2.日本海中部地震津波

1983年5月26日12時00分頃、秋田県能代市の西方沖約100km、深さ約14kmを震源とするM7.7の強い地震が発生した。
12時10分頃より津波が襲来した。
このビデオは秋田県山本郡八森町の鈴木 実さんの撮影したものである。
12時20分過ぎの第二波から撮影された。鈴木さんによると、「慌てていたため、白黒になってしまった。しかも移動の時にスイッチを切り忘れて助手席に置いたままにしたので、おかしな画像も入っている」。

当日は、快晴、無風、波浪無しの極めて良い天気であった。日本海は潮の満ち干が小さく、最も大きな時でも50cm程度でしかない。
この日何か海上に異変があれば、これは全て津波に関連する現象であった。
このビデオには、極めて貴重な情報が二つ含まれている。
第一は、津波で起こされる風、昔は「アフリ風」と呼ばれたものの確認、第二は海中にあるブロック構造物の破壊形態である。

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画面中央に砂丘を越える津波。これの侵入に伴い、画面手前の草が風になびく。
津波が来ると風が吹く。明治や昭和の三陸大津波では、津波来襲直前に「アフリ風」が吹き、家が飛ばされたとの記録が残っている。

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画面のコンクリートブロック構造物は離岸堤と呼ばれ、風波を防ぎ、砂丘への波当たりを弱める為に設置されていた。
津波が来ると、両端のブロックから崩れ落ちていった。こうした崩れ方は風波を対象とした設計法では想定されて居らず、津波に対する配慮の必要性を認識させた、最初の破壊例である。

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津波襲来と共に風に揺すられる、砂丘根元付近の草。撮影者の話によると、砂丘上に居た人の服も、津波が来ると風でなびき始めたと云う。この時の津波高は、推定で約3m程度。

撮影者  鈴木 実
当時の住所:秋田県山本郡八森町