チリ地震津波

チリ津波 太平洋伝播シミュレーション

(製作:大林組技術研究所・東北大学災害制御センター,監修:首藤伸夫)




 大きな津波にとっては、太平洋は小さな池に過ぎません。
 地球を一回りすると、4万キロメートル。大変覚えやすい数字です。 これがもともとのメートルと云う長さの基本なのです。  太平洋の平均深さは、4.2キロメートル。  では、1960年南アメリカのチリ沖合で発生した津波の長さはいくら だったでしょうか。約700キロメートルでした。つまり、日本へ向う方 向に沿って測ると、水面が上って山になり、今度は下って谷となり、 ついで回復して元の水面になるまでの水平距離が、700kmだった のです。
 チリは、太平洋の東側、日本は太平洋の西側と、太平洋の両岸 に遠く離れて位置しています。地球の反対側と言っても差支えあり ません。二つの国は、約1万7千キロメートル離れています。
 チリで津波が発生し、先づ太平洋に広がって行きます。ハワイを 通過する時点では、太平洋一杯に広がった状態になっています。 しかし、その後日本目指して集まってきます。    なぜ、そうなるのでしょうか。今、北極から出発する事を想像して下さい。 北極からどんな方向を目指して出発しても、行き着く先は南極、 つまり地球の反対側です。
チリと日本は、ほぼ地球の反対側にあります。このため、日本に集 まったのです。この間の距離は約1万7千kmでした。チリ津波の波 の長さ700kmで割り算をしてみると、24程度、つまりチリ津波は24回 ほど上昇下降を繰り返すだけで、日本に到達できたのです。 こうして、チリ津波はエネルギーを殆んど失わずに太平洋を横断し、 北海道から沖縄までの広い範囲に、大きな被害をもたらしました。 しかし、その高さは5~6mでしたから、場所場所で見ると中規模の 津波でしかありません。