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災害の関西へ衣・食を急送毛布や肌着類

商工省から無料で配給
商工省では地震と津浪
の被害地に救援衣料を
送ることになり二十三日そ
の数量、方法を決定し
た、和歌山、高知、徳
島、兵庫縣の淡路島に
ついては商工省が直接
衣料を出し、その他の
府縣には各府縣廳がそ
れぞれ出すことになつ
た、商工省救援衣料は
四縣の被害者を一億三
十万人と見て、被害者
各人に毛布、はだ着
(メリヤスか布吊)、足
袋またはくつ下を各一
着ずつ作業衣、てぶくろは三
人に一着の割合で、無料で配給
する、現物は大阪その他の在庫
品を当てることとし、同省繊維局
田中事務官、荻原技官ほか繊維協
会、日本織物、日本衣料、メリヤ
ス各会社等の係員が二十四日午前八
時半東京発列車で西下した

乾パン・かん詰放出 まず現地物 次は東京から

厚生省では二十三日、和歌山、徳島、高知の三縣に事務官を
派遣、見舞うと共に衣、食、住、について被害者に対する応
急措置として次の対悪を決定した
 ☆衣料 災害地府縣並に近接府
縣で保有する衣料を放出すると共
に中央から三十万枚の毛布、三十万組
の被服を緊急輸送し、また元禁衛
府から戦災引揚者用として保有傳
換を受けた被服類と元田辺引揚援
護局保有の被服類合計約十九万点
を和歌山、高知、徳島、兵庫(淡
路島)へ送付した
 ☆食糧 一般困窮者救済用とし
て保有していた元軍用乾パン、か
ん詰を放出、不足分は隣接府縣か
ら支給、大阪府の保有分の中から
乾パン三〇、〇〇〇キロ、かん詰五
五、〇〇〇キロを和歌山縣へ、高
知、徳島両縣には五六、〇〇〇キロ
を、兵庫縣には縣保有の乾パン、
かん詰二六六、〇〇〇キロを手配
した
 ☆住宅 緊急生活援護事業及び
越冬対策の計画の一部を変更、被
害者の申出によつて収容するやう
指示した、なお「被害救助基金法」
により支出する救助資の限度を生
活保護法の扶助額を目標に引上げ
支給する
 復興院次長談 対策は二十四日の
 協議会で大体の方向が決り具体
 的なことは大阪で開く地方長官
 会議で決めるが、全壊、焼失で
 家を建てる場合も現行臨時建築
 制限令でやはり十五坪までだが
 地方長官の許可を得れば建てる
 ことが出来る、資材は他の応援
 もむずかしいからその縣で何と
 かするほかあるまい

防疫陣も活動開始

厚生省内に「関西震災防疫対策本
部」を新設、本部長の石○防疫課
長は二十三日夜現地に急行した
☆救護衛生材料 大阪、名古屋、
 松山に駐在する防疫官を現地に
 急行させ、日赤本社から十五名
 編成の救護班が三班東京を出
 発、そのほか隣接府縣から震災
 縣に手持衛生材料を流用、放出
 する

米医薬船和歌山へ

【渉外局二十三日発表】第八軍事指令
部軍政部長レックス・ビーズレー
大佐は二十三日次のごとき声明を発表
した
 救急医療品及び食糧品を積んだ
 LST型船が和歌山湾に急派さ
 れた一ヶ月分十万名分の医薬品
 の包み十三個が日本側から被害
 地へ送られた、その中三個が同
 船に積まれている

死者千五百名

二十三日 被害集計
南海大震災の被害は二十三日午後四
時までに二十四府縣から、内務省に
報告されたものの集計次の通り
(和歌山縣田辺以南及び高知、
徳島の一部報告未着)
 △被災者八七七五四△死者六八
 〇△負傷者八四〇△行方不明一
 四一△家屋全壊五八三五△家屋
 半壊一二六一七△同流失二〇七
 八△浸水家屋二二五四〇△船舶
 流失二〇八〇

不通鉄道

二十三日正午現在
二十三日正午現在運輸省保安課調べ
によると地震による鉄道不通箇所
は次の通り
 ▽紀勢西線 紀伊田辺、木ノ本
 間、開通見込不明▽土讃線 朝
 倉、土佐久礼間開通見込不明△
 山陽本線 玉島、西阿知間上り
 線、単線運傳中で全線開通は二十
 日後の見込み