平均的な遡上高である.したがって今回求められたモデルが,長波として発生した津波エネルギーは,波源近傍での津波の高さからも,ほぼ妥当なものであると認められる.
 一方津波のエネルギーは、海底変動量をζ,変動面積をSとすれば,
式:津波エネルギー

で求められる.ここにρは海水密度,gは重力加速度である.そこで今回求められた波源の断層モデルから得られる海底変動パターンを用いて,この津波のエネルギーを求めてみると,0.395×10^21エルグと計算された.地震のモーメントマグニチュードMwとEtの関係は,KAJIURA(1981)によってまとめられているが,この値は従来筆者によって同様の方法で求められた10個あまりの津波におけるMwとEt、の関係とほぼ調和している.しかしEtはMwが7.8の場合のほぼ上限の値になっていて,今回の津波の発生は,どちらかといえぽ効率のよいものであったといえる.

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式:津波のエネルギー

謝 辞

 この報告をまとめるにあたって,有益な御助言を与えられた地震研究所梶浦欣二郎教授,および研究途上の断層パラメーターの暫定的数値を御教示頂いた島崎邦彦助教授に感謝の意を表します.またこの計算は東京大学大型計算機センターを利用して行われたことを記して謝意を表します.

文 献

相田勇,1977,200m等深線上の津波波形と浸水高,地震II,30,11-23.
相田勇,1978a,1978年伊豆大島近海地震に伴った津波の数値実験,地震研究所彙報,53,863-873.
AIDA, I., 1978b, Reliability of a tsunami source model derived from fault parmeters, J. Phys. Earth, 26, 57-73.
秋田大学鉱山学部土木工学科,1983,昭和58年日本海中部地震被害調査速報,秋田大学鉱山学部土木工学科,pp.63.
Cross, R. H., 1968, Tide gage frequency response, J. Waterways and Harbors Division, Proceedings ASCE, 94, ww3, 317-330.
KAJlURA, K., 1981, Tsunami energy in relation to parameters of the earthquake fault model, Bull. Earthq. Res. Inst., Univ. Tokyo, 56, 415-440.
MANSINHA, L. and D. SMYLIE, 1971, The displacement fields of inclined faults, Bull. Seis-mol. Soc. Am., 61, 1433-1440.
MORl, J. and SHIMAZAKI, K., 1983, Source process of the May 26, 1983 Japan sea earthquake, Programme and Abstracts, Seismol. Soc. Japan, 1983, No.2, p.16.
NOYE, B. J., 1974, Tide-well systems I:Some non-linear effects of the conventional tide well, J. Marine Res., 32, 129-153.
SHIMAZAKI, K. and Mori, S., 1983, Focal mechanism of the May26, 1983 Japan sea earth-quake, Programme and Abstracts, Seismol. Soc. Japan, 1983, No.2, p.15.
東北大学理学部地震予知観測センター・弘前大学理学部火山観測所・東北大学理学部地球物理学教室,1983,1983年日本海中部地震—(1)地震活動—,地震学会講演予稿集,1983,No.2,p.3.

A Source Model of the Tsunami Accompanying the 1983  Nihonkai-Chubu Earthquake             Isamu AIDA           Earthquake Research Institute

 A very shallow earthquake with a magnitude of 7.7(JMA) occurred at 40.4°N and 139.1°E in the Japan Sea on May 26, 1983. The tsunami accompanying this earthquake hit the entire coast along the Japan Sea and inflicted serious damage including the loss of 100 human lives especially in Aomori and Akita prefectures and the southwestern part of Hokkaido.
 To examine the seismic fault model as the source of this tsunami, a numerical experi-ment was carried out on the basis of the shallow water equations. The most suitable fault model to the amplitudes of tsunami records at 10 reference tide-gage stations along the coast of the Japan Sea is composed of the southern and the northern parts. The southern fault has a length of 40km and a width of 30km dipping 40 degrees with the reverse dip slip of 7.6 meters. The northern part has an area of 60×30km^2 dipping 25 degrees with the reverse dip slip component of 3.O meters and left lateral component of O.54 meters. It was also assured in this simulation that the period of the tsunami pro-gressing toward the nearest coast to the source area was very short; the time interval of the first and second up-crossing of the water level was 7.5 minutes. For this reason, some tide records at the stations near the tsunami source area suffered very large amplitude reductions due to the frequency response characteristics of tide-wells. Thus, these records were used only as secondary data.
 The local mean runup heights at coastal segments of about 15km each could be explained in the present simulation; the coastal height is about 2.5 times the wave height computed at a depth of 200 meters. However, extraordinary high runup heights at some restricted areas might be due to the formation of undular bore.
 The moment-magnitude of this earthquake inferred from this simulation is 7.8 and the tsunami energy is 4×10^20 ergs.