§1.はじめに
TAKAHASl(1951)は,日本沿岸の個々の湾について,それらに影響を与えると考えられる想定津波波源と,湾の増幅率を考慮した津波の危険度を求める先駆的な研究を行った.また羽鳥(1973)は,津波エネルギー累積値を太平洋岸14区画,日本海岸11区画についてとりまとめた.しかし津波危険度に関する論文は必しも多いとはいえない.
それぞれの地方,県,あるいはもっと狭い地域ごとに,過去においてどの程度の津波エネルギーを受けているか,あるいはどの位の高さの津波がどの位の頻度で襲ったか,などは津波危険度の指標となり得るものである.
ここではまず津波の危険度を,海岸のある区画ごとの津波の高さの2乗値の,ある期間の累積値によって定義することとした.これはその場所における,その期間内に受けた津波のエネルギーにほぼ比例する量であり,また津波災害の大きさにも相関があると考えられる.海岸における津波の高さは,局地的に非常に変化が多いので,大局的にある区画の代表的な津波高さを,何らかの方法で定義する必要がある.KAJIURA(1983)は,津波の高さの統計的な吟味を行って,沿岸のある長さの区画内の津波高さデータの対数平均値をもって代表値とすることを提案している.
ここでは, 1600年以降に発生した個々の津波に関して,日本沿岸の20kmないし40kmの区画内の津波高さのデータの対数平均値Hnを求め,それを,それぞれの津波に対するその区画の高さの代表値とすることにした.このようなデータやその処理に関して§2に述べる。
Hnが求められると,その2乗値Hn^2を計算し,その区画に影響を与えたすべての津波についてHn^2を加算することによって,1600年以降にその区画が受けた津波エネルギーの累積値ΣHn^2が得られる. これを日本沿岸全域(九州西岸,沖縄を除く)にわたって計算した結果を,いわば津波危険度マップとして§3に記述する.
またHnの資料から,各区画において,津波の高さ階級別に来襲回数が得られる.§4では,0.5,1,2,5,7,10mを超える津波の来襲頻度を,日本沿岸全域について図示する.
津波を伴う地震の発生が,長期的にみてポアソン過程にしたがうものとすれば,上述の津波来襲頻度は,ある期間の津波来襲確率に換算することができる.§5ではこのような観点から§4で示した来襲頻度のスケールを確率に換算する.
一方最近RIKITAKE AND AIDA(1988)は、津波発生地震の短期(紀元2000年から10年)発生確率を求めている.これは当然前記のポアソン過程による長期平均的な確率とは異なっており、これらの比較についてもふれる.
§2.資料とその取扱い
津波マグニチュードが1以上(0のものも僅か含む)で、1600年以来現在までに発生した津波を、渡辺(1985)を参照して表示するとTable1のようになる.これらの津波の高さについて記述された論文・報告を可能な限り集め、日本沿岸各地の津波の高さのリストを作成した.ただし,各論文・報告の出典にまでさかのぼった調査は行わなかった.これらの津波の高さは,海岸地形などによって局部的に非常に異る値をとることが多い.そこでこのような変動の幅を考慮した上で,平均的な津波の高さの各地点の代表値を求めれば,それぞれの津波の総合的な特性を明らかにし,相対的な危険度の算定に役立つと思われる.
ここではKAJIURA(1983)の方法をふまえ,日本沿岸を太平洋側は約20km,日本海側は約40kmの区画に区分して,その区画内の津波の高さの対数平均値Hnを求めた.Hnは
式:対数平均値logHn
で定義され,Hiはその区画内のi番目の津波高さ測定値,nは区画内の測定値の総数である.なおTable1の津波のうち,1983年日本海中部地震津波は梶浦(1986),1944年東南海,1854年安政東海,1946年南海,1854年安政南海各津波は相田・渡辺(1987),1896年三陸,1933年三陸,1952年十勝沖,1968年十勝沖各津波は相田(1988)がすでに計算した結果を使用した.
各区画内の平均値からのバラツキを対数標準偏差SDn
式:対数標準偏差SDn
であらわすと,東海・南海地方の津波に対しては,各区画を平均して0.14程度,三陸地方の津波に対しては0.21程度になる.これは平均の高さHnに対して,それぞれファクター1.4および1.6程度のバラツキがあることを示しており,また5%程度の確率で,平均値の1.9倍および2.6倍程度の高さになる地点があることを示している.日本海中部地震津波はこれらの中間に入っている.
上述した津波のほかは,今回新たに求めたが,小津波,古い津波の場合高さのわかっている地点の数が少く,1区画内に1データしかないことがある.この場合それが最高値あるいはかなり高い地点の値である可能性が強い.しかしここでは何らの処理もせず,この値がHnであるとして取扱った,したがってデータの少い津波は,やや大きめに見積っている可能性がある.なお,Table1に×印で示した津波は,津波の高さが0.5mに達しない,あるいは僅かに超えても1データだけといった,局地的小津波で全体のエネルギー累積値に対する寄与が非常に小さいので取上げなかったものである.
さて例えば東北から関東に至る太平洋岸について,1885年以降の5個の津波のHnの分布を描いたものがFig.1である.これらは比較的データ数の多いものであるので,横軸の区画番号(Fig.2以降参照)のほとんどにHnが計算されている.この場合Hnが得られていない区画は,両側の区画から直線補間を行う.また,1933年津波や1968年津波のように,Hnの分布の両裾に多くの値が得られている場合は,その傾向を延長して,Hnが0.5mになるまで外挿する.しかし1896年1952年1897年津波の両裾の値は得られていないので,こういう場合は三陸地方の特性として,前記1933年,1968年津波と同様な傾向を示すものと仮定して,図の点線で示すようにそれらと等しい傾斜の直線で減衰するものとした.
津波の距離による減衰は,阿部(1982)の震央からの距離に逆比例という考えと,羽鳥(例えば1978)の沿岸沿いの距離の平方根に逆比例という考えがある.しかしFig.1でみるようにHnを対数目盛でプロットすると,ほぼ距離に関して両側へ直線的に減衰しているように見える.そこで,簡単のため図のように直線で近似した.このように外挿によるデータは,特に遠方で誤差が大きくなるが,全域でのデータを必要とするため,止むを得なかった.
また特に注意した点はつぎのようである.
(a) 東北地方太平洋岸沖合で発生した津波の北海道沿岸への影響,およびその逆の場合.
(b) 1703年元禄津波の銚子以北への影響については数値実験の減衰の様子を参考にした.
(c) 日向灘に起る津波の四国方面への影響も数値実験の結果を参考にした,
(d) 太平洋側の津波の函館より西側への影響,日本海側の津波の函館より東側への影響.これは数値の上で重ねることをしなかった.したがって津軽海峡に面する地域については,太平洋側および日本海側の津波に対する値が別々にだされている.

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§3.沿岸各区画のHnの2乗累積値
前節の方法により,1600年以来の各津波について,北海道から九州に至る太平洋岸,および北海道から山口県に至る日本海岸の,それぞれ長さ20kmおよび40kmの区画の対数平均津波の高さHnの実測値とその補間値,あるいは外挿推定値を求めた.
このHnと人的・物的被害との関係をみると,2乗あるいは3乗のかなり高次の比例関係にあるようである[相田・渡辺(1987),相田(1988)など].またHn^2は近似的にその区画に来襲した津波のエネルギーに相当すると考えられるから,ここではその区画に影響を与えた(Hn^2≧0.36m^2)津波について,Hn^2をすべて加え合せ,Fig.2(a),(b),(c),(d)に太平洋岸,Fig,3に日本海岸を棒グラフで示した.ΣHn^2は地域差が非常に大きいので対数目盛で表示した.棒の全高さは1600~1986年の全期間,387年間の累積値を示し,途中に斜線で影をつけた高さは1885~1986年の最近102年間の値である.また点線でつないだ○印は,もし1600年以来Hn^2の蓄積が一定の速であるとしたとき,最近102年間の値があるべき位置を示している.つまり○印より斜線で影をつけた実際の値が高い場合は,1884年以前の津波の活動より,1885年以降の最近の活動の方が活発であることをあらわしている.以下で簡単に各地方の傾向を概観する.
(a) 北海道太平洋岸
最も高い値を示すところは襟裳岬付近である.また最も低いのは噴火湾内で,襟裳岬付近の1/20以下に過ぎない.函館付近は低いピークを示すが,絶対値としてはそれ程大きくなっていない.全般にこの地方は、1884年以前より最近の方がHn^2の累積の速さが速い.これには歴史時代の史料が乏しいことも影響しているかもしれない.しかしHnの2乗値をとるので,小さい津波資料の欠落はさほど問題にはならない.
(b) 東北地方から関東
日本中で最も大きくΣHn^2は,この地方のNo.69,岩手県小本付近の468m^2である.このあたりをピークに,100m^2を超える地域はNo.65の八戸からNo.81の塩釜付近までとなっている.最も特徴的なことは,No.76の志津川付近を境にして,北側は最近102年間の津波の活動が活発であるに対して,南側は最近の活動が平均より著しく低いことである.最近100年程度ほとんど津波の来襲のない福島県や茨城県は,過去にはかなりの津波の来襲があったことが示されており,将来再びこの活動が回って来ることもあり得ることを十分留意する必要があろう.
(c) 房総半島から紀伊半島まで
この地方は全体として大きな差がなく,60~180m^2程度の値になっているが,東京湾,三河湾,伊勢湾では低い値を示す.また著しい特徴は,ほぼ全域で最近102年間の累積値は小さく, 1884年以前の活動が大きかったことである.平均的推定値○印からみると,1884年以前の活動は,最近の10倍も大きかったといえる.その中で相模湾沿岸と熊野灘沿岸がほぼ平均的な値となっているのは,前者は1923年関東地震,後者は1944年東南海地震の津波があったことによる.
(d)紀伊半島から九州まで
紀伊半島西岸と四国南岸が高い値を示す.九州東岸は四国南岸に比べると1/4~1/5である.また大阪湾や豊予海峡を望む沿岸は低い値となっている.紀伊半島や四国南部は概して1884年以前と以後とでエネルギー累積の割合の差が少ないが,九州東岸では1884年以前のエネルギー累積は,最近102年間のそれより大きかったことが認められる.
(e) 日本海沿岸
最も高い値は北海道渡島半島南西岸にみられる.ついで青森県西岸から能登半島北部までほとんど同じような高さであるが,その中で佐渡南部や富山湾周辺は低い値を示している.隠岐島および鳥取,島根の一部でも局部的に高い値になっている.
1884年以前と以降のエネルギー累積のペースを比較すると,北海道北部は最近の方が高く,南部は最近の方が低い.青森・秋田・山形県は概して平均しており,新潟から能登にかけては最近の活動の方が低い。
以上のHn^2累積値を,各都道府県単位で集計し,その区画数で割った値,いわば県別平均累積値を計算して,1600年以来387年間の値を示したものがFig.4である.こうしてみると岩手県が群を抜いており,以下宮城県,高知県,三重県,千葉県,和歌山県,静岡県と続いており,千葉県の値が高いことは注目される,日本海側では山形県,秋田県,青森県が大きい.最高の山形県は,太平洋側の愛知県,徳島県と同程度ということで,日本海側でも津波対策がおろそかに出来ないことを示している.

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§4.沿岸各区画が影響を受けた津波の回数と最大のHn.
この節では,各区画ごとに津波の高さ別の来襲回数を調べる.津波の高さとしては各区画のHnをとり,Hn>0.5m,Hn≧lm,Hn≧2m,Hn≧5m,Hn≧7m,Hn≧10mの6通りに区分して,来襲回数Ntを求めFig.5(a),(b),(c),(d),Fig.6に示した.それぞれの図は,北海道太平洋岸,東北より関東までの太平洋岸,房総半島から紀伊半島まで,紀伊半島から九州まで,および日本海沿岸のものである.またこれらの図には,各区画で387年間におけるHnの最高値をHnMaxとして併せ示してある.以下に各地方の特徴を簡単に示す.
(a) 北海道太平洋岸
Hnが2mを超える津波は,噴火湾およびその西には無い.襟裳岬付近は8回を数えるが,地域によってかなり数が異る.5mを超えるものは襟裳岬付近で1回経験している.
(b) 東北地方から関東まで
尻屋崎以南全域でHn≧2mを経験しており,八戸から女川付近までは7~8回にのぼっている.また5mを超える回数も岩手県,宮城県全域にわたって最高4回となっている.宮城県南部も1回あることは注目される.HnMax10m以上が5区画あり,最高は岩手県小本付近の16.2mである.
(c) 房総半島から紀伊半島まで
全域が2mを超える津波を受けている.5m以上になると,東京湾,駿河湾の一部,三河湾・伊勢湾などが欠け,房総半島,遠州灘沿岸,熊野灘沿岸などで2~3回程度来襲している.HnMaxは7~9mに達する.
(d)紀伊半島から九州まで
大阪湾内および豊予海峡の一部を除き,全域で2mを超える津波を受けている.5mを超えるところは紀伊半島および四国東・南部で,回数は2回である.HnMaxは四国南岸で7~10mにおよんでいる.
(e) 日本海沿岸
Hnが2mを超える津波の経験のある地域は,北海道の大部分,青森県から新潟県まで,それに能登半島北部と隠岐島であり,来襲回数は青森県から山形県までが多く,2~4回である.5mを超えるところは北海道渡島半島南西部,青森,秋田,山形各県の一部,能登半島北部で,それぞれ1回づつである.HnMaxは渡島半島南西部が9~10mにおよんでいるのが目立っている.

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§5.津波の来襲確率
各地の津波エネルギーが387年間一定の割合いで累積しているのではないことは既に述べた.したがって今後短期間に津波が来襲する確率を議論するには,何らかの方法で地震発生の確率を予測しなければならない.しかし,この387年間の津波来襲の実績から,長期的な平均的確率を求めることは可能である.すなわち,これらの津波を発生した地震がそれぞれ独立に偶然発生したもので,Poisson分布を仮定することが出来るとすれば,例えば10年間にそのような地震がおこる確率P10は,P10=1−e^-10/387である.この発生確率をもった地震が独立におこり,沿岸のある区画にHnのある値を超える影響を与える個数がNtであるならば,その確率はP=1−(1−P10)^Ntとなる[力武(1987a,1987b)],
そこで前節に述べた各区画のHnの高さ別津波来襲回数Ntを上式によってPに換算すると
表:P換算
のような関係が得られる.
いっぱう力武(1988)やRIKITAKE and AIDA(1988)によると,歴史地震のデータと地殻歪の考慮も加えて西歴2000年より10年間の地震発生確率を求め,津波の高さがある値を超える確率の算定を行っている.それによると例えば駿河湾や御前崎付近では,東海地震の発生確率が考慮されており,2m以上の津波来襲の確率Peが44~46%と高率になっている.これに反して紀伊半島西岸から四国南岸にかけては,2000年から10年間の地震発生確率が低いため,Peは4~9%とかなり低い.
これに対して,本研究で扱った長期的平均的な地震発生確率を考慮した今後10年間の津波来襲確率は,Hnが2mを超える津波に対して, 駿河湾から御前崎付近は10~14%に過ぎず,逆に紀伊半島から四国南岸にかけては12~14%と,Peよりも高い値を示している.
本研究では津波の高さにHnを用いているのに対して,RIKITAKE and AIDA(1988)は局地的な津波の高さを用いているという違いがある.また後者の確率の値は,基本データや条件のとり方でかなりの幅の変動があり得る.しかし前述の確率の違いは,少なくとも定性的に両者の差違を明らかにしており,短期的来襲確率を求める場合には,本研究のような長期平均的な確率は実情に合わないことを示している.
しかし長期的観点から,日本各地の津波来襲の危険性を議論するような場合は,本研究での津波エネルギー累積値の分布や,長期平均的な津波来襲頻度を,参考にすべきであろう.
§6.む す び
長期的津波危険度の指標として,日本の沿岸約20km(日本海岸については約40km)毎の区画において,1600年以来に来襲した津波のエネルギー(Hn^2であらわした)累積値を求め,その分布を示した,日本で最もこの値の大きいところは,岩手県小本付近である.また県別平均累積値でみると,岩手県が群を抜いて高く,以下宮城県,高知県,三重県,千葉県,和歌山県,静岡県が,その1/3~1/4の値で続いている.
各津波に対する,各区画のHnを求める過程で,各区画毎のHnの階級別津波来襲回数および最高のHnの値が得られているので,それも図示した.また同時に,もし津波発生地震が偶然独立に発生しており,ポアソン過程にしたがうものとした時の,10年間の津波来襲確率を,来襲回数から換算して示してある.
以上この研究では,1600年以来387年間といった,長期的平均的な観点での日本沿岸各地域の津波に対する危険性の相違が明らかにされた.
謝 辞
この研究は損害保険料率算定会からの委託研究費によって行われた,記して厚く謝意を表する.
文 献
阿部勝征,1982,津波のマグニチュード(Mt)による波高予測,津波に関する研究—その1,損害保険料率算定会,7-23.
相田 勇,1988,過去の津波被害の実態調査—北海道・東北地方の津波被害の実態,津波危険度に関する研究—その3,損害保険料率算定会,24-47.
相田 勇・渡辺偉夫,1987,過去の津波被害の実態調査—東海・南海道津波被害の実態,津波危険度に関する研究—その2,損害保険料率算定会,20-42.
羽鳥徳太郎,1973,日本沿岸におけるエネルギー分布と到達時間,地震2,26,1-7.
羽鳥徳太郎,1978,津波の規模と地震モーメント,地震2,31,25-34.
KAJIURA,K.,1983,Some statistics related to observed tsumami heights along the coast of Japan, Tsuna-
mis-Their Science and Engineering,Terra Sci. Pub. Co.,131-145.
梶浦欣二郎,1986,日本海中部地震津波の実態—波高分布の統計,津波危険度に関する研究—その1,損害保険料率算定会,33-47.
力武常次,1987,津波危険度算定の公式化—三陸地方の例,津波危険度に関する研究—その2,損害保険料率算定会,97-107.
力武常次,1988,日本沿岸各地の津波危険度—津波の波高別来襲確率,津波危険度に関する研究—その3,損害保険料率算定会,145-163.
RIKITAKE,T. and I.AIDA,1988, Tsunami hazard prob-ability in Japan, Bull. Seism. Soc. Am.,78,1268-1278.
TAKAHASI,R.,1951, An estimate of future tsunami damage along the Pacific coast of Japan, Bull. Earthq. Res. Inst.,29,71-95.