1. 岩手県上閉伊郡大槌町 津波遡上シミュレーション (陸地部分)

 三陸沿岸は、この100年間に1896年明治の大津波、1933年昭和の大津波と大津波に2回、 1960年チリ津波、1968年十勝沖津波と中規模津波にも二回、小津波には数回と、何回となく 襲われています。  ここ大槌町も例外ではありません。そこで様々な対策が実施されて居ます。町を川が二つ 流れていますが、南の小槌川には津波水門が作られていますから、川に津波が侵入し川 から町へ水が溢れないようになっています。海岸に沿って防潮堤が作られており、津波の 侵入は阻止できるようになっています。 残された一つの川、大槌川は幅が広いので、水門を作らず、河川堤防の高さを嵩上げして 津波に対処することとしました。 さて、三陸地方の津波対策が本格化したのは、1960年チリ津波の後からです。とりあえず 中規模級のチリ津波対策を行い、それ以降長い年月をかけながら、昭和や明治の大津波 対策を実現しつつあります。 この2段目の津波対策にかかったとき、大槌町では問題が生じました。小槌川の水門や 海岸堤防は問題がありませんでしたが、大槌川を横切る鉄道の処理が難しかったのです。 河川堤防を嵩上げすると、鉄橋だけでなくそれにつながる鉄道も高くせねばならず、 大変な経費がかかります。これをどうするかの決定までに時間がかかります。 津波は何時来るか予想が付きません。そこで、鉄橋の横断箇所を残して、その他の河川 堤防は計画津波に対して大丈夫な高さに嵩上げしてしまいました。 このような状態で明治の津波が来襲したらどうなるかを示したのが、この数値計算です。 計算格子を細かくして、家屋一軒々々が表現されています。堤防の切れ目から津波が侵入し、 町中へ広がって行く様子に注意して御覧下さい。