まえがき
さきに、「チリ地震津波の被害状況と応急対策」を発行したのでありますが、これに引続いて第二輯として「チリ地震津波災害における応急対策の現況と問題点」を編輯いたしました。
これは、今次チリ地震津波災害に対して、各般にわたりなされた応急対策業務について卒直に反省し、検討を加えて記録し今後の防災上の参考に資していただきたい念願からなされたものであります。
勿論、専門家でない私達が、自からが従事した内容について記述するのであり、内容の検討分析が不充分であったり、客観的に書いたつもりでも主観が入ったりする点については重々認めておりますが、災害発生以後5カ月、終始復興業務にたづさわったきた玄達が、直接「膚」をもった感じとったいわゆる「なま」のままの記録であります。
これを高度に、然も綴密に記録した「チリ地震津波災害誌」を教育委員会で編輯中でありますので詳細はこれに譲り、私達はこの第一輯、第二輯を基盤といたしまして、引続いて第三輯防災対策」第四輯「防災都市建設計画」を策定する計画で作業を進めております。
本編を脱稿するにあたり、直接従事した者が、その内容を記録する場合、特に問題点の抽出等には主観が入ることが懸念される関係上、新聞記者諸氏の応急対策を批判する座談会を開催し、これを収録して添付した次第であります。
本堤の発行にあたり、各般に影響する点が多分にあると存じますので、各項を分担執筆した担当職員を記し参考に資したいと存じます。
過去における三陸地方の津波
三陸沿岸は、わが国でも稀に見る屈曲の多いリヤス式海岸で、湾の多くは外洋に向かったv字型をなしている。したがった湾口は広く深く、湾奥ほど狭く浅くなったいるので、一旦海水が湾内に濃流すると、たちまち津波を発生して陸上に留するうれいが多い。
このため三陸沿岸は過去においても幾度か津波災害を受け、多くの生命と財産をうしなったいる。
口承や文書によった残されているものだけでも貞観11年来18回に及んでいる。そのうち明治29年及び昭和8年の津波災害を除いては殆んど被害の詳細を知り得ないのはまことに遺憾といわざるを得ない。
この津波の殆んどは三陸沖に震源地をもつ地震による津波といわれているが、宝永元年に来襲している津波は、ちようど南米チリに発生した津波の日時に符合する点もあり、今回と同様その余波と見られている。
したがった地球の裏側の地震が原因して、日本列島に被按害を及ぼした鋼が過去の津波においてもあることが考えられる。
被害と原因
津波の概況
5月24日早朝太平洋。沿岸を襲った津波は、5月21日から南米チリで相つ
いで発生した地震によるものといわれているが、中でも22日15時10分頃歴史上最大の密度(M875)を記録した、バルデイナビア附近を震央とする第3回目の烈震が、18000Kも離れているわが国太平洋岸にまで被害をおよぼすに至った大津波の原因となったものと推定されている(7月2日読売新聞掲載の東大助教授佐藤久民の現地調査報告による)。
この津波を当市で感知したのは24日午前3時10分煩である。この時は単に強い高潮程度に感じたのであるが、同13分頃不気味な引潮が静かにはじまり、最低380Mまで水位が下るに至り、不意な津波の来襲を知ったのである。それから第二波が来るまで約90分間、4時40分頃又静かな上げ潮がはじまった。これは予想だにしなかった意外な大津波となり、海岸より、2000M奥地の水田まで浸水して、その猛威をほしいままにした。その後再び引潮がはじまり、5時25分あげ潮となり、68分で第三波が来襲した。これも第二波と同様10分間にわたり湾内を荒れくるった。その後は約8分おいて第四波が来襲、第五波以後は周期が急速に延び109分、234分、228分を記録している。
また海水は浅瀬ほど速度をまし、陸地に浸水する勢は、オートバイの中速程度の速度と感じられている。
上記のことから一般的に次のような特質が認められる。
A、震源地が非常遠方にありながら、津波の規模は大きかったことである。
B、津波の被害が日本の太平洋岸全体に及んでいること。
D、津波の波長即ち周期が非常に大きかったこと。
D、襲来の様相は海水が静かに増加して来、陸上に上り、障碍物につきあたると急速に速度が加わったこと。
被害の概況
津波で大被害を受けるところは、いつの津波でも大被叢害の可能性がある。
今回の津波もその例にもれず海岸線の凹凸のはげしい三陸泊岸には大きな被害をもたらしているが、しかし三陸沿岸でもところによって単に高潮程度の無被害地域もあれば、当市のように被害激甚の地塚もあり、前回の津波に見られない波高に著しい差違が見られる。さらにまた当吉の好く湾内でも、前回大きな被害をうけた湾口附近は比較的被害は少く、かって被害の少かった奥地ほど大きな被害をうけている。これは湾形による波高の変化もさることながら、遠方に震源地をもつ波長の長いこの津波の特徴が、各地に及ぼした被害の様相においても、大きな特異性をあらわしているといえる。
即ち津波の規模が大きいため予想外に被害が大きかったこと。波長即ち周期が大きいため湾奥ほど波高も高くなり、被害も大きくしたことである。
被害の状況は次のとおりである。
被害の原因
53名の尊い人命と80億円にのぼる大損害をもたらすに至った根本的な原囚は、偉大な自然力という不可抗力によるとはいえ、人力で幾分でも被害を僅少ならしめる最母善の措置があったとはいえない。これらの人災的原因を分析すると次のことがあげられる。
1)津波警報の発令が遅れたこと。
三陸津波は地震後15ー30分で来ると体験もし。教えこまれていた市民は、ただならぬ海面の異状を見ても「津波」だと叫ぶに迷うほど津波の来製を考えなかったのである。結局地震もなく、何等警告がなかったからである。
しかし無警告津波といえばいえるが、必ずしも無警告ではなかったのである。すでに22,3時間前にチリ地震を長野県の松代地震観測所ではつかまえていたのである。またホノルルの沿岸測地局からの情報では半日前の23日10時20分に「チリ地長で被書を伴う津波があるかも知れない」と届いていたというのてある。さらに検潮儀も宮古測侯所では.当日の2時47分確実に35Cmの押技を記録したし、石巻測候所の清崎の検潮係は3時訂分、340cmの上げ潮から4時5分の引潮と明瞭に記録していた。これから見ても決して無警告であったとはいえないのである。これらの時刻に津波警報が発令されていれば、充分な警戒退避する時間があったわけであり、したがった被害も最少限度にくいとめることができたであろう。
2)防災施設の不備
三陸沿岸は地形上絶対に津波の災害は免れないとしても、被害を最少限にくいとどめるためには沿岸全部落を高台に移転するより外にないわけである。
しかし海に生活の資源をもつ漁民を高台に移転させるということは現実的に不可能といわざるを得ないし、さらにまた商店街も同様に、稀に見る天然の良港を背景としその発屡を見ているので、岸壁より遠距離に新に商店街を建設することは、これらを育てる諸条件において現状をもってしては困難な問題といわざるを得ない。
このような状態の中で、必然的な津波被害を最少限度にとどめる唯一の手段は防潮施設及び警報施設等の予防対策を、しかも可及的速かに講ずることにあるわけである。かっての津波災害においても、これらの施設の完備が計画され、道路網の新設、集団敷地の造成等一部実現を見たが、財政的問題もともなって充分とはいえなかったわけである。
しかしこれらの計画が実現し、さらに必ずやってくる津波にそなえて、常に防災施設が完備しておれば、津波規模が前回を上まわるといえ、今日の大被害も僅少にとどめることができたであろうと考えられる。即ち
A、防潮施設がなかったこと
B、津波警報器の設置がないので警報が火災と間違われたこと
c、都市計画がなされておりながら、津波を予想した避難道路に欠けるところがあったこと
以上3つの防災施設の不備が今回の被害を大きくした原因とも考えられる。この際われわれは忘れた頃にやったくる、天災への備えを新にして、これらの防災施設の完備を急ぐ必要がある。
3)津波に対する認識の不足
前述のように天災は忘れたころにやって来るといわれるように、津波は2、30年の長い時日を経てやってきている。これだけの時日の経過があると恐らく津波体験者も全人口の幾割かに過ぎなくなったいるので警戒も怠りがちといえるが、海岸に住む市民は最近の連続的におこる地震が一層警戒を高めていたのである。
しかし不幸にも今回の津波は当地には地震の予告をともなわなかった。地震があって津波が来るという体験をうらぎったのである。ここに津波の来襲に認識不足があったことが指摘されるわけである。
津波年表を見ても宝暦元年(1751)5月2日(陽暦5月26日)の大槌地力来刻(午後2時)の津波は東京天文台編の理科年表に出ている「1751年5月25日、チリ国コンセプシヨン市、サンチアゴ市大地震津波あり、このためコンセプシヨン市移転」と符合するといわれているこの時は著しい被害はなかったようであるが、盗水の状態まで今回と似ており、地震がなくとも遠方の津波は過去の歴史において今回と同様に日本列島を襲っていることが考えられるのである。
災害救助法発動の現況と問題点
当市に災害救助法の発動がきまったのは、24日午後121時10分である。このときすでに災害現場には市駁員が派遣され救助活動がはじめられていたが、予想外の大災害のため、すベての面で適切且つ迅速な処理ができない救助体勢にあったといわざるを得なかった。それには、いくつかの問題点があげられるが、一つにはこのような大災害に対する救助計画は机上のものだったため、域員白身初期において救助対策に途迷わざるを得なかったのである。これが即ち災害救助法に基づく諸種の救助に大きな支障を来たすに至ったのである。
まず被害調査に例をとると、どのような目的のために調査を必要とすそかさえ認識しているものはなかった状況である。
幸い気仙福祉事務所の指導によった翌25日から調査にのり出すことができたが、準備されてある調査書はわずか200部もそれでは間に合うわけはなかった。したがった1.500部ほどの簡易な調査書を急拠印刷してとりあえず配分するという状態であった。
この調査には職員が罹災地区を分担してあたったが、流失、全壊のものな殆ど弛の安全地帯に避難し移転しているため困難をきわめたのである。この集計は県災害対策本部からの再三の督促で、その日徹夜でおこなわれ被害報告の第二報を入れることができたのは翌26日午前6時であった。このように被害調査はスピーデーに進められた反面、調査内容が不備であったり、調査洩れが多く出る結果となったのである。このため引続き調査は進あられ、第三報は27日、第四熱は31日に県災害対策本部に入れられた。この間における被害調査の誤差は最終的に1割程度であったのである。しかし県本部ではすでに27日現在をもった救助の対象をおさえたため、被害の実態とは大部相違する結果となったのである。これによる予算の内示額は次のとおりであった。
避難所設置費20,196円
炊出し食品給与額951,600円
衣服、寝具、日用品費2,304,162円
学用品給与費845,640円
埋葬費106,000円
輸送費30,0OO円
人夫賃10,000円
計4,267,598円
然し31日の報告でさらに罹災者が増加したので、再び予算が配分され、被駅寝具日用品費に3,017,598円が追加されて合計において7,245,196円となったのである。
したがったこの範囲内で、更に購入計画が樹てられ、配分計画が樹てられたのであるが、何分にも現行の災害救助法に定める配分基準額が僅少のため罹災者には罰民満足な救助はできるわけはなかった。
参考までにその基準を示すと次のとおりである。
全壊、流失者1人〜3,170円
2人〜3,850円
3人〜5,540円
半壞者1人〜1,O50円
2人〜1,230円
3人〜1,390円
以上のように人員の割合で増加はされているが、全く僅少といわざるを得ない額であったのである。この配分計画の作成は予算内示とともにはじめられたが、被害調査の不備が大きな支障となった思うように進捗しなかった。さらに事務の繁雑もさることながら作業員の配置は殆ど毎日交替されるため計画どおり作業は進まなかったのであるが、幸い隣接市町村職員の応援で比較的早幾に作業は終着できたのである。
この他これらの災害初期における救助の立遅れを少なからず挽回してくれたものは、市民の全面的な協力はもとより他都市及び社会団体等広範罪にわたる救援によった食糧、衣料その他生活必需品が早期に確保できたことによるもので、この際特筆すべきことである。
以上の救助体勢の現況から次のような問題点が指摘されよう。
1)災害救助法発動の基本となる罹災調査に必要な調査カードは、予め大災害を想定して,何時でも使用できる体勢に準備保管することが必要と考えられる。
2)救助の迅速を期する罹災調査が速やかに且つ正確におこなわれる組織体勢が必要である。
3)平素から業界と非常時における集荷対策を協議して、物価安定と必需物資の確保を図ることが必要である。
4)現行災害救助法は、事務が非常に繁雑であるため,今回のような大災害にあたったは、法に基く救助を実施する迄には、長期の時日を必要とする。したがった事務の合理化によった救助の迅速且つ適正が期されるような措置が望ましい。
5)現行災害救助法による給付対象の拡大と、さらに給付限度額の引上げが特に要望される。
6)罹災証明はすべての面にわたり基礎となり、罹災証明事務の適正且つ迅速な処理について検討する必要がある。したがったこの場合地区民組織の協力を得られる体勢が必要である。
7)災害時には自発的に炊出しをする好ましい習慣があるが、更に有機的な炊出しの体勢が望ましい。諸物資の配給について市民の全面的な筋力が必要であるので協力体勢の確立が必要である。
避難の現況と問題点
ている。
(ロ)本地区は、比較的原住者が多く,昭和8年及び明治29年の三陸津波の経験者が多数にあった。
(ハ)かき養殖業を主体としている関係上,午前3時半頃には海岸に出ていた人々により津波の来襲が予知され周知された。
(ニ)消防車(第二部)に拡声装置があったため、地区内を数回にわたり巡廻しながら津波の来襲を周知徹底せしめた。
(ホ)以上の好条件に恵まれた反面、昭和8年の経験のみに依存した結果、緩慢な引潮と来襲を甘く判断し、少くとも県道以東では、必需品等の搬出が時間的に可能であったにもかかわらず、これらがなされなかった。以上を総体的検討すると次のとおりである。
(A)自動津波警報機が必要である。
(B)消防車には拡声装置が必要である。
(C)要所には電池による拡声機の装置を要する。
(D)避難道路、避難場所の整備と、これに関連する訓練の必要がある。
(E)火災と、津波と、その他災害の警報は、一般に判明し易く改正区分す
ると共に、サイレンは余いん防止装置が必要である。
救護の現況と問題点
災害救助法にもとづく、県知事を隊長とする県単位の災害救助隊の下部組織として、市は市長を、隊長とする支隊を組織し、災害救助隊長の指揮のも4とに、非常災害時における救援及び緊急措置を講ずることになったいるが、遺憾ながら、大船渡市においては、その組織が確立されてないままに今次災害をこうむったのである。
災害対策本部の設置
市では災害発生と同時に、24日午前4時40分市役所に災害対策本部を設置し、職員の非常呼集を行ったが、通信が杜絶し、且つ被害が予想される大船渡、赤崎、末崎地区の職員の出動が期待できず、結局日頃市、立根、猪川、盛地区の職員をしてとりあえず救助隊を編成したが、男子職員のうち24名が消防団員となったいる関係上、これ等職員が消防に出動したこと等により、当初60名程度の職員により編成したのである。
午前4時50分大船渡地区へ4名、赤崎地区へ3名、末崎地区へ1名の先発隊を派遣して、被害の状況を調査せしむろとともに、市役所の位置は、災害現地と遠く、状況の把握と、適切な対策業務の遂行には極めて不便であり、主要連絡所を大船渡小学校に設置し、市長がこれに駐留し、赤崎地区は漁業協同組合支所を連絡所とし、水道課長を派遣し、夫々救援活動に入った。
然しながら、大船渡連絡所に市長が駐留することが、全ての連絡が市役所に来る関係から、業務の統制上不利不便が多く、且つ従事職員の数を2分する不合理な点が多いので、大船渡連絡所を農協に移し、市長を本部位置に招請し、救護体勢の一体化を図った。
その後、消防本部の了解を得て、市役所職員の消防団員を対策本部に吸収し、罹災職員の招集を発令して、本部体勢の強化を図り、下表の編成によりその都度重点的に人員配置をなし、6月3日、災害復興事務局の誕生まで救援業務の遂行に当った。
また、連絡所は前述の如く、大船渡町に1カ所、中赤崎に1カ所を設置したのであるが、大船渡連絡所の場合は、評価員外数名の市職員を常駐せしめて、主として罹災者の相談に応じ、諸連絡の業務を担当したのである。又、中赤崎連絡所は、市職員を2〜3名常駐せしめ、契約会、消防団、各行政連絡員等が自主的に参集し、終始中赤崎地区における救援活動を主宰したのであり、この地区は最も理想的な救援組織をもった円滑な…影務遂行を全うしたのである。
市議会の活動
市議会は、24日午前10時、大船渡小学校に翼急臨時市議会協議会を招集しこれに大船渡市内各関係機関よりの出席を求め、市当局より災害状況の概略と、応急対策業務の活動状況等の報告を得て、各般にわたる対策の方策について協議し、当分の間、毎日午前8時30分より市役所会議室において緊急協議会を開催することに決定、11時50分散会した。
◎緊急協議会の状況(5班25日以降)
25日、午前8時30分、開会
○会議内容
1、市当局より現在まで判明せる被害の状況について報告
2、協議
イ、被害者に対する資金、食糧、防疫、住宅の間題など当面の対策について協議
ロ、津波被害地の実地調査
各部門の所管事項を決定、市とタイアップしてこれに協力することにする。
26日、午前8時30分、開会
○会議内容
1、前日の実地調査の結果について各委員長より報告
2、金融、保健、給水、食糧の問題等について当局からその后の状況報告
3、議員活動として関係行政庁に陳情の必要さないか、又緊急灯策もさることながら、そろそろ復旧対策もやるべきという意見も出た。
28日、午前9時、開会
○会議内容
1、鈴木県議より県関係の折衝過程について報告
2、協議
イ、主として融資関係、道路、通信問題について当局と話し合いする。
以上が今回の津波災害による緊急協議会の概況であるが、災害対策も軌道に乗った来たので、一先ず緊急協議会は打ち切り以后は必要に応じ招集することとする。
なお、災害期間中、中央要路かち数多くの視察団が来市したが、議会としては、その都度、全議員を招集して陳情したことはいうまでもない。
次に5月24日より26日までの協議会会議録を記載し、参考に供したい。
緊急臨時市議会協議会記録
昭和35年5月24日午前10時緊急臨時市議会協議会を大船渡小学校に招集出席議員は次のとおりである。
1番佐々木亀三郎君2番今野政治君3番佐々木幸助君4番平平勘之助君
6番犬畑平一君9番小山勝雄君11番菊池丑太郎君12番吉野栄三郎君
13番金野剛君15番佐野誠一君16番水野重郎君17番山口信一君
19番武田貢君20番佐藤勇之助君24番石橋喜代助君25番熊谷長治郎君
27番富沢恵能君29番新沼勇太郎君
欠席議員は次のとおりである。
5番平山幸一君7番藤原武雄君8番滝田喜蔵君21番佐藤菊之助君
10番平野義方君14番伊藤喜一君18番森政男君26番熊谷栄一君
28番鈴木養吉君30番山崎栄之進君22番西山六松君23番大和田吾東治君
当局よりの出席者は次の通りである。
市長鈴木房之助君助役藤原滝三郎君総務課長臼井勝三君
産業課長広沢登米夫君税務課長千葉芳吉君教委教育課長大和田隆祐君
市内関係機関よりの出席者は次の通りである。
大船渡警察所長殿、県南バス大船渡営業所長殿、東北電力大船渡営業所長殿
大船渡郵便局長殿、大船渡電報電話局長殿、医師三条訣殿
県会議員鈴木八五平殿県南米雑穀協同組合殿
事務局職員の出席は次の通りである。
今野信雄君
開会午前10時
副議長只今から緊急招集を受けました大船渡市議会臨時協議会を開会致します。議長上京中でありますので、私が代った司会致します。本日の出席は18名で御座います。定足数に達して居りますので直ちに会議を開きます。申上げる迄もなく今回の津波は明治29年に匹敵するような大災害で御座います。即刻対策を講じなければならないと思いますが、先ず当局から被害の状況について報告がありますから其の后にいろいろ御意見を御伺いします。
助役各方面に写真班を派遣致しまして調査きせて居ります。県に情報を入れる必要があると思いまして、佐藤評価員を住田町に出張させました。最初私の処に電話がありました時は高潮位に考えて大した事はないと思ったいましたが、消防本部に来て消防がかけつけ津波ということで驚いたわけであります。現地に来てみると大変な災害であります。住田町から連絡して県に要請したのは自衛隊の出動であります。道路に建物其の他障害物がありますから、早くこれを除去する必要があると思いまして県に要請して居ります。それから消毒班を県から派遣して貰うことも要請して居ります6佐藤評価員が帰った来たら県との連絡が解ると思いますが、不取敢厚生部長か誰か来るかと思います。被害状況を最も速やかに報告するのがよいのですが不取敢の報告をして居りますことは,家屋の流失1,OOO戸、浸水2,OOO戸、死者行方不明100人、負傷者300人、是は後で違ったくると思いますが、一応県庁に報告しておきました。津波の高さは10米位ということでありましたが…
富沢10米より多いと思う。
平山(勘)5米位ではないか。
助役新聞社との連絡がつかなくて、県庁に第1報を入れる必要があると思った教育委員会の金君と後1人県庁にやりました。県庁でどういう手配をとるか連絡してくれということで。
その他はカギ棚2,0OO全減、水道も使用不能であります。盛綾里線、高田線は不通です。救護班は気仙病院長さん以下5班を組織してやった居ります。赤崎側はセメントの所でストップになった居りますから向うにいけないと思うが。立根、猪川、日頃市には働くによい人は出てくれということでいうてあります。役は落ち付かないうちは出来ないと思いますが、炊出しは立根、猪川、日頃市、盛からどんどん来て居ります。今后必要なことは災害の情報を確実に早く知る必要があります。災害状況は写真にとった県庁のろう下にも貼らなければならないし中央に持ったいった写真を貼った陳情する事が必要だと思った居ります。
熊谷災害の実体を調査しなければならないが、災害法の適用はどうか。
助役適用になります。毛布5000枚、シャツ等5,000枚、不取敢要請して居ります。米の方は幸いに倉庫が大丈夫でおりますから、いくらでも手配がつきます。罹災者の収容はここの小、中学校、職業安定所、太洋学院等に、赤崎は小学校を考えて居ります。親類縁者に身を寄せている人はそれでよいし。
大和田(平)漁業関係ですが、カキ棚はまだ全部外洋に出ていないから漁柔組合単位にやった貰い、その分に対して1総合100万円なり、50万円なりの対策費用を出さなければならないと恩いますが。
助役それは出しましよう。
副議長流れているものは大部佐野橋の引込線に全部来ているものがありますが。
大和田(平)或程度の補助を出すということでやらなければならないと思う。
市長そのようなものも考えなければなりません。
助役やる茂き仕事は不取敢やらなければなりません。金は后でやることにして。
鈴木県議責任主体をきめておく必要があります。
助役死体の収容と傷病者の看護でありますが、是を急達にしなければならないと思ったいます。
消防団長消防団は日頃市ば下船渡平、猪川は永井沢笹崎、立根は笹崎より駅前まで、盛は駅前から電話局までというように分担しています。現在死体8を発見、西光寺に運んでいますが、尚各所に発見されています。米協前に本部をおい宅怪我人を運んでいます。道路の片付けには手が廻りません。世田米から100人位応援に消防団が来て居ります。
市長盗難対策も是非お願いします。
助役赤崎は漁協に本部をおいて収入役がいった居ります。
税務課長水道は被害地でない所は全部出ているそうですが、只本管からもれている所があるんではないかと思います。今からタンクにいった検討しなければなりませんが、この事を罹災者に連絡したいと思います。本管の関係で出ないんではないかと思います。
市長電力、電話局等からも集った戴いて居りますから、これはこういうふうにした方がよいという事があれば皆さんからお瀬いします。
富沢不取敢電気をつける事が第一だと思いますが。
石橋電話の方は県下の関係機関と相談して貰った早く通ずるようにして貰いたいと思います。
総務課長人員の派遣について中赤崎地区の道路整備に出来得るなら50人位やりたいものですが。
消防団長死体収容と怪我人で手が届かないようです。
水野小野田セメントから赤崎の方が通得止めです。
佐野津波記念碑から向うが通れません。
大和田(平)道路、電気、水が一番大切です。
消防団長世田米からの100人をやりますか。
市長それがよいですね。
富沢道路通信網が大事です。自衛隊にやらせる事を要請したらどうですか。それから食事のことですが、腹もへった来た頃だが精神的に不安を覚えるんだが、米を用意している事を一般に知らせて安心させたらよいと思うが。
市長米協から要請があるんですが、電力がなければ米をつけないということで。
大和田(平)広報車の活動が大切。
石橋米協がストックしていないか。
富沢対策の本部は中心から片寄ったいるんで中心地にいく必要はないか。
平山(勘)ここの対策本部は今日位のものではないか
富沢物資の配給は個所をきめておかなければならない。
平山(勘)80人や100人で片付くものではないと思います。早く道路だけでも通さなければならないが、大船渡は50人や100人ではどうにもならない。
鈴木県議細浦高田の連絡がつかないという事ですが。
大和田(平)勝木田、三日市が問題です。
富沢勝木田、三日市はどうですか。
武田細浦にも水が上りません。
助役最も急ぐべきものは他にありませんか。
水野食糧ですね。
金野収容所も念がなければ。
佐野着物もそうでしよう。
今野(勘)生徒の教科書等も考えなければ。
鈴木県議衣類のないものの調査を早くしなければならない。
市長衣料関係は婦人会を頼んだらどうですか。
佐野(政)立根からも出動しているようですが、全然指揮者がないようですから。
鈴木県議一般の人は消防団の指揮下に入った貰ったやったらどうですか。
市長それは消防団にお願いしたいと思います。その他こういうものが困ったいるとか学用品がないとかそういう事について何か御座いませんか。
佐野調査員をきめなければならないではないかと思うが、各地区毎に調査して貰うことが必要だと思う。
大和田教育課長教科書は教育委員会でやります。
富沢市長さんを陣頭に立てて、婦人会はどこ、消防はどこという風に命令系統をたてておかなければならないではないか。
助役今応急対策でありますから、恒久対策については組織替をしなければならないと思ったいます。
佐野本部は市後所の方でやったいたが、炊出し等もやったいますが、本部をここに移します。
助役今日はここに本部を移してやりますが、明日あたりは市役所にしたいと思ったいます。
三条先生衣料に困ったいると思うから
助役市内丈けでも義捐金としての衣類を集めましよう。后は段々他から来ますけれ共。
今野(政)山手から炊出しが来ますが、これはどういうにしていますか。
助役向うの方でくばることになった居ります。
熊谷連絡員を招集して調査等もやる必要がある。
助役それもやらなければならないと思います。
鈴木県議各地区毎に調査させた方がよいと思う。
助役市内からの義捐は衣類だけでなく、勝手道具等何でもよいから集めたいと思う。
水野一応云うてやる必要がある。
鈴木県議消防に吋する指揮、一般人に対する伝達の為広報車でやった方がよい。
富沢広報は不安になったくるから早くやった方がよい。
武田衣食住を早くやらなければ
熊谷広報車は走りながらではよく聞えないから止まったやった方がよい。
助役婦人会、青年団に義絹金品を御願いしたい。落付先の調査もしなければならないし。
石橋燃料も必要だから日頃市、住田から運ぶ必要がある。
今野(政)明日からの出動計画ですが、消防団の指揮下にやるものは何々か、婦人会が何をどうするか、正確にしておく必要がある。
消防団長消防団員は明日から当分出動して貰わなければならないと思ったいます。
今野(政)消防団と一般の部署をきめておかなければ。
武田全部消防団の指揮下にやらなければならないと思う。
市長消防団で赤崎は赤崎、大船渡は大船渡でやった貰うように。
助役他の消防団はどうしますか。
鈴木県議矢張り消防団に御願いしなければならない。
大和田(平)どこから来ても消防団の指揮下に入れる事にした方がよい。
三条先生医療系統の組織を作ったいるか。
助役今日は病院長が中心となったやった貰う.事になった居ります。県の防疫班を頼みましたが、保健所長に相談してやった貰う方がよいと思います。
三条先生市の保健課長に計画をたてさせてやった方がよいと思う。
大船渡警察署長当然災害救助法が適用されると思いますが、災害救助隊の編成が出来ていると思います。市長が部隊長になったいる筈であります。我々も構成員になったいる筈ですから。
市長不取敢現在の態勢でやることになります。
平山(勘)あのごみをどうしますか。
市長山にもったいきたいものですが。
大和田(平)埋立にもったいった方がよいでしよう。
佐々木(幸)どこの車も全部出してやるようでしよう。
新沼電気会社に連絡していますか。電報や通信の範囲はどういう状況ですか。
電力会社会社盛は送ったいる。早く大船渡の町に出すようにしたい。電気は明日の午前中にきめたいと思う。
電話局より盛岡の指示を受けていますが、遠野盛岡よりお昼頃来ることになっています。盛高校に仮設して官庁間の連絡ばかりもつけたい。無線機ももってくる。
米協玄米8,0OO、精米になったいるものは3,000k入300俵在庫
県南バスより今調査中だが、切符から車掌の服もやられ今日だけ盛大船渡間無料運行、道路が出ても地下タンクもすつかりやられたので運行出来る状態ではない。
助役死体は検死して焼くなら焼く、火葬にしてもよい。箱は手配している。
副議長それでは是を以て緊急議会協議会を閉じます。
尚明日から当分午前8時半から市役所会議室で協議会を開きますから御
参集願います。是から自由に今后の事について御話合を戴きたいと思います。
開会午前11時50分
大船渡市議会協議会記録
昭和35年5月25日午前。8時30分より市役所会議室に大船渡市議会協議会を開会。
出席議員は次の通りである。
佐々木亀三郎君今野政治君佐々木幸助君平山勘之助君
平山幸一君大和田平一君藤原武雄君小山勝雄沼
菊池丑大郎君吉野栄三郎君金野剛君佐野誠一君
水野重郎君森政男君武田貢君佐藤勇之助君
佐藤菊之助君山口信一君西山六松君石橋喜代助君
熊谷長治郎君薫谷栄一君富沢恵能君鈴木養吉君
大和田吾東治君薮沼勇太郎君山崎栄之進君平野義方君
滝田喜蔵君
欠席議員は次の通りである。
伊藤喜一君
当局よりの出席は次の通りである。
市長鈴木房之助君助役藤原竜三郎君収入役千葉栄太郎君
固定資産評価員佐藤清一郎君総務課長臼井勝三君保健課長佐藤宇三郎君
商工課長千葉英三君水道課長千葉徹男君税務課長千葉芳吉君
建設課長新沼範君産業課長広沢登米夫君農委局長新沼栄夫君
教育長大和田肇君教委教育課長大和田隆祐君選管局長菅生忠君
総務係長石橋高君総斑係長佐々木吾郎君消防団長佐々木佐五郎君
事務局職員の出席
今野信雄君船野良悦君
開会午前8時30分
議長是より昨日に引続いて協議会を再会致します。皆さん御苦労さんです。私は全国市議会に出席の為上京中でありましたが、ラジオで情報を聞いて驚いて昨夜11時に帰った参りました。予想以上の被害に驚いたわけでちります。只今から其の后の状況について当局から御報告があると思いますから、それからいろいろ御意見を承った今度の大災害を一日も早く芝興の為当局と議会と市民三者一体となった真剣に進めたいと思います。どうぞ宜敷く御願いします。
助役昨日午后5時現在被害状況は御覧のように死者51名、負傷者61名、行方不明11名、流失364名、全壊225名、半壊190、床上浸水493、床下浸水402、非住家流出204、全壊106、半壊56、床上浸水244、床下浸水246、被害人員6、800人となったいます。昨日の対策につきましては専ら死体の捜索収容に全力を挙げたのでありまして、未だ死者等が発見されると恩います。不取敢死体は引取明瞭者は家族に引渡して居りますが、殆ど西光寺でこれをやったいます。それから盛、大船渡の火葬場で焼いて居ります。今朝迄に未だ8体残ったいます。これから赤痢等が発生致しますので、防疫は保健所、県の関係部課から来ているし、市の保健課、地元の保健婦が中心になった既に薬品が到着しましたのでやることになったいます。次に水道でありますが、是は災害で水ののった所にはいった居りません。水は困難な問題だと思います。幸いに本管はこわれた所はありません。問題は川口橋の流失に依った赤崎方面に給水が出来ないことです。食糧は幸いに米協の倉庫に被害がないし、周辺から手配がつき、食糧は問題がないようです。昨日は甘頃市、立根、猪川茎地区等より出して貰ったいます。自衛隊は昨夜午后3時頃は整備の為8時間を要したとのことですが、昨夜到着、盛岡から214名、仙台から80名到着、今日大船渡の周辺を4班に分れて目下作業中であります。消防団は大体市内で動員できるのは500人位,是に住田、三陸から300名、住田200名、三陸100名、住田は高田に煮やる必要があるということでありますから、今日は何人来ているか、是に日頃市、立根、猪川等から働ける人が出て貰った是等の被害がどういう風であるかわかりませんが、その町々の分団長の指揮下に入った働いてもらいたいといえことにして居ります。尚罹災者の身寄りのないものは大船渡は小学校に収容していますが、差当った是には寝具と思いまして、住田町に町内の毛布を願ったんですが、夜中になった寒かったんではないかと心配しています。小中学校の収容者は永く学校におく卒が出来ないと思い重すから、従った是に対しては世帯主の意見も聞いて適当な地点に仮小屋を建設しなければならないと思います。是は今日罹災者の意見をり聞いてやりたいと思います。この諸材料の調達については、営林署長さんにお願いして出来得る限りの事をやった貰うことにして居ります。それから電話ですが、今日の昼頃迄に緊急の官庁用ということになりますが、復旧することになったいます。盛岡等から建設班が来てやった居ります。電気は上手にはついている筈であります。これから一生懸命やることになった居ります。いつ迄出来るということははつきりしませんが、各方面全力を挙げてやった居ります。青年団、婦人会は義絹金品を募集して居りますからも今日あたり流すことが出来るように入ると思います。赤十字は救護班を送った来たんですが、それよりも前に救護班を5班に分けて赤崎町あたりはセメントから向うは交通出来ない為にマゴマゴしていると思うがやったいると思います。尚怪我人は気仙病院に収容されたものは378人と思います。思い付きのままで恐縮ですが、宜敷く御願い申し上げます。
議長皆さんからの御意見を承りたいと思います。
水野死者の実体が解らなかったが、更に行方不明者等が発見されると更に増えると、思いますが、大変な犠牲を出したんですが、葬儀の方法は合同葬儀とか市葬とか、市においてお世話して遺族に対して御迷惑をかけないようにやるべきではないか。40
助役少し落着きを見たときやるようではないかと考えています。時期等については后1週間位落ち着いたらよいではないか、或はもう少し延ばしたらよいか考えて居ります。それからもう一つ罹災者に対して市として御見舞金を出さなければならないと思うが、金額は何れにしても出さなければならないと思いますので、この点についても御意見を承りたいと思います。
水野遺族の方に急速にこういう意志を市の方からお伝えして、勝手に早まったりしないように留意して下さい。
市長一番の問題は資金の問題であろうと思います。只今市の信用組合の桶爪氏が参りまして、県の次長さんもいらつしやった、資金の融通について市の信用組合を通じて融通するという意向を伝えて来たそうであります。市としても御願いして資金面でいろいろ緩和を図ったいきたいと思って居ります。今后皆さんと御相談して是にウエイトをおきたいと考えて居ります。
西山今度の災害は最も多く交通機関もとまった円滑にいかないわけですが昨日から昨夜迄私の方に何も食わないでいたからというて来た人が10人もあります。隣の部落迄は来たが永井沢には全然来ないということであります。なるべくそういう事のないように配給の円滑を期していただきたいと思います。
市長交通機関の事でなく、是は配給の方の何かの手違いだと思います。相当物資も炊出しも参った居りますから。
西山笹湾まではいったがそれからはいかない。
石橋昨日はいろいろ地元の炊出し等で凌いだようですが、今朝あたそりは話を聞くにもう少し警察の警備を増員して縁しいという意見もきいたわけです。警察と当局と御相談してやるベきではないか。消防の方からも相当な御協力を戴いて居りますが、消防のはんてんと警察の服では市民の感じは大分違うという事であります。炊出しもよいが5日分なり1週間分なり米ミソを不取敢交付すべきではないかとも考えられますが。
市長警察の点につきましては県の警察庁とも話して居ります。又昨日の市会におきましても是の点はお願いしたんですが、萬全を期する警備をするという事であります。米の配給につきましても考えて居ります。
晦工課長昨日から広報車によりまして広報しましたし、今朝程も広報致し
まして行政連絡員を通じて1人当り2K差当った配給を実施して居ります。在庫がありますからもつと沢山も配給してもよいが一応1人当り2Kで考えて居ります。基準量は1週間分でありますが、実質は3日分位であります。其の后の対策については早急に計酉を立ててやりたいと思ったいます。
佐野今回の災害については、緊急法律に其く対策を立つべきではないか。其の点についてどの程度やったいますか。
市長災害救助法については適用になった居ります。災書救助法は国、県がやる事でありますが、たた法律によりますと庭共は下部組織を作りまして、救助法を適用されれば其の費用は最終的には島でありますが県が主体となったやります。下部組織現在のように考えて充分目的を達すると思います。下部組織は結局県の機関とい5形になるようであります。従った組織を作ることは今の組織で県の機関とい5事で認めて戴けばよいと、思います。
佐野下都組織はどういうようになったいますか。
総務課長本日最も急ぐのは罹災台帳の調製で福祉事務所を中心として評価員室農業委員会、税務課等でやります。会計は金銭の出納炊出等、商工課は広報宣伝、資料の提供、食糧配給、産業課は災害個所の調査、復旧作業の指導、建設課は、災害個所の調査復旧作業の指導.水道課は給水の萬全を期す、保健課は衛生防疫、議会教委は学校り児童生徒の伏況調査議会選管は捻務課の総合調整、救援物資の受払に協力こいうことになった居りまず。災害救助法に基き遅くとも本日中に取まとめるよう準備しヤているわけであります。この会議が終れば、直ちに課長会議もやりますがこの考えで活動を開始して居ります。更にこり内容について変更するものがあれば直ちに変更したいと思います。
吉野罹災者に精神的物質的に幾分なりと墨、満足を与えたいと思います。時間の関係もありますが罹災者の会合を開いて大船渡2カ所位赤崎1カ所位に会合して罹災者の意見を聴取して罹災者の希望をまとめる事もよいと思いますが。
福祉事務所長今日当りから大部落はいたんではないかと悪ったいます。罹災者の状態が全く莫然とした状態であります。仲々一堂に集めることは
六ケしいんではないかと考えて居ります。救助法に其く組織のことは総務課長から説明がありましたが御質問の内容にふれて調査していきたいと思います。
水野昨日の協議会においてはいろいろ話合いましたが其の中最も重要なものは防疫対策があった筈であります。現地視察の結果汚物の浮游流出の度合いが明らかになった居ります。水道ばかり使用している家庭ばかりでもないかり防疫対策を急いでやったもらいたいと思いますが、共の后の状況は
保健課長防疫班は新沼係長以下3人、高校生80名御願して居ります。立根猪川から撒粉器を借りて20台、高田農協からも借りて片付いた所から薬剤を撒布して居ります。飲料永は替えなければサラシ粉を入れても無駄ではないかということで今日片付いた所をやった居ります。糞尿は塩水と交ったいるのでどういう風にしたらよいか結論を得ていませんが保健所と相談してやりたいと思ったいます。
水野何せ季節も危険なときでありますから伝染病発生も予想されますから100%の効果を上げろようお願いします。
佐藤(菊)是度の津波は是迄の状況とは違った居ります。津波の場合は大きな地震があり是に依った避難というここでありまずが、この度はそうでありません。我々は報道機関も閉されている関係か人の関係か.わかりませんが琴の前の状況丈にけんわくされているようであります。一応御解りですなら市の附近県下の状況又は全国的な状況とか全体的な状況について御解りでしたら承りたいと思います。当面の事では其の日其の日の事に追われてこの対策に御苦心のようでありますが、尚海上には舟その他なくしたものもあり是は漁協組合等で夫々対策を講じているようですが是についてもそれぞれの御配慮を然るべきものと思います。復興問題についてどういう風に敷地等を其他確保にあたるとか、当局としても差当り何を公約するかという事もあると思いますが、関係官庁との連絡もあると思います。
功役全国的な状況につきましてもラジオで放送になったんですが、私共昨日はラジオを聞くいとまがなかったんですが、結局北は北海道から南は四国に及んで居ります。中でも三陸、その中でも大船渡、宮城県の志津
りのものでも応援でも受けて沖に出たいようにしなげればならないと思います。
助役漁協の担当ですが主として湾内の業者は罹災者ですから
佐藤(菊)湾内の業者は概ね罹災者ですから手がつかない。住宅や身の廻りで精一杯であります。以上の仕事は日頃市立根では出来ないから末崎、綾里、三陸の方の応援をお願いしてやった貰いたい。
議長議会も調査団と一緒になった実体を把握することにしては
富沢一応被害地を全議員で実地調査した方がよってはないか。
平山(幸)四部門を生かしてやった方がよいこ思います。
水野委員会の中に罹災者もありますから、人員が片寄らないように多少の異動をやったも委員会毎がよい。
小山救助の方で手が廻りかねているが、審議すべきものは整理して出して貰いたい。
議長部門毎の所管事項については議長に一任願いたいと思いますが
(異議なしとよぶ者あリ)
議長御異議なしと認めまず。議長において決定致します。暫時休憩致しま
す。
休憩午前
再開
議長再開致します。部門毎の所管を事務局から上げます。
事務局長
総務は総務課、税務課、会計課、評価員室、選管分嘗事務
教民は保健課、福祉事務所、農委、教委、消防本部の分嘗事務
建設は建設課、水道課
経済は商工統計課、産業課と
以上の通りで御座います。
議長以上のようにお願い致します。調査については嚢長以下職員が当った居ります。議員は是にタツチする事は出来ませんから、各部門毎に実状を把握するとい5ことでお願いします。そうして調査の完壁を期して将来の県なり中央に申請ずる基礎を早く作るということでありまずからよく連絡をとった貰いたいと、思います。
佐野本部は
議長正副議長が当ります。電話連絡も出来ませんから明日も午前八時半迄に御参集願います。
平山(勘)本部に台ケ丘を利用しているんですか。
富沢配給支所です。
平山(勘)今日当りも慰問が来ているんですが、新聞には大船渡小学校に
本部をおくという事で向うにいくと誰もいません。尚台ケ丘は車も入らないし慰問品の取扱も六ケしいと思います。却った大船渡中学校の方がよいという話もあります。
富沢昨日は小学校に本部をおき、消防は、米協だ本部をおいていたが中心から遠いという事で台ケ丘に移したと思います。
石橋消防の本部は敷地があるなら板張りでよいから小屋を拵えて電話も引くことにしては
助役大船渡の支所は不便であれば考えます。配給は虜長宛に盛駅に来ます是を分類して配給区分を立ててやる事になったいますから
大和田(平)昨日当りは向うの方に重点をおいたら、笹崎方面不活発であります。防疫も急がなければならないし、笹崎以南も忘れないように充分な対策をお願いしたいと思います。
熊谷漁協の車庫が空いているからここも利用出来ろ。
助役いろいろ御意見も出て居ります。昨日住田町に毛布の申込をやった居りますかろ是等の配給は支所でやった貰うことになると、思います。
今野(政)消防の本部は昨日高橋さんの所に移りました。
金野非常に昨夜当りは市内で物品が値上りしているようです。食糧等の値上りも心配されます。物価の値上りをしないようにお願いします。警察署で墨)物価の値上りしないようにして居りますが、当局からも要請する必要があると思います。
議長是をもちまして協議会を終了致します。明日は八時半迄街参集願います。尚実麺調査に基く報告御意見を御願いします。
大船渡市議会協議会記録
昭和35年5月26日午前8時30分議会協議会を市役所会議室に招集。
出席議員は次の通りである。
佐々木亀三郎君今野政治君佐々木幸助君平山勘之助君
平山幸一君大和田平一君藤原武雄君滝田喜蔵君
小山勝雄君平野義方君菊池丑太郎君吉野宋三郎君
金野剛君佐野誠一君水野重郎君山口信一君
武田貢君佐藤菊之助君西山六松君大和田吾東治君
石橋喜代治君熊谷長治郎君熊谷栄一君富沢恵能君
山崎栄之進君
欠席議員は次の通り。
炉藤喜一君森政男君佐藤勇之助君鈴木養吉君
新沼勇太郎君
当局の出席者
市長鈴木房之助君収入役千葉栄太郎君教育長大和田肇君
固定資産評価員佐藤清一郎君総務課長臼井勝三君建設課長新沼範君
産業課長広沢登米夫君保健議佐藤宇三郎君商工課長千葉英三君
水道課長干葉徹夫君消防団長佐々木佐五郎君総務係長石橋高君
記録書記
書記佐々木直行君同船野良悦君
会議の状況
開会午前9時30分
議長開会宣言。始めに夫々の部門毎に現地を御覧になりましたので是に対する対策とか現地の要望もありましようし、或は当局に特に要望しなければならないものもあると思います。委員長より総括的に報告をして載いて尚委員の方に補足して戴くことに致したいと思います。部門毎の報告が済んでから当局からも報告をお願いしたいと思います。始めに総務の方から
佐野委員長に変って二、三報告致します。一番最初に配給関係であります。米のことではなくいろいろ各地から集ったいる援護物資の配給は浄願寺でやったいますが、受付配給の係は不足であるという感じがしました。猪川婦人会5名許り来ているが足りないようです。赤崎にいった見ましたがここでは昨日10時迄に米の配給を御願いしたそうですが今日の午后2時迄に未だ来ていないそうです。食糧が一番大蜜なことですから萬全を期して戴きたい。赤崎の支所に対して.市当局から係長1名配置して貰った居りますが赤崎漁協、公民舘が主体になったやった居ります。山口議員も来て居りましたがまま子扱いされているような気がしますから課長クラスを配置して戴きたいと思います。いろいろ相談に預るに必要ですから、赤崎地区は被害は軽微でありますが行った見ますとそれでも予想以上の被害であります。薬品消毒関係は行ったいるが雀の涙程でありますから非難の声もあるよ5です。浸水の家もありますから軽微だからと云ったないがしろにしてはよいないと思います。薬品り配給にも萬全を期して戴きたいと思います。
佐々木(幸〉教民関係について報告致します。昨日は11時頃から6時頃迄全員調査に当りました。他の部門と混同したものもあると恩いますが、始に赤崎にいったそれから大船渡、末崎迄いった来ました。第一に赤崎小学校に給水出来るようにし、尚防疫対策も考えて貰いたいとい5ことであります。即ち赤崎小学校附近は飲料水に困ったますから后の入方面からでもビニール管で引水給水したらどうかと思います。学絞の中には泥のとれない所があります。是の為の応援も必要乙思います。第二は小学校児童の教科書を教育委員会に早急に手配を願います。それから保育園の早期開設でありますが、こうい5場台になると殊更必要だと思います。それから明和の保育園はあのよ5になりましたので教育委員会の方で明和と台ケ丘の両者を斡旋して速やかに開設して戴くようにお願いします。第三に物資の配給でありますが、是は市の職員が総力を挙げてやった居りますが、被災地区の人達にも積極的な応援を得て物資の配給に当らせることがよいと思います。第四よ清水橋早急に応急工事をやった戴きたいと、思います。第五は被災現場に避難先を表示するようにしたらよいと思います。遠方から見舞に来たものが探すのに困難しているようです。第六は炊出しについてでありますが広報社に依った啓蒙宣伝しているようですが、民生委員とも或は連絡員の協力を得て打切は相当の日をおいてやった貰いたい。非罹災地猪川、立根、日頃市に避難しているものもありますから広報車で宣伝徹底して貰いたい。配給米の代金の支払についてでありますが、配給券で配給をやったいるようでありますが、金を出して買ったいるものもあれば出さないで買ったいるものもあるよ5です。これでは后で集めるのに困難を来しはしないかと思われます。物資配給の台帳によったやったいるようですが、罹災カードを交付して代理人でも買う事が出来るよ5にしてはどうかと思います。それから物資の配給は婦人会、青年団を動員してやったらどうかと思います。第七に生活保護家庭の救済でありますが、空白をおくと精神的に打撃を受ける事になるからそういうことのないよ5に対策を講ずる必要があると思います。第八に末崎から永井沢に来ましたが、永井沢は流失こそないが殆んど同じ被害であります。
大和田(吾)午前中は末崎に行った来ましたが被害の多い所は小細浦であります。産業道路と橋が落ちましたので船舶の出入に困ったいます。大船渡は我々の手に負えないから関係委員にお願いして午后は赤崎に行った来ました。綾里線を通ったいる橋を早くやった貰いたい。漂流物の処理について藤原議員が三陸村に船舶の要請、私は末崎に行った要請致しました。末崎は本日やる事になったいますが、三陸村のことについては藤原議員からお願いします。
藤原三陸村の越喜来漁協に懇請した様子を報告致します。只今大和田議員から報告がありました通り、道路橋梁等の災害を受けた場所を調査する為に末崎から大船渡を通った赤崎を廻った見たのであります。その際海上に流れていたものが非常に多いのであります。陸上のものは陸の方から応援を得てやりますから日が延びても何とか出来ます。所が海にあるものは一晩の中でも沖に流れていったしまいますから、是は一刻も猶予がならないとい5ことで是は舟がなければ出来ませんから実は議長さんと相談して綾里、越喜来にいった参りました。三陸では村長さん、助役さんがいて消防団長は消防は3日間出動することにしていたが舟の方は気がつかなかった。如何にも海の上に流れているものは舟でやらなければならないから従った海の人でなければならないということでよくわがった戴いて、大型は韻来ないが小型で出来る丈応援するとい5ことてありました。何隻舟をやるか、人員をどうするか、これは昨夜人を集めて相談をしてはつきりすることになったいますからはつきりした事は解りませんが出来る丈要望に応ずるということでありました。綾里の漁協もその事をよくわかった戴いて私達よりも海岸のへ達でありますがら、只昨夜相談しだんたから舟の隻数等はわかりません。昨夜遅くなりましたから、これらに報告しても向うからくる人の受入態勢が出来ないと思って赤崎漁協にお願いして責任を以て向うから来た人に一緒になってこの作業に当ることになって居ります。本部からは他の村の人達に特に応援して戴いていろんであるから責任のある方がお出でになってもらって御挨拶をして貰う事に思った居ります。昨夜市長さんにも申上げましたが、議長さんなり副議長さんに行った貰いたいと思います。
副議長只今三陸村からの流失物蒐集の為船舶要請のことについて藤原君さら話がありました。その点について藤原議員から報告を受けたので今朝敬意を表しかたがた御願いするつもりでありましたが、佐藤議員の話では地元の鈴木議員、森議員を派遣して手配していろということでありましたから只今躊躇して居ります。
佐藤(菊)昨日この席で森議員から発言がありまして、是に私も附け加えてお願いしたんですが地元では非常に困惑して居りますから三陸、赤崎方面からお願いして沖に出る筏のことをお願いしたんですが、只今建設副委員長さんの藤原さんから報告があった通りであります。三陸村の議長さんである平田さんに,お日にかかりましてこの事こついてお願いしたんですが、如何ようにも取計ろうということであります。いろいろ寓坂計戴いて恐れ入りますが、鈴木議員と森議員を副議長さんは忙しいと思いまして挨拶の為現地に居りますから御了承願います。
武田経済委員会の部門に関する事を報告致します。田の浸水地については出来る丈今年作付出来るように応急作業をしなければならないと思います。従った是に伴なった苗の確保に萬全を期して戴きたい。畑地については何等の結論も出して居りません。カキの養殖の事について只今迄報告がありましたような状況でありますが、是についても萬全の措置をお願いしておきます。一番考えなければならないことは、被害は予想以上に大きいので時間と資金が必要であります。漁民水産関係の被害は莫大でありまして、旨2、3カ月にして来る盛漁期を如何にして迎えるかということは問題であります。ここに被害が出ていますが、是が復興は時間的に早めなければなりません。例えば冷凍工場の被害は予想以上に多いのであります。建物、機械の破損中にある冷凍品、商品にならないもの、是等の調査には機械、建物、商品、工場等商店につきましても営業用の建物、機械装置こういう風に分類して調査しなければなりません。融資の場台の交渉にも支障を来たすここになりますから、分類されて調査して速やかに出して戴きたいと思います。この資金の融資につきましても、是等のデーターが揃わなければならないから容易でないと思います。私の考えた調査方法については、鉛筆書でありますがこのようにやった戴きたいと思います。被害調査につぎましては、貸材の調査は現在行なわれていないようであります。ノリの資材、若布の被害それらも是非のせて戴きたい。漁船も動力、無動力にわかれて居りますが、直ちに復旧しなければならないので融資り斡旋もやった貰いたい。先程流失物の件でお話がありましたが、末崎で聞いて来たんですが市当局からも話して戴いて貰いたい。それからこれも二、三の人からいわれた事でありますが、今后如何なる方法かで気仙の大工さんでも刈り集めて供給して戴くような態勢をとった戴けないもの季という事でありました。簡単に報告を終ります。
市長いろいろ御信いしたんですが、尚いろいろあると思いますからこの議場丈でなく、私の方にも直接でよいかろこういう風にしたらよいではないかということで議会の皆さんの御気付きの点をお話して戴くことを特にお願いします。
議長委員の方から補足する事でもありますなら
平山(幸)第一、商店のいき方でありますがこ非常に混乱致しまして昨日当り開店しているものがありますが、やったよいのか会議所当りと連絡をとりまして衣料品当りが困ったいるようですが、販売出来るようにざようしたらどうかと思います。第二は糞尿の処理に困ったいるようですが当局はどうい5風に考えているか。羅災者丈では始末に困るようであります。どういう風に考えているか御伺い致します。
山ロいろいろ聞くことが沢山ありますが、課長さん方の対策の報告を簡単に伺ったから善処して戴く方がよいではないか。
(賛成とよぶ者あり)
議長后で皆さんの補足的な報告も御筒いすることにして、差し当り調査表が出来ましたから当局から御説明と同時に被害状況其の他の対策状況について御伺い致します。
総務課長災害対策について25日鈴木県議が県に参ったのであります。県の関係機関に交接中であります。不取敢県は2千万を商工中金に予託する事を靭束すること、そうして直ちに信用組合から借入する事が出来るようにナる。住宅金融公庫の資金は26日関係機関に接渉致します。大船渡信用組合の専務は今日上京して資金の調達に当ることになった居ります。大体3千万を獲得したいということで上京致して居ります。是は2、3日中にわかると思います。岩手銀行は現在の所は本人であれば預金通帳がなくても直ちに払戻が出来ることになった居ります。今日からでも出来ることになった居ります。収入役の手持は1千万程度もった居ります。直ちに支出しなければならないものはいつでも支払出来ることになった居ります。福祉事務所の方は生業資金として無利子2力年1万円、復興資金、運転資金につきましては県の方にお願いする事になった居ります。鈴木県議はこの事についても接渉中であります。調査まとまり次第夫々関係当局に接渉することになった居りますが、今の所貸金は以上のようであります。
議長只今の報告について御質問は御座いませんか。
平山(勘)今の生業資金は1万ということでありまずが.私の調べでは12万という鼠に最高額を聞いていますが。
福祉事務所長災害救助法が既に適用されて居りそれに依ったいろいろ罹災者に灯する配給物資がは入った居ります。資金の問題ですが全壊流失家墨を主として金額は1万2千円を限度として無利息2力年、住宅の全壊流失に寸して総体の3割を国庫の負担に依った住宅を建設する。是はバラツク建の間に合せのもので、災害救助法の適用を受けて20日以内に着工しなければならない。坪数は5坪、坪当り1万6千以内と規定されて居ります。修理は半壊が対象になります。半壊戸数の2割5分の範囲.坪当り4千円で5坪迄認めます。次に物資の配給でありますが、段階がありまして違いがあります。住家の全壊流失は1人世帯170円、2人世帯3,850 3人世帯5,540 4人世帯6,270 5人世帯8,070 5人以上1人増毎に1,090が増加される。この範囲内で寝具、食器、其の他生活必需品を家庭の生活内容を勘案して配給される様であります。この基礎は罹災台帳の作成でありまして、昨日報告したように総員約30名の職員が各戸に亘った調査し今朝午前3時に出来上りました。この台帳が配給物資の基礎をなすものであります。相当綿密な調査をしました。今朝県にも報告された筈であります。
富沢生業資金は急がなければならないが、いつから借りる事が出来るか。
福祉事務所長台帳が出来ましたから申込をとりまして、生活内容を勘案して早速その事務を取扱たいと思った居ります。
水野住宅は3割国庫補助とすれば坪数5坪では単価1万6干円として9万円だがいくら補助になるか。
福祉事務所長自己負担出来る方には御遠慮願うことになります。
水野坪当り1万6千円として5坪とすれば9万だが、全額国庫負担になるか。
福祉事務所長全額国庫負担になります。罹災戸数の3割分について
菊池私は本日希望することの一つに議会として罹災者に慰めの言葉が必要だと思った居ります。それから、課長さん方から一しや干里の説明を戴いても頭に入れる事が出来ないから是を印刷して配布して戴きたいと思います。
消防団長現在の作業行程は赤崎は第一班、大船渡は、赤沢から駅前迄、駅前から須崎橋、須崎橋から小学校前、小学校前のガードから下船渡間で分担してやった居ります。陸上自衛隊と緊密な連絡をとりまして国道と市道沿いの整理に当った居ります。将来は毎日毎日作業工程が進捗しているもりでありますから、毎日の作業工程を自衛隊と打合せてやった居ります。昨夜も6時から打合せをして消防団と自衛隊と人を組合せて消防団の分団長と自衛隊の中隊長を頭にして連絡をとりながら整理に当った居ります。晩にも明日の作業工程を打合せて仕事の進捗状況とにらみ合せて当分の間やった参りたいと思った居ります。自衛隊は10日間.私の方は何日ともきめて居りません。作業工程とにろみ合せてやった参りたいと思います。私等に舞要望が御座いますならこの際に御伺いしたいと思います。
富沢メンストリートを片付けて横の小路にもはいって居ります。農協の避難者から頼まれたんですが、次の建設に使えるように材財料が使えるように取り扱うことが出来ないかということでありますが。
消防団長そういう点については、最善の注意をして都落連絡員きんと連絡してどこに取片付けたらよいか連絡しなからやって曇ります。今FIから大型トラック、フルに使うという事で車輌等も統制をとった作業の進捗を図りたいと思った居ります。今日は死体捜索班を作りまして重点的にやるつもりであります。
水野昨日常任委員で視察したんですが、その籍果は委員長より報告の通りでありますが、特に私共が歩いて気がついたことは交通頻繁な所に警察の方々が協力している事は感謝に堪えません.大船渡、盛全部に亘ったやったいるよ5であります。市の職員の活躍も目覚しいものがあります。市の職員の中には親族を失ったものもあり罹災したもので出ているものもあるという事であります。そういう方に処して当然の事であるかもしれないが誠に気の毒なものであると共に健気なものであるという事を感じて参りました。凡有ものの坂片付けは是は誰のののだという事をはつきりしているものがあるらしい是には手を付ける事が出来ませんから自衛隊等で整理する時、一緒にしてしまうが是はどういう瓜にしますか。
消防団長その点につきましては、皆んなで再確認してから区間区間には自衛隊の区隊長と分団長がありますから、部落連絡負家主さん等と確認しながら整理して居ります。
水野魚カスを何百俵か流したものがあると思うが是りようなものはわかり易いものだが様々のものが混合しているから一寸困るものがあるらしい。
消防団長現場で作業をやった居りますとスクラッフに廻すものが段々出て来ますがそういうものは決して遺憾のないようにやって居ります。
大和田(平)昨日迄永井沢迄車が通れなかったが、今日当り車が通りますから今日当りから永井沢にもやって下さい。
消防団長赤崎の道路の復旧個所と小細浦の塵業道路の復旧はどの程度ですか。
山ロ橋は流失しました。
消防団長自衛咲が行った居ります。
石橋是非お願いします。米の浦さえ復旧すれば自衛隊で出来ると思いますから。
消防団長3間位という事でしたが。
富沢そうです。
生々木(幸)橋脚は両方ありますから自衛隊なら2時間で出来ると思う。
六預田(吾)小細浦の産業道路は、精を2米位地元の皆さんの協力でやったくれと器して来ました。
建設課長災害住宅ですが是は県の割当が本省から366戸頂戴したそうです大船渡市としては150戸県に要請して居ります。事業主体は県でやる事になります。市は敷地を堤供することになります。非常に小さいもので1戸10万程度、5坪で住は2寸5分、外部下見張り内部ベニヤ、屋根フェルト、大小便兼用使所ということになった居ります。大船渡は150戸要請していますが県の割当がいかにきまるか昨日職員を県庁にやった県の意向を早くわかった市の方で協力したい。建てる場所にっきましては家族なり倒壊の状況なり眺めまして大船渡何戸、赤崎何戸にするかきめることくなります。士地の取得については困難でありますから地元の議員さんのご協力を得たいと思います。割当の戸数は明日職員が帰った参りますと判明します。地元にも設計師が居りますから、無償で奉仕します。公営主宅ですが普通の住宅はもう他に親戚等にいったいると思いますが今年も市営住宅は2O戸ですが、5戸乃至10戸割当をお願いして居ります。大船渡の小学校の上に分譲住宅を早速建設したいと思います。30人申込がありますから20人程度にしたいと思います。災害の場合の住宅は一種は出来ないので二種8坪以下.これは主として貰える地域の500戸以上一市1割以上倒壊した市が割当を受ける。3分の2の補助ですがこういう災害の場合は是を上廻る補助率で貰える婆になった居ります。是も今日県と接渉には入った居ります。もう一つは29日の日に金融公庫の県の関係課長等明日、明后日大船渡に来る事になったいます。県と打合せの結果、まとめてお伺いして住宅対策を立てたいと考えて居ります。
富沢市営住宅2O戸分譲住宅の報告がありました。分譲住宅についてはこの機会に応急対策を講じて土地の買入れを速やかに広い地域に亘った買い入れて住宅の拡充を図ったいくベきであると思います。もう少し大きな計画を立ててほしいと思います。20戸の割当は少いこ思います。
金野2日間歩いて見て感じたことは食物、住む所できります。いつ頃着工出来ますか。
建設課長災害住宅ですが、昨日連絡した所によりますと殊んと組立式のもので割当が今日当り正式にきまると、思います。市の方で敷地を坂得してやれば始まると思います。耐用年数が3年位のことです。注宅金融公庫からの借入れとか、福祉事務所長からも話がありましたが抽籖なしで融資でありますからいつからという事は申し上げかねます。
平山(勘)150戸を赤崎、大船渡に別けるが敷地は右が借りてやりますが建物は誰のものになりますか。
建設課長国のものを県が管理し5年后に払下げする事になったいるようであります。
副議長敷地をどういう風に確保するか。
建設課長今の所市が提供しなければならないから、従った民有地を買上げてやる事は、出来ないから市が賃貸料を支払ったいくことになります。
佐野大きな講想をする事もよいがどの程度金がかかりますか。
建設課長是は1銭もかかりません。第二種住宅は市が立てし貸していくことになります。
金野右の財政上の関係で市で住宅を建てる事が出来ませんボー戸でも多く建てることが出来るようにやった貰いたいと思います。
薫谷学校にいる人は何人位か。
教育長小学校40人.中学校20人。
議長それでは、防疫対策について
保健課長薬剤は最初市内の薬店から集めましたが、機械がよかったので24日の午后に高田に借りにやりました。県の方から防疫班が来ましたので今日は笹崎からこちらの以北の方をやる予定であります。人員は県、保健所、学校生約100人であります。広域な面積はやる事が出来まそんでしたが、幸い自衛隊が青森から大型、小型20台をもった応援に来る瑞に嚇なった居ります。県は10コ班に編成午后うら本格的に防疫には人る事こなります。糞尿処理は県の衛生課長が来ることになった居りますから盛岡のあいている分について全部動員して来る事になった居ります。医療関係け台ケ丘服装学院に医療班が到着につき是を当らせる。赤崎地帯け発熱患者が出ているが気仙病院長さんが医療に当った居ります。学校に避難しているものにはz時間おきに開業医の巡視をやった居ります。昨日は気仙病院からお願いして居ります。昨夜10名位具合の悪いものがありました。広報活動.ポスター等で伝染病予防をやった屠ります。死体処理は今朝迄持越しけはニ体ですが、大体今頃は火葬が終ったいるだろうと、思います。
山口赤崎に医療班がいきましたか。
保健課長いきました。
西山災害の后には伝染病がつきものです。昨夜当り学校に収容されているものに患者が多くなったということです,風を引いたもの、熱の出るものが沢山あったというのでありますから萬全を期して貰いたいと思います。
滝田昨日被害住宅を教民で廻ったんですが軍から降りた途端にどうなったのかと云われた。今課長さんの話でありますが保護班がいったいないようですが。
保健課長細浦は消防団がやるというので薬品を届けたそうであります。
滝田足りないということだろうと思います。
保健課長農協全部集めたんですが足りな1すれば尚后からやります。
水野県から来たから間に合うと、思うが。
保健課長自衛隊も来ますからよいと思います。
副議長特に最近こういう事が聞えているようであります。鬼畜に等しいものが横行しているとい5事であるから電気を早く回復して貰いたい。
市長大船渡は今日の昼迄に全部つくことになったいます。
平山(勘)災害救助対策については総務関係で罹災名の者意見も聴いた人だが無論数の中にはもつとやらなければならないものもあると思いますがたた消毒の問題ですが薬が足りないとか何んとかけわからないが、2回も3回もやるように計画を立てているかどうか。
保健課長私は素人でありますが、県の衛生課長が来て居りますから技術者の意見を聞いて2回必要なら2回、3詞必要なら3同やります。
山口今の説明に対する質問ではなく、医療班の方は既に到着しているそうだからよいと思うが、市の責任あろ人を木部につけておいて貰いたい。こちらに丈首脳部がいて赤崎は係長丈である。継子扱であります。向うで即決したいことがあっても電話はセメント丈で后は無線電話でやったいる丈.向うには殆んど車もない。進か責任のあろ人を向うにやって貰いたい。后は米の浦の橋の復興をやって貰った、小学橋迄折返し運転をやった貰う。電気もそうだが永道の復1目.こも力を入れて貰いたい。それヅから電話を1本丈でも復旧して貰いういし。糞尿汲坂車を小学校其他相当流れているからやった貰いたい。
水道課長大船渡は現在消防栓5カ所、メンパイプ2カ所故障、メンパイプは復旧を終り消火栓2カ所工事中でタカ迄は一応復旧して時間断水は己むを得ないが、給水出来ます。末崎は下船渡の電灯か直れば一緒に送水が出来ると思います。赤崎は川ロ橋、振興橋が流れた為復旧の見込は立たない。中赤崎には自衛隊が慮過七ノトをつけまして給水する事にしています。昨日午后に始めましたのでもう出来る筈であります。
山口小野田さんにお願いして本管とつなぐ事が出来ないか、
水道課長小野田から逆送しているそうです。
山口中赤崎に給水は出来ないと思う。
水道課長橋の所が80米許り欠潰している為、この復旧が出来れば山口方面に給水出来ると思います。大洞線の復旧で自衛隊が出て居ります。県を通じて資材を交渉中でありますが自衛隊のトラックを借うて仙台から運搬して川口橋を復旧したいと思います。建設については委員長さんの御協力をお願いします。大船渡地区ですが、酒造会社のタンク車2台をお借りして朝5時から夕方迄廻して居ります。水桶がないので時間をきったやった居ります。
山口いくら貧困な市でも是丈の災害を蒙った居ります。大船渡市でも仮予算をおいて市単独で早急に復旧を要する見込のもつで報告段階ではなく実施段階のものもある筈でありますからやった方がよい。
大和田(平)時間給水は当分続くだろうと思います。よく解らない人が多いから給水時間を各部毎に周知して欲しい。
副議長当分復旧の見込が立たないという事であるが、あれに施設したパイブが切れた為であるがパイプをつなぐ事が出来ないか。
水道課長出来ます。パイプを交渉して居ります。あの工事は自衛隊がやります。
西山送水も大事でありますが。送水しても偶人々々の利用する給水装置が痛んで居りますから使われません。すぐに個人のそれを修理して貰わなければ
水道課長今10人を動員してやった居ります。
市長災害対策は重大なんだからどうしてもやらなければならない事は議会の協賛を経なくても直ちにやらなければならないものは是非やった貰うように職員にも云うて居りますから御諒承をお願いします。
石橋市長さんも助役さんも忙しいよ5でありますから、各常任委員長さん
方に市長さんの相談役として常勤して戴いたうと思いますがどうですか。
市長大変よしと思います。
富沢昨9汚水が逆流したという事でありましたが、水が消毒した丈で飲料
水に間に合う水なんですか。壊われた所は復旧が出来たものか。
水道課長発見した分け直すべきものけ直して居ります。又10カ所に分れて水質検査を実施中であります。
今野(政)消火栓の復旧しないものは后何個位あるか。飲料水が第一であ
りますが、消火栓は火防上も必要であります。あのような乱雑な状態に於ては非常に消火栓に頼る事が多いと思いますが、いつ頃完備しますか。
水道課長后3カ月位と思います。復旧けして居りますが、たた水がないので消火栓は当てにならないと、思います。
副議長水がないというのは山にないのか、或は覇水ですか。
水道課長漏水だと思います。8時間で340屯減りましたから。
議長次は食糧対策について
商工課長大船渡町は小売店も罹しましたので、県南米協では直宮で配給したわけであります。罹災者については連絡員を動員して市が切符を発行して后で精算出来るようにしました。不取敢1人当り2K宛配給しました。基準から云えば1週間分ですが実質は3日分位と思います。そこで今后の対策としては精米6千俵用意してありますから米の需要にあh事欠きません。大部分の店舗が通常配給が出来るようになりましたから一般通常配給をしてどうしても購入資金がないものがあると思いますから今后再度購入通帳を発行してやりたいと、思います。福祉事務所と協議しなければなりませんが、本5午前中にやりたいと、思って居ります。闇米が出廻ったので物価が騰貴の心配墨、ありますから、県の食糧課長さんが参りまして協議したんですが、保有米は心配する事はけありさせん。闇米等で物価騰貴する場合け県と協議の上遺漏のないようにやりたい。野菜の関係は生果市場はけ今日から、魚市場は明日からやるようになった居ります。
平山(幸)普段でさえも半分位しかありません。一般の人は輸送が串来ないで困ったいるから混乱する恐れがあるが
商工課長現在8O%位しか消化して居りません。大休保有米は間に合う事になった居りますから割当数量以上に買う事は差支ありません。
金野大人の人達の食糧は間に合うと思いますが、我幼児の食糧はどうですか。
商工課長学校に収容されているものはミルクをやった居ります。其の他は解りませんが
金野学校に収容されているもの丈ならどうですか。尚物価の値上リの心配がありますから其の点宣敷く御願いします。
水野食糧其の他の配給物資に対して昔から乏しからざるを憂えず、斉しからざるを憂うという事があります。市役所が如何に努力しても中間の機関に法った甘くいかない事があります。そういうことのないように立派な配給状態を講じて貰いたいと思います。
山口罹災した方には申訳はありませんが、全般的に罹災した人は一番ゆるくないが日がたつに従って罹災しない人がどん底に陥入る心配がある。罹災者には援護物資がどんとん来るが、中赤崎には40世帯に60世帯もは入ったくる。罹災しない家庭もなかなかゆるくない。
水野緊急対策后の保護家庭の壁策についてという事で中上げていろ筈でありますから、是についても当局に御願い申し上げます。
金野食糧の配給と併せて燃料も困ると思いますが、是はどうですか。
商工課長燃料については解りませんが。
富沢昨日米の配給について御金を貰うよ5にζいう通達があったという事でありますが是の2Kの配給については無料配給と心得ていたが金はとるのですか。
市長不取敢配給する事がよいと考えて配給する事にした。金の事け后りことも考えた、金のある人から金をとらない事もないと、思うから、是は后の事にしたいと思います滝田物価の値上りは鉄道の開通にも関係があり、電話の不通にも関係があるが全通の見透しはどうですか。
市長鉄道は3カ月はかかるだろうと思いますし、電話は大体数日中には何とかなるだろうと思います。
滝田2カ月も汽車が動かないか。
市長それがその位かかると思います。小山資金の対策ですが担当は総務課でしようが、住宅金憩公庫がありましたが国民金融公庫についてはないよ,ですが。
市長是は鈴木県議に頼んで接渉して居ります。
小山銀行につきましてはお話がありましたが、建築資材、国有林の払下げはやった居りますか。
市長やった居ります。
小山国、県の対策がないようでありますが。
市長県は充分やった居ります。
小山国より手薄なような気がしますから。
市長充分やった居ります。
議長次は罹災児童等について。
教委教育無長昨日校長会議を開きましたが、ここの資料牡その結果であります。尚大船渡の小中学校、赤崎の中学校の収容所の縄係ですが、是等の開校につきましては生活の安定、民心の安定を考えて速やかに閉校したいと考えて居ります。未だそういう事情にはなった居りません。学校の職員は夫々各戸を訪問致しまして確認した生徒児童数であります。又傷病者等につきましては調査をして本口中に届ける事になった居ります。職員の罹災者につきましては夫々応援に参りまして住宅の片付方に手伝った居ります。今后の対策につきましては、日宿直職員を代理したり事務処理等の応援をして居ります。
山口同僚議員さん達に対する御見舞はやった居りませんか。
議長相談して居りませんから后で御相談申上げたいと思います。
水道課長給水状況は1時間毎の給水にするよ5御協力を願います。
金野担当誤長さんが居りませんが、議長か収入役にお聞きになった戴いて
電話局以上の田がやられたが佐野、地の森の方かろやられたが当号の方でよろしくお願いします。
熊谷この報告を見ると29億とありますが、是は誰が行ったか実は余り少いようだが。
議長昨夜の何時頃迄かかった纒めたかわかりませんが、明日の午前9時迄に是非薬も、った来いということであったようです。県下の災害をまとめて中央に手寺ったいくとい5ことでありましたい。
収入役県知事が上京して居りまずからこの資斜をやることになった居ります。
水野3日間緊急会議を開いたんですが、県なり中央なりに班編成をして陳情する必要があると思います。誰々は盛岡にいけ誰々はどこと、是は単独にお出来ないから市長さんと御協議して戴いて早急にお願いします。それから広報活動を徹底させて貰いたいという事であります。文書活動が出来ないからへ心安定火災予防等の為にも警察とも連絡を密にしてやった貰いたいと思います。私の視察した結果では充分であると思いますが、更に充分にやった貰いたいと思います。
議長いく場合にはよく相談してやりたいと思った居ります。
滝田今后復興の為に積極的に働きかけなければならないと思います。他からもいくと思うから積極的に働きかけるようこお願いします。
菊池この会議は終ったらどういう風にしますか。
議長先程石橋さんからの御意見もありましたが。
石橋緊急対策は今迄皆さんが出てやったいますが、復旧対策については当局と同様に例えば一時資金をどういう風にするが、商店なら商店の方で金をどれ丈必要か、材料をどれ丈必要か、仙台に電話をかけてわかった。という事でありますが、本来ならハイヤーをとばして復興に当るべきではないかと思います。将来報告書の調整もあります。こういう事を当局と夫々担当して戴けばよいのではないか。このままでけどれ丈日数がかかるか懸念されます。住宅150戸建てるんだそうですが是について敷地の斡旋、例えばそういう事を当局に協力すべきであり、このような態勢を整えるべきではないかと思います。資材にしろ釘にしようが詳細な数字をもったいかなければ六ケしいと思いますから。側面的に協力していく態勢を整えたらどうかということであります。是に依った活動しようという意味であります。葵池全く只今の御意見は同感であります。議会は四部門になった居りますがそういうことに関係する事はよくない事だからということで集団行動をとったんですが.昨日とった行動け正しいと思います。私も10時に帰りました。常勤という事でありますが是はどういうような事になりますか。
水野石橋さんの御説け御尤であります。昨日迄3日間緊急の協議をしたんですが.是け大切なんですが是迄3篇やったんだから明日は休んで明后日又協議会を開いて1日おいて本会議になります。委員長さんを市長の顧問として常勤させることは結構ですが.必要な時には我々もいつでも招集に応ずる用意をして居ります。
三藤(菊)昨日早速陳情書を提出したということであるが、其の后の情況はどうなったいますか。尚山口議員からもお話があったんですが.本日で3日間になりますが電話が1本も罹災地に連絡がつかないとい5現状は誠に思いやられる現状でありますがら是が早急復旧をはかる必要があります。
黛谷今日で3日間緊急対策の為協議会を開いたわけですが、もう緊急対策は一応すんだのですから復興の対策を当局に申上げてもよいと思います。当竪も仲々手が廻らないと思います、尚常任委員長さんと指定するから問題があると,思います。議長さん、副議長さんが中心となったこの次の議会に其の原案を示して貰うようにしたらどうか。例えば津波資金が既に出ているそうでありますが、宮城県では既に出ているようであります。ここは未だです、こういう始末では駄目だからそういう案を練った議会に提案して戴きたいと思います。
平山(勘)各部門1人宛では三地区の被害でありますから、こちらが解ったもそちらが解らないということもあるこ思いますから全員でやるようにして貰いたいと思います。市長さんの湾に足を入れることもどうかと思います。
佐野昨日決めたことを各常生委員会で何をやるべきかという事で夫々活動したと恩いますから夫に引続いてやるべきではないかと思います。総務は総務で持分がありますからそれに依ったやった貰いたい。
熊谷議長、副議長において適切な処置をとった貰いたいということであえいます。
菊池既に処置がとられていると思いますが、学校に収容されているものとか死亡者とか負傷者は病院と思いますが、議会を代表して御見舞をやるべきではないかと、思います。一昨日見舞金贔の話すが出ていましたがどうなったいますか。合同葬儀の方は。
議長合同葬議の方は時期を見てお話し致します。死んだ所えの顔出しけして居りません。いつか時期を見て市長さんと参りたいと思います。物資の御見舞については后で皆さんと相談して参りたいと思います。
議長それでは是を以て閉会致しまず。明日は休んで明后日協議会を再開致します。是を以て散会致します。
散会
全員協議会記録
昭和35年5月29日午前9時より全員協議会を市役手会議室に開会。
出席議員は次の通りである。
佐々木亀三郎君今野政治君佐佐木幸助君平山勘之助君
平山幸一君藤原武雄君滝田喜蕨君小山勝雄君
菊池丑太郎君吉野栄三郎君金野曙君佐野誠一君
水野重郎君山口信一君森政男書武田貢君
佐藤勇之助君大和田吾東治君石橋喜代治君熊谷長治郎君
熊谷栄一君富沢恵能君鈴木養吉君新沼勇太郎君
山崎栄之進君
欠席議員は次の通りである。
大和田平一君平野義方君伊藤喜一君
当局よりの出席者
市長鈴木房之助君助役藤原滝三郎君総務課長臼井勝三君
事務局職員の出席者
今野信雄君佐々木直行君船野良悦君
会議の状況
開会午前9時
議長これより全員協議会を開会致します。本日は農林大臣が来市の予定でありますので、到着と同時にこの場所で陳情があると、思います。それから現地視察の后釜石に向かうことになった居りますから予め御諒承を願います。当局からの災害対策の報告については課長さん方も現地活動の為忙しいので報告の要旨をプリントして是を配付する事にしたいという事でありますから是亦御諄承を願います。尚本日は全員協議会終了后議会運営委員会を開きますから委員の方は御残りを願います。私から御諮り致しますが、一咋日議員活動について正副議長にお任せ戴いたので副議長と協議して当局とも協議したのでありますが、中央に要請するには正確な資料と一応の計画がなければならないと、思います。日下当局に於いては全力を挙げてこり仕事を進めて居ります。是等の完成を僕った当局と共に強力に運動を展開した方がよいではないかという事でありました。従った先般きめました所管について各部門に於いて計画をおたてになりまして当面の救済は勿論のこと、復興につきましても側面から当局に協力するという事にしたらどうかと思いますが如何で御座いますか。
(異議なしとよぶ者あり)
義髪御異議ないようですから是からの議会の仕事は各部門毎に各課長とも連絡をとりまして、当局の復興計画と統一のとれた計画を樹立して県な
り中央なりに呼びかけることに斯様にしたいと存じますから各部門毎に御願い致します。尚この報告にあります事やそれ以外の事につきましては后で皆さんの御意見を拝聴致したいと思います。尚鈴木県議さんには県関係の接渉に当った居られましたのでその状況について御願い致したいと、思います。
鈴木県議一昨日県に参りまして当面の措置を打合せて参りましたから其の経過を申上げます。県におきましても対策本部を作りまして当面の措置をして居ります。来たる30日には臨時議会を開きまして政府国会に対する要望を取まとめましてそれを意見書に致しまして県が代表して副知事以下各部長が上京して陳情することになった居りまず。その前に当面している問題について措置をすることを打合せました。いろいろ応急対策があります。住居の関係、主食の関係、更に商工美者に対しては仮店舗を設けて商売を始めさせる、工場関係でも諸施設を復旧する事業を始めるとか家をもたないものには災害応急法に基いて5坪を建てる事になります。割当が来て居りますから直ちに着工して貰うことになると思います。其の他商工業者に対するもの、其の他の事業者に対すろ措置としては仮店舗を作ったやるとい5事であります。資金措置としては国民金融公庫を利用するものには国民金融公庫から来て貰った県当局と連絡したんですが、御手元に配布している要領でやった戴き手続きが面倒ですがこの手続も簡素にする。保証力のないものについても是ここだわらないで保証人1人付けた丈でよろしいという事でありました。それから一般の運転資金とか事業資金とかいろいろ明らかにしてあるわけでありますが、これは問題にしないで店舗を作ろうとも、事業資金にしようとも自由でよろしいという事に致しました。それて今日から商工会議所の中に復興資金融資の申込を受ける所を作る事になった居ります。当局にも申上げて本日から会議所に看板を掛ける事に致しました。申込書をまった来たなら本日から受付けて実施したいと思ったいます。融資額は29万から30万の範囲の額につきましては50万程度に再交渉したいと思った居ります。それは今迄は2O万から30万迄は期間は1年据置4力年償還1利子は9分3厘となったいます。今迄借りていたものは延納にする。今迄借りノていた者も二重に借りる事が出来る事になったいます。金融公庫は役半
月会議所に駐在することになったいますから是も御諒承戴きまして一般に徹底して戴きたいと思います。
次に商工中金でありますが、支店長に来て貰った商工部長と共に打合せをして来ました。これは商工協同組合を経て借入れるもので是に加入しているものでなければ借入れが出来ないのでありますが、当市は県下稀に見る組織でありますから、この組合を通じて全面的に資金を融資してくれる事になります。問題は担保力でありますが、今度の場合は担保なしで融資して貰うことにしています。其の結果県の保証協会で保証する事にすればよろしいという事で県の保証協会に3千万の預託金を出して是に俵った融資する事になりました。そこで施設に対する資金、運転資金を必要とする商店は組合を通じて申込めば融資することになりますから、急速に之を進めて戴きたいと思います。各組合の代表者を集めて.融資の取まとめをする事になったいます。国民金融公庫、商工中央金庫の資金に依て概ね商工業者は不取敢緊急の態勢がとられると考えて居ります。更に不取敢5万、3万必要だというものには信用組合で商工会議所から一札出して戴けば出して貰えることになったいます。商工中金から2千万融資を受け県信連から1千万信組の担保で1千万計4千万を信用組粗合のつなぎ融資の金に当てる事になったいます。尚更に融資を受ける事になったいます。それから住宅金融公庫も関係があります。是は恒久的な住宅、店舗のような建築をどうするかということになりますが、是は県の建築課長とも打合せて更に住宅公庫の仙台支店長中央からも参りまして6月頃説明会を開いて今后の復興をどうするか等について其話合があると思います。注宅公庫の措置に依った適切な措置がとられると思います。何れにしても速やかに復興しなければならないが、再び災鴇も予想されますので、恒久的な建築を考えていかなければならないと思ノうかち本腰を入れて検討する必要があると思います。この他間題になります事は一般の商工業者の事であります。国民金融公庫、商工中金を利用出来ないもの.或はサラリーマン.日雇もありましよう是が大事な点であります。是の点につきましても県に要請致しましたが、一昨日迄結論を得ないで来ました。一般金融として市が保証致しますれば1万円以内信用組合が融資出来ると考えて居ります。是は市議会でも御検討を
賜わりまして宜敷く御願い致します。商工中金から信用組合も2千万の預託を受ける事になりますが是に対して市の保証を御願いするという事もありましたがら.当局からお話があると思いますが是も善処方をお願いしだいと思います。其の他漁業資金につきましては不取敢2O億の概算をして居りますから緊急対策として1億8千万程度の緊急資金がなければならんという事で県の漁信連に1億8千万の預託をして資金措置をしようという事になった居りまず。伊藤会長は上京中でありますから本日中に結論器出ると思います。最后に何としても本災害は一般災害なみの取扱では救済が出来ないから権災地毎に政府国会に封して特別立法を御願いする以外には方途がないということであります。特別立法について主力をおくという事に県議会も考えて居ります。市議会でも是について御努力をお願いしたいと感じている次第であります。それは農林大臣にもお願いしたいと患いまず。
助役今国民金融公庫、商工中金の融資について県との髪合のお話がありましたが、この資金問題について二番資の商工中金の関係でありますが、市が保証しろという事が御座いますので2千万程度の保証という事に致したいと思います。この正式議案は30目の議会にお願いしたいと思います。それがら終から二番目の一般庶民金融の1万円是は商工会議所の会員或は信用組合の会員は一応今迄り融資を受ける事になりまずがそれから洩れる人があるわけであります。洩れる人に対しては、今日から会議所に相談所を設ける時にそういう人もいくんではないかと思いますので会員てない人に1万円程度貸出しをするよう致したいと思いますが、是も市の保証でなければなりませんから市としては300万程度を保証する事に考えて居ります。是も30日の議会に正式に。決議をお願いしたいと思います。漁協農協につきましても同じ問題が出ると思いまして、漁協農協の幹部の人の御集りを戴いて是も商工組合と同じように応急的な貸出し、こつきましては保証力のないものもあると思いますから是に対しても市が保証したいと考えて居ります。助合金融につきましては、異生委員の証明に依伎った1人2千円の無利子の貸出しを行った居ります。所がこの資金は現在10万程度しかありませんから、オーバーした場合は別途考えて貸出ししたいと思った居ります。
議長只今、報告について或は其の事以外でもよろしいですが御意見がありますなら御願いします。
熊谷災害の結果大部怪俄をしたり内臓方面に憾俄したりした人があります
医者では罹災者から金をとったいないようでありますが罹災者の分は市で負担するのですか。医者の方でも迷ったいると思いますが。
助役入院しているものからですか。
熊谷外来の人であります。実は私の家の孫がいったいるんですが、金をとられないというんですが。
助役無料診療の事については気がつかないでいます。
能谷何日もやるという事は医者の方でも困ると思います。国保関係から通知して然るべき方途を講じて居った方がよいと思います。
助役こちらでは入院した人には見舞金をするようではないかと考えていたが、外来については解らないでいました。
熊谷気仙病院の広田先生の処にいったいるんでずが、ここは普通よりも忙しいようです。
平山(勘)災害救助法に依ると矢張り生活保護家庭.無財産の人は無料で出来ることになったいるが是を調べて貰いたい。それから金融問題に対して一番今后頼らなければならない事は住宅金融公庫の金だと思います。是は各被害者が優先的に特別の枠を与えられるわけですが、是が与えられれば大変助かると思いますから是を強くやった下さることを願います。今迄焼けても流れても優先的にやった貰った居ります。
助役是は恐らく要望に近い融資が出来る筈であります。5坪の住宅は大体18O戸ですが12O何人になるんではないかと思います。それは今日からでも立てたいと思います。計画がはっきりすれば市でたてて后で県で立てた事にしたいと,思います。
平山(勘)市街地に住む人は15坪なら15坪の割当が得られれば住宅公庫は是に打込むと思います。是非やった貰いたいと思います。
助役それは進めて居ります。
小山市の保証による貸付はやりますか。
助役それはやります。
小山30G万という金額の根契は。
助役別に基礎的な資料はありません。2千500万という事でありましたが300万位でよいではでいかという事でありました。
小山市中銀行に対しても災害に対する貸付についても、又市の保証についてももつと貸付出来るようにして貰いたいと思います。
助役やります。
小山貸付の条件緩和につきましてももっと緩和して貰いたいと思います。
助役それもやります。
新沼住宅金融公庫の関係ですが、今迄の住宅金融公庫取引から見て条件が面倒んです。2回説明会が開かれたようでありますが、是は部落毎に償還組会を作るとか市が保証するとかそういう事も頭において、説明会に臨まなければならないと思います。それから市の中小企業融資についてもっと枠をおいて償還期間等についても条例を改正して条件を緩和するようにしなければならないと思います。
熊谷ここで一番恩恵を受けているものは、商工組合の加入者です。施設の資金も運転の資金商工組合に加入していなければ借りられません。我我も鉄工業の組合があればよいわけだが是は組合がないから、商工中金は水産団体が主な関係ですから。
助役水聖関係ばかりでなく建築業、専門店会、酒販会社、漁協等いろいろ種類がありますが熊谷さんのおつしやる通り何んにもは入っていない人があろと思いナす。
熊谷是は市が保証すれば借入が出来ますが、そうでないものはそれ以外の所から借々しがなければなりません。その為に中小企業融公庫がありますから是も考えて貰いたいと思います。
助役はい。
山口国民金融公庫や商工中金を全然利用きれないものと同時に農協漁協の金融問題を併行して考えなければおかしいと思います。どこからも借りられないという事はおかしい。今食う金がないのでありますが、毎日毎日他の手伝いを受け乍らやっているんだから、是は国民金融公庫や商工中金に追い付くものがなければ赤崎当りはどこにも借りに行くところがない。佐藤(菊)先ほど助役の説明にあった福祉関係の取り扱いによって1人2千円程度の貸出しをやっているという事であります。これは一番困ったいる人と思います。どの程度の資金を必要とするか、差し当り10万程度ということでありますが、2千円というのは1人2千円ですか、1世帯2千円ということですか。これは該当者が多くなった場合市の財源確保はどういうことになりますか。
助役今の関係は貸出しを開始して見てその状況に依った資金を用意するという事にして居ります。一応世帯当りにして居ります。今1千円か2千円を借りたいという声を聞いて居ります。
水野是はどうしても個人に接渉出来る問題ではないから后で関係者の会合があると思いますから、是を聞いて善処して貰いたいと思います。
佐藤(菊)農協漁協の分を纒めているという事であります。私の申上げたのは本当に零細な困ったいる人達があると思いますが.是等についても
協議されるわけですか。
助役不取敢農協漁協丈であります。農協漁協ではやった居りませんか。
山ロ資金に限度がありますからやりたくても資金の獲得が出来ないから。
助役貯金の払出丈で一杯ではないかと、思いますが。
山口その通帳もないから。
議長只今農林大臣が来る事になったいますから、暫時休憩致します。陳情が終ったから更に会議を再開致します。
休憩午前10時5分
再開午后1時
議長休憩前に引続きまして再開致します。
熊谷鉄道が開通する迄高田、大船渡間をバスで運転して貰ったはどうですか。
市長今日からやった居ります。
滝田人は運搬しているよ5でありますが、貨物も運搬して貰いたいと思います。
市長是も今日からやったいるようで御座います。
熊谷農道は重大な役割を果していますがもう一本道路を作る必要があります。
市長各課長にも話をしたんですが、再出発をするという事が必要ではないかと思います。道路網その他については未だ結論は得ていないが、こういう状態が出来たんだから全部今迄の考え方を投げ捨てて新しい施設をする必要がある事を考えて居ります。
副議長岩缶から下船渡迄都市災害という事にして改良工事という事でやったいった方がよいという事であります。建設省の検査官の話であります。
武田そういう構想について、下船渡迄の間に被災している人が多いから今の間は家を引きつけるにしても簡単であります。こういう構想でいくんだという事であればよいと思います。
副議長バイパス道路とか萬一の場合は間に合せるように構想を建てるらしいという事でありますから、それを運動してやったいけば3升の2位の補助率でやったいくによいという事であります。
熊谷新しい道路を作るという事でありますが。
副議長そうです。道路も都市災害で拡幅していった方がよいと思う。佐野橋はバイバス道路としてすぐやらせるという事であった。原型復旧でなく。
議長私からこの際申上げておきます。先程農林大臣から非常に力強いお話を承わりましたがら是に則った尚今后復旧の為に努力しなければならないと思いますから今后共宜敷く御願いしたいと斯様に存じます。尚午前中の協議会でいろいろ皆さんからの御意見もありますから今后の長い構想復旧については各部門毎に各課長と密な連絡に依った、大臣は津波予防の都市計画をやるべきという事でありましたから.そういう事も勘案し乍ら当局と一緒に統制のとれた結論を得て進めたいとかように存じます。それかち別に協議事項ではありませんが不取敢市長さんに御程談に預りまして死者は3千円.負傷者1千円議会からは佐々家幸助議員、収入役さんと御見舞して居ります。それから災書者に対するお見舞いについては夫だ御相談をやった居りませんから今后の問題と考えます。それから明日の予定ですが運輸大臣ほか何人かがお出てになります。14時着30分間ここに居られるようで御座います。それから全尾災害対策東北班は釜石より飛行機で10時30分到着、小沢代議士は14時より16時迄視察とい5日程になった居ります。是について今日と同じように陳清したいと考えますから、この時刻迄に明日は或は災害を蒙った居られるものも御座いますから御都合のよい方は御参集願いたいと存じます。この態勢で陳情したいと思います。全国災害対策東北班は10時30分に来ますから10時迄に御参集を願います。
水野来た時は人がいた方がよいと思いますから来る事にしましよう。
議長大体私から申上げるのはこんなものであります。
水野只今市から死亡者並に負傷者に対して弔慰金並に見舞金を出すという
事でありますが、議会の方は教民から誰か出した方がよいと思います。
副議長教民委員長でよいと思います。
今野(政)いろいろの報道に依った皆様御承知の遣りでありますが、自衛隊の御協力に対して議会の立場から感謝り言葉があった然るべきものと存じますが。
護長市長さんと自衛隊や警察、方面にいった来ます。
佐藤(菊)現在一番困るのは電話、次は鉄道であります。日本国に全然資材がなくなったかどうかわかりませんが、本部と赤崎の支所との連絡が電話で出来ないという事は誠に遺憾であります。尚赤崎につきましては支部の事務所を契約会舘に移す事にきめました。これにやるという事でありましたが.これから来月の半頃でなげれば品来ないとい5事では遺憾であります。何とかこの点を速めて貰いたいと思います。鉄道の関係は.一般交通については自衛隊が道路を片付けて居りますから速やかにバス運行をやるように要請すベきものと思います。鉄道は我我は御客さんでありますから何等の挨拶もないという事は奇怪に考えます。
市長1日か2日に出来るという事であったが電灯と電話の間違であると思います。電話は電報電話局が云われたんで今無線であります。赤崎支所に通ずるとか本部に通ずるというのは無線であります。そこで私共は再三申上げて居りますが.電話局では相当な人を総動員してやったいる事には間違いありませんが是は最善を尽している事は認めて居りますが仲仲その運びに至ったいないようです。原因はあそこをすっかりやられてしまった為ではないかと思います。鉄道の問題は自衛隊に要請したらどうかという事でありますがそういう意見があれば参った交渉したいと思います。鉄道の問題につきましては当局は何回も何回もお願い申上げて居るわけであります。高田迄の連絡はバスでやるということですから問題は相当の長時日を要するという事ではないかと思います。明日にでも線を通して貰うことは同感でありますが、仲々そうはいかないようであります。
佐藤(菊)鉄道の当局にお任せしておく丈では困難だと思いますから、自
衛隊の協力をお願い出来るなら要請して貰いたいと思います。
市長そういう風にします。
佐藤(菊)現在電話はどうですか。
市長現在電話は特別の所丈通じています。
武田赤崎方面は一本も出来ないか。
市長普通のやり方ではなく無線でやった居ります。
武田后2.3日で来るという事であれば別だが、相当かかるんだったら自
衛隊の協力を得れば簡易に出来る方法はあると思うが。
市長その事を御願いしたが、その技術丈は御断りするという事でありました。
山口無線を延ばす事が出来ないかといった処が動かされないという事でありました。誠に不便なものだと思った。
武田今細浦と市外通話が出来ます。
市長特別の処小野田は出来るだろうと思います。
山口小野田は出来ません。期待していたが出来ませんでした。開発の事務所は1本復活したが、赤崎には1本もはいった居りません。警察電話は本署から赤崎の駐在署にいくものは1本あるが、これが出来れぽ警察電話でも余程助かると思う。
市長当局ばかりでなく議会からも陳情して貰いたいと思う。
石橋直接実現方を明日なり明后日なり鉄道管理局や尚電話の方も盛岡に行って交渉したらどうですか。
市長昨日局長が参りまして話をしたんですが、みんな県下の人達が来てやって居ります。
山口岩手県が全面的に被害を蒙ったんでないから電話がつかないという事はおかしいと思います。
平山(勘)水田の被害は70町歩とありますが100町歩もあると思う。大船渡地区は工場予定地になった居ります。今迄は冠水があったも時期がくれば作付していたが、今度は臨海工業都市建設の為あれ程の埋立をしたもりが土堤が壊われてしまった。そつ為に道路が各々田に埋ったしまったので今耕作してももりにならないと思う。県が2.3年たったも買収しないものであれば耕作しなければならないが.2.3年のうちに買収するんであれば早く買収して貰った室がよいではないかと思う。一昨日夕方見たんですが5寸位土が全部埋まったいます。海の土が埋った盛り上ったいます。是をどうせ県が買収するんであればこり序に地主も投げ捨てているから買収して貰う事をお願いしたいと思います。市長さんが其の交渉に当って戴いたらと思います。
議長早速を要する問題と徐徐にやる問題とあるようですからそれらを含めて密な連絡の下に進める事にして今日は是をもちまして
金野全国災害の例を見ると市が補助出来るものは1カ月位で其后は手をつけられないで放り出されてしまう。現在救済されている人に救済の方針について計画を立てるべきではないて。全国の例から見て生活保護を受けている人を見ていますとお金をやる場合にそり分迄ひかれてしまうという例があります。1人3千円の見舞い金を出せば是は引かれてしまうことになりますか是はどうなった居りますか。
市長1カ月で放り出されてしまうとい事はありません。規則にもなければ明日から放り出していけないという法律はないと思います。本来は最初の形に復旧される事が大切であった、いつ迄も非常状態を続ける事はどちらの為でもないし従ってそれに対してはなるべく自立せしめる方針で一日も早くやった参りたいと思います。只今の問題に対しては生活保護の問題については絶体そういう事がないように何等かり手を打つ必要があるということで福祉事務所に話て居ります。これは別に考えなければなりません。3千円をとられる事のないようにしたいと思います。
新沼今日は緊急復旧対策について.事業資金.復興資金等についていろいろ見透しがわかりました。是を罹災民が行う事は非常に六ケしいわけであります。是を一般的に徹底される事は.広報車も歩いて居りますがよく解らなかったら課長なりを乗せて1時間留ったいまして相議所つようなもりをやった徹底させなければならないと思います。
市長あちらり方から来て大体の該当者を来月の2日頃だという事でありますがそれでは遅いという事でありましたが、来月2日頃商工会議所にも協力して貰った集った貰ったやりたいと思います。駐在員も被書者になったいるものがありますから仲々速絡が思うようにつきません。
石橋今迄は災害対策を根本としていますが、緊急対策と復興対策をわけて
復興対策は復興局でやるという風に事務的に切り離してやった方がよいではないかと思います。いつ迄も緊急対策ばかりでなく復興局を設けて切り臨してやった方がよいではないかと思います。
市長そういう風にしようと思った居ります。
議長是をもちまして本日の協議会を終ります。直ちに議会運営委員会を開きますから委員の方は議員控室に御参集下さい。明日は午前10時からでありますから念の為申上げます。是を以て散会致します。
閉会
黄書対策本部に於ける問題点
(問題点)
(A)救助隊組織が確立していなかった。冒頭述べたとおり、災害救助法にもとずく災害救助隊の組織が確立されていなく、したがったこれに基く訓練が積まれていなかった。
(B)市職員が消防職員を兼任しているものが多く、これに出動する関係上今次の如き大災害時において人員が不足し、市の対策業務の遂行上支障が多い。
(C)救助激の編成に当ったは.罹災職員等の出動が望まれないので、この点を計最に入れて編成すべきである。
(D)大船渡町の場合は、連絡所の組織が弱体であった。
これは、中赤崎の場合とは反対に、地域の下部組織の協力が不充分であったことと、駐在職員が他町出身の職員が大多分のため、地域の実情に精通していなかったことによる。
(E)対策本部の要員不足のため、一般業務に忙殺され、正確な記録をとることができず、その後の整理に支障を来した。
(F)通信が杜絶しているため、連絡は.自転車.自動直を使用したが、車輌不足のため長時間を要した。乗車の備え付けと。臓員の使用訓練の必要がある。叉、無線機の備付が望まれる。
県との連絡について
午前4時45分、電話が不通りため、東北電力株式会社専用電話をもった災害状況の第一報を県知事に報告し.災害救助法り発動を要請した。午前6時被害状況が判明して来るにもない.職員を往田町に派遣して住田町役場より第二報を入れ.被害状況として.家屋流失1,OOO戸浸水2,0oOO戸.死者行方不明100人.負傷者300人を報告するとともに、自衛隊の出動と、防疫班の派遣を要請し.且つ.職員2名を県庁に派遣して、災害救助法の発動と、自衛隊の派遣、防疫の対策等について詳細連絡せしめた。
食料対策について
当市は消費地であるため.災害発生により食糧事情の混乱は必至の状態であり、対策本部に食料係を設置し.これを県南米雑穀協同紙合に設けた「食糧対策本部」に駐在せしめてその処理にあたった。
幸い、県南米協では、事態の重要性を認識して、専務以下従業員一丸となった、食糧対策を適切に推進され、その全きを期し得たのである。
5月24日における食糧の在庫は、下表のとおりである。
以上の数字は普通消費量なれば、大船渡市及び三陸村の約2ケ月分の消費量であり充分な数量である。
然しながら、これ等倉庫内の玄米が、津波によりどれだけ浸水しているかが懸念されたのであるが、幸いにも.倉庫の構造が完全なため、日通倉庫の玄米164俵が被害を受けたにすぎず、愁眉を開いたりである。
これ等米穀の配給にあたったは
1.炊出米用、2.避難民用、3.一般消費者用、の優先順位を決め、市は之に対する支払保証をするとともに配給切符を作成し配給を開始したのであるが、前日の精米残数量、30K入634袋は、24日午后早々には品切れとなったのである。
米協では.その所有玄米466俵を精米するためには、電力が必要であるが、その復旧には、東北電力大船渡営業所が全力を掲げてこれに従事した結果、24日汐刻には復旧が成り、作業員を倍増して徹夜で.然もモーターが損焼するまで操業を続け、又、25日には陸前高田市、高田町で精米した60K入86俵を世田米経由で廻送し配給したりであるが、26日には米協の手持玄米は搗精完了し.且つ、配給をも終了したので、以後の分こついては政府米を払下げて充当する以外に方途がなくなったりである。
政府米の払下げには厳重な手続きを要し、且つ、盛岡の食糧事務所との電話不通のため、米協より直接盛岡に出張.実情を訴え、特別扱いとして払下げを得.即時倉庫より引取り、これに充当したりである。
これ等の食糧を配給するルートは.被災地の小売店(配給所)は殆んど機能を失ったおり、且つ、通信.交通とも杜絶しており、又、小売店手持の商品は浸水で用をなさなく、資金面も潤沢ではなかったりで次の方法により配給措置を執った。
1)炊出用、一般罹災者用は市において支払保証し、炊出用は必要量を、一般罹災者用は罹災者1人につき2㎏の特配切符をもった行政連絡員を通じ交付、配給した。
2)小売店(配給所)の経理は。米協直営とした。
3)小売店の助成のため米協では、小売店のうち、全壊者へ2万円、半壊者に1万円、浸水は5千円の見舞金を支給し、借入金等の便宜を与え、小売店の自主的機能の育成の手段を講じた。
以上の手段方法により、25日、26日は最も繁雑を極めたが、約1週間にして、これ等の機能が軌道に乗り、その后1カ月にして米協直営の配給を小売店に移し本来の配給ルートに復旧したりである。
炊出しについては、罹災をまぬがれた日頃市立根、猪川、盛地区の婦人会、行政連絡員がこれにあたることとし、これに要する米、費用等については後日調整することとして直ちに実質業務に入った。がその他の地域からも自主的な炊出しが続けられた。大船渡町に対しては車輌でこれを運搬したが、赤崎地区への輸送については、交通杜絶のため、人背によりこれを運搬し、各罹災者に配分した。
これに要した米穀は、11,141㎏である。
以上の応急対策の結果反省されることは、
1)米協首脳部以下、全従業員が連日連夜、一丸となった奮斗を続け、適切な配給態勢を確立し、食糧需給については罹災者に何等の不安を与えなかった。
2)政府所有米が豊富で、且つ、これを収納して在った倉庫が完全のため浸水をまぬがれた。
3)政府所有米の払下げにあたった食糧事務所当局は特別扱いとして敏速に払下げを実施した。
4)小売店の罹災により、切符及び台帳等が流失した結果。罹災者への切符の再交付に時日を要し、然も、避難先が不明りため、処理が繁雑を極めた。
なお、副食の需給については、野菜は盛岡青果市場に、漁類は太洋産業KKの手持分を割安に供給する等の手配をし、物価の高騰を防止した。
飲料水対策について
「応急工作の現況と問題点」において述ベた如く、水道が全線にわたり断水し、被災カ所の井戸が取水不可能となったため、差し当りこれ等の井戸水の使用を厳禁するとともに、大船渡地区の場合は農協より清水、番茶等を輸送した。また、気仙酒造株式会社より給水車2台と新沼信平商店より1台、計3台の協力を得て時間を制定し、給水を行うとともに、水道復旧により要所に共用栓を設置して給水につとめた。
又、赤崎地区においては、罹災地区外の井戸3コを指定して給水を行う乙ともに、他の井戸水の使用は全面的に禁止し、大船渡地区同様。給水車をフルに使用し、時間給水を継続したのである。
その後、自衛隊の到着により、浄水セツト2基を生形地区に1基を大船渡地区に設置し、午後3時頃よりこれによる給水が開始され、6月2日、水道復旧成るまで時間給水したのである。
(問題点)
(A)浄水セツトの常備が必要であり、県において大型1基と、各保健所単位に小型1基の常設を考慮すベきである。
小型の場合は、交通杜絶時においても搬入可能のものが望ましい。
(B)予め要所の井戸水を検査し、災警時における給水井戸の指定をしておく必要がある。
防疫対策について
防疫については、対策本部衛生係と大船渡保健所がこれを主宰して業務の遂行をなした。
特に薬剤撒布にあたったは、盛高校生り応援を得てその徹底を期すことができたのである。
内乳幼児32名病者1名(中風)
赤崎小学校を除き各避難所は市の上水道水を供給、赤崎は給水車により6月2日まで供給、以后水道を利用した。
便所応急仮設なし。
注 入手方法
石灰は市の農協より入手その他の薬品類は薬店より購入、不足分については盛岡及び気仙沼の薬局より速やかに入手輸送した。
撒布器については市内の農協より24台応援、新購入6台、自衛隊三兼機2台、半自動肩掛15台をもったこれにあてたりである。
※市の能力と動員態制
市の機講は保健課に衛生が属し、専任の衛生係は3名で保健課員の応援15名出動、そり他盛高校生、消防団員1日平均50名の応援を得た。後自衛咲青森第九衛生中隊野毛三等陸尉以下30名及び東京三宿駐とん部隊第301予防衛生中隊安保一等陸尉以下20名応援、大船渡保健所員10名がこれに合流した。
※昆虫駆除の地域指定と代執行
災害后直ちに法16条の2による浸水地域の昆虫駆除の指定を受け5月
31日から6月3日まで実施した。
※防疫計画
(1)検病調査班5月25日6月4日3ケ班
(2)消毒班5月25日6月27日10ケ班
5月28日30日3ケ班
第九衛生中隊5月26日31日4ケ班
第301予防衛生中隊6月3日3ケ班
(3)昆虫駆除
第九衛生中隊3ケ班
第301予防衛生中隊6月4日3ケ班
(4)日別実施計画は次のとおり。
一方、気仙郡医師会では、5月25日、次のチラシを配布し、また、保健所、市は同様のポスター等を掲示して防疫の徹底を期したのである。
この結果、伝染病の発生が例年同時期の平均を下廻る、真性4名、疑似症7名、保菌者2名のみに止まり、防疫業務の成果を遺憾なく発揮したのである。
(問題点)
(A)機動力が不足し、連絡が不充分であった。
(B)検病戸々調査をするためのへ員が少なかった。
(C)薬剤撒布にあたり、自衛隊と応援者である高校生り出動時間に差があり、時間的に不経済の面があった。
(D)防疫班と、救護班の連絡がとりにくかった。
救護対策について(遺体収容、医察、集団避難所)
(A)遺体処置
救助関係業務の遂行の主眼を、遺体収容と負傷者、発病者の応急治療の二点にしぼり、遺体収容には引潮後、消防団及び遺族の手に委ね、気仙病院、大船渡警察署及び市対策本部衛生係は主としてその処置にあたった。
遺体収容場所は、大船渡町西光寺とし、引取明瞭者は遺族に引渡し、盛、大船渡り両火葬堤で茶批に離した。
遺体処置の状況
斯くして、行方不明1名を残して一応その捜索を打切ったが6月下旬に至り、市消防団、大船渡分団員の出動を得て2日間の捜索を行ったのであるが、終に発見するに至らなかった。
(B)医療措置
傷病者の医療については、県立気仙病院長が中心となり業務の遂行を行うこととし、医師会がこれに協力、その体勢を確立した。病院長は災害発生するや、直ちに被災地を視察の上、医療班5ケ班を編成し業務に入った。
その後、日本赤十字、自衛隊、NHK等の医療班が到着、医療を開始し、軽い疾患はそり場で治療し、重い傷病者は気仙病院に収容入院せしめたのである。
(問題点)
(A)医療救護班の統制機関について
医療救護については、一応気仙病院長が中心となってこれにあたったのであるが、その権限分野が明確でなかったため、他機関の医療班の合理的な配置等ができず、大船渡町のみに偏重した配置となった。
(B)医療救護班設置の位置について
大船渡町台ケ丘保育園に開設した医療班は、災害地より離れ、高台りため、罹災者の利用に不便であった。
(C)カルテの引継ぎ等について
一つの医療班が引き揚げ、他の医療班と交替する場合、カルテの記入が不備のため、後任医療班がそり措置に困惑した。
(D)薬剤について
破傷風の薬剤及び酸素が欠亡した。
(C)集団避難所
災害対策木部は、罹災者のうち、さしあたり住居のないものを収容するため、大船渡町に4カ所、赤崎町に1カ所の集団避難所を設置、被災世帯を収容した。
これ等収容世帯については、毛布、布団等を備え、これを貸与し、赤崎地区を除き、市の上水道より水を供給し、赤崎地区は、給水車により6月2日まで供給を続けるとともに、衛生、防疫に留意した。
また、斯かる災害時においては、とかく他に依存し勝ちな被災者の気風をいましめ、自立復興の気がまえを醸生するため、特に世帯数及び人員共その避難数の多い、大船渡小学校及び赤崎小学絞の2避難所は、自治運営とし、発生する諸問題の解決は、全てこれによった解決せしむるとともに、共同炊事により災害時には特に顕著になりがちな生活の格差をなくすことに努めた。
対策本部においては、大船渡小学校選難所職に員2名を常駐せしめ、これらの助言、育成と、全ての相談に当らしめた。
このようにして日時が経過するにしたがい逐次住所が確定、夫々避難所より徹去して行き、7月3日相前後して各避難所を閉鎖したのである。
(問題点)
(A)避難所には小中学校の場合は屋内本育館をこれに充当したのであるが、災害発生後約1カ月半、学校教育に支障を来した。
(B)自治組織をもった運営したのであるが、避難所の出入が繁く、リーダーが変るため運営の円滑を久いた。
(C)盗難に類するトラブルが多かった。
(D)対策本部の指揮経統が判然としないため、諸連絡の円滑を欠いた。
(E)救援物資の配給状況が世帯相互で比較されやすく、これによるトラブルが若干あった。
(F)学校給食施設が利月できたため、共同炊事の運営が成功した。
(G)共同炊事の結果粘果、物資の重点的配給がなされた。
じんあい、汚物処理対策について
じんあい及び汚物処理は、消防団、自衛隊が主体となり、これに他市町
村の応援消防団、一般作業隊が加わり、これにあたった。
消防本部では4時37分天神山サイレンをもった団員の非常招集を行い。現場に急行したりであるが、盛高校前まで襲来して来た津波の様相に、盛町が危険視され、一旦状況を舞断の上災害現場に急行し、本部を大船渡町県南米協前に設置、赤崎地区は赤崎分団第二部が主体となり。赤崎漁協支所に設置し救援業務に入った。
消防活動の重点を人命救助に指向し、負傷者の救出、死体収容その後は自衛隊及び他市町村消訪団、一毅作業隊とともに交通綱杜絶の原因となったる路面に散積されている廃材、塵芥の運搬処理にあたった。
以下消防本部の記録に基き願を追った記述する。
以上により、第一次応急作業を一時打切ったのであるが、約一週間おいて6日7日より6月9日迄更に自衛隊の来市応援によわ第二次作業を、又6月10日より11日迄、第三次作業を実施し、6月11日をもって組織的救援作業を終止したのである。
(結果の反省)
人名救助、死体収容はじめ、塵芥、汚物の処理は、市消防団が自衛隊、一般応援隊、地市町村よりの応援消防団等とともに終始これにあたったのであるが、総体的にみて、これ等の業務が極めて順調に取り運ばれたのである。
これは、業務遂行の主体となった自衛隊と、市消防団とり連絡が非常に密接に行われ、相協調して、その措置が萬全に取り行われたことに基因している。
又、他市町村並に市内一般の応援隊が、田植の時期にもかかわらず速日で援出動し、又被災者のうちでも、床上浸水の者も、25日から出動応援して結果等によるところが直接の原因であり、このような一体的な協調態勢で確立された間接的な原因は、自衛隊の誠意あふるる積極的な活動と、隊員一人一人の態度が極めて紳士的で、市民に感銘と感謝り念をいだかせたことである。
救援物資(附義捐金)対策について
(救援物資)
災害発生するや、市内め罹災を免れた地域に対しとりあえず衣類の供出を勧奨し、これを避難所に運搬配分した。5月25日からは、全国各地より続々と救援物資が搬入されたのである。
これ等の搬入は、国鉄大船渡線、高田一大船渡問が不通りため、高田駅より屋錠トラックにより、又、鉄道復旧後は直接盛駅まで鉄道輸送された。救援物資受配の態勢は、盛町浄願寺を集積地とし、対策本部の救援物資熱2O名が全てこれの処理にあたった。
各後災地における罹災者への配給は、当該地区の行政連絡員があたり、大船渡町の場合は、これに市職員1名づつを配置したが、その後配給業務が軌道に乗るにしたがい、逐次右職員を引揚げたのである。
赤崎町の場合は、一時連絡所に集積の上、各行政区毎に分類配給し、直接被災者への配給は行政連絡員があたった。
両地区ともこうして配給機権が軌道に乗るにしたがい、行政連絡員を中心としだ罹災者の合議制をとり、配給の適正を期しだ。
一旦集積された救援物資は、市婦人団体連合協議会の方々の応援を求めこれを種類別、程度別に分類し、罹災程度による係数を基準として、大鉛渡町に愛しては、各行政区単位に、赤崎、末崎町に対しては連絡所に一括送致したのである。
これ等全国各尾から寄せられた救援物資の一つ一つには、暖かい同情と激励のまごころがこもったものであり、罹災者は終始、感謝、感激をもったおしいただいたのである。
特に、昨年の伊勢湾台風の被災地からおくられた物資には、その苦しかった経験が泌み出ており、衣類の中に収めてあった児童、生徒等の激励の手紙には、従事係員もしばし感涙にむせぶことが多々あったのである。こりこうな物資が日を経るにしたがって、その量を増し、6月中旬を最高とし、9月上旬まで続けられた。
こり間市婦連の方々が連日物資の区分のため奉仕されたこと、集積所を提供し、各般にわたり快よい便宜協力を惜しまなかった浄願寺の行為は特筆に価するものがある。
(問題点〉
(A)被災者に対する直接配給は、当該地区行政連絡員があたったのであるが行政連絡員が被災した場合が多く、災害対策本部職員がある期間これにあたらざるを得なく、本部の人員不足になやんだ。
(B)当初各個人の被災実態調査が適確でないため実情に合致せず、各物資の配給に支障を来たした。
(C)今回の経験からして、若し当市から勉に救援物資等を送る場合は次の点を考慮すべきである。
(イ)梱包はなるぺく小さくし、最大炭俵程度とし、重量は15㎏位に止めること。(容積の大きなもの、重量の大なるもの等は取扱に不便である。)
(ロ)梱包には内容を明示した札をつけること。
(ハ)衣料品に洗濯し、糊付け、アイロン等をほどこし、破損カ所は修復すること。
(ホ)柄包の内容物は一旦消毒し、ナイロン等で包み、湿気を防ぐ包装が必要である。
(義捐金)
津波罹災者に対する義捐金は、救援物資同藁全国各地よりおくられ、その総額は29,463,677円に達しこれ以外に小中学校生徒を対象に指定して来た見舞金或はその他弔慰金は1,162,545円がある。
これら義捐金は一旦、市会計課において出納し配分委員会の議を経て全壊、流失、半壊、床上浸水、床下浸水の被害程度により次の基準により3回にわたった配分した。
た残12,959,767円は第四回の配分金として目下計算中である。(10月15日現在)第四回の配分は最終会となるため、第一回より三回に至る間の不合理な点を検討し、総体的に均衡をとる意図のもとに、慎重な作業が進れられている。
失業対策について
チリ地震津波の災害発生により、失業者の増加の現象は殆んど見受けられなかった。これは復旧事業の繁雑の中にかくれ顕著に表面化しなかったことにも原因があると考えられる。
むしろ失業対策としては、養殖施設等の流失被災により、現金収入が杜絶した漁民の救済事業を起す必要性が切迫して来た。そこで赤崎町後の入に失業対策事業として、林道開設工事を計画した。これは延長625m、中員3.6mで、災害復興資材を伐採搬出する目的をも加味されたもりである。こり事業は、6月23日に着工、一日平均30人が出役し、9月末日現在で延2,074人延長350mが完成され、目下事業継続中である。
今後共、今次災害のため、失業者が増加する要素が全くなく、これについてとり立てて対策を講ずる必要がないものと考えられる。
防犯対策について
大船渡警察署では、津波来襲後直ちに全署員の召集を行い、救助態勢をとるとともに、調査員3名を現地に派遣し、実伏を調査せしめ、本部に対し応援隊の派遣を要請し、陸前高田市に25名、天船渡市に25名、陸前高田市広田町に交通整理のため3名を夫々派遣し、救助態勢に入った。
応援は水沢、花巻、江刺、干厩、一の関の各警察署からなされ、警察無線を活用し、全力を揚げて、人命救助、死体捜索、交通取締り、一般警備等昼夜の別なく活動が続けられた。
又24日午后4時機動隊の第一次派遣隊13名が来市、主として塵芥運搬処理りため繁雑を極める交通整理にあたり、6月11日迄駐屯し、その間一つの交通事故をも出さないという稀有の成果をあげている。
又、一般防犯についても、警備.警戒の萬全を期した結果、これまた犯罪が全々無かったという類例のない大きな成果をあげたりである。
これ等は、市民が私心を捨てて一体となった各々の業務に全力を傾注したごとと、警察当局の適切な措置と努力の結果による成果である。
(問題点)
1.災害救助法による救助隊組織が完全でなく、治安関係り横の連絡が緊密でなかった。
2.都市街路笹崎--田茂山線の利用による一方交通が成功であった。
応急工策の現況と問題点
今次チリ地震津波の被害は、公共土木関係の被害が比較的少く、反面、一般個人住宅、中小商工業及び、農業水産業関係の被害が甚大である。
政府は、チリ地震津波災害復旧特例法を設けて、これの対策を講じたのであるが、その項目は次のとおりである。
地方公共団体起債の特例法
津波対策事業の特別措置法
公営注宅の痔例に関する法律
水産業施設の災害復唱の特別措置法
小型象船の建造に関する特別措置法
天災の融資塹定措置法の一部改正法
特定類業施袋の特別措置法
中小企業者への融資詩別措置法
これ等の法律の適用範囲は政令で定める地域となっており、当市の場合は以上各項について激甚地の指定を得たのであるが、公共施設についてのみが特別立法化されなかったのである。
以上特例にもとづく措置の概要は次のとおり決定になったいる。
1地方公共団体の起債関係
(1)ちり地震津波による災害を受けた地力公共団体で(政令で定めるもの)地力税、使用料、手数料その他の徴収金をチリ地震津波災害のため減免によって生ずる財政収入の不足を補う場合
(2)チリ地震津波に係る災害救助対策、伝染病予防対策及びこれに類する
命令で定める災害対策に要する費用で当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合
以上は特例法の対象となる。
2対策事業関係
(1)災害激甚地で、海岸、河川で、チリ地震津波により著しい災害を受けたもの、又これに接続し、これ等と同様の効用を有する海岸、河川で、津波による災害を防止するために必要な施設の新設、改良事業とする。
(2)その施設は、海岸堤防、河川堤防、防波堤、防潮堤、導流堤、離岸堤突堤、胸壁、護岸、防潮林、水門及び閘門とする。
3公営住宅関係
(1)チリ地震津波による災害により減失した住居の戸数がその区域内で、かつ、その区域内の住宅の戸数の1割以上である市町村の区域が対象となる。
(2)第2種公営住宅を建設する場合はその費用の4分の3を補助する。但し、災害により減失した住宅の5割をこえる戸数を建設する場合はこの限りでない。
4水産業施設関係
(1)市町村の地先水面における被害かきいかだの数が、総体の100分の20をこえる訂町村の地先水面の区域が対象となる。
(2)補助率は、6台以下のかきいかだの場合は災害復旧に要する事業費の10分の9、7〜10台までは10分の5。
5小型漁船の建造関係
(1)漁業協同粗合の組合員がチリ地震津波災害を受けた際漁業用に供していた被害小型漁船(無動力船及び5屯以下の動力船)の隻数が10隻をこえ、総所有小型漁船の100分の20をこえる漁業協同組合が対象となる。
(2)共同利用小型漁船建造費につき、漁業協同組合に対し、3分の2を補助する。
6天災融資関係(農業)
7特定漁業施設関係
(1)水産物噂干場、水産物加工施設、水産物の倉庫、漁具倉庫及びこれに類似する施設。のりひび、わかめの養殖施設、網漁具、等であり、下船渡中赤崎、清水、蛸浦の各部落が対象となる。
(2)補助率は特定漁業施設設置費に対し、2分の1を漁業協同組合に寄附する。
8中小企業の融資関係
(1)チリ地震津波により災害を受けた中小企業者、及び中小企業等協同組合、その健中小規模の事業者を直接又は間接の構成員とする団体が事業の再建に必要な資金を商工組合中央金庫より貸付ける場合、その利子を引下げるため政府は利子補給する。
(2)利子補給め期間は3年とする。
(3)中小企業者に対する貸付限度額は50万円。中小企業者団体は150万円を限度とする。
(4)利子は年6分5厘とする。
以上はチリ地震津波災害の復興についての法的な措置であるが、これ等省般の実施にあたったは、査定の結果によるものであり、現在のところ、査定中であり、その評価について記述することが不可能であるが、応急的な対策業務は、市独白の方針に基いて推進されたのである。
土木関係
公共土木関係の被害が、他の被害と比較し少なかったことは今回の災害の特異性である。これは大船渡における公共施設が他の地力と比して少なかったことと、施設は近代技術により合理的に施行きれており、旦つ津波の勢が急激に襲来したものではなく、除々に水量を増して来たことに基因するものと考えられる。
然しながら、公共施設の被害総額76,684千円(市関係含)は市の財政規模から見て決して少いものでなく、これが復輿には今後相当の苦難が予想される。
(1)道路
国道及び県道の被害が少く赤崎町地内に県道の欠潰カ所3カ所被害額、3,820千円である。市道にっいては大船渡町及び末崎町内は被害がなく、赤崎町内に6カ所、延長1,398mが目立つ程度である。
末崎町の場合は、総体的に被害が僅少で比較の対象にならないが、大船渡町の街路は大多分舗装されていたため被害をまぬかれたものである。
赤崎町の場合は、舗装されてなく、且つ、全般的に一般地盤より2〜3m程度高くなっていた関係上波の抵抗が強かったための被害である。その反面、これ等道路により、波の勢を或る程度喰い止め、住家等の被害を減少せしめた効能は特筆の価値があり、将来の道路の改修に当っては充分考慮すべき問題の一つであろう。これ等の被害カ所は取敢ず応急復旧工作を行い交通路の確保をなしこれによる支障は極めて少いものであった。また今回の津波災害によリバイパス線の有無は応急対策及び復興対策業務の挙行の上に明暗二面の範例を残している。
即ち、大船波町の被署激甚地である浜吋以北の国道、八戸一仙台線は平常主要幹線道路として交通の動脈的存在であったが、流失倒潰家屋、流木等が一面に山積し、これの復旧には相当の時日を要したのであるが、幸いにも、大船渡小学校前より盛町田茂山にぬける都市街路、笹崎一田茂山線が開通して在ったため、これを全面的に利用することにより、全ての救護活動が円滑順調に遂行できた要因である。
反面、赤崎町の場合は、大船渡町より赤崎を結ぶ盛川川口線の振興橋30mと川ロ橋158mが流失し、盛町より綾里を結ぶ県道、盛一綾里線が唯一の連絡縁であるが、これまた赤崎町字佐野以南が不地となったため、救護隊の輸送、食糧、救援物資の運搬並に復興対策業務に著しく支障を来す結果を招来した。
これ等の事例は、前期の道路の津波等に対する防災上の使命を兼ね備えることと共にバイパス線の必要性を如実に証明している。
次に区画街路の問題であるが、大船渡町は区画整理が完了して居たため別段の支障は見受けられなかったが、鉄道が町の中心を南北に縦断しているため街路計画が理想的に樹立出来なかった関係上概して街路の中員が狭隘のため応急作業に支障を来した。一方中赤崎地区は、住宅が密集し、これに反し、区画整理がなされず、道路が少く且つ狭隘ため避難を困難ならしめると共に、その応急対策事業の推進に著しい支障を来す原因となった。
したがって、幹線道路の新設、改修に当っては、中員を可久的広くするとともに、区画整理の施行と、区画街路の設計については防災上の考察を充分に加えて実施すべきである。
(2)橋梁
橋梁の流失は、川口橋158m(木橋)、振興橋30m(コンクリート橋脚)下八坂橋20m(木橋)と大立橋の4橋で、うち、川口橋、振興橋は、大船渡一赤崎を結ぶ主要幹線道路盛川川口線に架設されている重要な橋梁である。
これ等の橋梁が流失したことにより、当然に盛川上流の佐野橋、中井橋の利用が重要性を増大して来たのであるが、佐野橋においては昭和17年に建設した木造の老朽橋にして、今回の津波により橋脚が洗われ傾倒したため車馬の交通止めの措置をとったものである。また佐野橋の上流に架設してある中井橋は盛町市役所通りより赤崎町中井を結ぶ市道上に在り、昭和33年度に新市建設事業として永久橋に架設したものであるが、前後の取付道路が不備のため、車馬の交通が制約され、その性能を満度に発揮されていない。したがった大船渡町と赤崎町及び三陸村綾里方面を結ぶ路線は、盛町権現堂橋を経て、猪川町を経由する約6K余を迂回することによって連絡を保っている。
一方、川ロ橋の復旧については、盛川川口線の路線変更と共に、永久橋に架設する計画のもとに、取敢ず木造の仮橋をもった交通の確保を企図したが、橋の性格上、早急に架設開通が必要とされたにもかかわらず被災後3カ月にしてようやくその完成を見たことは、各般にわたる応急対策業務が比較的順調に遂行された中で反省を要する一つである。その要因は架設に必要な木材を国有林よりの払下げに依存した関係上、その手続き等の関係で予想外の時日を要したためであり斯かる緊急を要する場合の資材供給を国有林に依存することは、今後十分考慮を要すべき事項であると共に、国有林野は災害に対応する備蓄林分を保存育成し、災害時は地元営林署長に絶対的権限を与え弾力ある国有林行政を推進するよう改革の必要がある。また橋梁は、災害時においては被害を受けやすい架設物であり、交通の動脈的要素をもっている関係上、単に川口橋の流失に対する仮橋架設のみにとらわれることなく、大船渡、赤崎を分断する盛川に架設してある橋梁全般についての交通確保の対策を考慮すべきであったことが反省せられるものであり、水道工作に於て川ロ橋に併設して在った給水管が流失したため自営隊によって応急的に布設したのであるが、この際仮橋をもこれに附随して施行すべきであった。また、木造の橋梁は、単にその橋の流失による被害に止まらず、流失した橋梁用材が家屋に突き当り被害を増大させた事例を考慮するとき、永久橋に架替することが急務の一つである。
港湾関係
(1)港湾
昭和34年6月11日、大船渡湾が重要港湾に指定を受け、これに併行しも臨海工業都市の港湾としての立地整備を実施中であり、総合的な港湾整備が未完のうちに今回の災害を受け、完成部分については、その被害は僅少であり、部分的に工事未済の部位に被害を受けている。その被害カ所は25カ所、被害額33,759千円である。このことは、近代技術による港湾整備事業が、総合的に完成した場合は、これに対する災害被害を最少限度に喰い止め得ることを証明している。
然しながら、港湾整備事業に於ける諸施設は、毎底浚渫の土砂を埋立したカ所に設置する場合が多いため、海水の浸入により.これ等土砂の流失により建設物の倒壊が見受けられる。特に護岸施設については、これに接続する背後の舗装等が、埋立土砂上になされるため、土砂流失に伴い、背後の舗装が陥没し、更に護岸施設そのものが倒壊し、被害を受けた例が多い。したがって護岸背後の関連主事は充分に調査研究の上施設すべきである。このように被害を受けた一つは、現在大船渡魚市場で使用中の県営岸壁で約40mの矢板倒伏のため漁船の接岸不可差となり、盛漁期を控え、市民経済に及ぼす影況が大なるものがあり、仮後橋の架設を計画し、大船渡営林署より資材の払下げを受け、7月下旬、その浚功を見ている。
この場合の資材の払下げについては、国有林野の経営計画の関係上、大船渡営林署長の権限内で払下げができ、申請してから,僅か一週間以内の短時日で引渡を得たことは橋梁用材その他の払下げの状況と比較して対照的であり、極めて順調年進捗した応急対策業務の一つである。
(2)漁港
大船渡市の漁港は、第三種大船渡漁港と、第一種、蛸港漁港、長崎漁港泊里漁港、門の浜漁港の四漁港がある。
第三種大船渡漁港は、昭和30年度より、漁港修築事業を継続施行中のところであるが、今回のチリ地震津波においてはほとんど被害がなかった。第一種、長崎漁港は施設そのものの被害はなかったが、流失土砂により海底が埋積されたため、1,583m^3の浚渫にっいて農林省の査定を受け工事費1,533千万をもって復旧事業を施行することになっている。
蛸浦漁港については、護岸の欠潰21.3mの被害を受け、これも長崎漁港同様、査定を了て、総工事費978千円で復旧する計直になっている。
泊里漁港及び門の浜漁港については、昭和8年の三陸沿岸の大津波には決定的被害を受けたのであるが、今回の津波災害においては、ほとんど被害を受けなかった。
然しながら、現在の漁港修築事業は部分的な施行であり、漁港区域の一部に護岸施設をすることにより、他の面の被告を増大する場合が多分にあり総合的な漁港修築事業を実施する必要がある。
漁港護岸は、コンクリート護岸はほとんど被害が見られず、練積石垣、空積石垣、においてはその被害は大であった。特に埋立麺における空積石垣護岸における被害はまことに大なるものがあり、今后この重護岸の築造は原則的にコンクリート護岸とし、被害を予想されないカ覆こおいて練積石垣を行う場合においても、裏込工は充分溜意し、盛土流失こよる倒潰を防止する様施行すべきである。
(3)海岸保全
今回の津波災害の特微は湾の最奥部に特に甚大なる(重三的に)被害をもたらしたもので、海岸保全施設の防災上の効果を罰定する資料はないが施設すべき場所と、用地が解決さえすれば、船舶、流木等を防止し、波勢を弱める意味から、防汐林等の施設の有効なことは言をまたないところである。然しながら、臨海工業都市としての性格は、湾口より奥に入るにしたがった、これ等の施設整備を許さない現況にある。
現在市内における海岸保全施設は、赤崎町合足、未崎町門の浜の2カ所に県営の防汐林が在り、今回の津波の被害が殆んどない地域であるが日常生活においては勿論、今回の津波の防災上にも、大いなる成果を収めている。これ等の海岸保全施設は、単に防災上の対象とすることなく、日常市民生活と、魚付その他経済効果を多角形的に考察の上、計画的な施策を樹立、推進.すべきである。
また,海岸護岸施設については、概して見るべき施設がなく、背後地の被害を増大したが、袋来する津波を直接受け止め、そのエネルギーを弱少化するこれ等海岸施設は絵合的な都市開発の構想のもとに築造計画を樹立しこれが実現を急ぐべきである。
農地関係
(1)耕地
耕地の被害は、水田52H72、畑15H02、合計67H74であり、被害戸数、509戸である。水田については、田植直前であり、精神的にも大きな打撃を受けたのである。市としては、出来る隈り田植の実施を期すべく近隣各幕町村に種苗の応援を求め、三陸村4900把、江刺市6150把、陸前高田市5500把及び市内日頃市町5900、立根町550、猪川町350、その他、1,O20把の苗を取得、これを大船渡町400、未崎町8,090、赤崎町8,830盛町7,O50把を配分、極力水田植付の実現を期した結果、約5Hの植付が完了したのである。
今回災害を受けた水田中、盛川右岸、Ⅱ14号線以南約7Hは、昭和謎年にその隣接地74豆を買収し、波渫土砂をもって埋立し、工場敷地の造成中のところ、今回の災害により、その土砂が流入し、域はガラス、釘、板片等多数が埋没してあるため、これの復旧は極めて容易でなく、此の地域は工場頬地として計画されてあるので、此の際県に於て買収し、工場用地の造成を図ることが双力得策であるとの観点から、県に強く要望して在るところである。
これと合せ、盛川左岸の小野田セメントKKにおいて用地買収した残約2Hも、同様県に要請してあるが、何れも県当局において検討を約している。然しながら、従来の用地買収においては、買収価格等が問題になり、円滑な進背を欠くが如き例があり、今回の場合は災害という特別事態でもあり県及び地王共々大局的見地に立って決定すべきである。
また、これ等被災天作物に対する農業共済については、被災後作付し収穫皆無のものに対しての共済金に100%交付され、植付不能のものに対しては50%が交付されることになっているが、収穫皆無が予想される被災耕地であっても、植栽するよう指導した向もあると聞いているが宙としては、植付しても収穫が期待できない水田に対して、単に共済金の受給のみを対象として植栽するが如きことに、不経済極まりないことであり、これについては象えて植栽を推結奨しなかったわけである。
共済金の交付については、植栽不能のものに対し、仮払として70%(反当見込7,300円×0.5x0.7=2,555円)を給付して在り、現地評価は9月下旬実施の予定も二なったいる。
然しながら、農林省のこれに対する助成等の関係により実際の交付は、明年2〜3月になる見込である。
斯かる災害に対する農業共済こ関する問題点として次の事項が揚げられる。
A農業共済は、農作物に対する保険制度であり、農地は対象となってもない。これは作物と土地の関連性を無視したものであり、これを関連えしめて、災害融資と、共済制皮を同一制度の中で取扱うべきである。
B今回の災害により作付不能となった水田等に対しても、共済金を100%交付すべきである。これは、農業の基盤は、耕地である点からして、零細農民のおかれている経済状況を充分に斟酌して、共済全を対象とした戒芸を期待し得ない作付を敢えて実施するような愚をさけべきである。
(2)農道
農道については、今回の津波災害においては直接の被害がないが、ただ災害時における救援活動において、大船渡農道及ぴ佐野農道の果した役割は非常に大きい。これ等の農道は、避難時における家財家具の運搬とパイパス線の性格を発揮し、業務遂行に余すところなく利用されたのである。今後における農道の新設改修にあたっては唯単に農地との関連性のみにとらわれることなく、将来の都市構想上の土地利用計画との関連を考察の上総合的視野のもとに計画推進すべきである。
また、暴風雨による農林道の被害の大半は暗渠、測講等の排水施設が不備のため生ずる被告である実情であり、此の点技術的にも充分検討の上施工すべきである。
(3)水路
津波災害における水路の被谷は,盛川両岸の水田地帯にあるものと、中赤崎地区ががその大多分であり、盛川右岸は、盛町より都市水路事業として改修中のものがあり、これは海面との標高差が僅少であることに加え津波による流失土砂等により埋没し、排水を停滞せしめた。
また、盛川左岸地区の水路については、岩手開発鉄道の小野田セメント引込線構築により耕地が両断され、要所は、暗渠等により排水の連絡を保った在ったところであるが、これ等の施設が泥土等により閉鎖され長期間の滞水を余儀なくされた。
中赤崎地区の水路についても、これと類似した現象を呈し、特に県道を横断する暗渠は口径が小さく、日常の出水に於てもその呑吐能力が不足していたところ、今次災害により、土砂、木片等により閉鎖され、耕地は勿論住宅地が滞水し、その復旧に著しい支障を来した。
一般水路については、埋没した土砂等を除去することにより、容易に排水能力を復活せしむることが可能であるが、道路、鉄道等の暗渠の場合は復旧が難かしく、これ等は早急に口径の大なるものに改修する必要がある。
水産関係
(1)養殖事業
市の養殖事業の主たる、かき養殖2,450台中、2,434台が被害を蒙り、のり養殖4970張のうち、2,273張が被災している。
かき養殖事業街潰滅的打撃を受けたのであるが、のり養殖験は45%服の被害に止まり、これは、盛漁期は既に終アし、施設の撤収中であったため被害を半数に止めたものである。
かき養殖事業については、津波襲来時は例年なれば80%程度の収穫が終了し、残の20%位は、缶詰用の鮮かきとして出荷中である時期であったが、本年は1万屯岸壁の築造に伴う海底浚渫のため、その汚水が湾内に流失したため、かきの生育が非常に悪く、その60%は今秋の収穫に繰り廻さざるを得ない状況に在ったため、養殖事業者としては、最も期待をかけていた重要な時期に被災し、被害を増大ならしめたのである。
これ等養殖事業施設については、この種の災害に対応する決定的防災対策はなく、問題は、その復旧の如何に在ると考えられる。今回の場合は、養殖筏、及び浮樽等の資材を確保すべく直ちに大船渡宮林署に対し国有林材の払上げを申請し、浮樽材520石(2,097個分)長木21,375本を確保すべく、関係漁業協同組合と共に運動を押し進めたところであるが、川口橋の仮橋材同様、青森営林局の払下げ方針の確定に時日を愛したため7月下旬において、第一次払下分として長木、浮樽材、8,365本、2,855石の払下が決定し、目下三漁脇の手によった伐採搬出中である。これ等資材のうち、5,639本は市長名で払下げ契約をしたため、代金の支払については6カ月間の延納が認められている。
また、政府は、水産業施設の災害復旧の特別措置法をもった、水産動植物の養殖施設に対する助成措置を講じ、復旧事業費が3万円以上のものの事業費のうち10分の9の範囲内でで助成することになったいる。
然しながら、これら施設の災害査定は、災害後3カ月の8月下旬に実施され、果して実清に即した査定が可能であったが否かに疑問がもたれるとともに、実質的助成が遅延する原因ともなり、一考を要する問題である。8月下旬における復旧状況は、赤崎漁協は65%、大船渡、末崎両漁協は45〜50%程度である。
かき種、縄、コールタール等の資材については、各漁業協同組合において夫々手配斡旋し、復旧の満全を期した。又流失筏その他の回収については地元船舶及び、三陸村等の動力船の応援を求めると共に、赤崎漁協などでは組合員を動員し、共同作業を10日閥も続け施設の復旧に努め、そのテ,ンポを早からしめた。このことは、共同作業の成果を如実に示したものであり、今后の災害復旧に対し良い示唆を与えたものと考えられる。
また、市の工業郡市の立地整備事業の進展にともない、湾内養殖事業の転座業の問題も台頭して来ている今日、これについて真剣に検討を加え、計画的に推進する力策を樹立すべきである。
(2)漁船、漁某
当時、市内の漁船保有総数は1,324隻であり、内無動力船は1,115隻であった。津波により災害を受けた漁船は、無釣力船で276隻、動力船60隻であり、うち、滅失、大破、中破は、無動力船で250隻、動力船は43隻でさる。これ等の被害は、零細漁民が、そのほとんどを占める当市の漁業に大きな打撃を与えられたのである。これは日常の漁業は勿論、年間の生計買に大きな影響のある着布の解禁を目前に控え、且つ、熱船の築造に用する船材は毅材の上。徹底的な乾燥を必要とする関係上11月から解禁される鮑採取の出漁をも危ぶまれている。
これに対し、市においては、各漁業協同組合と共に、大船渡鴬林署に鉛舶母材の払下げを申請し、陸前高田市矢作町枡内国有林より121本536石の払下げを得て伐採搬出中であり、なお第二次分として、岡国有林からの69本の追加払下げが決定してある。市においては、漁業振興の一還として、無動船の動力化を推奨して来ているが、漁船の復旧建造にあたっては、漁業協同組合は此の機会に動力船の建造を推進すべきである。
政府は、小型漁船の建造に関する特別措置法により、無動力船及び5屯以下の動力船に対し、漁業協同組合が建造する場合は、3分の2を下らない峯によって補助があることになっており、7月に査定が終っている。漁具被害の主なものは、定置18力統、その他10点で総額47,518千円に及んでおり、定置の場合は盛漁期を控えその打撃は大きかったが、反面その復旧を早め全てが操業している。これ等に対し天災の融資暫定措置法の一部改正法により、漁具の購入資金の場合は1,OOO万円、かき養殖施設は50万円、その他の漁業経営に必要な資金の場合は20万円を限度とする措置をとったいる。
(3)水産施設
水産施設については新農事業により一応整備が備ったところであったが今回の津波により水産絹建物の被害は赤崎、大船渡両町会せて217棟、共同利用施設は赤崎15棟、大船渡39棟で末崎町に於ける被害が皆無であったことは、チリ地震津波の特質を物語っている。これ等の水産施設は、何れも海岸に建設されて在るため被害の増大を見たのであるが、特に護岸工事が施行されず簡単な杭等により埋立地を保護して在ったカ所とか或は貝殻等によった埋立たカ所等、護岸と地盤の弱体なカ所に建設した施設は、何れも決定的な被害を蒙った。
これ等の後旧作業は、住宅とか、或は養殖施設の復旧がその緊急度からして、第一義的に取上げられた関係と更に、水産業施設の災者復旧の特別措置法による、農林水産業施設災害復旧事業費国庫負補助の暫定措置に関する法律の特例の適用により、共同利用施設の復旧事業がその対象となる関係上、被災の現況により査定を受けることになっているが、未だに査定がなされず、かき処理の盛期を目前にして、その復旧に着手できない状況におかれている。(9月10日現在)
このような政府関係機関の災害現地の実情を無視した取扱については、如何に法的に規定された助成事業であっても、現地に適応した実施手段を講ぜざる限り画餅に等しいものであり、災害時に連日の如く来市した政府機関の現地調査も、何れだけ適確に実情の把握をしたのか厳に反省検討の必がある。
5.住宅関係
住宅関係の被害は、大船渡町及び赤崎町に限られ、末崎町の場合は、床上浸水90、床下浸水48である。
大船渡町の場合は永井沢以南は末崎町同様床上浸水及び床下浸水程度で、それ以上の被害がなく、浜町より赤沢に至る所謂、繁華街が潰滅的被害を受
け、全壊212、流失189、半壊568、浸水94である。この地域の被害が非常に大きかった理由を考察すると、凡そ次の項目に分れるものと考えられる。
A、チリ地震津波の特徴は、波長が非常に長く、湾口より奥に至るにしたがった、波高が高くなり、その勢が増大した。
B、これ等の地域は、区画整理事業により家屋の移転がなされ、基礎が完全でなく、且つ基礎と家屋の土台がアン力一ボールトにより締結されていなかった。
C、区画整理により土盛された敷地が多く、津波の波長が長かったため滞水時間が長く、したがった、敷地の稀弱化が増進された。
D、木造家屋が多く、然も老朽化した建物が多数を占めていた。
E、漂流船舶及び流木の衝突による被害が多い。
F、1万屯岸壁及び、その背後の公共用地周辺の護岸が、図らずも導水堤的な役割を呈し、台町、亦沢地区の被害を増大せしめた。
G、家屋が密集していたため1戸の倒壊流失は連鎖的に他の家屋に被害を与えてた。
以上が被害を増大せしめた要因として見受けられるが、家屋の建築状態の露から検討を加えて見ると
A、木造モルタル建築は被害が少い。
B、ブロック、鉄筋コンクリート建は浸水程皮に止まり家屋の被害が殆んどなかった。
C、基礎が堅固で、アンカーボールトを使用している家屋の被害は僅少に止まっている。
D、コンクリート製の電柱等が近くにあった家屋は大きな被害を受けていない。但し木製の場合は、倒伏、折損により流失し、かえって被害を増大せしめている。
E、二階建の家屋は、二階が浸水しなかったため、災害後の居住が容易であり、復旧を早めている。
F、正四辺形の建物は被害が少く、凹凸のある複雑な家屋だけ被害が大きい。
G、直接壁が露出している部分は非常に弱体である。
H、床板が柱その他に固く締結されてある家屋は、その浮力により建物の流失、倒壊を助長せしめている。
I、敷地が盛土の場合は被害が多きい。赤崎町の場合は、被告は中赤崎地区が最も激甚で、永浜以南は浸水程度に止まり、佐野地区に若干の浸水家屋を見ている。中赤崎地区の被害を大ならしめた原因については、大船渡地区の場合と大同小異であるが、特に相異する富面は次のとおりである。
A、小野田セメント東側突端と、赤崎農業盛同組合背後の台地の中間が平担地となった東に深く湾入し、この地域に住宅が密集していたため、津波がこの地域に集中して来た。
B、昭和8年の三陸津波直後、県道、盛一綾里線は当時の津波の波高を対象として新設したのであるが、今回の津波の場合はこれを越えて背後の低い住宅地帯に滞水し、被害を大きくした。
C、家屋は一般に老朽化したものが多く、然も基礎は簡単な天然石を使用したものが大多分であった。
以上は住宅関係の被省の現況であり問題点でもあるが、冒頭において述べた住家の被害の外に、排住家の被害は、大船渡町495戸、赤崎町291戸、末崎町90戸があり、これ等建物の被害は総額1,392,679千円に及んでいる。
これ等被災者に対しては、大船渡小学校、大船渡中学校、赤崎小学校、台が丘保育園等に夫々緊急避難所を設け、収容したのであるが、このことについては「避難及び救護の現況と問題点」の項に於て述べることとする。
(1)応急仮設住宅について
災害救助法による応急仮設住宅115戸の割当を受け、大船渡町赤沢地区に55戸、大船渡町明神前地区30戸、赤崎町山口地区に30戸を建設し、7月上旬それぞれ罹災者を収容した。
応急仮設住宅についての問題点については特段のこともないが、設計上については、1戸当りの建坪が5坪であり、その中に各戸毎に0.25坪の硬所が取り付けられ、衛生上非常に悪影響を及ぼしている。これは数戸或は10数戸毎に共同便所を別棟に設け、現在の便所は、押入等に利用するよう設計することが望ましい。
(2)住宅金融公庫災害復興住宅資金について
住宅金融公庫災害復興住宅資金の貸付は、建設30万円。補修15万円となったおり、これに対し、市は債務保証をすると共に受付審査事務を開始した。
その結果8月末までに取扱件数は次のとおりである。
認定書交付件数356件
適外件数89件
認定件数267件
内訳建設162件
内訳補修105件
認定件数267件のうち、昭和35年度において施行するものは220件(214人)であり361年度分は14件、その後辞退したものは33件となっている。
これ等の申請手続きについては臨時職員3名を増員し、処理したのであるが、内容審査に於て、税金の滞納があったり、敷地に抵当権が設定されてあったり、或は、又、償還額に対する収入面の不足があったりして、審査には相当の難色があったが、これ等の点については意見書をつけて住宅公庫と折衝し、貸付承認されることができたのである。この事務手続きについては、非富に複雑で且つ、添付書類等の関係上一部市民が多分に戸惑いを来し、事務当局に対する非難の声が大きかったが、これは住宅金融公庫の融資基準等が厳しかったのと受付当初において当事者の不馴れによるものと考えられるこれにっいては、申請手続きの内容を簡略化する必要が認められると共に、戸か債務保証することの前提に立ち、受付審査事務の簡略化、並びに融資基隼を緩和する関係法規等の改正が望ましい。
(3)災害公営住宅について
災害公営住宅については総計170戸の割当を受け、昭和35年度において、102戸、昭年36年段は68戸を建設の予定であり,昭和35年度建設の内訳は次のとおりである。
災害公営住宅の入居は、罹災者が原則であるが、将来罹災者以外の者が入居する場合においても、その入居料は罹災者同様、普通の公営住宅より安い料金で入居することになったおり、この場合一般公営住宅の入居者との均衡がとれず、これの取扱が今后の問題点の一つである。
(4)住宅の応急処理について
災害救助法に基き、災害により半壊した住家を対象とし、店住のため必要な最少限度の部分を漆急的に補修し、居住の安定を図るため、県知事が現物給付をもって実施するのであるが、今回の災害においては159件の枠をもって1件20,000円の範圏内で実施したのである。
これの対象となるのは
A、住家であること。
B、住家が半壊したものであること。
C、災害に起因するものであること。
D、当面の日常生活が営み得ない状態にあること。
E、自らの資力をもってしては、応急的修理ができないものであること。
等であるが、第5項の限界が明確を欠く点があるので、今回の場合は,最大限の枠を確保し、できるだけ広範の罹災者に対し実施したのである。
結果においては、いろいろと異義の申立てがあったが、これは、被害状況調査の不徹底と前述の如く、資力の限界が明確を欠いている関係上、止むを得なかったものと考えられる。
唯、罹災した市職員に対しては全面的にこれの対象外として除外した取扱については、市職員としての特殊な立場を考えての措置であったが、この様な考え方それ事態が変則約であり、強く反省せられる点である。
(5)中高層建築について
今次のチリ地震津波{)住宅に及ぼした被害は、鉄筋コンクリート建のものについては殆んど被害を見なかった関係から、火災予防をも兼ね、且つ商店街の近代化を併せ中高轡建築の奨励を取り上げ、大船渡町岩手罐詰工場以北電報電割局の間の鉄道より東側約29.2Haを準防火地域に、又その中の要所的延長1,860mを防火建築帯に指定を受けるよう、関係省に申請中である。この防火建築帯のうち15件、延建坪2,354坪を中高層融資の申請中である。この建築に当ってはの問題点としては
A、建築費が彪大でろり、0.75の融資金の償還が極めて容易でなく現在の市民経済から見て大衆的でない。
B、中高艦建築費に対する地力公共団体の補助額が多額にのぼり、地力財政に及ぼす影響が大である。
以上住宅関係における総体的に検討を加えて見ると次のとおりである。即ち、この表で見ると、自力で建築を要する戸数はわずかに25戸であるが、実際には更に多く、120戸位と推定される。その差は結局災書公営住宅に影響し、将来仮設住宅に入居している罹災者を、逐次これに収容して行くと共に、或る程度、罹災者以外の入居も止むを得ない事態となることが予想される。
(6)住宅復興資材について
住宅復興資材については、特に木材に重点をおき、円滑に資材を供給することと、更に災害による需要の増大に伴う価格の高騰を防止する両面の目的をもって、積極的にこれ等業務にあたったのである。
以下各項によりその大網を記述する。
A木材について
住宅復興用木材については、質、量の問題があり、国有林からの払下に依存する力針のもとに災害後直ちにその概数をもった払下げ申請したのである。
払下申請数量
住宅用材163,720石
浮樽用材3,0OO石
船材5,000石
長木材30,000本
その後、罹災者より希望数量を取りまとめた結果約8,900石(素材、9月7日現在)の申込を受理琢したのである。然しながら、国有林当局の払下力針は、流失60石、全壊40石、半壊20石(素材石数)の基準によるため申込数量を満すことが期待できず、県有林よりの払下げを申請し確保に努めた。
以上の不定数量2,880石については、矢作県有林を昭和35年度事業として約5000石を伐採造材申であるので、これを充当すべく目下折衝中である払下げ確定のものについては、一応営林署払下基準石数により、供給中であるが、その力法は
①払下げ契約は市長名により締結するが、現物の受領及び代金の支払は製材業者組合において代行する。
②製材巣者は払下素材を製材し、災害直前の価格(営林署よりの払下げ価格は災害直前の市場価格による)で被災者に供給する。
③市は前述の基準により、申込者に購入券を交付する。
④被災者この購入券により、指定された製材工場に行き現金にて購入する。
以上復輿資材の需給については、関係製材業者の良心的協力により、予期以上の成果を収め、特に、供給数量の多少は何れにせよ、木材価格の高騰を或る程度防止し得たことは特筆する価値があると考えられる。
B畳にういて
一度浸水した畳は、洗滌、乾燥しても、使用にたえない関係上、これに対する薄策は木材同様重要な課題であった。県商工課より、これに対する斡旋の連絡があったが、これは同一の規格のものに限られており、住宅の間取に適合しない面が多分に在るを考えられて検討を加えていたところ、市内製畳業者よりの献身的な協力を得て、市価の15%引きの価格で需給が可能となり、購入券によりその供給を図ったのである。
供給数量及び価格は下表のとおりである。
C その他の資材について
一方釘、ガラス、トタン、セメントについては、県商工課よりの斡旋により、盛岡市森政吉商店一大船渡市橋爪商事KKを通じて約0.1引きにて購入券を発行し、供給に努めた。
又、フトン類については、盗町千葉長フトン店より0.1引にて斡旋している。これ等各業省の協力については、衷心より感謝の意を表すものである。これ等復興資材対策のうち、木材の需給確保については、殆んとが国有林よりの払下げに依存したつでのるが、現行の国有林野における施業計画の範囲内で木材供給の操作を実施する基本力針を堅持した関孫上、青森営林局の具体的払下げ手続の力針決定までに時を要し、特に地元営林署管内以外の、他の営林署よりの供給する場合は、その管内の製材業者の手により製材の上、被災地に供給するため、実情に則せず、且つ、配分、代金回収等が繁産を極める結課を招来した。
幸い大船渡製材業協同組合の協力により、これの供給には一応0見通しがついているが、これは、斯かる大災害時に於ても、なおその施業計画の範囲内で操作せんとするために生ずる不合理な面であり、いたづらに時日を要し、且つ被災地の業務を繁雑化せしめる基因をなしている。すべからく大災害時における復興木材供給は国有林に依存せざるを得ない農状でありこの場合の需給調整を敏活、適切に措置するためには、国有林野内に災害に対応する備蓄林を保有し、被災地を管内とする営林署長に、相当高度の権限を付与し、実情に即した措置を推進することを望みたい。
D 罹災都事借地借屋臨時処理法の適用について
罹災地域のうち、大船渡町は、市開発の中心地であり、市制麓行以来、人口の転入が多く、これにしたがい借地、借屋により住居及び営業を営む数が非常に多く、今次の災害により当然にこれに関連する利害問題が提起された。
市はこれの対策として、「罹災都市借地借家臨時処理法」第25条の2の災害及び同条の適用する地区としての指定を受くべく関係機関に働きかけ昭和35年6月20日』政令の制定を見,宮城県志津川町とともに法の適用地区となったのである。これの運用については、早速借地借屋に関する相談所を設け大船渡簡易裁判所長、浅野弁護士、その他関係者の全面的な協力によりこれ等問題の処理にあたったのである。
然しながら、古くからの地主、家主対、借地借家人としての因襲は、法の適用を得たとはいっても、簡単にこれを打破することができず、問題解決には関係者の努力にもかかわらず難渋を来したのである。
6.商工(金融)関係
商工関係の被害は、被災事業所数514、被害額3,058,700千円に及んでいる。内訳は、大船渡町414事業所、2,703,990千円、赤崎町43事業所323,720千円、末崎町57事業所30,990千円となったおり、大船渡町は,商工関係の事業所が集中的に存在していたため、その被害件数、被害金額共断然多く、赤崎町は件数は少い割合に被害額,,が多くなっていることは、小野田セメント工場の被害額が多いことと、被害激甚のため、施設及び建物の被害が大きかったことに基因するものと思考される。末崎町の場合は、一毅住家の被害同様、単なる浸水程度の被災に止まった関係上、その被害も比較的僅少にとまっている。
農林、水産業等に対しては、その被害の程度により、或る程度の助成等がなされているが、商工関係に対しては、この種の助成措置がなされず、国民金融公庫よりの事業資金の貸出し、或は商工中金による協同組合加入者を対象とする貸付、及び市中銀行よりの一般融資等の資金融資による以外に復興の方途がなかった。
然しながら、資金融資が潤沢になされ、中小企業における従前の小口榿入等をこれに切替えた関係上、その資産内容は、災害前より向上した企業もあるが、反面零細者の借入れが充分でなく12〜13件が審査の結果除外されている。又、商業における、問屋と小売店の特殊の田係は、個々の関連において大なり小なり商店の復興に寄与していることを見逃がすことができない。特に大船渡町における商店街の驚異的な復興は、資金の融資が予期以上に潤沢で、且つスムースに取り運ばれたことに基因する。
これ等の資金融資については、商工会議所が挙げてこれにあたり、借入れの接捗から、融資相談室の設置、借入事務手続等、災害発生直後から連日不眠不休で活躍を続けた結果によるものである。
以上の如く、大船波市における資金融資額は、574199千円であり、借入後6カ月後より発する償還は、月平均10,000千円であるが、大船渡、盛の商業関係における売上高は年間約1,500,0OO千円であり、収益、0.1と見て1カ月あたり12,500千円となり、償還についてはさほどの心配の必要がないと見ている。
農林漁業関係の復興金の融資状況は次のとおりである。
これ等各般にわたる復興資金の融盗状況は極めて潤沢であり、復興は予期以上の早さで進められており、災害復興のための資金融資の総括は次表のとおりである。
7.上水道関係
上水道施設の被害の大なるものは、川口橋に併設されてあった赤崎町えの給水管約150mと、振興橋併設の給水管約30mの流失であった。その他については,消火栓破損10カ所、各戸給水栓破損約300カ所であった。
大船渡町については災害当初は、流失、倒壊家屋の下敷となっているため実態の把握には非常に困難を極めたが、水道工事指定店から応援を求め、調査即修理の力針で、消火栓及び各戸給水栓等の漏水カ所の止水に全力を注ぐとともに、消毒用塩素は平常の2〜25倍を注入して給水した。
然しながら漏水カ所多量のため給水のロスが多く,午前から午后にかけて1日4回、30分づつの時間給水を実施し、夜間は断水したのであるが、5月26日にいたり、修理状況の進捗とともに、時間給水を緩和して1時闇おきの給水措置をとった。
また、盛岡市水道部より技術者の応援を得て、26日から向後1週間にわたる全面的な協力は、その復興を早め、29日において、各戸の給水破損300カ所のうち270カ所の応急修理を完了し、30日動員態製を解いたのである。
赤崎地区の給水については、前述の如く、振興橋、川口橋に併設して在った給水管約180mが流失したため、後の入川を水源とする小野田セメント大船渡工場の専用水道を赤崎線に切替え措置をとり、28日から陸上自営隊の応援のもとに、川口橋及び振興橋の水道管布設工事を進め、31日から給水の運びになったのである。
末崎町に対する給水については、大船渡地区の応急修理の進捗と共に5月30日に至り給水可能となった。
以上は上水道関係における応急工作の現況であるが、これ等の工作を進める上に問題点として指摘される事項は次のとおりである。
A水源地及び浄水場が1カ所であり、幹線給水管の被害により、全面的に給水が不可能となった。
B上水道事業においては、直営工事がなされていなかった関係上、工員がなく全面的に他の応援を求めた。
C応急資材入手が困難で、応急復旧は時間を要した。
D前記B項において指摘した如く、技術職員が少く、水道破損カ所等の発見修理に手間どった。
公共地設の応急工作の現況と問題点
1.電力関係
大船渡市における電力の主宰は東北電力KK大船渡営業所に於いて行ったいるが、チリ地震津波により、大船渡変電所より、大船渡町の商店隻を通り末崎町碁石に至る所謂、南線のうち、大船渡町赤沢より同町笹崎間が、電柱の倒伏流失により決定的な被害を受け、又、大船渡変電所よち赤沢を経て小野田セメントに至る配電線が全面的に流失し、大船渡、赤崎、末崎えの送電が完全に杜絶したのである。
東北電力KK大船渡営業所では、災害が発生すると共に津波の第二波、第三波の襲来がなお継続されている中を、直ちに被害調査を実施すると共に、会社傘下の各営業所並に関係業者に対し、緊急応援態勢を要請し、花巻一関水沢、盛岡、各営業所は24日夕刻現地に到着し、既に作業に従事していた関へ係業者と合流、直ちに作業に着手し、向後、6月9日迄、復旧作業に従事した人員は、営業所関係延241人,関係業者延182人の鰍員により、復旧作業の急速な進捗を見たのである。
一力、釜石営業所の配電課長がヘリコプターで飛来し、災害状薮を調査の上無電をもって復興資材の手配にあたった。
応急復旧の力針は、食糧確保上精米所への送電と罹災者の避難矢として予想される、学校、公民館、寺院、及び山手の住宅地帯えの送電を重点とし、直接被災地域の復旧を第二次として取り上げている。
以上の力針に基き、先づ,大船渡変電所より碁石に至る南纏を.大船渡町赤沢より、同町笹崎安定所の地点までを、都市街路、笹崎一田茂三線に健うて応急的に切替え、24日夕刻には早くも送電を開始し、災害発生当日の午后8時から大船渡町の被災地域を除いた山手の住宅地帯と、末崎町全域に対する点灯が再現したのである。
一方赤崎地区に対する送電線は、大船渡赤沢より工場爺地を得て盛川を横断し小野田セメントに至る間が完全に流失した関孫上、取り敢えず、変電所より小野田セメント工場に至る6萬ボルトの送電線を和再送電し、小野田セメント工場において変圧の上、26日午前9時より赤蛸地区えの送電が再開された。一応これ等、応急施設が終了すると共に大船渡地区、南線の後旧を押し進めるとともに各被害家座に対する引込線の復旧が成り、5月30日夕方から罹災地域に対する点灯がなされたのである。
また、赤崎地区えの送電線は、変電所より佐野を経由する経路を新設する作業を進め6月中旬にその完成を見、6萬ボルト送電纏の利用はこれにζ替えられたのである。これ等復旧事業に要した資材の主なものは、コンクリート柱12本、木柱117本、配電線4.2屯、引込線15,700mに及んでおう、盛覆より輸送して充当したのである。災害時におけろ無灯の状態は、被災者に与える精神的影響が極めて大なるものがあり、東北電力KKが,今回災害において執った敏速且つ適切な応急復旧措置は、驚異射であり、民生の安定に寄与した点はまことに大なるものがある。
また、これ等復旧作業において、陸上自衛隊のゲレンカーの協力が復旧作業の推進に果した成果が特筆の必要があろう。,
2.通信関係
大船渡電報電話局は、今回のチリ地震津波により、局舎の一部が流失した外、倉庫、車庫、自転車置場等が流失し、局舎の二階建部分は碁うじて流失をまぬかれた。
これは後日復旧作業を促進する上に非前に好条件となった。
A被害の状況
(1)市内線路関係
市内路線関係の被害は、津波による直接被害と、流木等による間接被害により電柱及び架空ケーブルに多大の被害を受けた。
大船渡町地区、一赤崎町地区は電柱、架空ケーブル共被害を受け、盛地区力面、下船渡地区は,架空ケーブルの被害が主である。又、大船渡町地区の地下管路ケーブルが浸水罹障したことは致命的被害であり、この浸水は架空立上りケ一プルの切断カ所より浸水したものである。
篭柱の流失、損壊120本し傾斜80本、架空ケーブルの流失533m等である。
(2)市外線路関係
市外線路の被害は市内路線の被害程大きくなく、局前より盛力面に向け篭柱の流失15本、傾斜6本と、赤崎地区で綾里力面の電柱1本流失、2本傾斜のみであった。一方高田局区内では、松原地区で6本流失、16本傾斜となったいる。然し線条の流失並に弛度不良の延粁数は48粁に及んでいる。ケ一ブル損害は大船渡局引込のもので盛力面第8号配線柱までのものである。
(3)宅内関係
加入者回線の障害は線路障害によるもると、宅内障害によるものと、両者の障害が契合するものとあった。
宅内障害とは、引込線、保安器、屋内線、および電話機電池であるが、そのうち電話機障害の被害額が一番多い。これは冠水電話機でも塩水を冠ったものは乾燥させただけでは再用できないからである。
今次津波による大船渡局区内の不通加入者数は全加入者に相当する1,179加入であり、電話機の流失、冠水の加入者数は605加入で約50パーセントであり、全加入者数の半数以上が電話機取付場所よりも高位の所まで浸水被害を受けたことを裏付けている。
(4)PBX関係
PBXの被害は大船渡局区内の大船渡水産市場()、太洋産業()、錦屋旅館も堺屋旅館の4カ所で交換機は何れも冠水し、構内電話機は流失8、冠水35となったいる。
(5)手動関係
手動関係は500へ、H苛性ソ一ダ空気電池15コと局内ケーブル24mの被害だけである。
(6)電信機械関係
電信関係は局舎流失に伴い一切の機器が流失、又は冠水被害を受けた。
B災害応復旧の概況
局舎被災のため5月24日より5月30日まで7日間臨時電報電話局を盛高等学校杖に仮設したが,その間の各般に亘る応急装置状況は次の辿りである。
(1)被災当日の一般概況
セ4.40島舎の一部流失の外、階下全室も2.2mの浸水
セ4.41電信電話共一切の通信杜絶
セ6.5緊急打台線盛岡大船渡間開通(市外線51号柱)
セ7.20局舎無人と化す(職員退避)
セ8.40非常対策本部設置(大船渡町茶屋前52の1平山宅)
セ10.30盛高等学校の信用力申入れ(仮局設置のため)
セ11.15遠野電報電話局より応援隊到着
セ11.40仮局設置場所確定(承諾通知あり)
コ0.05大船渡対策本部に盛岡緊急打合線開通(市外線35号柱より延長)
コ1.30盛岡、大船渡間警察専用線開通
コ2.30一関電毅電話局より応援隊到着
コ3.0O水沢電報電話局より応援隊到着
コ3.0O盛岡移動無線隊到着(電信機械到着)
コ3.30臨時電報電話局開設(盛高等学校寄宿舎)
コ4.00臨時電報電話局に緊急打合線開通(既設併用)
コ4.30大船渡、釜石警察専用線開通
コ5.14電報受付業務開始(仮局、対策本部の2カ所)
コ6.O機械応援隊盛岡より到着(交換械2台到着)
コ6.14盛岡大船渡電信回線開通(方式音単)
コ6.20線路応援隊盛岡より到着(線材到着)
コ6.20被災救援物資(毛布、医薬品、食糧)盛岡より到着
コ7.00大船渡、高田警察専用線開通
かくして応復旧体制並に設営救護体制が整ったので、徹夜で作業を開始した。
(2)局舎関係
(A)被災残存局舎
復旧工事は残存局舎を使用して実施することなったので、5月29日を目
途に残存局舎を使用可能の状態にするため次の通り実施した。
1.流木、備品類,泥土ゑ除去(消防団)
2.一般清掃(婦人会、青年団)
3.吸出、消毒、防疫、(市役所、保健所)
4.折損した柱2本の補強建替(清水建設)
5.夜警(警察署)
6.流失物の回収(職員、消防団)
7.局内マンホールの除水(消防目)
8.臨時灯の引込工事(電力会社)
9.上水道の復旧(市役所)
0.施設清掃、庁内電話の復旧、階上の一毅消掃(職員)
上記の各作業を関係の向きと連絡実施し、施設の復旧作業と相まって30日午后11時50分被災後1週間目に原局で業務を開始することができた。
(B)流失局舎並に附帯設備の媛旧
局舎の修理工事は清水建設(KK)の請負工事とし、原形復旧の原則で次の予定線表で実施された。
(3)施設関係
(A)災害応急工事の概況
1.仮局設置に伴う工事(5月24日一5月25日)
北力面の市外線を仮局に引込むため、市外32号柱までRDワイヤ及びゴム線を架捗する。(200m)
南力面の被害線を仮局に引込むため旧局まで16PRD1条を架捗するよ。(1.3Km)、
盛方面の重要加入者を開通させるため16PRD2条を架捗する。(32回線分)
上記に伴う回線切替をそう。(端子函配線函で二重接続とする)
特100交換機2台及びを線盤の装置工事を行う。
ジャンパーを掛けて回線を収容する。
電信音単装置を印刷電信装置に力式変更するための工事を行う。
無電話地域に無線車を産直し災害対策本部関係加入者の通話を確保する。
2.旧局復帰に伴う工事(5月26日〜6月3日)
旧局舎より北15号柱までの建柱を行う。
16号柱より32号柱までの裸線修理を行う。
旧局舎より16号柱まで16PRD1条を架捗し市外線を接続する。
旧局舎より16号柱まで200P市内ケープル2条、100P市内ケーブル1条
を架捗する。
架捗后は上記ケーブルを局内ケーブルに接続鉛工する。
架捗后は上記ケーブルを16号柱にて400Pケーブル1条、100Pケーブルに接続鉛工する。
旧局舎より赤崎力面小野田前まで仮建柱を行う。
旧局舎より赤崎力面小野田前まで(川越230mを含む)16PRD2条を架捗する。(延4.2Km)
赤崎町地区、大船渡町地区重要加入者の開通工事を行う(引込線路工事宅内工事)
RD収容のための仮分線盤を装置し、ジャンパー掛けを行う。
電信機械移装のための一切の工事を行う。
仮局の施設を一切撤去する。
旧局より仮局までのRD1条の撤去を行う。(1.3Km)
盛局重要加入者開通のRDを撤去し、端子函配線函の整理を行う。
専用回線全部の開通工事を実施する。
3.委託局関係工事(5月26日〜6月3日)
高田局区内は長部地区22加入、脂沢地区37加入、松原地区7加入、又只出局区内は三日市地区5加入の不通加入者であったが、災害対策本部支所関係の加入者を優先開通せしむることとし、他は月末まで開通を目途に仮工事を実施した。
(B)第一次応復旧工事と関連工事の概況
1.改式先行災害復旧工事(内線)
管路ケーブル障害復旧のためのケーブル接続は通信部工事,布設替は請負工事として実施したが、接続工事は6月11日着工、6月24日完了し、その間の稼働延人員271名である。
管路ケーブル接続工事
2.第二次応復旧工事(請負の分)
上記区間の管路ケープルの布設替と大船渡町地区し赤崎町地区市内線路の建柱,ケーブル架捗、端子函取付等の工事は請負工事として江渡工業が実施したもので6月1日着工、6月末までに主要工程を完了した。尚この工事には復旧工事進捗に伴って不要となった仮架捗RDワイヤの撤去工程も含まれている。
3.第一次応復旧工事(直営の分)
直営の第一次応復旧工事は津波発生以来6週間で加入者仮開通に必要な一切の仮工事を終了して7月4日一応打切った。4ー5Aの応急工事に引続く市内外線路の復旧工程と上記3の1.2の工事進捗に相挨つ大船渡局区内の加入者の早期仮開通を図るための宅内工事の実施が主要工程で外線100%、内線96%の進捗を図り未厘通加入者大船渡39、高田9を残して終了した。
内線の残工程は未開通加入者の引込線工事であり、未復旧加入者は総て加入者側の体制が整わないためのものである。
又PBX関係の復旧は第二次応復旧工事とし7月中旬工事を施行し4加入のうち3加入を復旧した。PBXの伝開通が出来なかったのは資材調達期間の関係であり、現在1加入の未復旧は加入者側の都合によるものである。
C災害復旧残工程の概況
(1)局舎関係
局舎関係は附帯設備の電時時計、火災警報装置が未復旧である。
(2)施設関係(第二次応復旧工事)
大船渡の未復旧加入者は19で、中18は家屋建築中である。(8月20日現在)高田の未復旧加入者は5で、何れも8月末までに開通出来る見込である。大船波のPBX未復旧加入者は1であるが10月中旬家屋完成の見込である。
電話集信座席装置(信機)は資材入荷次第本復旧の予定である。
高田局区内市内線路の本復旧工事は東北通建の請負工事で実施中であるが、8月下旬完了の見込みである。
大船渡島より北力面市外線に使用しているRBワイヤのケープル引替工事も東北通建の請負工事として8月末完了の予定である。(550m)
只出局区間の支線取付18灸を主とする市内線路の本復旧工知は直営工事として9月中旬に完了の予定である。
大船渡、高田、の市内線銘残工程は引込柱を主とするもので、未後旧加入者の開通完了と相俟って完了する。
残工程の最も大きいものは宅内工事である。これは加入者の家屋が未完成又は模様替前に仮開通したもので標準実施法に準拠しないもので、之が本復旧工事は9月以降計画的に実施し年度内完了を図る予定である。
その工事概要は次の通りである。
屋内線を2力撚PVC、3心入PVC並列屋内ゴム尿に引替える。
(16,600m)
引込線を綱心入PVC屋外ゴム線に引替える。(15,400m)
仮復旧電話機の中陶汰機種を標準機種に取替える。(185m)
被災せる車輌の更改車(トヨペット小型貨物庄)1台は9月下旬に配備される予定である。
D災害復旧経費と稼動人員
応復旧工事の経費見込は次表の通りで第二次は7月4日以降の復旧経費である。
第一次応復旧工茅が終了した7月4日までの施設関係の稼働要員は、延2,194名となっているが関連工事でケーブル接続に271名、又請負工事の分1,082名を加えると約3,550名の稼動となっている。
又業務共通関係の借役応援377名、医務関孫37名を加える災害以来第一次応急工事終了までの間に施設共通関係の他局応援職員だけでも2,136名にのぼったいる。
仮設局設置する場合の条件は
1.市内外線より最短距離の位置であること。
2.昼夜共業務を遂行する関係上、そのことによって他に支障を及ぽさない施設であること。
3.資材の集積するため可能面積を確保できる場所であること。
4.多数車両の出入が容易であること。
5.空中樫の建設が可能であること。
等であるが、今次災害の場合、盛高等学校の寄宿舎に仮島を設置したのであるが、以上の条件が完全に満たされる理想的な位置であったため、応急復旧作業の遂行が極めて円滑に遂行されたのである。
応急復旧工作遂行上の問題点としては、局舎自体が決定的な被害を受けていることと、復旧工作における応援隊が、連日100名以上に及んでおりこれの宿舎の確保が容易でなく、日頃市野及び世田米町に分宿したため、作業員の疲労が多かったことである。
前者については、鉄筋コンクリート三階建の局舎を新築中であり、一応解まされるが、応援隊の宿舎については今后充分検討の必要がある問題点である。
3.鉄道関係(附交通関係)
陸の孤島といわれるだけに、当市にとっては鉄道輸送は隆上の動脈ともじえる。
これが突如として襲ったチリ地震津波のため陸前高田、小友間問、下船渡、盛間に大義害を受け25日間にわたり不通となったことは救援物資その他復旧姿材の輸送に大きな支障をきたし、復興のテンポにも少からず影響を及ぼしたのである。
しかし、災害当日から鉄道関係当局の不眠不休の突貫作業により翌月17日には臨港線を除き全線開通を見たことは、その労を多としなければならない。この被害を大きくした原因は津波規模が予想外に大きかったこともさることながら、鉄道ルートが低地をしかも、海岸線に沿って走っていることに起因するところが大きい。
当市におけるルートを見ても細浦以北は殆んど海岸線に沿って走ったいるといえる。しかし高低に多少の差があるので、場所によっては防潮堤となった津波を防止したところもあるが、その殆んどが海岸線に近く且つ底いため軌枢その他線工に被害をまねいたのである。
この状態から津波災害を最少限に防止する手段として次のことがあげられるであろう。
1.津波被害の心配がない高地にルートを変更すること。
2.現状のルートでも津波被害のうけやすい低地を高架線にすること。
3.今回の津波でも押波で軌枢、道床が旅失していることから、路線の海岸側にコンクリートで防潮壁をつくること。
今回の被害の状況は次のとおりである。
(交通関係)
鉄道を除いた市内唯一の交通援関である県南バス大船狼営業所では、赤崎町長崎に宿泊していた運転手が、異状な引潮により津波来襲を察知し、これを電話でもって大船渡宮業所に通報し、車庫に収納してあったバス20数台を田中地区に避難せしめその被害を最少限度に止め得た。
このことは、災書直後における交通確保に大きな効果を発揮した原因となっている。営業所事務所も浸水被災し、書類等を流失したのであるが、臨時営業所を田中に移し(約2週間)各営業所より応援を求め24日の災害当日から盛一大船渡間の無料運行を実施し、又市外線は綾里線、高田線を除き、平常運行を続けた。
以後道路の復旧が進むにしたがい逐次ダイヤの回復をはかり、6月17日に至り正規運行に復旧したのである。
4.郵政関係
大船護郵便届は、局舎の階下天井まで浸水し、最高水位は路面より3.5mに及んでいる。このため建物附属建物が半壊し、備品類は冠水破損したのであるが局内普通郵便物は若干の冠水だけに止まっている。ポストの冠水は市内7、市外4で、郵便切手売さばき所は流失1、半壊5、床上浸水3となっている。
区内の無集配局の被害は赤崎郵便局の局舎浸水で路面より最高2.2mの水位を示し、局舎半壊、備品及び財属建物備品等は流失冠水により使用不能にいたった。窓ロ業務は5月27日より開始し、貯金の非常払1件、非常取扱による諸護求16件であり、非常勤にて使用した者102人である。
細浦局は床上浸水程度であった。
業務運行状況は概要次のとおりである。
業務運行状況
5月24日午前10時から局舎内外の片付けおよび清掃を行ない、25日午前10時郵為替貯金および保険年金の窓口事務を開始。
(1)郵便
陸前高田〜盛間の鉄道不通となったので5月26日から6月17日まで日逓の
自動車により、また5月26日から5月29日までヘリコプターにより仙台〜
大船渡間の運送を行う。
大船渡〜綾里間の自動車便不通となったため5月25日から6月6日まで船
便により運送を行う。
5月24日、5月25日集配停止
5月26日遠達郵便のみ配達開始
5月27日から古内、市外1号便のみ復旧したが居住者の移動がはなはだし
く配達は困難をきわめた。
市外第2区の合足部落は7月10日まで綾里局に配達を依頼した。
7月11日から2号便復活
市外第1区第2区への橋梁流失のため盛局区内を通っていまなお迂回配達
を行なっている。
(2)為替貯金
5月25日から6月30日まで非常取扱期間設定
非常払34件26万8千余円
非常取扱諸請求56件
5月24日から6月7日まで積立貯金集金事務停止
(3)保険年金
5月25日から6月15日まで非常取扱期間設定
非常払14件87万円(保険金倍額支払13件78万円)
非常貸付80件78万円
保険料払込猶予1,721件
5月24日から6月2日まで保険料集金事務停止
保険契約原簿の再調製6,330件
(4)放送委託事務
ラジオ、テレビ受信料払込免除995件(5月〜7月3カ月間免除)
(5)電気通信委託事務
通信回線故障のため5月24日から6月15日まで取扱停止
(6)共通
5月24日から6月5日まで非常勤職員延127人任用、外地局からの事務応
援114人
5月24日から6月3日まで11日間非常炊出実施、延580人分
局舎内外の消毒およびDDT等の撒布
冠水した諸帳簿類の洗浄消毒
職員にビタミン剤等の供与
局舎内壁の塗り替および床板の張替
大破建具および木棚等の修理
自転車は全部更改、リヤカーは修理のうえ使用
5.官公衛関係
今次災害により、官公衛の罹災したものは税関出張所、海運局、労働基準局、食糧事務所、統計事務所、大船渡郵便局も赤崎郵便局、港派出所覧水産事務所、港務所等であり、これに準ずる公的機関として、農業協同組合、信用組合、漁業協同組合等がある。これ等は、何れも床上浸水、半壊等であり流失、全壊をまぬかれたのであるが建物そのものよりも書類の流失等による楼能の停滞は決定的である。
このうちの大多分は民間の宗屋を備り受け利用し各所に分散していたもので自己の庁舎のものは郵便局、港務所のみである。
これ等公的機関の罹災は、災害時における他の一般に与える影響が極めて甚大である現況にかんがみ、将来合同庁舎等を建設し、災害防止と、平時の利便をもたらすよう計画する必要がある。
災害対策関連組識の現況と問題点
(現況)
非常災害時の救助対策に関する組議については、過去の台風被害特に昭和22年、23年のアイオン、カザリンにおける大災害の尊い教訓を生かし県内各市に於ては水防法に基く水防隊を編成し、毎年台風時に備えて綜合的訓練を行い水防資材はもとより各種田連機関との密接な連捜のもとに総合的な点検整備訓連等を実施して来ているが,当市に於ては昭和8和の津波以後救助対策を要する大災害は昭和18年の大船渡町の大火災以外は特記すべき災禍もなかった事と昭和27年の町村合併によっていままでの組識人員編成等に於て人事交流等と相俟った救助組識が皆無の状態で庁内はもとより他の機関との間にも機構上何等見るべき連携がなかった。救助隊ともいうべきものは僅に非常備消防団、警察署等の機動力に期待し依存するに至った事は、今回の津波はもとより、火災、風水害時に於ける対策の上に反省すべき大きな問題を残している。
(1)市の組識について
今次の津波災害においては、以上の如き組識の実情では、頭底事を処することは不可能であり、市では災害発住と同時に市役所内に災害対策本部を設置し、職員の非常招集を行なったのであるが、大船濠、赤崎、末崎地区の職員は、自からが罹災したり、交通が杜絶し、或は消防団員として出動した等のため、本部に参集したのは僅かに60名程度であった。
これを各部署に配置し、直ちに救援活動に入ったのであるが、決定的な人員不足は如何とも致し難く、応急対策業務の進捗とにらみ合せ、重点的な部署配置をなし、その後職員の集合するにしたがい逐次これを調整したため、毎日或る程度人員の配置替をせざる得ない実情であった。
このようにして数日を経過した後、羅災職員の招集を発令し、且つ消防団員である市職員を復帰せしめたのであるが、罹災地における民間協力組識が確立してないため、救援物資の配給をはしめ、諸段の業務遂行のため、各行政区に対する直接市職員の配置が必要となり、愈々人員不足が深刻となって来たのであるが、これの対策として、大船渡地区の緊急行政連絡員会議を魚市場会議室に開催、特に救援物資の配給態勢を鉾立し、行政連絡員が被災した
行政区に対してのみ市職員の配置を行って人員不足の緩和につとめた。
又、市議会においては、24日午前10時から大船渡小学校に、緊急市議会協議会を開催、各常任委員会は、対策本部の関係部署に合流、一体的な救援活動に入った。
このような経過を経て、約1週間にして対策本部の組識が確立し、軌道に乗たのであるが、この如き組識のもとでは、市役所日常の業務が停滞することが懸念せられたので、6月3日、新たに災害復興事務局を設置し、職員6名を配置し、逐次対策本部の組識を再調整し、救援業務の進捗に伴い、対策本部職員を本来の市役所部署に引揚げたのである。
(2)民間協力組織について
前述の如く、民間協力組識の確立がなかったため、市で委嘱してある各行政連絡員に依存せざるを得ない実失であったが、行政連絡員自身の罹災者が多く、特に救後物資の配給に困惑したのである。
ただ、赤崎地区においては、中赤崎契約会、公民館、罹災しない行攻連絡員等が主体となり、自主的に地区君策本部を設置し、終始市対策本部に協力したため、当該地区の救援及び応急対策業務は極めて円滑に進められたのであり、民間協力組織のモテルケ一スとして注目に価するものである。
(3)その他各機関との問題について
得頭に述べた如く、非常災害時における救助組識が確立されてなく、したがってかかる災害時における他関係機関との連絡連携も予めの調整も何等なされてなかったが、これ等各機関は極めて積極的に対策本部との連絡を密にしながら自主的に夫々の分野において救援業務に専念したのであり、これ等機関の実施した各種業務が他機関と相互に有機的に相結合し救援業務の円滑な遂行が成され、その成果をあげ得たのである。
(問題点)
A総合的災害態勢の確定について
今次津波災害の如く、大規模災害に対する救援態勢が確立されてなく、市職員の跡員についても、日時を要し、救援態勢が軌道にのるまでにいろいろの問題点を生じた。
特に、指揮命令系統、連絡方法、等について適切な措置を講ずる組識としては弱体であった。
災害救助注にもとずく、救助隊組識のみでは救助組識としては万全でなく
市の実情に即した組織の確立と、これにもとずく訓連が必要である。
B民間協力組織の確立について
今次災害においては、大船渡地区における協力組織がないためいあらゆる面においてその対策に困惑した。
中赤崎地区においては、自主的に対策組織を確立し、その成果の万全を期し得たことは前述のとおりであるが、斯かる面を参考にして、今後協力組織の確力を急く必要がある。
C関係各機関との連絡について
市内各官公庁、会社工場、業者等と密接な連携を強化し、災害時の措置について、より機敏で有機的な救護活動態勢を確立するため、Aにおいて述べた綜合的救護組織と、これの運用活動計画を樹立することが急務である。
D被害調査組織の確立について
災害時における救援、対策、応急対策における基盤となるものは、適確な被害実態調査でのることけ言をまたないところである。
今次災害における調査活動は、市職員がこれにあたったのであるが、人員不足のため毎日その分担部署人員の変更交流を余儀なくせられた関係上、係員の交替と、又、災害時における組織と、訓練が成されていなかったため、調査内谷、調査目的等が係員に周知零れなく、調査の適正を期すため3回にわたり調査を実施し、多くの時日と労力を費している。
調査組織はこれを強化し、終始同一係員がこれにあたるとともに、例年の小災害においても、この組識を活用し、災害調査の時間的短縮と、精度の適正を期する必要がある。
防災施設計画の現況と問題点
大船渡市における防災施設は、昭和8年の三陸津波後において実施した、末崎町泊里、門の浜、細浦漁港に対する防波堤、漁港護岸と、又、神坂、碁石地区の集団宅地造成があり、赤崎町においては、防汐を兼ねた、県道盛一綾里線及び被災家屋の集団移転とその宅地造成等が主なものであり、これ等の施設も、今次のチリ地震津波においては、その防災機能を充分発揮することができなかったのである。これは、昭和8年の三陸津波とチリ地震津波とは、その性格において全く異状のための結果によるものである。
例年の風水害に対する復旧についても、国の助成力針と、市財政の関係上単なる復旧の域を脱しない工事に止まっている現況である。幸い、北上特定地域としての指定とともに、東北開発の一翼を担い、臨海工業都市建設のため、各般の立地整備を推進中であるが、これ等の計画を相まって、防災都市の要素を充分に取り入れ、民主の宏定を図る必要がある。
市は昨年都市構想の策定に著手し、大船渡市と、その近隣市町村を含めた一体的な都市振興計画を策定する構想のもとに、先づ市における土地利用計画について検討中に今次の災害を受けたのである。
災害後は、当初の構想に、今次災害の教訓を附加し、取り敢ず大船渡、赤崎末崎三町を中心とした災害復興計画を策定中であり、その構想は次のとおりである。
(計画策定の方針)
1大船渡市建設の至上目標である臨海工業都市建設の基本力針を堅持し、これに即応する防災施設を中心とし諸条件の整備を推進する。
2計画事業は災害復旧並に津波対策事業を主体とし、これに関連した産業立地の諸条件の整備を企図せんとするものである。
3臨海地域を中心とし、各地区の特異性を勘案し、将来の開発発展の様相を想定しこれに対応する立地条件の整備を推進する。
(計画策定の重点)
1人命の被害を絶無ならしむる
2財産の被害を最少限度に止める
3経済効果を高度化する
4総合開発を推進する
5災害時の救助活動を円滑ならしむる
以上の計画は、目下調査中の津波対策事業が具体化するにしたがい、相当の変更がなされるとともにその地区の特異性を
生かし、総合的に万全を期せんとするものである。
この計画は、現在の処全くの粗案であり、特に「津波対策事業の特別措置法」による対策串業として、上記構想の中、どれだけの事業を取り上げるか?、或はまたその内容はどうであるか等は、今后関係各省の査定の結果協議決定、される問題であり、その結果により総体的に再検討を加え、決定する力針である。
前述の如く、災害復興計画には、チリ地震津波において災害を受けた大船渡以下三町の復興計画であり、本編に引続き第四輯として編輯する方針でありこれに引続き、他の四町に対しての計画を策定する力針である。
この計画策定にあたる問題点としては、次のとおりである。
(1)「津波対藁事業の特別措置法」による対策事業とはチリ地震津波による災害を受けた政令で定める地域において、海岸またはこれと同様の効用を有する河川でチリ地震津波により著しい災害を受けたもの、及びこれに接続し、かつ、これと同様の効用を有する海岸または湾川について津波による災害を防止する政令で定める施設の新設または改良に関する事業となったおり、あくまでも、今次津波被害の激甚な地域が対象となり、昭和8年、或は明治29年の三陸津絞において大きな災害を受けた地域であったもチリ地震津波の被害の少い地域は事業施行の対象外となっている
(2)市財政が弱体のため、これ等事業の推進にあたっては、財政負担が暴大なため不可能に近く、国県の助成にまつか、或は長期計画によらざるを得ない。
チリ地震津波の市財政に及ぼす影響
1.災害発生の状況
昭和35年5月24日早朝に襲ったチリ地震津波は太平洋沿岸各地力に相当な被害を与えた,大船渡市の中心部には壊滅的な打撃で多数の人命を失った。死者行力不明合わせて53名,負傷者202名、被災世帯1,480世帯、建物全壊流失合わせて432棟、公共土木施設及び農林水崖施設の被害額合わせて、941424万円という空前の被害をもたらしめたのである。
2.災害応急対策費
市当局においては災害復旧の善後策を講ずることとして緊急に災害応急対策予算の編成にとりかかり5月28日その原案を作成し6月1日これを専決処分して執行したのである。この予算の才出費用は復興事務局費にag72千円災害応急対策費に7,934千円でこの支出に充当するため既定予算の市役所蜜から1,OO7千円を減額して収支の均衡をとったいる。これに対応する才入は特別交付税6,459千円財政調整基金積立金から4,000千円を繰入れて総額、11,O59千円を計上し取りあえず対策上支障のないよう配慮した。
特別交付和については未確定額を計上したのであるが緊急対策上止むを得ない措置であった。
3.災害復旧事業費
災害事集復旧費のうち公共土木施設及び農林水産施設の災害飯旧事業にかかる査定終了分の事業費は49758千目で、このうち地力負担額(市税等で負担する額)は19,900千円となっている。これは後の査定分を除外しているほかに災害にかかる補助事業で本年変施行分は災害複興土地区画整理事1業が22,300千円で地方負担額5,000千円と災省復興住宅建設補助事業が31,782千円で地力負担額7,900千円となったいる。
次に問接補助事業で耐火建築促進法に基く中高層建築に対する市の補助金約6,500千円で、これらが直接災害に伴う地力負担であり、この額は39,300千円と見込まれている。
この外に市税等の減収分約10,000千円とみて総額約49,300千円となるのでこれを極力起償に求めているが決定までには相当額減額されるものと予想され,るo
本年度市税等の減免による額(条例に基くもの)約14000千円と見込んでいるが、これについては起債の特例等に関する法律に該当して起債が認められることになっている。
災害応急対策費に見込んでいる特別交付税の未確定分6,459千円については地力交付税法第15条で特別交付税の交付理由として災害のため特別の財政需要があり、または、財政収入の減少があること・・・・と規定してあるのでこの規定により交付されるものと期待している
4.一般公共事業費
災害復旧事業以外の一般公共事業で主なる補助事業は公営住宅建設事業が字621千円で地力負担額3,0OO千円、都市下水路事業が缶686千円で地力負担額2,400千円、過年度(34年度発生災害)補助災害復旧事業が13,247千円で地力負担額が生600千円.漁港修築事業に対する埴力負担額が14200千円漁港修築事業に対する地力負担額が5,500千円となっている。この地方負担の総額は29,700千円である。この地方負担額についても夫々起債を求めているが過去つ実例からみても約10,000千円程度減額許可になるものと予想される。
以上大砥の見込みで、地力負担額が災害復旧事集費で20,000千円、一般公共事業費で10,000千円合わせて30,000千円の不足となり、これを本年度末において繰上充用(赤字)しなければ処理できないものと思われる。
5.財政に及ぼす影響
最後に今次災害の財政に及ぼす影響について総記する。
今次災害の復旧事業費は土木施範設及び農林水産施設の補助事業と、災害復興土地区画整理事業、災害復興住宅建設事菜,中高層建築事業等の補助事業にかかるもののみで約49,300千円の地力負担額となる。これに単独災害復旧事業、過年度災害復旧補助挙業等約6,400千円合わせて55700千円に達している。この中には災害関連事業、災害のための特殊経費が含まれず、また未査定分が除外され、なおその上に調査が進行するに伴い逐次判明しつつある増加事業費が見込まれていないので、これ等全てを含めて概算するとその災害復旧総額が実に億円余に垂んとすると患われるのであるこしたがった災害復旧事業費に対応する地力負担所要額を国の諸般の措置におっより方途がないものと思われるのである。これが今後数年間に亘った財政上に重圧を加えることになると考えられる。
もとより地力負担額の全てを市税等の一般財源で処愛することは到底至難なことであり、その相当部分を起債に求めているが昭和35年度以降について予想すると、まづ公共災害時の地力負担に対する地方曇充当率は過去の実例にかんがみ若干の低下さえ考えちれるので要請額をあくまで期待することは非常に困難であろうと思われる。また特別交付税についても基準をこえて道大に見込むことも不可能である。明年度(釜年度)は災害復旧尊業施行の次年度に当る。その復旧率が、かりに3,5,2の年度割合で行われるとすれば少くとも本年度の倍に近い復旧事業となり被災団体である当市の財政はこの上と
も苦しい運営になると思われるのである。災害復旧の促進と民生の安定を図ることは勿論必要である。しかしあわせて財政運営に対する計画的な配慮こそ当面の急務であろうと考える。
報導関係者の見た応急対策(座談会)
報導関係者座談会
日時昭和35年10月12日午後4時
場所市役所応接室
出席者NHK記者山川健氏、湾北新報記者菅原孝雄氏、岩手日報記者村上
政儀氏、読売新財記者中沢芳郎氏、東海新報記者鈴木正雄氏、産経新
聞記者猪定一海氏
市側出席者鈴木市長、藤原助役、広沢復興事務局長、山口補佐、金野主事
テーマチリ地震津波の復興をどう見るか
司会東海新穀社長鈴木王雌氏
局長今度の津波を契機に市では、只今総合芝な防災都市を建設するため仕事を近めのている。その資料として第一輯にチリ地震津波の被害状況と応急対策をまとめ、第二輯には現在と問題点をまとめ巨下脱稿するところである。さらに第三輯には災書対策計画を、そして第四輯には総合的防災都市建設計画を策定する予定となっている3この資料を整備するにあたって考えられることは、今回の津波復興は概してスムースに進められているということである。これは復興事務にたづさわる、われわれの一力的な見力からそのようにいえるのかも知れない。そこで報導の衛にあるみなさんが,この復興をどのように見ておられるか卒直に出していただき、資料整備の参考にさせていただきたい。
東海新報今度市のとった津波対策について、報導機関のみなさんから客観的に卒直な意見を聞かしてもらいたいということである。それでは5月24日の避難状況からはじめよう。
岩手日報県南バスでは全車輌を緊急に避難させたということは常に避難体勢がとれてあったことにもよると思う。市でも訓練体制がとれてあればあれ程の人命を失わなくとも良かったのではなかろうか。
東海新報それもそうだが、警報が遅れたことだ。
産経新聞根本的には警報によるものだよ。
束海新報警報がでても、もたもたした人が多かった。
河北新報経験のない若い人達は津波の恐しさを分らなかったんだ。
唯一の地震がともなわなかったことにもよるが、第一あの時刻に深夜営業の人々には魔の時間なんだ。死んだ人々は旅館やバーに多いのはそれだよ。
岩手日報太産の専務のとった措置等は適切だった。
河北新報心がまえもさることながら、色々な意味まで無防備状態だった。
産経新聞警報が同髄たった。
東海新報警報があったも、たかをくつっていた人があったんだ。
助役下船渡行政連絡員から消防本部に問い合せからったんだが、何も警報がないといったら不思議に思ったいた。
市町引潮を見た人はそう思ったのだろう。
NHK赤沢地区に死傷者の多いのは避難道路がなかったためだ、
岩手日報あそこは激甚地だったことにもよる。
河北新報最終的に波のあっまったのはあの地区なんだよ。しかし、笹崎、田茂山の道路は全く良かった。あの道路は褒めつくせない。
岩手日報復興が早かったのも、あの通路のためだよ。
河北新報あれは政治の良さだ。
岩手日報あのような避難道路をつくる必要がある。
局長建設省では各地にバイパス線を計面している
NHK農道もそういえる。
東海新報あの被害を見た感想を聞かせていただこう。
NHK何から手をつけて良いかわからなかった。
市長助役の落着きには全く敬意を表したい。
助役被害の報告をする際、NHKと新聞社に電話を入れればまあ万点だろう。
東海新報救護対策、救援対策のとれたのはどれ程の時間が経ってからか。
局長6時には山手の職員が全部あっまった。
助役職員の連絡にはバィクの運転できる佐々木郁夫君が来て良かった。
連絡力法は連絡された者に次の者に連絡して塔出勤するという方法をとった。
産経新聞すぐとれる体勢にはなかったのですね。
NHKそれが今もってない様に見える。この間の(10月9日)津波警報のときも市長と宿直2人でやっていた様な状況だった。
局長この対策については第三輯でまとめる予定だ。
産経新聞職員が自分の家を捨ててかけつけるということは、ちよっと酷だが、やはり一定の基準はっくっておくべきだ。
局長福祉事務所の職員に消防団員が多く出動して事務所が留守になったのには困った。
助役市の職員は消防でも使いやすいわけだ。
産経新聞応急対策では申すことはないと私は思う。不意うちだもの、
局長気仙病院の医療選が早かった。
東海新報大船渡小学校に設けられた対策本部で一番先にやったことは何か。
助役人命救助です。その次は食糧、医療だった。
岩手日報炊出しの手順はどうとれたものか。
市長この地域は習慣になっているんだ。人が困ったときはいつでも出る。
岩手日報私共には手順よく行ったのは不思議な位だった。
山口補佐驚いたのは500名の応援要請に700名も来た。
岩手日報食糧だけは順たくに行った。
助役少数の人には行がない人もあったというが、様してうまく行った。
東海新報食糧には申すことないが、避難岩は着るものがなく寒くて夜は寝られなかった。
助役住田と遠野からは町にある衣料品を全都斡旋してもらった。夜に配給したのはそれだ。
岩手日報救援物資配給は一日も早く罹災者に届ける手記をやったほしい。
助役急ぐあまり衣類は梱包のまま配給した。
山日補佐配給では大船渡地区の連絡員が一番困った。
東海新報メーカーでは災害地に向けて糸から針まで入った梱包を予め作
ったあるんだ。日本は災害国だけあって・・・
山口補佐全く感謝することが多かった。
東海新報あのようなことが一番子供たちにビットくるらしい。
河北新報太平磯で遭難したサンマ船の船主、それから大船渡港に寄港し
ている船員たち、実にありがたいもんだ。
助役全国からこのように救援の手が延びたということは合併して市になっていたからだ。
市長合併したということもあるが、これが10年前だったらどうだろう。
時代が変っていることにもよる。こうすることが自分のためになるん
だという考え力が強くなったいるためもある。
産経物資不足ではどうにもならない。
東海新報しかし伊勢湾台風のお返えしがすぐ来るとは思わなかったね。
河北新報幸か不幸か局部的に被害が多きかったことにもよる。施設でもそうだと思う。
東海新報飲料水の問題だが、第一洗水に困った。
気仙酒造のタンク車には感謝したね。それから時間給水には助けられた。
岩手日報飲料水を一升びんに詰めて配給したのは、あかぬけのした感じだった。
山ロ補佐対策五部を大船渡に直いたのが問題だった。
岩手日報これは予めはっきり決めておくべきことだ。
NHKそして罹災地には現地指揮者を置くのが本当だ。
山ロ補佐大飴雲町に置いた連絡所が弱体だった。
助役現地津波指揮としては現地に置いたのは良かったと思う。
岩手日報救援活動はモデルの様なものだった。美談も多かった。
東毒新報医療活動はどうだったろう。完壁だったね。
現地でカッパライなど聞かなかったかね。
産経新聞目に見えないが、消防や警察などの功があると思う。
東海新報流失物などで、所有権あらそいはあった。
産経新聞この大災害が終戦直後だったら大変だったろうね。
東海新報タオルー本でもけんかがあったことだろう。
山口補佐私調査に行った際本部にはとるものはなかった。ただ一関の古物
商これは説諭して帰宅したとの事だ。
東轟新穀汚物の処理について水沢の衛生車は大変協力してくれたね。良くやったくれた。
山口補佐陸前高田では汚物では一番困ったと、保健所長が云っていた。
岩手日報共同餐願便所につくる必要がある。防疫上からも必要だ。
自衛隊の風呂は良かったが、あれは落度だったと思う。
河北新報自衛隊はすべての点で良かったね。
岩手日報立根の注トン地では何をもって行ったももらわなかったそうだ。
NHK中学校の宿舎は非説力的だった。
局長被災地でない学校が、自衛隊のため学校を休むことがうまくないと職
員会議で決まったんだそうだ。
NHK自衛隊に上ばきから校庭まで整備して行った。
岩手日報盛の風呂屋では自衛隊のため大部湯が汚れていたが10人位部隊を
組んでやったくるのには感心した。迷わくをかけないためだろう。
山口補佐消防とていけいしてよくやったね。
東海新報地元の消防団は一生懸命やったが、応援にかけつけた他町村の消
防団は全く非協力的だった。トビックスをかついて歩いているのが多かった。
助役災害当日は別として2日以後の応援は弁当をもってやってくるべきだ
読売新聞その様に見られるふしが多いにあった。
助役県庁への報告は死者100名と第一報でやったが大差はなかったね。
東海気報こんあい処理には県有埋立地があったから良かったが、あれがなかったちどうなったろう。
岩手日報津彼から4カ月も経つが、あそこにつまれてあるじんあいは若干目につくね。
産経新聞あそこに手がまわる頃は復興も相当進んだ証拠だよ。
河北新報陸前高田は全部落の家庭から一人づつ出て、町の中のじんあいを処理しましたね。それを焼いた日自衛隊のヘリコプターに乗ったのだが写真などとれなかった。
岩手日報大船渡でも何時までもあのままにしておくのはうまくない。
産経新聞あそこは庭先ですからね。やはりきれいにしておいた力が良い。
河北新報しかしこの冬を越せば大概なくなるがね。
助役通産局に行っても早く処理すべきだといっている。
東海新報避難所等はどうだろう。
局長標識などつくっておくべきだ。
岩手日報2カ月に一回位は訓練をしておくべきだ。
東海新報赤沢地区は避難道路がなくて困っている様だ。
助役道路はあそこには必要なようだ。
東海新報それでは交通対策について赤崎,大船渡間の稿は早くやるべきだね。
NHKあの様な際営林署に早くできる対策を考えてもらう必要がある。
助役一般にもわからないことがあるんだ。現形復旧であると2,9OO万位いですむが、市で考える線だと一億円がいる。できるだけ国から金をもらったこれにしたい。
岩手日報復旧資材は市の山で確保できないものだろうか。山ロ補佐市でやると一万石をとってお丸必要がある。しかし営林署長の権限でやれば良いわけだが。ここの署長も大部活躍してくれている。
東海新報橋などは組立式のものをつくっておけないだろうか。橋が落ちた場合すぐこれを使う様に。住宅などもそうだ。
山ロ補佐自衛隊の様な程度でも良い。
産経新聞川口橋は永久橋にしてもやりにくい場所ですね。
河北新報セメントでは川ロ橋をやってくれないだろうか。
東渡新報住宅はやはり鉄筋紐立式の毛のをつくっておくべきだ。100戸分位いあれば良いと思う。
岩手日報仮設住宅を荷物置場にしているのが見られる。うまくない。あの間とりが又戸毎に便所があるのもおかしい。あれは共同便所で良いと思う。
河北新報長部ではお百姓さんが便所をつくってくれている。
東海新報家族の多いものには2戸位いやるわけには行かないものだろうか
山口補佐現にやったいる筈だ。
東海新報伊勢台風の被災者はまだまだ相当仮設住宅におる人があるそうだ。
市長あの様な人々は仲々でないということだ。2年でも出た人がないそうだ。
岩手日報火事など出されては大変だ。自警団を作る必要があろう。
産経新聞自力更生の力がなければ結局ずるずる入っていることになるんだ。
助役冬は寒いと思うね。
市長要保護者でも希望者があれば入れたいね。
山口補佐2年過ぎれば市の所有になるから、、、、
岩手日報災害住宅はどこでも悩みの種なようだ。
東海新報農林水産の対策で何か感じたことを
河北新報カキ資材がおくれたことだね。政府資金が遅れたことにもよるんでしようが。
産経新聞その点は役所の翁いところだ。担当者もわかっていないんだ。
岩手日報困窮者が出ることを予想したが何もない様で幸いだ。
山ロ補佐むしろ労力不足という状況だ。
助役借入金の償還がはじまると困る人のも出ると思うね。
東海新報農地は植えれば植えられたが、それをやらないところに何か農地を買収することに期待していた農民もあったのではないだろうか。
岩手日報地域的にも本当の農民心理がないのでないだろうか。小友の三日市などでは現に植えっけている。
東海新報買収の見透はどうですか。
助役よいようだ。
河北新報何かふんきりのつかない人々には、いい機会ですね。
東海新報資金の問題はどうだろう。私は各金融機関よく貸したと見ているが
NHK国民金融公庫の場合はどうだろう。
岩手日報担保のない人は困ったのではないか。
NHK多くの商店は借りたね。
助役大体のところ良く行ったようだ。
東海新報復興資金をこれ迄賃りたということはそれだけ枠を確保したということだ。これこそ大きい意味がある。それも結局順調に返済すれば
岩手日報浜の人はやはりたくましいね。いっになったら住宅が建つと思ったもう商売をはじめている状態だ。
東海新報ただ中小企業関係の融資で今日のチリ津波は50万円を限度に6分5左になったが伊勢湾台風のときはmO73Hを限度に6分5厘だった。
NHKそれでも大船渡は代議士の利用仕方は良かったと思う。
助役特別立法案では補助率がでていたが、議会に出る時になったこれが消されていた。
東海新穀応急対策は総評して何点ぐらいだろう。
産経新聞まあ努力をかった80点といいたいところだ。
東海新報市職員も初めてのことながら良くやったくれた。
市長盛の青年諸君が云っていたが、盛町があれ位いやられたらあの様な立あがりが出きたろうかった、、、一般的に自分だけ良ければ良いという考え方が変ってきている。人のためにやることが自分のためになる人だということを・・・これは最近急激に変ったきているのではなかろうか。ロータリークラブの結成で強くなったいる様だ。
岩手日報ロータリーでは現に東京からきている救援金を配分していないんでないか、おさえているということ蜀いているが。
東海新報時腿を借せば必ず形に表れるだろう。
河北新報今度の津波は大船渡市にとってはあたり具合が良かった。市の息の根をとめない程度だったから。結局はこの開発即復興という言葉、新規まきなおしということは将来の大船渡に幸いすることが多いのでしよう。
市長その気持が盛にもおこらなければならない。
河北それには町を近づけなければならないわけですね。
東海新報ではこの辺で、長時閥ありがとうございました。
終了6時34分
結び
以上各般にわたり、応急対責業務の現況と問題点について、その概要を記述したところであるが、応急対策業務の個々においては、いろいろと問題点があるが、総体的な対策は桂めて順調に進められ、予期以上の成果を挙げ得たものと考えられる。
これの原因として反省せられることは次の事項である。
(1)津波来襲の季節が春期で、然も初夏に近い時期であったこと。
(2)被害激甚地域が比較的小範囲であったこと。
(3)災害の発生が早朝であったこと。
(4)関係各機関が、その立場において極めて積極的に対策業務に専念協力したこと。
(5)市民一人一人の自発的な重力活動が積極性を極め.復興即開発の気運が市民全体の団結を強めたこと。
(6)罹災者の復興意慾が旺盗で、明朗性を失なわなかったこと。
(7)復興資金の融通が極めて唾調であったこと。
(8)県内各市町村は勿論、全国各地からの救援が豊富になされたこと。