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チリ地震津波からドラマ化

災害者の悩み訴える
あす五日と十五日の夜の二回に
わたってNHK第一放送で、さき
ほどのチリ地震津波を現地に取材
したドキュメンタリー・ドラマが
放送される。第一回は田辺まもる
作の「苦い潮」(後9・20−10・
0)、十五日は石山透氏の作(後
8・0−8・30、題名未定)。い
ずれもなまなましい災害地の人た
ちの姿を浮き彫りにしたものだ。
◇第一回の「苦い潮」は災害のあ
った直後の二十七日から四日間、
被害の多かった岩手県大船渡市と
陸前高田市、それに宮城県志津川
町を田辺まもる氏が足まめに
取材したもの。物語は津波の前夜
からチャカ船であなご漁をしてい
た陸前高田市小友(おとも)部落
の佐藤勝夫さん(三〇)の恐ろしい体
験談と、こんどで三度も大津波
にあったという黄川田熊蔵さん(八
〇)の話を中心に、この地方の沿
岸漁業の悩みや被災した寒漁村の
姿を訴えていく。チャカ船から津
波でまたたく間に家屋が押し流さ
れる陸の模様、「津波の被害のな
いもっと安全なところに移りたい
が、この土地にしがみついて生き
るほかはない」などといった、血
のにじむ漁民たちの声を入れ迫力
あるものにしているという。
◇「苦い潮」が津波の災害を通じ
て、零細な沿岸漁業といういちじ
るしく社会的な問題にスポットを
あてているのに対し、二回目は
人間の善意、愛情といったものを
取り上げる。石山透氏の取材地は
宮城県志津川町。自分の家が流さ
れるなかを、近隣の人たちに津波
を知らせて歩いたという、同町の
漁夫窪田喜一さん(三〇)や、母親
の死にも屈せず最後まで責任を果
たした地元警察の女子職員などの
話を中心にして描くという。