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だれが片付けるイカダの残がい 橘の水田を埋める 真珠貝カキも 八十万個バラバラ

橘町鵠の水田に散らばった真
珠イカダのざんがい
阿南市橘町鵠、福井町後戸両地区の水田二十数ヘクタールはチリ地震津波で押し流されてきた橘湾の真珠貝
一千個とその養殖イカダ三千台、カキ八十万個と養殖イカダ百八十台がバラバラに散らばっている。
取りのける方法がないので、十日もたってまだそのままだ。養殖業者、農民、市当局が三すくみ、田植
えを前にして頭をいためている。
一帯の水田はまだ水びたしのま
まだが、自衛隊の手で潮止め堤防
ができ、あと水門をつくって干潮
時に締め切ればいいようになって
いる。ところが潮が引いても、こ
んな状態ではつかいものにならな
い。農民たちから「田植えもでき
ん。早く片付けてくれ」と市へ訴
えしきりだ。四十一の養殖業者は
「早く集めないと貝が死んでしま
う」と、津波の引くのを待ってひ
ろいにかかったが、バラバラにな
った貝や使い物にならぬ竹イカダ
までは手がまわらない。
 しかし、市当局は①養殖業者に
取りのけさせるのは不可能だ。全
滅の被害を受けているのでそんな
経費がないし、四十一業者のイカ
ダや貝が区別のつくはずがない②
といって国や県が補助を認めてく
れない限り、市から出す金はない
—と頭をかかえている。
 阿部阿南市商工水産課長の話
「おたがいが、ゆずりあって解決
すべきだと思う。たとえば、お百
姓が跡片付けをするかわり、養殖
業者が労賃の一部を出す—という
のも一方法だろう。県の水産課へ
援助方を要望しているが、いまの
ところどうなるかわからない」