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奇妙な現象  震災地岩手県は却って増加   六県預金の増減

東北六県の郵便貯金は三月も下旬となってから一斉に歩調を揃えて減退し出したが奇妙なことに震災の総本家たる岩手県が独り預金の増加を示している、二月末と対比し三十日現在における東北各県における預金の増減左の如し
 宮城県  一三七、六二六円減
 福島県  四七三、八六九円減
 青森県   九三、四七七円減
 山形県  一六五、〇四一円減
 秋田県  一〇〇、九〇六円減
 岩手県    三、四七七円増

郵便非常払出  きょう限り中止

三陸沿岸罹災者に対し既報の如く四十三の郵便局では三月四日以来一斉に郵便貯金の非常払出を行って来たが今三十一日限り中止することになった、三十日現在調査に依ればこの期間中非常払戻を受けたものは七百二十八件二万七千五十六円で一口平均三十円の払戻を受けた計算になる、
 金額から見ると頗る僅少であるが今回程非常払出が細■階級に利用された例がなく、五円以下七、八十銭と言う零細な貯金がドンドン引出されて行ったと貯金局では言っている。