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天 災 の 克 服 の 支 援  隣 人 愛 の 總 動 員   本 社 へ 委 託 金 殺 到     首相、閣僚も金一封 同情に泣く三陸の民

 三陸地方の震災は日を追ふに從ひ山村僻地の被害状况漸次
    判明しその慘害の意外に激甚であるため關東震災及
 び伊豆震災に次ぐ近來の慘害なりとなし各方面の同情を集
    めつヽあり三陸の人々も感泣してゐる、本社募集の
 震災地見舞金も取扱ひ最初の四日以來別項の通り續々申し
    込みをみてをるが
 なほ本社伊藤内國通信部長は本社醵出の金二千圓
 と四日受付けの義捐金とを携へて四日夜十時丗分
 發で三陸地方の震災地へ急行した、一方官廳、會
 社、工塲その他各家庭から直接慰問の金品の急送
 や醫療機關の動員など隣保愛の美擧が企てられて
 ゐる、以下その數々……

大金侍從出發
畏きあたりから震災地へ御差遣の
大金侍從は野上屬を從へ四日午後
十時半上野驛發靑森行急行で仙台
にむけ出發した (寫眞は昨夜上野
驛にて大金侍從
上野驛の雜沓
上野驛小荷物掛には慰問品が續々
集まつてゐる、東京市の慰問品の
ミルクを詰めたビール箱四十箱、
匿名市民の衣類、寢具廿點、警視
廳からのテント、寢具類六十七個、
赤十字社の救恤醫療品など小荷物
掛はテンテコ舞だ
鐵道運賃免
鐵道では震災地への救恤品や復興
建築材料の運賃を(甲)罹災者救恤
用寄贈品(乙)復興建築材料の二品
目にわけ甲は四日から五月三日ま
で、乙は四日から七月三日まで運
賃の免取扱ひをする事になつた

(続き)

白鳳丸急行す
農林省は四日調査員を出したが主
として漁村に損害が多かつたので
救恤品を滿載した白鳳丸を至急に
出航させることになつた
小學生の義金
四日午後下谷尋常小學校五年生か
らなる昭生會五十四名は三陸地方
の慰問金として三圓を上野署へ、
芝區櫻川小學校三年生丸山只雄(一
〇)君はお小遣ひを一錢づヽためた
八十五錢を慰問金として愛宕署へ
愛婦會の活躍
愛國婦人會では四日岩手縣支部へ
取りあへず二千圓を電送、なほタ
オル一萬枚、毛布五百枚を岩手、
宮城兩支部へ送つた
防疫監吏增置
内務省では丹羽社會局長官が四日
午後十時半上野驛發で被害地に急
行した、更に傳染病豫防の應急醫
療處置として 岩手縣に 防疫醫五
名、防疫監吏十名、宮城縣には醫
師三名、防疫監吏六名を增置する
社會鍋の活躍
全日本私設社會事業聯盟は北越常
務を慰問使として急派しその報告
により 醫療 救護の大活動をする   
ことになつたが 救世軍 本營でも  
東北聯隊長張田中校ほか數名の士
官が釜石に急行、五日から市内の
街頭で慰問金集めの社會鍋を出す
計畫
三井家三萬圓
安田生命は十數名の醫療救護隊を
組織し四日夕出發、また三井家で
は三萬圓、三越では二千圓の見舞
金をそれ々々内務省に傳達をたの
んだ

(続き)

出征家族慰問
陸軍では滿洲出征兵の多くが三陸
地方の出身のため特に力をいれ四
日被服本廠から毛布製防寒具七千
着を岩手縣へ急送、なほ出征兵士
家族慰問のため陸相代理谷軍事調
査委員長が四日午後十時卅分上野
驛發列車で被害地へ向つた
閣僚も義捐金
齋藤首相は三百圓、一般閣僚は百
圓づヽ震災義捐金として醵金、芝
區赤羽町一財團法人濟生會は紀本
醫療部長が袷、シヤツ、毛布など
を多數携帶して四日夕現地に急行
代議士連起つ
東北出身代議士は四日院内に災害
對策協議會を開いた結果東北を特
別行政區として復興するに意見一
致、十三日に上京する東北各町村
長と協力して運動する事になつた
簡保非常拂出
簡易保險局では加入者中の死亡、
行方不明者の慰問をかね特に保險
金の非常拂出しをするため監督課
監督係長松原正行氏ほか九名が四
日午後一時半上野驛發急行した
政府米を急送
農林省では三日夜取敢ず東京米穀
事務所所管政府所有米白米一千石
を四日 午後五時 秋葉原驛から岩
手縣一關に向け發送したがこれは
岩手縣のみに對する供給分で特派
員からの報告につれ宮城、靑森兩
縣へも追送することになつてゐる

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 國富技師と共に行く    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 最高の津浪は
  物凄し百五十尺
    海濱に魚の死骸累々
     氣仙沼にて 安養寺特派員發
中央氣象台地震係主任國富技師一
行の大津浪の調査隊と同行して陸
前東海岸の被害地を探る──第一
日目の四日午後二時半宮城縣本吉
郡志津川町に到着、その第一歩を
ふんで順次細浦、小泉、大澤、平
井戸、大谷、名脚等怒濤に洗はれ
た各地をフヰルムにをさめる實地
調査によつて  名脚→名足
最 大 の 波浪は大谷
村に押よせた百五十尺のものであ
つた
 漁夫達が鮫漁に出漁せんとした
 時、突然潮が引き三分後約十八
 町沖にある黑大丸岩付近にあた
 つて大きなうなりを生じあはだ
 つを發見、古老が津浪と叫んで
 直ちに警鐘を亂打、住民を裏山
 に避難させ幸ひに死傷者はなか
 つたが六戸の民家が忽ちのうち
 に波にさらはれたのであつた
名足では一丈六尺の津浪が押寄せ
不 思 議 なことには
かれひ、たひ、ひらめ等の魚の外
たこ、あわびまでが死骸となり累
々と海岸に打ちよせられてゐた、
只越では南側廿戸が流失廿九名死
者を出したが北側は不思議に助か
つてゐた浪の變動が及ぼす大きな
實例として國富技師は調査した
 こヽでは發動機船(廿トン)が船
腹を横倒しにして山の中腹に乘
 り上げ當時如何に物凄かつたか
 が窺はれる
第一日の調査により今回の津浪は
三日午前二時卅二分地震發震後何
れも卅分の後に潮が數町沖合へ引
き三分から五分までの間に東京市
内を走る
自 動 車 の速度位で
第一回が押寄せ次いで二回、三回
約五回押し寄せたが第二回目のも
のが一番巨浪であつた海岸線約十
里に亘る各港の第一日の調査によ
つて被害地の大なるものはV型の
灣即ちイヤス式の海岸線で然も遠
淺の最もひどいことが發見された
これは將來の築港上重要な問題で
ある、氣仙沼の日野屋旅館に落付
いた國富技師は語る
 意外な被害に驚いた、遠淺な灣
 が一番被害がひどい、これは將
 來の築港上重大なる問題である
 われ々々は今度の津浪により敎
 を受けた今度の災害を文化施設
 に報いたいのはこの經驗から割
 り出して行くものであらう、何
 れこヽ數日最も被害のひどい灣
 の地形及び水深を充分測定して
 確實な論據をしめしたい

三陸 震 災 義 捐 金 本社委託(四日)

金二千圓 東京日日、 大阪毎日新聞社
金一百圓 日本橋馬喰町 平尾賛平氏
金一百圓 目黑下目黑 小安藏之助氏
金一百圓 日本橋兜町 中西■義商店々員一同
金一百圓 本所兩國驛前兩國運送店 山田友次郎氏
金一百圓 日本橋大傳馬町 日本製紐株式會社社員一同
金一百圓 麻布今井町 中山佐市氏
金一百圓 小石川の無名氏
金一百圓 小石川原町京華高等女學校職員生徒一同
金一百圓 麹町中六番町千代田高等女學校、
千代田女子專門學校奉仕會
金一百圓 上野驛員一同
金七十圓 牛込加賀町株式會社秀英舎内秀友會
金五十圓 神田西小川町東京看護婦學校教職員生徒一同
金五十圓 日本橋大傳馬町日本製紐株式會社職工一同
金四十圓 丸ビル 淺村特許事務所
金 卅 圓 赤坂新町 杵家彌七氏
金卅圓 世田谷代田一 岩崎淸一氏
金卅圓 赤坂仲町日本大學第三中學校職員生徒一同
金卅圓 世田谷池尻 九豐堂藥局
金廿圓 淺草永住町 菅原兼三氏
金廿圓 麹町内幸町 中元藤一郎氏
金廿圓 京橋銀座西一丁目 吉川春次郎氏
金廿圓 世田谷奥澤町 牛丸文子氏
金廿圓 京橋入船町 黑澤愛三氏
金廿圓 麻布竹谷町 松尾工塲社員一同
金廿圓 日本橋小傳馬町 橋本政次郎氏
金廿圓 淀橋下落合 立花安三郎氏
金廿圓 大森馬込東馬込銀座會
金廿圓 神田佐久間町 宇山繁氏
金十六圓 芝新橋東京工機製作所内
山内虎太郎氏ほか十五名
金十六圓 東京市京西尋常小學校職員一同
金十五圓 下谷長者町 北口卯太郎商店々員一同
金十五圓 三井鑛山社内親和會
金十二圓九十錢 東京合同運送會社汐留支店
到着特別小口係一同

(続き1)

金十一圓卅八錢 下谷御徒町一丁目 林屋商店加工部員一同
金十圓廿錢 本鄕駒込林町長谷川クリーニング店員一同
金十圓十五錢 日本橋小舟町神永商店廣告マツチ部從業員一同
金十圓十錢 埼玉縣秩父町いづみや呉服店有志
金十圓 東京鐵道局大井工塲 岩手縣人會
金十圓 七軒町椿脱膓帶製作所
金十圓 永田町山王ホテル 野田斧吉氏
金十圓 入船町黑澤愛三商店々員一同
金十圓 槇町山田商會社員一同
金十圓 西久保廣町 宮本田鶴子氏
金十圓 榎坂町恒春社印刷所 福田勝次郎氏
金十圓 龜澤町 井川政次郎氏
金十圓 竹町 住人氏
金十圓 日本債券月報社
金十圓 原宿 塚本槌三郎氏
金十圓 巣鴨 日本警務學會 淺井忠吉氏
金十圓 横濱市南仲通 吉村梅吉商店 「横濱支局扱」
金十圓 長崎東町 堀江平重郎氏
金十圓 淺村良次氏
金十圓 茅町 日本理髪器具株式會社々員一同
金八圓五十錢 東京日日新聞京橋出張所星辰寮員一同
金六圓九錢 無名氏
金五圓五十二錢 小川町 原久洋服店一同
金五圓五十錢 陸軍經理局建築課 第四部有志
金五圓 奥澤町 畔柳三男三氏
金五圓 六本木町 子安藥局
金五圓 マスキタ
金五圓 銀座 日野屋洋紙店方 粕谷七郎氏
金五圓 向島須崎町 野村龜吉氏
金五圓 濱町 齋藤瑞詮氏
金五圓 横濱市松本町 高橋圭次氏
金五圓 寳町二 金子梅吉氏
金五圓 横濱市相生町三關東病院 信夫忠藏氏
金五圓 東京府立第六高等女學校第三學年 イ組一同
金五圓 南茅塲町松井株式店内 泉則吉、 小林繁成兩氏
金五圓 上根岸町 有樂社
金五圓 尾久町 大谷木香■子氏
金五圓 元濱町 星野商店二部會
金五圓 小川町 笹間繁氏
金五圓 千代田高女生 山口由利子氏
金五圓 東兩國 田村文庫紙店々員一同
金五圓 淺村成久氏
金五圓 金杉濱町 平野豐氏

(続き2)

金五圓 滋賀縣阿彌陀堂出身者 東盛會
金五圓 佐久間町四丁目 宇山信氏
金五圓 元久右衛門町 杉浦廣次氏
金五圓 神奈川藤澤町 國井定子氏
金三圓 下落合 靑柳吉次郎氏
金三圓 中野昭和通 森下せい氏
金三圓 上根岸町 花俣禎治郎氏
金二圓五十錢 日本橋三越御買上品 御渡所一同
金二圓四十四錢 吾嬬第三小學校 菊地歌子氏
金二圓 小石川區 秋山氏
金二圓 新宿四丁目 小口坂太氏
金二圓 海上ビル新聞賣店 宮澤氏
金二圓 龜町 原田建具店主人外七名
金二圓 今川小路 小泉利子氏
金二圓 新堀町 志田實氏
金二圓 丸ビル七尾セメント會社 田中三郎氏
金一圓五十錢 大井町大井小學校第四年生 堀江滿早子氏
金一圓五十錢 大井尋常小學六年生 堀江富士子氏
◇金一圓廿八錢 岩淵町一 栗山氏
◇金一圓佐久留町宇山道氏◇金一
圓元柳原町赤山商店内岩本繁氏◇
金一圓高等師範一生徒◇金一圓東
日理髪部福川孝一氏◇金一圓無名
氏◇金一圓無名氏◇金一圓瀧野川
町鈴木友次郎氏◇金一圓入船町黑
澤久男氏◇金一圓入新井第四小學
校六年近藤冨美代氏◇金一圓東松
下町與眞舎内川和王吉氏◇金八十
錢向柳町林重七氏◇六十七錢淺村
茂代氏◇金五十錢大井瀧王寺町小
林末長氏◇金五十錢連雀町高瀬誠
之助氏◇金五十錢大井森下町大宅
茂氏◇金五十錢馬込町刈部俊二氏
◇金五十錢美土代町萩原製本工塲
早川良平氏