チリ地震津波被害状況

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チリ地震津波による八戸港の被害概況
第二港湾建設局八戸港工事々務所 菅野一昭和35年5月24日太平洋沿岸を襲つたチリ津波は各地において甚大な被害を与えた,当八戸港において、も未曾有の大災害を惹起した。
当初の検潮器は上限,下限共にスケールアウトしているが,午前3時半に+1.7mと前兆の高潮があり,大きな振幅のものはその後3波あつた。
検潮器の記録用紙より推定してみると
上限時刻 下限時刻
および潮高 および潮高
第一波 5時10分 +4,30m 5時30分 -2.00m
第二波 6時30分 +4,50m 7時0分 -1.40m
第三波 7時40分 +4.20m 8時0分 -2,50m
潮汐の振動は27日に至つても平常の20cm程度に対して50cmくらいの異常をつづけながら記録している。
つぎに港湾の災警状況を調ぺてみると,上図に示すような区域約3百万平方米が浸水し家屋、漁具およびモーター類が広範囲に被災した.津波の浸入経路は八戸港の地形によつて北東より南西に向い鮫地区では北防波堤と蕪島および北防波堤と西防波堤の間が流速激しく,また三角地帯,工業港部においては新井田川に逆流した海水と一緒になつて防波堤と導流堤の間を激流となつて往復した。
現在まで判明せる被害額(港湾施設分)
商港関係 41,900千円
1万トン岸壁裏側物揚場 350m 40,000
1万トン岸壁基部埋立護岸 150m 1,500
三島川船溜護岸 20m 400
工業港関係 67,000
{
河口防波堤 50m 40,000
内部護岸 120m 24,000
埋立護岸 150m 3,000
{
漁港関係 91,800
{
小中野市場岸壁 300m 90,800
蕪島船溜護岸 40m 1,000
}
船舶,機械および港設備 70,000
(含ポンプ式浚渫船)
合計 270,700